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2007年02月28日
てっぽうに撃たれる?
この日記しか見ていない人には意味不明かと思うけれども、自然山通信2月号に「てっぽうに撃たれるなよ」と書いた。
そしたら、それが一部で問題になったらしくて、たいへんもうしわけないことをしたと反省しています。
それでといってはなんだけど、てっぽうに便乗して、いろいろ考えてみた。
「てっぽうに撃たれるな」というのは、Kさんのおことばだった。自然山通信には「どこの」ということも書いちゃったので、ほぼ個人は特定できる。個人情報の漏えいだったのかもしれない。すいません。自然山のNさんというだけで個人情報漏えいの罪に問われるようになったらやりにくいですねー。
でも問題はそういうことじゃない。鉄砲を持つことを許されている人たちは、きちんと資格を持っていて、銃を持つための講習を受けていて、よもや人なんか撃つわけがない。それだのに「撃たれるな」と注意するというのはなにごとか。銃を持つ権利を有する人々を人殺し呼ばわりしてなるものか、というご説である。そのとおりである。
でもKさんの論旨はそういうことじゃなかった。ぼくがそのへんを散歩するといえば、廃道やさびれた小径である。登山道でもないし、遊歩道でもないので、ほぼだれも通らない。爆音を立てて走るんだったら音でそれと気がつくけど、幸か不幸かぼくのTY-Sはうるさくない。背後を通過されても、郵便カブが通過したのとかんちがいするくらいだ。
こんな感じなんで、Kさんは心配するのである。「そんな山の中をうろうろしてたら、おまえ、熊にだってまちがえられちゃうぞ。今年はいつもとちがってあったかいから、葉っぱも完全に落ちてない。葉っぱがちゃんと落ちきっていれば見通しも利くけど、葉っぱがあるとよく見えないから、熊にまちがえられて撃たれちゃったら、撃たれたおまえも痛いかもしれないけど、撃ったほうだってたいへんなんだからな、心してうろうろしろよ」と、こういうご説だったのだけど、おいしいところだけ抜きだして書いちゃったんで、ご迷惑をおかけしました。幸い、今のところ猟師さんにも熊さんにも出会ってはいません。
確かに「てっぽうに撃たれるな」というのは、いかにも鉄砲撃ちが人を撃ちたがっているみたいで、人聞きが悪い。重ね重ね申しわけない。「てっぽうに撃たれるな」なんていうと、鉄砲撃ちのみなさんから「失礼なことを言うでない」と言われてもおかしくない。ぼくらだって「トライアルバイクにはねられるなよ」なんて言ってる人がいたら「ぼくらはそんな悪いやつらじゃないぞ」と言いたくなってしまう。
と思ったのだが、もうちょっとよく考えてみるに「トライアルバイクにはねられるなよ」だとトライアルライダーの怒りを買いそうだけれど「クルマにはねられるなよ」といわれて、ドライバーが怒ることはあんまりない(ような気がする)。自動車の運転手は自分がひとをはねるなんてこれっぽっちも思っていないし、自動車が人をはねることがあったとしても、まるでひとごとだと思っている。そう思えるのも、自動車を運転する人が圧倒的に多いからで、仮に飲酒運転で人殺しをするような極悪ドライバーがいたところで、それは自動車の問題ではなく、ドライバーの問題だとみんなが判断できるくらい、自動車が根づいているってことだ。
てっぽうもオートバイも、まだまだ世の中的にマイナーなもので、だから頑固なアレルギーが絶えないのではないかなぁ、と、てっぽうについて考えているうちに、人口の底辺が支える印象について横滑りしてみました。
(今自然山通信を読み直してみたら、てっぽうに撃たれるではなく、鉄砲撃ちに撃たれると書いてあった。これ、おんなじようだけど、ずいぶんニュアンスがちがうし、ここまで書いてきた大前提が崩れてしまう気もする。ということで、とりあえず原文には「てっぽうに撃たれる」と書いてあったことにして、話を締めくくらせていただきます。写真はてっぽうとはなんの関係もなく、どこで撮ったのか忘れちゃったけど、雨上がりの村の道)
投稿者 nishimaki : 09:28
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2007年02月21日
耳鳴りと春近し?
道を歩いていると、キュッキュ、チュッチュと音がする。あったかいから、鳥が一斉に鳴きはじめたのかなときょろきょろしながら歩いていたのだけど、鳥なんぞいそうもない。足を停めると、その音も止まる。だんだんこわくなってきた。どうもこの音は、ぼくが動くと聞こえてくるようだ。
首からぶら下げていた携帯電話をはずしてみたり、ポケットに入れてあった文庫本(ちなみにナンシー関の消しゴム顔面手帳。追悼をこめて、譲っていただいたもの)を出してみたり、セッティングをいろいろ変えて聞き耳を立ててみるが、歩くとやっぱり音がする。もちろん靴も疑って、つくも脱いでみたけど、結果はいっしょ。
自分が歩くだけの運動量に反応して、なにかの振動が鳥の鳴き声になって聞こえてくるんだろうな。ブレーキの泣きなんかと同じ原理で聞こえてきてるんじゃないかと思うんだが、そういう考察をしている場合ではない。ひょっとして、耳だか脳だかに再起不能の重い欠陥を患ってしまったのではないかと、急にびくびくしはじめました。命の危険を感じるとおたおたするなんて、人間ができていない。
頭の中で、知り合いに耳鼻科の専門家はいないかと自問自答。小学校の時の友人のKは歯医者だし、中学の友人のMは心臓。どちらも今はお世話になりたくない。小児科のM御大に相談してみようかなぁ。どきどき。
そうこうするうち、陽も高かったし冷や汗もかいたので、暑くなってしまった。それでフリースを脱いだところ、なんだ、音がしなくなったじゃないか。フリースと化繊のシャツとの干渉だったのね。ユニクロじゃなくて、ノースフェイスのブランドもんなのに、お騒がせだこと。ちぇ。
気持ちが晴れて、近所のメシ屋さんへ。おばさん二人でやっている小さな店。お昼の定食、400円。
「今日は外はあったかいでしょ」
「暑いくらいです。汗かいちゃった(汗かいたのは勝手に勘違いしての冷や汗だけど)。このまま春になるんですかねー」
「このまんま春になってもらったら、困るんだけどね……」
あったかければ、ぼくなんかにゃ悪いことはないんだけど、でも考えてみるとだ、サウナに入って爆発しそうになって水風呂に飛び込もうとしたらそっちも暑かったらメリハリってもんがなくなる。地球にとって、農作物にとって、もしかしたら人間にとっても、夏は夏、冬は冬というメリハリは大事なのかもしれぬ。逆に言えば、ちゃんとした季節のメリハリのあるところで生活していれば、ちったぁまともな人間になれるのかもしれないけど、ぼくが引っ越してきたとたんに季節もメリハリがなくなった。申しわけないなぁ。
写真は裏山一面に遠慮がちに咲いていたやつ。辞典を調べたらオオイヌノフグリらしい。ふぐりに似ているらしいけど、似ているのは花じゃなくて種だそうな。種ってのは、芋だってそうだし、おおむねふぐりに似ている。というか、ふぐりだって種そのものじゃないか。
と、さっきまで人生の終焉を覚悟していたのに、急に下ネタで盛り上がっている浅はかなニシマキの午後。
投稿者 nishimaki : 14:17
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2007年02月15日
2月の相模川に思う
バレンタインデー直前、2月第2週の週明け、2月12日(建国記念日の振替休日、だったかな? もはやいつなんの休みなのか、さっぱりわからなくなってしまった)は相模川で草トライアル大会を開催しました。
日曜日じゃなくて祭日だったら、日曜日が忙しい人も参加できるし、手伝いも集まるという発想だったけど、これはだまされた(笑)。準備をするのは日曜日なので、土曜日の晩にやる予定だった栃木での新年会もキャンセル。参加するほうは選択肢が増えるけれども、主催をするほうは、他に浮気なんかしてられないわけでした。考えてみれば当然だけど、ちょっとくやしいのだ。
日曜日は金勝山(正式名称は寄居トライアルパークで、なるべく正式名称を使うようにしていたんだけど、なくなっちゃうんだから、もういいか)最後のチャリティートライアルもあって、あっちもこっちも参加される人もいたみたい。金勝山は、ぼくんちからたったの40分のところなんだけど、まぁしょうがない。
大会のほうは、多少の失敗や紆余曲折を経ながら、たいへん順調に育っている実感があってうれしい。この大会、ずいぶんと欲張りなので、うまくいっているというといろんな意味があるんだけど、本来のクリーンアップ(おそうじ)はさておき、圧倒的にうまくいっていると思うのが、トライアル未経験層をトライアルにお誘いしているってことだ。
もともとそういう発想で始めたんだけど、最初はそううまくことは運ばない。トライアルをやってない人というのは、とにかく情報に飢えていて、しかも情報から遠いところにいる。トライアルショップがどこにあるかもわかんないし、本屋に行ってもトライアル雑誌は売ってない。トライアルマシンだってオートバイ屋さんに売ってない。こんな状況で、どうやって始めりゃいいのだという八方ふさがり。だもんで、ぼくらがこっそり「入門者大歓迎」なんてトライアル大会を始めたところで、気がつく人はごくわずかだというわけだ。
ぼくらも手抜きがあった。ちゃんと告知活動をしていないってことだ。自然山通信は本屋さんで売ってないから、自然山通信に告知をしたって、知る人ぞ知るイベントになっちゃう。自然山WEBのほうがもう少したくさんの人に見てもらえるチャンスがあるけど、それにしたって限界はある。G誌とかD誌とかB誌とかにイベント告知をするべきなんだけど、実は最初は自信がなかったのだ。だからトライアル仲間のうち、むずかしい大会ばっかりとお嘆きの方々を集めて開催できればいいなと考えていた。
おかげさまで、というか、セローやSLやシェルパに乗ったトライアル素人さんたちが、どんな七転八倒ぶりを見せるのか、彼らの減点数がどれほどのものになって、満足感や失望感がどれくらいなのか、さすがに12回も開催していれば、データは集まってくる。これなら、ある程度いろんな人に声をかけても、なんとかなるんではないかという思いもあって、最近はちょっとずつイベントレポートなどをよその雑誌に投稿させてもらっている。
まったく知らないひととの出会いは、人見知りにとってはびくびくするもんだけど(だーれも信じてくれないだろうけど、ニシマキはけっこう人見知りする)、それでも知らない人と出会ってお話するのは楽しい。こういう感覚を、ぼくだけじゃなくて、大会を手伝ってくれているみんなや、参加者のみんなも感じてくれているのが最近わかってきて、そういう意味でも楽しくなってきている。
そうそう。この大会では、当初「断固オブザーバーを置こう。オブザーバーのいないトライアル大会はまともな競技会じゃない」なんて啖呵を切っていたんだけど、やっぱり人手が足りず、オブザーバーが数人のグループを引率して回っています。オブザーバー間の採点の統一が大きな課題になるけど、初心者にとって1日引率者がいるのは大きな安心にもなる。今のところはこれがいい方法かなと思ってます。なんせ、1周走ってくると10km近いツーリングになる。トライアルパークでのトライアル大会とちがって、これはなかなかクロスカントリーなトライアルなんで、ベテランがいっしょに走ってるのは心強い(といいつつ、動かなくなって2回続けて遠いところからトランポのところまで押して帰ってきたかわいそうな人もいたけど)。
で、このグループ分けを、これまでお仲間同士で組んでもらってたけど、今回はうらみっこなしのくじびきにした。愛しいあの人と泣き別れで愚痴を聞かされるかと思ったら、知らない人といっしょに走れてお話できて楽しかったという声が意外に多かった。仲間はどうせいつもいっしょなんだから、こういう出会いは悪くないわけですね。次回もこれでいこうっと。
セクションとコースのレベルは、まったくオフロードを走ったことがない人には、けっこう厳しいと思います。なんせ十何キロ走らなきゃいけないんだから。たいへんだけど、危ないところ、おっかないところは原則としてないことにしています。数ヶ所、地形の都合上、びびるところがあるんだけど、そういうところは絶対セクションにはしないという申し合わせがあります。つまり誰かに助けてもらえるし、場合によっては「おっかないから代わってください」とうまい人にマシンを預けちゃうこともできる。
こわくなくてあぶなくなくて、そのかわり、それなりにむずかしいというのをコンセプトにしています。となると、どうしてもターンが主体になっちゃうんだけど、あんまり意地悪になってもいけないし、セクションづくりはけっこう悩むところです。この悩みもおもしろいんですけど。
当初は、それなりに減点してもらいたいセクションを10個作っておきました。すると、そこそこ腕に覚えのある人がやってきて、いろんなところで遊んだりしながら、てきとうに減点を重ねて帰って行く。それはそれでたいへん和やかでよいんだけど、この大会には、いつまでたってもうまくならない人、はじめたばっかりのヨチヨチの人、根性がなくておっかない地形に挑戦したくない人が、真剣勝負で優勝を争う底辺競技がコンセプトでもあるので、男ラインってのはあってほしくなかった。だから可能な限り男ラインをつぶしていったら、そういう遊びをしたいじょうずな人は、だんだん出てこなくなった。代わりに、トライアル右も左もわかりませんのみなさんがやってきてくれるようになったわけです。
最近は、わりとみんなオールクリーンを目指して走ってくれてるみたいで、たいへんうれしい。今は、きのうオフロードを走った人でもクリーンしてもらおうというセクションもまじえて、12〜14個ほどのセクション設定でやってます。しかし、なんぼ簡単でも、30個近いセクションを全部クリーンするというのは、なかなか強い神経が必要になってくる。ある程度上手になると、足が出るのは必ずしもむずかしいところばっかりじゃないみたいです。
もっとも、クリーンアップのトップライダーの減点には、セクションを飛び出しての5点てのがけっこう多い。河川敷だから、セクションテープでしっかり囲ってしまうわけにはいきません。河川敷は、誰も占有できないことになっているから。なんで、セクションマーカー(たいていテープを結びつけておく)を見落とすと、致命的な5点減点をいただいてしまう。
こういうシーンをみると、申しわけないなぁと思ってたんだけど、でも見落とす人って、その手前でバランスを崩しておたおたしていたり、平常心じゃないこともけっこう多い。ちょっと意地悪だけど、セクションを確認しながら走るのも、必要なテクニックなんだなと思うことにしました。
はじめて参加する人たちは、その大半がトライアルマシンを持ってません。そういう人たちに対して、トライアルマシンで練習すれば、早く上手になれるのにと思うけれども、そういうことは言わないようにしています。皆さん、それぞれ事情がおありなのですから。
でも、ほうっておいても、しばらくするとそういう人たちの何人かはトライアルマシンを持って現れます。けっこう高確率でトレールライダーがトライアルライダーに変身するわけです。それはそれで、またうれしい。
こう書くと、こんなもんに参加したら、ずるずるとトライアルマシンを買わされてしまうぞと警戒されるかもしれないけど、事実はこんなところです。
こういう大会だから、大けがをする人なんてほとんどいない予定なのですが、毎回ひとりふたり、どこかを痛くしてリタイヤされる人がいる。背中を強打したとかあばらを打ったとか、一番大けがだったのは指の骨にひびを入れたやつかな。でもその指のひびは、笑っちゃいけないけど、スタンドを出そうとしたらスタンドがパチンと戻って、スイングアームとスタンドの間にはさまれちゃった事故だった。
それでも、小さな負傷が出るということは、万が一のアクシデントだってありえなくはないと思ってます。トライアルは、安全そうな顔をしていてもモータースポーツだから、ほぼすべての保険屋さんが扱ってくれない領域です。だからクリーンアップトライアルはMFJ承認大会となってます。承認大会だから安心というわけじゃなくて、たぶん保険面ではまだまだ足りないんだけど、ないよりはうんと安心。みなさんには、エンジョイ会員取得のために1年に1回3000円を出費していただくことになりますが、そういうもんだと思ってくれてる人が多いみたいです。「なしでもいいだろ」と言ってくる人は過去にいないではなかったけど、なぜかそういうことを言ってくるのはトライアルを何十年もやっているようなベテランの方だってのは残念なところです。
さて、そんなこんなで、本来この大会は、相模川のクリーンアップ活動の一翼を担うというコンセプトなんだけど、実はその点についてはようやくこれから本腰を入れようかというところです。ほんとは、ゴミを拾いながらみんなにトライアルしてもらえればいいんだけど、走るのが精いっぱいの人にゴミ袋を預けても、持って帰ってきてもらえない。それに、缶カラやペットボトルは自分ちのゴミとして処理できるけど、冷蔵庫や古タイヤやソファーみたいな、でっかいやつはどうしようもない。しかもこういうのが、トライアルセクションの奥に転がっていたりするわけです。トライアルライダーって、どこにでも入りこみますから、ゴミと出会う機会も多い。次、相模川で一斉清掃をするときには、ぼくらにしか見えない奥のほうのゴミを、きれいに引きずり出してきたいと思ってます。毎回やりたくてできないでいることだけど、ここに宣言しておこうっと。
本日は、自然山通信主催の相模川クリーンアップトライアルについて思うこといろいろ、書き連ねてみました。
スタッフのみんなとは意見交換をしているけど、参加者の皆さんやよその地域のひとも、ご意見などあったら、お聞かせください。ゴミの問題、走る場所の問題。相模川だけの特殊事情もあるけど、基本的にはどこでも抱えている問題だと思いますから。
投稿者 nishimaki : 08:41
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2007年02月09日
映画を見る浪士たち
最近、あっちこっちでこの映画のことを書いている人がいる。
流行りものには拒否反応を示すへそ曲がりのニシマキだけど、あんまりみんながインディアンインディアンとつぶやいているので、つい様子を伺ってみた。やっぱり、おもしろそうなのであるぞ。
このところ、オートバイネタのおもしろい映画が多い気がする。ひょっとして、オートバイは旬なんじゃないか?
この「世界最速のインディアン」について書いている人たちはこんな人たち。
○小林ゆきさん
「世界最速のインディアン」〜これを観ずして何を見るのか
○風間深志さん(OFF1)
オフロード天国「世界最速のインディアン」
へそ曲がりのニシマキが興味をそそられたのは、この記事を見ちゃったからだ。
○ダートヌポーツ
「本田宗一郎」がここにいる! ホンダOBが駆けつけるある映画
この人には、いつもだまされてひきこまれてしまう。ちくしょう。またやられた。でも仕返しに、この人はニシマキにだまされて今度両神にやって来ることになっている。お互いさまである。で、紹介されていた記事がこちら。OBを試写会に呼んだのは配給会社の企画だろうけど、これを記事にするところは日経もにくい。
○日経ビジネスオンライン
「本田宗一郎」がここにいる! ホンダOBが駆けつけるある映画
記事から借用してきた写真がこちら。ホンダのOBたちがみんなでお座りして映画を見ている。あー、この人ももう引退されたんだ、というなつかしい顔がずらりと並んでいる。二列目の奥のほうにいるのは、モンテッサでコタ315の開発を立ち上げた宮田さんだ。
しかし、おっかない試写会だこと。記事の中で木澤さんは宗一郎さんのことを「お父さん」と呼んでいるけど、そんな呼び方してたかな。「おやじ」だと思ったけどな。でももしかしたら、小心者でがらっぱちの技術者たちは、外でひとに話すときには「おやじ」と呼び、社内では「お父さん」と呼んでたのかもしれない。
宗一郎さんに現場でとんかち投げつけられた人と仕事してると(これでも、HRCからお仕事をいただいていたこともある)こっちにもとんかち飛んできそうな殺気を感じたもんだ。いっしょに仕事しないでも、雑誌の仕事でこのへんのおっさんたちに取材するときには、いつでも自決できる用意をしていったような気がする(うそだけど)。若造時代に、ロサンゼルスにアメリカキャンプに取材に出かけた。そこでHRCの取締役だったM腰さん(3気筒NS500のLPLだったと思った)と酒の席でいっしょになったときには、仕事抜きの酒の席なのにやっぱり自決覚悟だったような気がします。だいぶお酒が進んだ頃に、M腰さんは言ったもんだ。
「ニシマキさん、ホンダレーシングとつきあおうと思ったら、酒が飲めなくっちゃいけません」
侠客映画かなんかにすぐ殺されるチンピラの役で出演している気分でした。田中誠一先生(中嶋悟や樋口久子のトレーナー。藤波貴久や宮里藍のトレーナーの鎌田先生の師匠)が隣でカナディアンクラブを飲んでたっけ。よく生きて帰れたもんだ。
ぼくがロードレースのパドックや研究所の応接室に出入りしていたのは80年代初頭で、ホンダイズムなんてことばはなくても、ホンダイズムがむんむんしていた。みんな、赤穂浪士のような技術者たちでした。今、にこやかに並んで映画見てるのが、なんだか不思議だ。
(くやしいから、タイトルには「世界最速のインディアン」とは入れないでおきました。へそ曲がりで、すいません)
投稿者 nishimaki : 13:09
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2007年02月08日
山道の探索
両神山を望む。
一ノ瀬泰造が
遠くに霞む
アンコールワットを
見ている気分になる
秩父の山奥に引っ越して、数ヶ月になる。いろんな魂胆があっての引っ越しで、ほんとうはいろいろ報告したいことがいっぱいあるんだけど、タイミングの善し悪しとか大人の判断とかいろいろあるし、まだもろもろ手探り状態なので、なかなか発表できるものがない。でも山奥に引っ越したという報告だけだと、夜逃げでもしたんじゃないかと思われそうなので、ちょっとだけ近況をお知らせしておきます。
この町では、オートバイによるまちおこし事業の計画があります。もちろん、計画があるだけで、ほんとうにうまくいくかどうかはわかんない。計画なんて、100個あってひとつ実現すれば立派なものだと思いますが、オートバイの世界の人には被害妄想を持っている人も多いので「計画挫折」の報告はあまりしたくない。どんどん絶望感にさいなまれていきそうだからね。というわけで、計画が実現間近になるまで、なかなか報告ができないってことになる。これは半分愚痴です。
まちおこし事業の中にはいろんなのがあるんだけど、そのひとつに、トレッキングコースを作れないかというのがある。トレッキングコースといっても、トライアルコースや、一部のマニアが喜ぶような「ゲロ道(気持ちはわかるけど、ぼくはこの命名が大きらいだ。マニアの世界にはいじめることを楽しませる、と言い換える風潮がよくある。気持ちはわかるけど、こういうのが入り口を狭めているにちがいないと思うんだけどね)」はお呼びでない。どんなレベルの人でも(ある程度)快適に走れて、気持ちよさを享受できるような道がいい。その道は、ブルドーザーで建設すればいいってもんじゃない。自然のままの楽しい道がどこにあるのか、どんな道が楽しいのか、またそこは走ってもいいところなのか、いけないのか、どんな人を受け入れていくのか、そういうのをあれやこれやと考えていくことすべてが“トレッキングコース建設”に含まれる。
探索中のぼくたち。
町のKさんはこのためにTYR-Sをレストアした
この町には、今のところ本格的トライアルライダーはいない。なんと、ぼくがトップライダーだ(すぐ近所には元B級チャンピオンの米沢さん、世界ジュニアチャンピオンの野崎史高、自転車チャンピオンの寺井一希など、雲の上の存在がごろごろといる)。で、町のオートバイ乗りを誘って、少しずつ山歩きをして道を探索している。ぼくが走れるところだから、まるで難攻不落じゃない。それでもオフロードライディングの経験が少ない人たちには、スリルたっぷりのエキサイティングな経験のようだ。
当初は、それなりに“楽しい”道を探さないといけないと思っていたけど、トライアル素人さんたちの楽しみっぷりを見ていると、いわゆるトライアルコースを用意する必要は断じてないとわかる。トライアルはマニアックすぎて、ついつい世間の人々の存在を忘れてしまうのがよろしくない。
こういう活動は、なーんとなくだけど、役場と連絡をとりながらやっている。ほんとは腕章でももらってお墨付きで道さがしをしたいところだけど、世の中はそんなに甘くないのだ。それに腕章がほしいのは、実は「オマエ、おれの庭でなにやってんだ」と怒られるのがこわいからで、自分のオートバイ遊びが誰に見られても困らないなら、お墨付きなんかいらない。それで、道さがしは同時に“誰に見られても困らないオートバイ遊びとはなにか”という命題に発展する。この命題は、ちょっと大きい。
山の中には、林業を営む人が植林や木材の切り出しのためにつくった道があり、また古くから道として使われていたものもある。舗装道路の発達で放置されているものもあれば、このあたりは巡礼やハイキングが盛んなので、そういう用途で現代に生かされている道もある。こういった道は、明確に立ち入り禁止の表示がなければ、どの道も思わずつい入ってしまえる。でも、人の家へのアクセス道路だったりまるっきりの登山道だったりした場合は、あっさりあきらめて引き返す決断が必要だ。さらに、最近では引き返すだけじゃなく、そこに住む人や歩く人に出会って、あいさつを交わして引き返すのが大事かなと思いはじめた。走りたい盛りのライダーにはめんどくさいけど、そこでしばしお話しをしたりすると、結局その方が話はうまく進む。いつもオートバイが逃げていく後ろ姿だけを見せられていたとしたら、オートバイに対していい印象なんか持ってもらえるわけがない。
道を散策しながら、この土地の持ち主は誰だろう、どんな人だろう、どうしたら、ぼくらが遊べるようにもっていけるだろうか、ここに住む動物たちは、どこに潜んでいて、どんなものを食べているのだろう……。山の中で目を凝らすと、いろんなものが見えてくる。トレッキングコースの開拓はそんなに簡単には進まないから、こうやって周囲のいろんなことを観察しながら作業していると、これもまたトライアル遊びのおもしろみだと思えるようになってきた。草木の成育状態や、地域の歴史を研究してみるのも、悪くない。ちょっとだけでも、そういう知識を仕入れて山を走ると、今までとちがう風景が見えてきたりするので、また楽しい。
当面の課題は、山道をほじくり返さないように、町のみんなにやさしいアクセルワークを知ってもらうことと、引き返すときに苦労しないように、せめて足をつきながらでも前輪をぽんぽんと振れるようになってもらうこと。それができるようになったら、もうふつうのオートバイ乗りは卒業しちゃって、ぼくには相手ができない強者になっちゃうかもしれないけども。
そうそう、この前の日記に写真で紹介したペップ・セガレスだけど、無事に赤ちゃんが産まれた。親ばかの最初の儀式として大喜びで写真を送ってきたので、みなさんにもぜひ見てもらいましょう。
赤ちゃんは「Itziar Segales」って名前だそうだ。そういえば、杉谷と3人でSKYPEチャットをしながら、Itziarはなんと発音したらいいんだろうと悩んだっけな。以下、前回「名前のお詫び」参照のこと。
投稿者 nishimaki : 22:25
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