« 2008年01月 |
メイン
| 2008年04月 »
2008年03月31日
心神喪失
ある日の産経新聞の記事(ただしWEB)を読んで、つらつら考えてみる。
人を殺した人が“殺害時”に心身衰弱で、“死体損壊時”は心神喪失だったという鑑定が出たって話だ。科学的な事実はどうなのかわかんないけど、殺人を平常心でやる人なんているのかね。仮に、思わずかっとなって人をあやめてしまったとして、そのあと平常心で黙々とお片づけができる人なんているだろうか。どちらも平常心とはほど遠い気がする。そういう人のほうが、人としてふつうだと思う。なので、ふつうの人は、精神鑑定で「人を殺したときだけおかしな人になっていたから、殺人と死体損壊に対しての責任能力はない」と判断してもらえるってことになる。これなら、人を殺すのが怖くない。おっかない世の中だなぁ。
引用元をURLで示しておこうと思ったけど、WEBのニュースは消えてなくなっていることが多いので、プリントアウトをPDFにしておきました。こういうのは無断転載になるんだろうか、よくわかんないけど。
さてこの日記は、トライアル情報誌の自然山通信の名の元に書いてるから、一応トライアルに即してこのニュースを考えてみる。今トライアルでは(特に全日本とかでは)参加選手のマナーの問題が問われている。セクションをライダーやマインダーが加工してしまう悪さ、見えないところで燃料補給をしていたり、メカニック以外の人がマシン整備の手伝いをしているんじゃないかという疑惑、5点といわれて頭に血が上って執拗な抗議をするなどなど。
人を殺すのが「そのときだけ自分を失っていたから責任能力がない」のだったら、こういうのだって責任能力があるかどうか、疑わしい。「勝ちたい、クリーンしたいと思って、難所の地面を見ていたら、無意識に斜面を足で崩していた」「ライダーを勝たせたいという一心で、気がついたら大岩の前にきっかけ石を運んでいた」。くだらねーこと言うなと笑われてしまうだろうけど、日本の裁判所で同様の鑑定が殺人事件に影響を与えようとしているんだから、トライアルもそれにしたがった方がいいんじゃねぇか? もちろん逆説的なお話ですけどね、念のため。
最近は、セクション加工を防止するため、マインダー(マインダーとは広義の意味と解釈してます。試合のときはマインダーはメカニックという名称でライダーについて参加している)のセクション立ち入りは一律禁止となった。あぶないところでお助けをするときだけ、オブザーバーに許可を求めて立ち入りができる。規則は規則だから、トップライダーのマインダーは、そうとなればそれに従う。これまでマナーがなってないと言われちゃってけど、ルールは守る。競技だから。
ところがトップライダーでない、全日本のような大きな大会への参加に慣れてないライダーのお父さんたちの中には、ルールが守れない人たちもいる。第一セクションで目撃したことだから、その人もセクションをこなしていくうちにマインダーの心得を学習したかもしれないけど、息子のトライアルが心配で、テープの外でおとなしくしているなんてできない。マインダーのセクション立ち入りを禁止した規則は、きっとそもそもはセクションの加工(破壊と示されることが多いけど)の防止だったにせよ、今となっては立ち入りそのものが禁止行為だ。お父さん(お父さんかどうか、実はよくわからない。目撃したことだけど、ここでは一般論としてお父さんで話を進めます)はセクションに入って、ラインに悩む息子の相談相手になっているだけだから、いわゆる加工や破壊行為はしていない。でもだめはだめだ。
なぜお父さんはそんなことをしてしまうのかというと「全日本では(本当はトライアルでは、なのだけど)セクションにマインダーが立ち入ったらいけないんだよ」と教えてもらわなかったのかもしれない。全日本のそういうルールに不慣れなのかもしれない。でもその時のお父さんときたら、息子を思う気持ちがめいっぱいで、テープの存在に気がつかず、オブザーバーの「メカニックは外に出て」の指示も聞こえず、何度怒られても息子の元に駆け寄ってしまったのではないかと思う。まぁ、心神喪失、みたいなもんではないかと。
件のお父さんに責任能力がなかったかどうかは、この文脈で言うと裁判所の判断になるんだと思うけど、日本には古来からしつけという美しい風習がある。何度もオブザーバーに注意を受けるお父さんには、ばっさりイエローカードをつきだして5点を与えるべきじゃないかなと、ぼくはその時思った。
申しわけない。ぼくは常々、オブザーバーは取り締まり官ではなく、選手のパフォーマンスを見守る立会人なのだから、おいこらお巡りみたいになってはいけないと思っていた。だからイエローカードなんて制度は、トライアルにはなじまないのではないかなぁと思っていた。
実は今もそう思っている。思っているけど、イエローカードの存在が、オブザーバーが「イエローカードを出すよ」と選手をおどかす材料になるのだとしたら、反則があったときに有無を言わさずイエローカードを行使することで、お父さんにも薬になるし、ルールの理解も早いんじゃないか。たぶんお父さんの大事な息子さんは、ここで5点をもらってももらわなくても、まだ優勝するとかポイントを獲得するとかという段階にはいないから、勉強するなら早いうちがいい。早いうちに学習をしないで、優勝戦線に加わった頃にイエローカードをもらうと、痛手も大きい。
「このやろー、ぶっころしてやろうか」と思ってしまうことが、万一あったとして、そんなときに心神耗弱になってしまうような人ってのは、仮に責任能力がなかったとしても、二度と人前に姿を現さないでほしい。そんな人が町中をうろうろしてると思うと、おっかなくて歩いていられないからね。
(トップライダーのマインダーは、経験豊富だから、気が動転するなんてことは、まずない。彼らもときにイエローカードぎりぎりに思えることをやったりするけど、それはオブザーバーの裁量とルールを見切っているからできることだ。このアンパイアは外角低めが甘いなと思ったピッチャーが、そこに放り込んでストライクをとりにいくみたいなもんだ。人のいいオブザーバーはつけこまれることになりかねないけど、観戦していて気持ちがいいのは、にこやかながらてきぱきとした採点をしてくれるオブザーバーのいるセクションで、なんだか気がめいってくるのは、オイコラ型のオブザーバーのいるセクションだ。これは日本に限らず、世界中のセクションで共通する感想です)
投稿者 nishimaki : 14:41
| コメント (0)
| トラックバック
2008年03月27日
ロシア航空のご飯とお役所の考察
去年、デ・ナシオンをさぼってしまったので、久々の国際線飛行機。今回は額面6万円のアエロフロート(ロシア航空)。杉谷もぼくも、20何年ぶりのアエロフロートでのヨーロッパ行きです。成田からモスクワまでででてきたご飯に比べると、モスクワ-ブラッセルででてきた飯は味がない傾向だったけど、大昔よりぜんぜんおいしくなっていた。それより、アエロフロートなのに、乗ってみたらボーイングだったのにびっくり。ソ連時代にはイリューシンとかばっかりだったけどね。
ということで、ベルギーから日記更新します。
MXingの木田くんが、先日の記事について触れてくれました。木田くんはほめてくれてると思うんだけど、要するに奥歯に物の挟まったみたいな書き方を指摘されてしまった。そのとおりだから、しかたない。
話を聞いた相手の名前を明記するのが記事を書くときの鉄則なんだけど、そういう、いわば公式コメントの場合は、さまざまな方面に気を配った発言をせざるをえない。それでは真相が見えてこない。「書かないでよ」というお約束のもとに、本音や真相を語ってもらうことはよくある。ほんとは、そんなの全部さらけ出してまな板に乗せて検討すれば、未来も明るくなるかと思うんだけど、関わる人と団体が多くなると、それもなかなかむずかしい。といようなもろもろが、奥歯にものを挟むことになっちゃうのだ。政治記事でも、なんとか大臣筋の情報によると、なんて話がよく出てくるけど、あんな感じ。でもトライアルの場合は、世界が狭いから、そんなふうに書いただけでも「こいつ、こんなことをしゃべりやがった」なんてばれてしまいそうで、こわい。いやはや、気にしていると、きりがないですけど。
それに、どこそこの地方の誰それの例だけどと、具体的な事例を書いたりすると、その一件について善悪白黒をはっきりしなくてはいけなくなるのもこわい。本質的にはまちがってるのかもしれないけど、現状はこれが最善ということはいっぱいある。ある一方から見ると、正しい方向に是正すればいいじゃんと思うのだけど、別の一方から見ると、そっちのほうがややこしかったりもする。むずかしいのは、あらゆる人にとって、自分の立場から以外の視点を持って物事を観察するってことだ。
書こうかどうしようか迷っているうちにそのままになってしまった件に、騒音測定がある。車検で騒音測定をしているという事実を作るのが重要で、静寂を守るかどうかは別問題と思える。車検のときだけ静かな騒音を演出するのは、結局意味がないのだけど、意味がないと思うのは一方から見た意見で、ある一方ではそれが重要という側面がある。これがあんまり衆目の知るところとなって、別のある一方にも車検の様子が知れるようになると、今度は全員失格になってしまうかもしれない。話が大きくなるとややこしいから、という発想は排除すべきだけど、現実にはそうとばっかりも言ってられない。
アンチドーピングも、全日本では1年に1度だけ、選手に通知をしたのちに検査を行っている。これじゃほんとの検査にならないんじゃないかと思ったりもするけど、検査をしているという既成事実が必要なのもある。本音と建て前の使い分けはずるいやり方かもしれないけど、使い分けもまた、必要だったりするわけだ。今のところ。
さて、前回の日記に書いた公認車両問題は、古いマシンを持っているユーザーが最大の被害者かと思いきや、古いマシンをサポートしなければいけないインポーターが、悲鳴を上げているのが現状だった。ユーロが高騰していてただでさえ緊迫財政なのに、過去に販売したマシンに経費がかかるとなると、その支出を取り戻すところがない。NBやNAのライダーが古いマシンで選手権に参加するのをあきらめてもらうか(IB以上のライダーは、公認車両にかかわらず選手権に参加できる)、MFJが公認申請料をとるのを免除してくれるかしてくれるとうれしいのだろうけど、どちらもそうそう簡単に方針は変わらない。いきおい「MFJはお金もうけに熱心である」という結論が出てくるのも気持ちはわかる。
ここで突然だけど、日本のお役所の話。国会中継を見たことがありますか? 最近の国会では、天下り団体が金の無駄遣いをしているのが指摘されっぱなし。
まぁすごい。天下り団体やお役所というところは、みんなが納めた税金で遊んでいるところ、みたいな勢いだ。無駄遣いをしているから、では税金は払わなくていいのかというと、税金を納めなくなったら彼らが遊べないだけでなく、日本の国歌もたちゆかなくなるわけだから、それもうまくない。大事なのは、税金を払わないことではなくて、その使い方の問題だ。
それにしても、どかんと無駄遣いをしておいて「必要なところに必要なだけ使った」みたいな答弁をする人たちって、すごい。なんとも厚顔。これは、お役所の人たちの特徴というか、特権なのかもしれない。
ひるがえってMFJ。MFJは財団法人だから、これらお役所や天下り法人とはちょっと性格がちがう(メーカーや警察関係からの転身者もいるから、まんざら天下りがないとはいえないけど)。それでもかつては、MFJもずいぶん厚顔のお役所だった。この10年ほど、いろいろ人や体制が変わって、厚顔でいたい人はやめていったりして、今は一見敷き居が低い組織に変身している。でも基本的に、MFJ事務局は立法府(MFJの場合は各委員会)がつくった規則を運用する行政府という面では昔と変わってない。そして、まちがったことを言わない、言えない組織でもある。
ちょっと話が飛ぶけど、もてぎのDE耐に参加することになったとき、ぼくが持っている競技役員のライセンスでこれに参加できるかどうかが問題になった。MFJのライセンスのくくりとしては、エンジョイライセンスを含む、すべてのライセンスで承認競技会に参加して共済見舞い金の制度を受けられることになっているんだが、どうやらDE耐の事務局では競技役員というライセンスでこの大会に参加することを想定していなかった。大会事務局としては、競技役員ライセンスもエンジョイ会員証と同じ効力がある(正確には運転免許証を添えられた場合)とMFJ事務局に太鼓判を押してもらえば安心なのだが、MFJ事務局のほうは、大会の規則書次第のところもあって、はっきりしたお答えができない。めんどくさくなって競技役員ライセンスを持ってるのにエンジョイ会員の申請をすることになったというオチだけど、なんだか年金を払ったのに支給が受けられなかったような納得できない感触をもったのは確かだった。競技規則に「競技役員資格でも運転免許があれば参加できる」と明記してあれば問題ないのだろうけど、そうでない限り、MFJ事務局が参加できるとは保障しかねるというのはわかるけど、気短に考えると責任逃れみたいな気もしてしまう。まちがったことを言わない、正しいことを発信するという姿勢は、ときにこんなことになる。これもまた、参加者間の公平性を考えた結果でもあるのだ。
長々個人的な話をしてごめんなさい。いずれにしても、税金は必要だ。ましてトライアルは、大きなメーカーからの寄付が少なくて、住民も少ないから税収入も少ない。単独では、とても経営ができない市場規模だ。全日本選手権も節約体制だからなんとかなっているにしろ(ほんとはそれじゃいけないのだろうけど)ともあれ、税収入はほしいところだ。
だから公認制度も必要となる。MFJは、公認制度について、安全性をうたったことはない。その目的は公平性だという。公平性についてはいろんな考え方があるけど、税金を払った車両と払っていない車両に乗っているライダーには格差をつけるべきだと思うと、納得しやすい。
おりしも、自転車トライアルでは、公認車両以外で参加するライダーは、参加の際に未公認車両で参加するための“税金”を払う必要があるという規則が制定された。自転車トライアルでは、公認メーカー以外の車両はリザルトにものせてもらえないという徹底ぶりで、それもどうかなぁと思っていたのだけど、未公認車両以外でも“税金”さえ払えば参加はできるというシステムは、これはこれでわかりやすい。
「お金がほしい」というと守銭奴みたいにとられてしまうかもしれないけど、お金は必要なのだから、公認制度で税金を徴収するのはトライアルには必要だと、MFJから説明があればわかりやすいんだけど、これが本音かどうかはともかく、MFJ事務局が公認制度の建て前としているのは、あくまでも参加ライダーの公平性なのであった。
本音と建て前を使い分けるのはむずかしいけど、それを理解するのも、またむずかしい。
投稿者 nishimaki : 10:29
| コメント (4)
| トラックバック
2008年03月19日
相模川の道普請
久々の相模川のお話。
トライアルに限らず、いろんなカテゴリーのオフロードライディング入門者、四駆遊びの人たち、ラジコン飛行機を飛ばす人、釣りをする人、バーベキューを楽しむ人々。相模川のこのあたりには、たくさんの人たちが集ってくる。
そんな人たちがみんなで協力して、河原のデコボコ道をきれいにしましたという一日が、3月16日にあった。
相模川の河川敷、通称猿が島では、今河川敷工事が行われている。圏央道(さがみ縦貫道)のパーキングエリアがこの付近に建設されるに伴い、ここを流れる山際川の流路を変更するためのものだ。今まで入り口となっていたエリアが新しい河川となり、ここで遊ぶ人たちは別に設けられた出入り口から出入りをすることになった。
で、この新しい出入り口と、その周囲の移動路が、ひどくデコボコしていて、乗用車で来る人などには、なかなか険しいドライブを強いられていた。で、相模川利用者連絡会の釣り部会(相模遊水会)よた提案があって、みんなで道をなおそうとなったわけ。本来は、道路から降りてくる道のデコボコを、という話だったが、この部分は河川工事をしている奥村組さんがやってくれていたので、それ以外の細かい部分を勇士の人手行うという算段。水溜りや穴ぼこを、河原の玉砂利を小型の重機を使って運んできて埋めるというのが主な作業だ。
手仕事だから、恒久的な仕上げにはならないかとは思うが、みんなの気持ちがひとつになるというのも、こういう作業の大きな目的のひとつである。
とはいっても、残念ながらオートバイ関係でこの作業に参加したのはごく少数だった。予定が決まったのが突然だったのもあるし、告知をする場所も限られているのもある。トライアル愛好者に、無理してきてくださいとはいえないし、むずかしいところではある。
釣り人たちは乗用車で来る人が多いから、このエリアの道が悪いのは切実だが、オフロードライダーは道が悪くたって困らない(トランポが走る道はきれいなほうがうれしいのかもしれないけど)という方向性のちがいも大きい。
これに参加してくれた斎藤勉さん(川崎市)によれば、穴埋めに使っていた玉砂利は、セクションの障害物として手ごろなもので、これを使われちゃうと、ちょっと悲しいという思いもあったらしい。けれど、利用者がてをとりあって環境を維持していくには、譲るべきところもあるってもんだ。
それに、道に穴を開けてる主はトランスポーターやオフロードバイクでもあるわけだから、こういう作業はみんなでやらないと逝けないわけだ。
わざわざその日に来れなくても、たまたまきてくれている人が「手伝おうか」と寄ってきてくれれば河川敷の未来は明るいんだけど、よくわからない人たちがへんな作業をやっていて近寄りがたいからなのか、遊びにきたんだから作業なんかしたくないもんねーと思っているのかはわかんないけど、作業を横目に通り過ぎていくライダーがいるのは、ちょっとつらいもんでもある。
告知活動については、自然山通信も責任の一旦はあるわけだから相模川利用者連絡会と連携してうまい手を考えるとして、公共の場所で遊んでいるときには、自分のライディングにいっしょうけんめいになるばっかりじゃなくて、まわりにもまわりにも目を向けてほしいなと思うんだけど、むずかしいことかな?
投稿者 nishimaki : 08:21
| コメント (0)
| トラックバック
2008年03月10日
公認する(そして検定合格)
日記をさぼってしまっています。ごめんなさい。
この日記がさぼるときってのは、書くことがなかったのではなくて、書くことはあるんだけど、どう書いていいのかわかんなくて、困っている間に時間がたってしまうことが多い。個人の日記なんだから(一応)、なんでも書いちゃえばいいんだけど、最近は日記に書いたことで大騒ぎになることも多いんで(しょこたんとか)、意気地なしには悩みどころです。
今回の、書くべきことは、MFJ公認大会においての公認車両問題です。
公認車両問題については、自然山通信の掲示板で、ずいぶん活発に議論されてました。大騒ぎと見る人もいるけど、多少感情的な意見もあれど、どれも理解できる意見だし、内容もなるほどと思えることが多い。いろんな意見が並んでいて、これが今のトライアルライダーが思っている実情が並んでいるんだと思うと、意義があると思います。
公認車両については、自然山通信2月号でちょっとだけ触れました。3月号では、現段階での現在までの公認車両のリストを掲載しました。自然山WEBでも掲載しようかと思ったけど、同時期にMFJのサイトに同じリストが掲載されたので、今は用済みになってます。従来は一覧されているものがなくて、規則書のリストに機関誌で発表された追加の車両を加えて管理していないといけなかったから、一覧表ができて、便利になった(もともとこれで当然だとは思うけど)。
で、公認車両とはなにか。MFJというくくりのもと、チャンピオンを争うなどの選手権に参加するには、マシンや装具のいくつかは、MFJの公認をとっている必要がある。トライアルではマシンとヘルメット。以前はタイヤも公認制度があったらしいです。ロードレースでは、レーシングスーツも公認制度がある。公認制度はなんのためにあるのか、ヘルメットやレーシングスーツは安全性の確保のためだと考えるのが納得しやすい。されど実際には、規則にのっとった構造などをしているかどうかを検査して公認しているわけで、もともとは安全のために作られた規則といっても、運用的には安全を保障するものではない。現実的には、参加者が公平となるように、みんなが同じ規格のものを使って競技をしましょうという主旨となっている。ついでにいえば、公認をするには公認申請料が必要で、それがMFJの収入になる。今回の問題で「MFJの金もうけ」というニュアンスの意見もあると思うんだけど、MFJの収入はライセンス発給代と公認代がほとんどなのだから、それはお気の毒だと思う。ガソリン税でマッサージ機を買っちゃうお役所よりは、MFJはフェアにやってらっしゃる。
今回の問題は、公認車両であるかをちゃんとチェックして、公認大会に参加するにはちゃんと公認車両を使っていただこうという、これまでも守られていたはずの規則を、あらためて徹底しましょうという申し合わせをしたところ、大騒動になってしまったわけだ。公認車両という規則があることは知っていたけど、どれが公認車両なのかがはっきりしなかったり、あるいはそういう制度を知らずに大会に出ていた人にとって「聞いてねーよ」ということになるんだろう(もちろん原理原則でいえば、規則書が配布されているのだから、見ない方がいけないんだけど)。もしかしたら、ほんとは公認をとっていないマシンなのに、なんとなく出場できてしまっていたケースもあるかもしれない。これまでOKだからといって、規則に反していることはやめようというのは、理屈の上では、当然だ。
しかし、規則が変わらなくて、これまで参加できていたマシンが、今年から参加できないと言われたら、やっぱりびっくりする。誰かがいじわるをしている気がするかもしれない。参加したい人を締め出してなにがおもしろいのかと思うかもしれない。でも、トライアルにはいじめっ子はいない。今回、参加できなくなった悲劇の対象は、最初に出した公認が切れてしまう、ちょっと昔のマシンたちだ。全日本選手権では、5年も前のマシンは、ほとんど見かけなくなっている。新しいもののほうが性能は優秀だし、仮に性能が一緒でも、古ければいろんなところが疲労していて、いいことはない。だからみんななるべく新しいマシンを使っている。ところが全日本選手権を走る国際A級、国際B級の面々は、公認車両にしばられることはない。彼らは競技規則さえ満たせば、自作のマシンでも参加ができる。
一方、ちょっと古いマシンが登場するケースの多い地方選手権や県大会などに参加する国内A級や国内B級には、公認制度がばっちり働く。昇格ポイントのつかない承認大会の場合は、公認非公認を問わずに参加できることが多い。だから今回の問題は、地方選手権や県大会に参加する国内A級と国内B級に限っての問題ということになる。大騒動になっているということは、それだけこの層が厚いということで、逆説的にいえば、悪い話でもないのかもしれない。
規則は守りましょう。もしも、規則が実情に即していないなら、規則を変える必要はあるかもしれない。でも、少し古いマシンが出場できなくなったからといって、公認制度全体がおかしいのかどうかは、微妙なところだ。それに、公認制度はロードレースもモトクロスも、モタードもスノーモービルも、あらゆるMFJカテゴリーに共通する制度だ(トライアルマシンがスノーモービルのレースに出られるという意味ではない)。仮にトライアルでは公認制度が不要だとしても、モータースポーツ全体で公認制度が不要とならなければ、公認制度は残される。技術委員会では、トライアルだけが公認制度について特別処置をとることは適切ではないという結論が出されている。つまり、公認制度を廃止するという選択肢はないように思える。ちなみに規則を作るのはMFJではなく各委員会となる。MFJは、規則を運用するいわば“行政機関”だ。
公認には、公認申請料がいる。インポーターとしたら、新車を公認申請をするのは納得できても、大昔に販売を完了したマシンに費用が発生するのは、なかなかつらいところ。それでなくても、昨今のユーロ高は輸入業者を思いきり痛めつけているのだ。
新型車についても、一筋縄ではいかない。現実には、公認車両であるかどうかはフレーム番号で識別するしかないのだが(排気量やボア×ストロークは年式が変わっても共通のマシンが多いと言う前提でのことだが)、輸入マシンの中には、同じ形式で公認をとり続けているものもあるようだ。一方、毎年公認をとっているものもある。この両者には、けっこう大きな負担の差が出てしまう。
こういったもろもろは、一部の人は知っていたのかもしれないけれど、みんながみんな熟知していたわけではない。えらそうなことを書いているけど、ぼくはなんにも知らなかった。今回のことで公認について規則書を見たら、ダンロップのD803が公認となっていて、ミシュランやIRCは公認リストに載っていなかった。となると、ミシュランで走っている選手は公認違反で失格になっちゃうのかと思ったが、トライアルではタイヤの公認制度がなくなって、最後に公認したダンロップだけがリストに載っているということのようだ。いろんなことが、解説してもらわないと、わからない。
競技会に出るのだから、規則書は熟読しなさいというのはよく言われるし、当然のことだ。ただ、いっしょうけんめい理解しようとしてもわかりにくいとしたら、わかりやすくなるように変化が見えるといいなと思う。MFJというところは、よくも悪くもモータースポーツのお役所的なところで、他のお役所を見てもわかるとおり、わかりやすくない。そして知らない方が損をするというシステムになっている。国民年金も、そういうシステムだった。
ユーザーの側にも、わかりにくいからといって、ちゃんと知ろうとしなかったという側面がある。今回、お気の毒に用意したマシンで選手権に参加できなくなった人も少なからずいるんだろうと思うけど、そんな人たちを救済するのは簡単ではないかもしれない。できたら救済してあげたいけど、百歩譲って救済できなかったとしても、MFJのいろんなことに対して、こんなことを機にしてでも理解と考える機会が増えるとしたら、せめてそれはそれでよい結果になると思うのだった。
*写真は例によって本件とはまったく関係なくて、イタリアのマリオ・カンデローネの奥さんであるアニエーゼが、日本語検定に合格して、その合格証書のコピーを送ってきた。イタリア人が日本語を勉強するというのはとてもたいへんだと思うのだけど、彼女はがんばったのだ。ぼくも、古くなったワープロをプレゼントして、これで日本語の発音と漢字についてお勉強しなさいとご指導したものだったけど、それが役に立ったのかよけいなお世話だったのかはよくわからない。マリオは日本に来たとき、そこここの日本女性に目を輝かせて「おれは絶対に日本人妻をめとるのだ」といっていたから、この証書を送ってきたときの返事に「よかったなぁ。これできみはJapanese wifeを手に入れた」と書いてやった。わはは。
投稿者 nishimaki : 16:59
| コメント (0)
| トラックバック