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2007年12月22日
枝打ち教室
枝打ち教室ってのに行ってきた。これにいったからといって、枝打ちや伐採の職人になれるわけではないけど、枝なんてぶちぶち切ればいいんだろうと思っている素人は、ちゃんとお勉強したほうがいいと思ったのでした。さらに欲を出せば、山奥の植林地の枝打ちにオートバイに乗ってでかけられれば、ぼくらにとっては一石二鳥になるのではないかというもくろみもある。オートバイが野や山から締め出されるのは、意識的にしろ結果的にしろ、野や山のためになることを、ひとっつもやってないからじゃないかなと。
さてこの日、教材になってくれるのは植林して放置されているヒノキと、育ち放題に育ってしまったモミの木だった。手ほどきしてくれながら山を歩いてくれたのは、林業指導所の指導員の方だった。
枝打ちってのは、いらない枝を切ってやることだ。 枝には、必要な枝も不要な枝もあるようで、教えてもらったのは「力枝」ってやつだ。木を横から見ると、枝ぶりを三角形に整えるのが枝打ちで、その底辺の枝を力枝っていうらしい。意味はわかんないけど、上の枝を支えているように見えるじゃないか。枝打ちをさぼっていると、三角形の下側にも古い枝が残って、菱形になってくる。これがよろしくないのだそうで、力枝の下側の部分の枝を切ってやる。まぁ、床屋さんのようなもんだ。
枝の根本、幹から、ちょっとかさぶたみたいになっているところから、のこぎりで切る。達人がやると、のこぎりでぎりぎりやるより、ナタなどですぱっとやったほうが切り口が鮮やかで、しかも簡単ということになるんだが、素人がやると皮をよけいにはいでしまったりしてろくなことがないので、のこぎりでていねいにやっていくべしということだ。
重たい枝を、最初から根本で切ると、枝の重みで最後にべきべきと折れたりする。そうすると皮が剥けてしまったりするので、最初に根本から30cmくらいのところでいったん切って、それから根本で切断してやるという二度手間をすると、なおよろしい。枝がなくなればいいじゃないかということではない。人間の体を切り取るのも、手術で悪いところをとるのと、爆弾で吹っ飛ばすのとではまるでちがうのとおんなじだ。
高いところの作業は、安全帯を使うこと。職人さんたちはめんどくさいからそのまま登ってるけど、安全対策はセオリーですね。トライアルをするときはヘルメットをかぶりましょう、というのとおんなじ。
枝打ちは、幹まわりが6cmくらいの頃にはじめるのがよろしいそうだ。それ以下だと、枝がいっぱいあって光合成をしたほうがいいお年頃だったりする。あんまり太くなると、せっかく枝打ちをしても、もはや節が残ってしまうという事態になる。
枝打ちってのは、まず価値の高い木を作るというのが大きな目的。まっすぐで、節のない木材が、価値の高い木。お金になる木を生産するために、枝打ちは不可欠なのだ。
今、木の生産地では、手入れをされない山があふれている。杉なんかは、上のほうの枯れ枝を落とすと、重みで下の枯れ枝も落ちてくるから、枝打ちはらくちん(比較的)だそうだが、ヒノキは枝がしっかりしているから、上から落ちてきた枯れ枝が途中でひっかかって下に落ちない。森が、どんどんくらくなって、地面に日が当たらない。そして、荒れた森になっていく。
手入れの方法は枝打ちだけじゃない。植林された苗木は、収穫時には、だいたい1割くらいになるんだそうだ。残りは病気になったり育ちが悪かったり、幹がぐんにゃり曲がってしまったりして、商品にならなくなったもの。そういうのを伐採していくことで、森が明るさを保って、残った木が元気に育つ。元気に育った木は、高く売れる(といっても、ほんとにたいしたことはない)というわけだ。
とはいっても、だめな木を伐採していって、まったく空き地にしてしまうのもダメらしい。適度に木が残っている必要があるから、その場合は、ちょっとだめな木でも、そこに立ってる価値がある。
曲がった木や、枝打ちをされないままに太くなってしまった木も、曲がった先からは商品になるかもしれないし、枝打ちをすることによって発育を抑制しててきとうな太さのまま、存在できることになるので、どんな木に対しても、枝打ちしないよりしたほうがいいということだ。
でも。
枝打ちは、どんな植林地に対してもやったほうがいいのだけど、勝手にやっていいというものではない。当然だよね。なので、植林の持ち主とのコミュニケーションは不可欠になる。
枝打ちついでに、木にとって大きなダメージとなるのはどんなことか、聞いてみた。それがわかっていれば、森を走っていて、木に与えるダメージを考えることができるから。
「幹の全周を傷つけると、木は立ち枯れします。でもちょっと傷つけるくらいなら、ダメージがないとはいわないが、幹の皮の他の部分を使って、養分はいきわたる。根っこも1本傷つけられたら影響はあるけど、何本も根を生やしているから、現実的には問題ないはず」
トライアル場では、木の生死にかかわるような環境変化が起こっていることもあるけど(木の根のまわりが、ターンの練習ですっかり削れてしまっていたり)、森を散策する限りでは、木への影響はそんなになさそう。
「でもね、それは生き物としての木への影響であって、植林した木は商品ですから、幹に傷をつければ商品価値が落ちる。根に傷をつければ発育に影響が出て、それで商品価値が落ちるかもしれない。なにより、植林地は個人の山ですから、持ち主がどう思うかという感情的な問題は残ります」
ぼくらがオートバイに乗って遊ぶことを、自然破壊とくくられることは多いけれど、実は日本には自然のまま放置されているところなんてほとんどなくて、たいていは人の手が入っている。
枝打ちをさせてもらうにしても、オートバイで走らせてもらうにしても、まず、人間と人間がふれあうことを忘れちゃいけないですね。あたりまえのことだけど。
投稿者 nishimaki : 09:32
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2007年12月10日
ど・ビギナーbyタイガーカブ
四十雀に参加するのに手入れをして以来、トライアンフ・タイガーカブが機嫌がいいので、調子に乗ってど・ビギナートライアル大会にもこれで参加することにしました。
スコルパSY250Rに乗っていたときに参加させてもらって、セクションがとってもていねいに作られているのに感激して、その後もてぎでの大会運営を共同で行うようになって、すっかりスタッフの一員になっていましたけど「出場したい」言っていったら快くお許しをいただきました。
SY250Rのときはできもしないのにオープンクラスのラインを走ってぼろぼろになったけど、今回はきちんとビギナーラインを走ってみようとココロに決めています。この大会のセクションはほんとにうまく作られているんだけど、それがどんなものか、やっぱりときどきは大会に参加して確かめてみようと思ったというのが、大義名分です。
この大会、高い段差はありません。オープンクラスでも、せいぜい20〜30cmくらいの段差があるくらい。ビギナークラスは、もっと低い。ただ、きちんと作り込まれているから、かなり難度は高い。ビギナークラスの場合は、ちょんとオートバイ心のある人なら「なんだー、簡単じゃないか」と思える程度。で、走ってみるとばたばたと足が出る感じです。先へ進めなくて5点になるということはあんまりないと思う。オープンクラスの場合は、けっこう熟練者が「なんだー、平らだし、簡単じゃないか」といいながら、ばたばたと足をついてしまう感じの設定です。
セクションは広々としているので、勝手に高い岩に向かっていく人もいます。そういう人には歓声が飛んだりしますが、自然山通信初めて10年。最初は歓声をあげていた素人ニシマキも、トシもとったし、今じゃ、勝手に高い岩に向かっていくのはトライアルにあらずと思ってます。トライアルは、規制された中で、一番簡単で確実なラインを発見して、そこを確実に走破するのが勝負です。「トライアル」の訳語は試験なんだけど、これを挑戦だと訳してしまった人がいたのかもしれませんね。
どんなふうにトライアルを楽しもうと勝手なんだけど、概して、無謀な挑戦をしているとうまくならずに、ライディングがどんどん荒くなってく傾向があるってのも、最近わかってきました。ある程度うまくなったら、それにあわせてセクションのレベルも上げていく必要があるんだけど、それと無謀な挑戦とはちがうからね。
藤波貴久が世界選手権のもてぎ大会を走る場合、彼の技量とセクションレベルはどんな関係だったかというと、きっとぼくとど・ビギナーのビギナークラスの関係にごく近いのではないかと発見したわけです。オールクリーンができる設定だけど、ミスは出る。ミスをどう減らすかの勝負。トップライダーはこういうのを神経戦といって嫌いますけど、そういうのがトライアルってもんだと、思っています、最近は。
前置きが長くなった。そんなわけで第1セクションについたら、まぁむずかしそうに見える。ぼくのトライアンフ・タイガーカブは、少なくとも1968年以前に製造されたイギリスのトライアンフ製のOHV単気筒(もちろん空冷)200ccエンジンを積んでいる。アーサー&アラン・ランプキン製作所の向かいにあるジョン・ランプキン・ベータUKの川向こうに住んでいるキース・フォースマンさんが、タイガーカブをトライアルマシンに仕立ててくれました。作ってくれて日本に送って、ざっと80万円くらいだったと思う。新車のトライアルマシンを買うのと同じくらいだったと記憶しております。
イギリスマシンだから、ブレーキは左足で操作。始動はプライマリーキックじゃないから、いちいちニュートラルに入れないといけない。ブレーキはもちろんドラムブレーキ。きかない。そして、昔のマシンにしたら軽いんだけど、重たい。しかも、なんだかホイールのセンターがずれていて、まっすぐ走らない。走らせたら最後、行きたい方向は(ヘタクソなぼくの場合)ライダーの意思6割、あとの4割はオートバイが決める。
この岩を越えたらどんな衝撃が来るだろう、このターンは素直に曲がれるのだろうか、などなど、不安なことだらけ。セクションは長くないけど(といっても、最近の初心者トライアル的には充分に長いらしい。セクションは必要なだけ長くあるべしだと思うけどな)、そのかわり一回とちったら、それを引きずったまま出口まで駆け込まなければいけない。けっこう必死。
朝寒かったから、まぁいいかと思ってコートを着たまま走ったけど、5〜6セクション終わる頃にはすっかり暑くなった。まぁ当然でしょう。ちなみにこのコートは、ベルスタッフではなくてバブアというブランド物。英国貴族がハンティングなんかに着ていくコートで、汚し放題で着るのがおしゃれというところが気に入っている。油が引いてあるから、そうそう洗濯もできないのですが。
でもまぁ、必死の思いでマシンを曲げて、10cmの段差を大岩に挑むドギー・ランプキンのような覚悟で飛び越え、第8セクションまではクリーンが続いておりました。どのセクションも楽勝ではなくて、油断したらあっという間に減点しそうなところばっかりだったけど、でもこの調子ならオールクリーンで優勝するのも夢じゃないなと思った矢先。泥のターンで足をついてしまいました。なんだばかやろー、みたいなへぼな失敗。クラッチミートしたのにマシンが出なかった。このワイヤークラッチは、右と左でタッチがちがうんですね。くそっ。
そしたらその次のセクションで、また失敗。全日本なんかで、前の失敗を引きずるってことがあるけど、ちょうどあんな感じですかね。きちんと分析してみると、下見がいいかげんになった。おいしいラインだけ下見して終わってる。最初の頃は不安で不安でしょうがなかったから、おいしいラインの下見を終えて、もしこのラインに入れなかった場合はどうしようとすべり止めラインをいっぱい下見していた。だからちょっと失敗があっても落ち着いていられたけど、クリーン連発してセクションをなめてきた。ベストラインしか下見してないから、ちょっとラインがずれると、いきなりあわてることになる。慌てるこじきはもらいが少ない(放送禁止用語なのか?)と言われたけど、この場合は減点が多いのであった。
最終セクションでどうしようもない足つきが2回あって、1ラップ目の減点は4点。うーむ。
2ラップ目はコートを脱いでいった。そしたら後半になって、少し寒くなってしまったんですけど、世の中、うまくいかないということだ。
第3セクション、高橋摩耶さんがオブザーバーやっているところでスタック。ぶざまにマシンを押しだして3点。あちゃー。よし、クリーンしたぞと思った瞬間に後輪が小石につかまってました。
第4セクション、田中裕人さんのセクションでも、やっちゃった。ベストラインに曲がるのがきつそうだったので、もう一本外側の木と木の間を抜けてみたらその先にラインはなかった。足をついて無理に曲げたほうが減点は少なかったと思うのは、後の祭りというわけです。
1ラップ目に足をついた第9はクリーン。足つくセクションじゃないんだもの。でも10セクションのターンは、やっぱりだめだった。2ラップとも足をついたのは、このセクションだけ。くやしいから、終わってから復習にいったけど、4回目でようやくクリーンできた。なんでもなさそうに見えたんだけど、まだまだ修業が足りません。
10セクションで2点ついて、2ラップ目7点。全部で11点がぼくの成績でした。ひそかにライバルにしていたNK女史などは、1ラップ目の途中カードを盗み見したときには減点がちょろちょろあったので安心していたら、4点と4点で8点だったそうな。完敗。
あのマシンで11点はご立派と主催の萩原さんにおほめの言葉をいただいたので、とりあえずよしとしておきました。オールクリーンで優勝しようと思った、などというのは、ここだけの秘密。
会場では、ベータの試乗会をやっていた。トライアンフに乗りたい人もいるかなと思ったけど、寄ってくる人は多いけど、お化けでも見るような感じで「乗りますか?」と聞いても「とてもとても」と逃げていく。ベルドンにいった齋藤さんが乗ってくれたけど「こりゃトライアルはできない」という感想でした。
ぼくの場合は、近代的マシンでオープンクラスは少しむずかしい。でもビギナークラスはちょっと簡単め。トライアンフでビギナークラスというのは、緊張感と難易度がとてもいい感じで、わりとお気に入りでした。
次は、このマシンでまだ一度も完走していない、ツーリングトライアルにも出かけてみたいところだなぁ。
*写真は問題の10セクション。1ラップ目。このあと足をつくんで、フォームがすでに破綻しています。
投稿者 nishimaki : 08:37
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