09ガスガス
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TXT Pro 300 Raga
ガスガスの2009年モデル。先にサイドバルブ式4ストロークの諸元をご紹介したが、4ストロークの登場は望み薄。
ということで、2ストロークのラインナップのご紹介。実はというか意外にもというか、125cc以下のモデルの充実が光っている。
2009年モデルはフレームが丸パイプとなりさらに軽量化が進んだ。それにより、エンジンの搭載位置も若干変更されている。
ラガ300は、マグネシウム含量の多いクランクケースなどを多用して軽量化に努めているが、2009年モデルの写真からは、(少なくとも)リヤホイールにDID製リムを採用したのが見てとれる。ラガのマシンには、2007年からDID製(HRC/モンテッサが従来より使っていたもの)を使っていたが、ラガモデルのみとはいえ、市販マシンにもDID製リムが採用されることになった。
チタン製エキゾーストパイプなども使用されて(オプションで販売されているものと同じと思われる)、ラガモデルはフラッグシップマシンとして、充実した内容を誇っている。
丸パイプのフレームは、ラガのワークスマシンで最初に使用され、次いで08年からガスガス入りしたフレイシャが先行テストしてきたものだ。フレーム単体で1kgの軽量化を実現し、この軽くなったフレームに合わせて、エンジン位置は若干下に下がり、後方方向にやや回転したという。このフレームまわりの変更は、全車共通だ。
TXT Pro 125 R
そのラガモデルと、内容的には変わらないのが125のレーシングモデル。マグネシウム使用量を増やして軽量化し、昨今先鋭化しているユース125クラス用マシンとして特化した諸元となっている。
エンジンのチューニングもユースクラスに合わせたものとなっていて、鋭い吹け上がり、高回転のパワーなど、一昔前の“入門用”125ccマシンの印象はない。さらに2009年モデルは、従来モデルよりも低速域のトルクが増大している印象。一時、125といえば少ない排気量から徹底してパワーを絞り出している印象だったが、これなら再び初心者・入門者にも安心して乗れるマシンとなっている。
もちろんこの125ccが最適なのは初級者だけではない。なんせレーシングモデルはユース125クラスでも大活躍しているのだから、そうとうなポテンシャルを持っているのは誰の目にも明らかだろう。ヨーロッパで、次世代を担う若手ライダーを次々と輩出している125ccマシン。その教育的存在意義に触れてみるのは、乗り手がたとえ若くなくても、大きな意味を持っている。
TXT pro 250
日本では主力機種の250。海外(特にイタリアやスペイン、フランスなどの南ヨーロッパ)で人気の280とはほぼ同じスペックを持つ。素材が一部異なるだけで、ラガモデルや125レーシングなどとも基本構成は同じ。
125同様、全体にトルクがアップした印象はある。走らせてみての印象はやはり軽いこと。諸元上の軽量ぶりも一番なのだが、ガスガスは乗り味を軽く見せることに長けている。軽さを手っ取り早く実感したいのだったら、ガスガスは最右翼となるだろう。
TXT Cadet 80
さて、これが新機種。これまで、ガスガスの入門用カテゴリーとしてはボーイとルーキーがあったが、このカデットはその両者を埋めるべきカテゴリーのマシン。ルーキー(今回は写真がない)はフルスペックのシャーシ(21インチと18インチのホイールを持つ)に50ccや80ccのエンジンを積んだもので、エンジンが小さい以外は兄貴分のTXTシリーズと同じ雰囲気を醸しだしていた。
カデットはルーキーのエンジンはそのままに、少し小さなホイール径のシャーシに搭載した。ボーイは自動遠心クラッチが装備されているが、カデットはマニュアルクラッチだから、ボーイでオートバイを走らせることに慣れた子どもが、クラッチワークを覚えようとするには最適のマシンだ(ボーイからルーキーだと、車格が大きくて、背の小さな子どもでは持て余すことが多い)。
こういうマシンが、日本でたくさん売れるようになると、トライアルの世界も楽しくなるし、ひいては次の世代の世界のトップランカーも育つようになるのだが……。
TXT Boy 50
従来より販売されていた小さな小さなトライアルマシン。といっても、ブレーキやサスペンションは本格的トライアル指向。このマシンの特色は、クラッチが遠心式で、ミッションが2段しかないこと。2段といっても手動で切り替えるものだから、トライアルに使うのは、実質シングルスピードになる。
遠心クラッチだが、クラッチレバーがついている。エンストの心配はないけれど、必要に応じて半クラッチを使ってパワーを引きだすことができるという、大人の初心者にもつけてあげたいような装備だ(ボーイはなんせサスセッティングが子ども用だから、いかにダイエットしたおねえさんでも、まともに乗れる仕様ではない。念のため)
各マシンのお値段は次の通り
| マシン | 車両本体価格 | 消費税込 |
| TXT 300 Raga | 838000 | 879900 |
| TXT 280 | 831000 | 872550 |
| TXT 250 | 819000 | 859950 |
| TXT 125 Racing | 850000 | 892500 |
| TXT 125 | 765000 | 803250 |
| TXT ROOKIE 70 | 546000 | 573300 |
| TXT KADET 70 | 516000 | 541800 |
| TXT ROOKIE 50 | 539000 | 565950 |
| TXT KADET 50 | 493000 | 517650 |
| TXT BOY 50 | 389000 | 408450 |
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2008年07月28日
09BetaEVO-2T
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08年世界選手権最終戦の会場でベールを脱いだベータの新型マシンEVO。
革新的軽量コンパクトフレームを持つベータの意欲作だ。
EVOは、見てのとおり、これまでのベータとは別物に仕上がっている。2年前、REV-3がフレームを全面変更したけれど、見た目は従来モデルのREV-3と大きな変化がなかったのに対して、今回のEVOはどこからどう見ても大変化。今までのベータの流れを無視して考えてみても、トライアルマシンとして意表をつくフォルムをはなっている。
考え方としては、これまでもベータは、フレーム内に燃料タンクを持っていたから、EVOのこのシステムも、特に驚くべき設計思想ではないのかもしれないが、これまでフレーム内に入っていた電装関係をすべてフレームの外に出し、メインチューブの寸法をぎりぎりまで切り詰めたところが新しい。
ベータといえば、ジョルディ・タレス、ドギー・ランプキンと二人の偉大なチャンピオンを育て、また独特の粘り強いグリップを発揮することで知られている。反面、ここ数年は、重量的なハンディは否めないということになっていた。REV-3が全面改装を受けたのも、フレームを一新して軽量化を目指したからだ。しかし新REV-3からたった2年、ベータはこのような革新的マシンをデビューさせた。
極限までウェイトをしぼりとったフレームワークは、それでも2.6リットルの燃料タンク容量を確保している。左右幅はスリムだが、キャブレターのすぐ上まで燃料タンクがのびてきていて、最大限に容量確保を追求されている。
エンジンは、基本的には従来のエンジンと同じ形式のものを使用するが、ピックアップコイルの移動があったりして、クランクケースにも若干の手が入っている。イグニッションシステムはハードとソフトの2パターンが選べるようにもなり、エンジン性格も変更を受けているようだ。
フレームは、1月から生産を開始するという4ストロークマシンと基本的に共通となるということで、スイングアームもチェーンラインが左右のどちらでも使えるようになっている。
これで重量は、2ストロークの250と290が69kg、4ストロークモデルは71kgと発表になっている。最軽量の4ストロークマシンの誕生ということになる。さらにベータでは125ccも用意していて、こちらはさらに軽量の68kgだ。
これらEVO 5兄弟の中で、最初に日本に上陸したのは250と290。リヤフェンダーに貼られたステッカー以外は、見分けはつかない。
左側にあるキックはベータユーザーならおなじみ。右足と同じように、左足でするりとキックできるようになれば、ベータ入門の第一歩は合格。慣れてしまえば右も左もおんなじなのだが、最近はキック始動をしたことない人も世の中に増えているから、そういう人にはちょっと苦労していただくしかない。ちなみに4ストロークはよそのマシンと同じく右キックで、リヤブレーキをかけながらキックができるという技は使えない。
フットレストに立つと、スリムなボディと思いきや、意外に足下のポジションが大きいのに気がつく。フットレストの幅は、広いといわれているRTL-Fよりもさらに広いそうだ。この幅広ポジションで、抜群の安定感を発揮するようになっている。
フットレスト幅だけではない。EVOは全体にポジションが大柄だ。ドギー・ランプキンや門永哲也さん(ベータ・モーター・ジャパン代表の国際A級ライダー。長身を誇る)ならすんなり乗れそうだが、平均以下のサイズの人々は、ハンドルの変更などを考えたほうがいいかもしれない。
その印象に輪をかけるのが、思い切り切れるハンドル角。ハンドルストッパーはいっさいないから、ボトルブラケットとフレームが干渉するところまで、するすると切れる。感覚的には、ハンドル切れ角が90度もあるような感じだ。いっぱいに切ると、アウト側のグリップははるか彼方になる。ちょっと乗れる人ならハンドルだって切れれば切れたで困ることはないはずだけど、手が届かないというのもうれしい悲鳴ではある。
股の下から聞こえるエンジンの響きは、どうもこれまでのベータサウンドとはちょっとちがうような感じ。クランクケースにも手が入って、エキパイがちがってサイレンサーも変わり、音色が反響するであろうフレームワークも一新されたのだから、同じ音がするほうがおかしい。
ただし自分で乗るのではなく、外から聞いていると、そこはやっぱり聞き慣れたベータサウンド。基本的なエンジン特性などはこれまでの流れを守っているから、当然かもしれない。
走ってみる。2009年モデルから、270が290になった。スペック的にも289ccと掛け値なしの290だ。なので290がパワフルなのは当然として、250がなかなかパワー感あふれる仕上がりになっている。それも扱いきれないパワーではなく、ベータらしいしっとりした特性を発揮しながら、元気のよさをきっちり出したという感じで、この味わいも、今までのベータにはないものだ。
これは当然、フレーム関係の軽量化が大きく寄与しているものと思われる。加えてエンジン本体にも改善の手が伸びているのだから、パワー感の改善も納得できるところだ。
69kgという、トライアルマシンの中でも最軽量ランクに入る(諸元上、最軽量はガスガスの68kg)軽量っぷりは、乗ってすぐに実感できる感じではなかった。マシンが軽くないのではなく、安定感を狙った操安特性ゆえ、ことさらに軽さをアピールされることなく、自然にマシンを走らせることができる。もちろん、これまでとはちがう軽量ぶりは、実はなにをするときにでも変化となってライディングに現れているので、しばらく乗り続けていれば、軽量マシンの恩恵の多さにびっくり感心するにちがいない。
2段階の切り替え式となったイグニッションのマッピングは、左側フレームにスイッチがある。特性を変化させるときには、左手を離しさなければいけないから、セクション内で変えたいときにはどうすればいいんだろうとちょっと悩むも、セクション走行中に特性を選ぶようなライダーは、スタンディングしてギヤをニュートラルに入れてフレームに手を伸ばすなどお茶のなのだろう。やりやすいのはスイッチをハンドルバーにつけることだが、不意にさわってしまうことをきらって、隠しスイッチのようにセットするのが、最近のスタンダードだという。
キャブレターは、08モデルから採用となったケイヒンがひきつづき使われている。
お値段は290が892,500円、250が882,000円(いずれも税込み。他に送料が10,500円必要)。同時に125ccも入荷される。08年は受注輸入でごく少数しか入ってこなかったが、今年は在庫として輸入するということで、こちらも楽しみ。
ベータの125ccエンジンは、125cc仲間の中でもトルクがたっぷりなので評判が高い。その分、トップパワーが劣るというのが定評だったが、しかし08年はユースクラスでチャンピオンを獲得してしまった。あの激戦区でチャンピオンとなるくらいのマシンなら、トップパワーも必要にして充分。EVOはさらに軽量化された分、体感的なエンジンパワーもアップされているちがいない。125ccは829,500円だから、お値打ち感もある。
ベータであって、ベータを越えたベータ。ベータファンはぜひ一度乗ってみるべし。これまでベータは苦手と言っていた人も、一度だまされたと思って乗ってみることをお勧めしておきます。
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2008年11月28日
09RTL260F
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05年にデビューしたホンダRTL-Fの09年モデル。
05年に「4ストロークでもこんなにパンチの効いたパワーが発揮できるのか」と強烈な印象を与えたエンジン性格は、逆に扱いやすく調教されて、第一印象としては初期型のほうがパワフルに感じるほど。しかし実際は、排気量も増して、扱いやすいパワー感をしっかり演出してきている。エンジンの特性は好評だった08年モデルと変わっていないが、ハンドルまわりなどが軽量化されている。
外観上の大きな変化はテーパーハンドルが採用になったこと。テーパーハンドルはすでにワークスマシンでは採用されてきていて、これまでもモンテッサのレプソルバージョンには装着されてきていた。今年は、その仕様がすべてのRTL-F、コタ4RTに採用になった。
テーパーハンドルは従来のハンドルに比べて剛性が高いので、ブリッジは不要。さらにそれでもまだ高剛性を誇るので、トップブリッジのクランプ位置をせばめて、違和感のないしなりが出るようにしている。実車を見ると、ステアリングヘッドのボルトがぎりぎりおさまるところまでクランプが狭められているのがわかる。テーパーハンドルを採用しているマシンは、どこも同じような手法でクランプをせばめているという。
ちなみにこのハンドル、ハンドル位置は、藤波貴久やトニー・ボウのセッティングそのまま。世界のトップライダーのコクピットが、そのまま自分のものになるという感動もある。
同時に、フロントブレーキマスターがニッシン製に変更になった。ニッシン製は藤波貴久ご愛用のキャリパーで、ワークスチームでは好んで使われることが多いようだが、タッチの好みの問題が大きい。よりダイレクトなきき味が伝わってくるマスターという(もともとよくきくブレーキだし、入門者にはその差は体感できないかもしれない)。
このフロントまわりの変更で、重量は200g減となっている。
乗り味はひたすらまろやか。現在のRTLは当初から晴れ用雨用のふたつのセッティングマップが格納されていて、手元のスイッチで切り替えられるようになっている。晴れ用雨用といっても、晴れの日に雨用を使っても問題ないし、むしろ回転の上昇が(気がつかない人には気がつかないほど)いくぶんゆっくりの雨用のほうが、結果的にスムーズにマシンを走らせられるという人も多いのではないかと思われる。
価格は975,450円。ホンダブランドだが、日本で生産しているものでないので、このところのユーロ高が顕著に影響された価格設定となってしまっている。インジェクションの採用など、もともと高価な装備なのだから、内容を考えたら、けっして高くはないのだが、残念。
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2008年11月28日
09Cota4RT
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09RTLに続くて登場になったモンテッサ・コタ4RT、その2009年型。
RTLは08年型から排気量が260ccとなっているから、コタは250ccマシンとして明確な存在意義を持つことになった。排気量だけではない。現在のモンテッサは、ヨーロッパで公道を走るために必要なユーロ3規制をクリアしている。このため、主にエキゾースト関係などが、ホンダRTLとは別のシステムとなっている。もともとひとつの目的に向かって開発された兄弟機種の2台が、少しずつちがったコンセプトを与えられて09年モデルとして集約されている。
現在、ヨーロッパで販売されているトライアルマシンは、2ストロークも4ストロークも例外なくユーロ3規制をパスしている。これに合格しなければ、販売することができないからだ。
ただ、現実問題として、その状態でトライアルができるかというと、やっぱりエンジンの底力はあったほうがいいし、瞬発力もほしいということになって、ユーロ3規制のセッティングのまま乗る人は、ごく少ないのではないかと思われる。
日本でも、当然この規制をクリアしたマシンが輸入されているのだが、フルスペックのユーロ3仕様のマシンはほとんど見かけたことがない。なので、ここではユーロ3の仕様のままのモンテッサ・コタをご紹介します。
写真は規制パーツや保安部品などフル装備のコタ4RT。といっても、保安部品は別にユーロ3とは関係なくて、要はエンジンのセッティングや吸排気系のパーツがどうなっているのかが勝負である。
09年型コタは、一見してサイレンサーが従来のものと異なっている。テールパイプがなくなって、いくぶんスマートな印象。このサイレンサーと、サイレンサーにつながるエキゾーストパイプが、ユーロ3規制をクリアする鍵を握っている。
エキゾーストパイプには、排気温を測定するセンサーがついている。これをECUに送って撚調を調整するわけだ。これらのパーツを含むエキゾーストパイプはけっして軽量パーツではないので、軽量化のためにはキットパーツなどに組み換えたいところ。しかし。
実はこのユーロ3モードのコタは、なかなかの動力特性を発揮する。RTLのこのエンジンは、当初はピックアップが鋭いところが強烈な印象を与えたが、4ストロークの走らせ方をライダーが学んでいくと、本当に必要なのは扱いやすい特性であるとみんなに理解されるようになった。それで年を追うごとに、出力特性は扱いやすいマイルドなものになっていったのだが(パワーが下がったわけではないところにご注意)、それでもライダーのレベルはいろいろだから、ときにはこのパワーを持て余す入門者がいるのも事実。ユーロ3モードのコタは、入門者がふつうにトライアルライディングをするには必要にして充分なパワー特性を持っている。もちろん排気音も静か。このジェントルな仕様のままで上手になっていくのも、トライアル習得の道のひとつかもしれない。
モンテッサ輸入元のエトスデザインでは、09年モデルの受注先着100台に限り、規制バージョンのエキゾーストパイプに加えて、コンペティション仕様のエキゾーストパイプを同梱してくれるというキャンペーンを行っていた。ユーロ3仕様にするための各種パーツは写真のとおりで、エアクリーナーケースのカバーなども含まれている。
競技専用車として、通関証明がついてこないRTLに対してモンテッサは2万3千円アップの998,000円。ほぼ百万円という価格は安いとはいえないが、トライアルマシンとしてのポテンシャルの高さ、排ガス規制に取り組んだ労、そして規制セッティングでもトライアルができる性能にまで高めた味付けの妙など、価格に勝る価値はある。
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2008年11月28日
09Sherco
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2009年型シェルコは、カラーリングを一新した他、前後のブレーキディスク形状の変更、フットレストの軽量化などの処置が施されている。フットレストは中にリブがないスマートなタイプで、新鮮な印象。
125、250、290、そして4ストロークの3.2の4車種がラインナップされている
2009Sherco3.2
中でも、4ストロークの3.2はエンジン特性に大きな変化があった。08シーズンはエースのアルベルト・カベスタニーが初めてこのマシンに乗って世界選手権を戦った年だから、いろいろなフィードバックがあったことだろう。今回はキャブレターのセッティングに特効薬が加わって、アクセルの開け始めの息つき症状が激減している。
4ストロークの調教のむずかしさをそのまま形にしたような05年の初期型3.2からは、毎年のように改善が加わって現在に至っているが、09年モデルはその集大成ともいえそうだ。
2009Sherco2.5
エースが4ストロークマシンに乗っていても、シェルコは2ストロークモデルの開発の手をゆるめてはいないようだ。低速域で元気のいいエンジン特性はそのまま、ガスガスほどではないが、軽量を武器とする車体まわりの構成も、すっかり手慣れた感じになっている。実重量はガスガスよりわずかに重いだけだが、人によってはガスガスの“軽さ”がかえって軽すぎるという人もいると思う。ベータやモンテッサのような安定感重視という印象の車体ともちがって、シェルコの軽さは違和感のない印象をライダーに与える。
シェルコのマシンは伝統的にそうだが、ハンドル切れ角がやや少なめ。ハンドル切れ角でもエンジンのパワーでも、あればあったほうがいいという意見と、過ぎたるは及ばざるがごとしという意見がある。もちろん、トライアルをしていて曲がれないほどに切れ角がないわけではないから、不用意にハンドルが切れてウォッシュアウトなどしてしまう人などにとっては、これくらいがちょうどいいかもしれない。
マシン全体に、切れ角を含め、仕様に不満があるわけがない。なにせシェルコ2.9は、08年ジュニアクラスチャンピオンマシンなのだ。
ラインナップのうち、1.25と呼ばれる125ccは、ガスガス125と並んでユース125クラスの二大巨頭。今年はベータ125がタイトルを奪っていったが、ユースクラスに参加するライダーの多くはガスガスかシェルコを選んでいるのが現実のところだ。
ガスガスに比べて、シェルコは低速域のトルクがやや少なめ。いわゆる高速でパワーを出す125ccならではの特性に仕上がっているわけだが、これが逆に、低速域でのグリップのよさになっているという評価もある。初級者向きではないが、これから技術の向上を目指す若手ライダーには、こういうエンジン特性で腕を磨くのも意義があることかもしれない。
1.25は、予約販売となっている。
フットレストは、ごらんのようにスマートなものになった。サードパーティでは同様の形状のものが市販されていたが、市販マシンに最初から装着されたものでは初めて採用となる形状だ。
リブがなくて強度的に大丈夫かという不安は、かえってフットレストの強度がありすぎてフレームを傷める心配が多い昨今の状況からすると、ほどよい強度を得たということかもしれない。
価格
| 1.25(予約) | 865,200 |
| 2.5 | 936,600 |
| 2.9 | 943,950 |
| 3.2(4t) | 1,075,200 |
*いずれも価格は税込み価格
*すべての車両に保安部品は未装備
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2008年12月02日
GasGasCADET80
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ガスガスの意欲作、80カデットが日本に上陸。全日本中国大会、中部大会、最終戦と、パドックにひっそり置かれていましたが、あんまり注目を集めてはいなかったみたい。カデットが注目を集めるマシンでないということではなくて、どうもみなさん、このマシンがなんなのかを知らないみたい。とてももったいないので、もう一度ご案内します。
このマシンは、19インチ17インチのホイール径を持つ、72ccのちょっとかわいいトライアルマシンです。万人にとはいいませんが、入門用としてはなかなかお勧めです。
写真は、カデット80とTXT Pro 250とを並べてみたもの。大きさのちがいは、わかってもらえるでしょうか?
ガスガスにはこれまで、ルーキーとボーイという入門マシンが用意されていた。ボーイは50ccで遠心クラッチ採用(ただしクラッチレバーを装備していて、マニュアルでの半クラッチ操作はできる)、こちらは16インチ14インチのホイール径を持つかわいいかわいいマシン。ルーキーは、21インチ18インチの大人サイズ。エンジンは72ccのマニュアルミッションで、エンジンが小さい以外は大人マシンと同じ仕様を持っている。フレームの寸法も、基本的には兄貴分の250ccなどと同等。
ガスガスは、ほかのメーカーにもまして入門カテゴリーが充実している。それでも、欲を言えばきりがないから、ボーイを卒業したけど、ルーキーにはまだ早いという少年のために登場したのが、このカデットというわけだ。
エンジンはルーキーと同じ72ccを使う。6速ミッションを装備したマニュアルクラッチ装備と本格的。ただしトライアル専用のエンジンではないので、ちょっと低速トルクに物足りないところあり。それでも、軽量な子どもが乗るのだと割り切れば、大人を運ぶほどのトルクは必要ないかもしれないし、足りないパワーをクラッチを使ってどんどん引き出すテクニックを学習できるかもしれないから、入門・訓練用マシンとしてはこれでもいいのかもしれない。亜路欧の黒田さんによると、きちんとキャブレターセッティングを出せば、もう少しは低速トルクが出るようには調教できるはずということだ(つまり現状、試乗車はちゃんとセッティングが出ていない状態。試乗車からして需要がない、お客さんにも情報が届かない、買う人がいないから、輸入も及び腰になるという悪循環。なんとかならないか!)。
カタログスペックでは、車重は57kgとなっている。軽量化に腐心したTXT Proからしても、まだ10kgほど軽量だ。エンジンも軽いしホイールサイズも小さいから当然かもしれないが、この車重は文句なしにすごい。
マシンが軽いと、なんでもできるような気がする。実際にはテクニックがなければなにもできないのは変わらないのだが、できないと思ってトライするときに、できるようになることはほとんどない。なせばなる、というように、できると思わなければできるものもできない。
そういう点で、できるようになるには軽いマシンに乗るのがよろしい。250ccのトップマシンも充分に軽いのだが、トップマシンに乗ったからといって、トップレベルのセクションが走れないのは自明の理。自分のレベルの範囲のセクションをきちんといけるかどうか、という点では、この車格のマシンを最初の1台に選んでみるのは、子どもだけでなく、大人の入門者にとっても悪くない選択だと思われる。
重さだけじゃない。ホイールサイズが小さいのも、入門者にとっては大きな魅力だ。これ、トライアルをやっている人に言わせると、魅力だと思っている人がごく少ない。トライアルでは、長年にわたって21インチと18インチのホイール径による絶対支配が続いてきた。それ以外のホイール径によるトライアルは、ごくごく少数派で、主流ではなかった。逆に言えば、それだけ21インチと18インチのホイール径の走破力の高さが魅力だったということだろう。
一方、初心者の視点にたつと、この走破力を生かして最初からがんがん走れる初心者など、ほとんどいない。岩の手前でアクセルを戻しブレーキをかけ、大径ホイールが自然に持っている走破姓をわざわざ殺してしまうテクニックを持っているのが、初心者というものだ。
こういう人にとって、大径ホイールは威圧感を与えるだけということもある。どう計算してもその心理状況を数式で表すことはできないのだが、フロントタイヤが30cmの段差に乗り上げたときは、21インチであろうが17インチであろうが、平地にいるよりも30cm高くなるという点では変わらないはず。それでも、ホイールが大きいと自分ではコントロールできない圧迫感を感じるし、小さなホイールならなんとかなるという安心感を感じるのは事実だ。
あまり小さなホイールでは石や岩に引っかかってまともに悪路を走れないが、それでも小さく軽いマシンなら、悪路に引っかかるたびに持ち上げればなんとかなるという気持ちの余裕も生まれる。カデットは、そういう意味で大人のための入門マシンとしても、ずいぶんと優れたマシンだと断言できる。
そうそう。大事なことがある。このマシンは、21インチ18インチのサイズでないマシンでは珍しく、ちゃんとしたトライアルタイヤを装着しているのだ。16/14インチホイールを採用したボーイでは、チェンシン(台湾)製タイヤを採用していた。小さなホイールのトライアルタイヤは、かつてはTY50/TY80/TL50などで使われていたが、当時のタイヤは今は絶版で、どちらにしても、いまどきのラジアル主流のトライアルタイヤとは性能面での格差は大きすぎる(でも子どもが乗ると、大人ほどにはタイヤの性能差を感じさせない走りを見せたりする。体重の軽さは、もしかしたら大きな武器かもしれない)。
そこでこのカデット。19/17のタイヤは、タイのVee Rubberという会社のものを装着している。これが実は、ミシュランやダンロップなどの世界的主流のトライアルタイヤを徹底研究して作られたタイヤで、つまりこのサイズのタイヤとしては、圧倒的高性能を誇るものなのだ。このマシンの大きな特徴が、このタイヤにあるといってもいいかもしれない。
新車価格は541,800円。一般的には高いマシンということになるのだろうが、新車でこのお値段だから、250マシンに比べればだいぶ安い。この手のマシンが20万円台になればあなたも私も大喜びだが、新車が20万円台というのはありえない。かくなるは、まず新車にたくさん売れてもらって、その中古車が順調に流通するのを待つしかない(50万円のマシンが20万円になるには、ていねいに乗られたマシンなら、5年くらいはかかりそう)。
将来、世界チャンピオンを目指したい子どもたち。あるいは、大きなマシンに威圧感に感じるおっかながりの初心者の皆さんには、このマシンにもっと注目をしてもらいたい。10年、20年後も世界制覇を目指すスペインが、若手養成のために用意したマシンである。これを無視して、日本がスペインに追いつき追い越せるわけはない。
*2010年追記:2010年はガスガスはこのマシンを生産しないという発表がインポーターからあり。ガスガスの公式ページにはまだラインナップがあるが、残念!
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2009年11月03日
ベータALP
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Beta ALP 200
とがった位置づけが定着しているベータに、こんなマシンがある。ALPというのは、何語といわずに「山」という意味で、アルプスという名前もこのへんに語源があるらしい(単純にアルプが並んでいるからアルプスというわけではないみたいだ)。
アルプという名称のベータマシンは昔からあって、80年代のアルプはコンペティションマシンにタンデムシートを装着したものだったが、現代のアルプは林道ツーリングなどにも使えそうな車体装備と、トライアルスピリットたっぷりの操安特性を持っている。
125ccは、定評あるヤマハエンジンを使っている。ヨーロッパのヤマハ・ディストリビューターから供給されているもので、いまやこのエンジンはトライアルの入門カテゴリーに格好の素材となっている。
200ccはスズキエンジンだ。このへんのクロスオーバーぶりがすごい。
タンクシェルは脱着が可能なので、はずしてしまうとスリムなタンクが現れ、シートもはずれる。トライアルマシン並というのは言い過ぎだが、かなり軽快な感じに変身する。自走でトライアル練習場まで手かけていってトライアル遊び、帰りには快適なシートを装着して帰宅という遊びかたができるマシンだ。
200cc版は、軽二輪だから登録して高速道路走行も可能なカテゴリー。ただし装着されているのは純然たるラジアルのトライアルタイヤだし、その他、国産のオートバイのような高速耐久テストが徹底されているかどうかは疑問なので、高速道路走行も含め、ユーザーのマシン管理能力も要求される。外車には共通の課題だが、そもそもオートバイに乗るということはそういうことのはずだから、どうぞお気を付けて、お楽しみください。
ALP 200:651,000円(税込)
カラー:ホワイト / レッド
ALP 125:546,000円(税込)
カラー:ホワイト / レッド
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2010年01月15日 | コメント (0)
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