雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

ファハルド、今度は2位!

ファハルド

2位に入ったファハルド

 アダム・ラガの勢いはまったく衰えがない。開幕6連勝、しかも、まったく危なげがない。ラガの連勝をストップさせるのは誰かというのも興味の的だが、むしろ誰が2位になるのかに興味が移ってきた感じもある。そして今回の2位は、若手のホープ、ジェロニ・ファハルドだった。


 今回のワイルドカードライダーはタデウス・ブラズシアク。そのタデウスが、まずクォリファイでがんばった。なんと、レギュラーメンバーのフレイシャを7位に追いやり、藤波とのダブルレーンに勝利し(藤波はクォリファイ通過がままならぬのを承知で、総合結果でタデウスに負けないように走った結果だったが)、6位の好結果を得た。昨シーズンの結果を見ると、ワイルドカードのライダーはレギュラーの6人に次いで、7位か8位となるのがふつうなのだが、今回のタデウスはトニー・ボウが4位になったのに続いて、レギュラーを食った二人目のワイルドカードライダーとなった。
 とはいえ、フレイシャが悪すぎたという見方もある。このところ、モンテッサチームはどうにもぱっとした成績が上げられない。今回はランプキンが一人で気を吐いたが、フレイシャの落ち込みぶりを見ると、4ストロークの今シーズンの戦いぶりに不安をいだく人も少なくないのではないだろうか。

ランプキン

大健闘のランプキン。今シーズン、マインダーは
ダン・ヘミングウェイが担当する。

 実際、インドアのセクションではマシンの特性のちがいによって、ガスガスだけが登れるところ、2ストロークに登りやすいところという設定があるようだ。ファハルドの好成績は、そのアドバンテージを生かしつつ、同じマシンに乗るチャンピオン、ラガのアドバイスを受けた結果のものという気がする。
 モンテッサチームの不振は、しかしマシンの絶対的パフォーマンスの問題というより、そもそも試合に臨む体制ができていないという点が大きい。モンテッサコタ4tは、市販の最終仕様が決まったのが10月ごろのことだから、ワークスマシンの開発は、それから始まっていると考えられる。時間は、充分ではない。インドアの世界選手権は、つまり試合を戦いつつも、実は実戦テストをしている意味合いもそうとう強いといえそうだ。しかもロシアや今後開催されるアルゼンチンなど、遠方の開催地の場合は、スペインの地元でのテストの進展を考慮して、テストとは関係のない市販車ベースのマシンで戦うことになっている。自分にぴったりのマシンに乗り込んでいるライバルに比べて、モンテッサの3人のハンディはそうとうに大きい。

ロシアにて

イサーク宮殿前の7人のサムライ

 そんな中、今回のランプキンはかなり優秀だった。クォリファイの走りを見る限り、優勝を充分狙える走りだった。ランプキンのこのマシンも、市販車ベースだ。つまり市販車ベースのマシンも、ポテンシャルはラガと2ストロークに真っ向から戦えるものを持っているということだ。市販車とワークス(といっても、今はまだフレームは市販車ベースのものらしいが)の乗り換えをスムーズにこなしたランプキンがチームの中で一人好成績を挙げ、乗り換えにつまずいた二人が成績を落としたという背景の模様。
 ファイナルでは、優勝候補でもあったランプキンが失敗を増やして、ガスガスチームのワンツーフィニッシュとなった。次のイタリア(ミラノ)大会、モンテッサの逆襲なるか、今シーズンはじめてクォリファイで試合を終えたカベスタニーが雪辱をはらせるか、ラガはどこまで勝ち続けるか、インドアシーズンは終盤に入っている。

(取材班がロケに出ていたため、ニュースが遅くなりました。ごめんなさい)

世界選手権第6戦結果
ロシア・サンクトペテルブルグ

ファイナル
1位 アダム・ラガ ガスガス 7
2位 ジェロニ・ファハルド ガスガス 15
3位 ドギー・ランプキン モンテッサ 22
クォリファイ
1位 アダム・ラガ ガスガス 2
2位 ドギー・ランプキン モンテッサ 6
3位 ジェロニ・ファハルド ガスガス 8
4位 アルベルト・カベスタニー シェルコ 11
5位 藤波貴久 ホンダ 19
6位 タデウス・ブラズシアク ガスガス 20
6位 マルク・フレイシャ モンテッサ 30
ランキング
1位 アダム・ラガ 60
2位 アルベルト・カベスタニー 43
3位 ドギー・ランプキン 33
4位 藤波貴久 28
5位 ジェロニ・ファハルド 27
6位 マルク・フレイシャ 21
7位 トニー・ボウ 5
8位 タデウス・ブラズシアク 5
9位 ジェローム・ベチューン 5
10位 野崎史高 1