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ニシマキ日記

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2008年07月27日

FIM委員の顔ぶれ

08FIMのマニュアル類

 FIMは、毎年関係者(選手権に参加するエントラントも含む)にいろんな冊子を配布している。MFJも、ライセンスホルダー(ライセンスフィーを払った資格のある人)に競技規則書などを配布しているけど、当然というかなぜかというか、FIMのほうが気合いが入っている。世界選手権の開幕戦にでかけると、ほれとばかりにばさばさと冊子を渡される。去年のFIM年鑑(全カテゴリーのランキングなどが一覧されている)、レギュレーション総則、トライアル細則、環境問題についてなどなど。
 意地悪な見方をすれば、開幕戦で規則書をもらったって遅いじゃないかって気もするけど(その点、MFJの規則書はシーズンオフの間に作られて、新年度のライセンスの発行とともに送られてくる。立派)FIMは世界選手権の現場で、世界中のみなさんにタダでお配りしちゃうんだから、太っ腹ではある(世界選手権にきている人というのは、MFJの全会員なんかよりはるかに少ないわけだけど)。
 といっても、いつもはぱらぱらとめくって本棚にしまいこんでしまうのだけ(捨てるのは、かろうじて思いとどまっている)。ちょっと眺めてみると……。

 年鑑には、役員名簿ってのもある。ふつうの人にはとんとご縁がないとは思うけど、この9年、もてぎで世界選手権をやるようになって、オフィシャルの人たちはFIMのお偉いさんとの接触も頻繁になった。FIMにはトライアル委員会というのがあって、これに世界中の人が参加している。今のオヤブンはクルミエールさんといって、フランスの人。英語を器用に話すけど、英語でお話するのは恥ずかしがる。前のオヤブンはベルネダさん。スペイン人。もともとスペイン協会の仕事をしていて、スペインの若いライダーを引き連れて世界選手権を転戦などしたことがある。当時の目玉ライダーはアンドリュー・コディナとかで、なぜか杉谷真がその転戦に乗っかっていたりしたこともあった。
 副委員長はノルウェーのミンケンさんとルクセンブルクのヴァン・ディックさん。ディックさんとぼくらは、藤波が世界チャンピオンをとる前日、トライアル仲間のカート耐久レースでチームを組んだことがある。金曜日の夜、突然、近所のカートコースに出かけるぞということになって、みんなでぞろぞろでかけていった。トップライダーは「そんなお遊びにつきあっていられるか」という感じだったけど、世界選手権1年生(当時はユースだった)のオリベラスやジベールなど、スペインの若手はこぞって参加してきた(参加させられた)。ぼくらのチームはスペインベルネダ、ヴァン・ディック、杉谷、ニシマキというデコボコカルテットで、ピカイチに速かったマンサノに何ラップもされてしまった。
 そんな話がしたかったわけじゃない。トライアル委員には、その他イギリスのウイロビーさんをはじめ8人がいらっしゃる。国名を挙げると、ポルトガル、イタリア、サンマリノ、ベルギー、ドイツ、チェコ、スペイン、イギリスの方々だ。残念ながら、日本の人はひとりもいない。トライアルのみならず、委員会の名簿を最初から最後まで見ても、日本の人はロードレース委員会に杉本五十洋さんひとりしか発見できなかった。
 トライアル委員会の人は、それぞれ世界選手権が比較的盛んな国の人だけど(サンマリノでの開催は、最近はないなぁ)他の委員会を見てみると、クロアチアとかチェコとかペルーとか、あんまりモータースポーツが盛んでなさそうな国の人も、どんどん名前が並んでいる。日本にはでっかいメーカーが4つもあって、世界選手権も開催されていて、ロード、モトクロス、トライアルの各クラスでチャンピオンがでているというのに、たったひとりですぜ、たったひとり。
 よく、ヨーロッパの連中は日本人が強くなると、都合がいいように規則を変えやがる、という不満を聞くことがある。欧州勢のわがままは、ぼくも感じることがある。でも、そこで「そりゃ、あんたたちのわがままでしょ」という人がいなけりゃ、それはわがままではない。
 日本のライダーよ、もっと世界へ出て行きましょう、と無責任に言い続けているけど、世界へ出て行かなければいけないのは、選手だけじゃない。ぼくらジャーナリストもそうだし(たった10年の自然山通信なんかより、長年にわたって世界の舞台を取材し続けている藤田秀二さんには、とんと脱帽する)、こういう大会を運営する側の人にも、それはいえることだ。
 工業アドバイザーなんてグループもあるんだけど、そこにはハスクバーナやドゥカティ、ヤワ、アプリリアの人々が並んでいる。日本のメーカーはというと、ホンダヨーロッパ、ヤマハヨーロッパ、ダンロップタイヤから委員が出ているけれど、それぞれイタリア人、オランダ人、イギリス人だった。ここにも、日本の人はひとりもいない。
 女性とモーターサイクル委員会みたいな組織もある。なんとそこには、2007年女子世界チャンピオン、イリス・クラマーの名前がある。彼女、10代の頃からトライアル委員会のおやじを相手に自説を主張する気が強いところを見せていたが、彼女ならこういう役柄もぴったりだ。ドイツのライダーねーちゃんがFIMの役員をしているというのに、日本人は壊滅状態。ほんとうになさけない限りなのである。
 以前、MFJの人とお酒飲んでいるとき(割り勘)、FIMから役員を出せと言う要望がくるんだけど、誰かいませんかね、という話になった。モンテッサのM社長はどうかな、ヤマハのKさんはどうかな、なんてこれまた無責任なことを言ってみたものの、まぁいろいろむずかしいわけだ。なんたって、MFJからギャラが出せるわけでもない。「杉谷さんでもいいんですけどねー」とも言われて、杉谷を年に3回くらいヨーロッパの会議に飛ばしてみるのもおもしろいかとは思ってみたけど、現実、おもしろいばっかりでもなさそうだ。昔々、キャラバンを引っ張って世界選手権まわりをしていた頃なら、ついでに会議に出席するのもよかっただろうけど、今や杉谷さんは、FIMの会議に出席するより、海に出るのが忙しい。いざ、自分に振られると「えー、むずかいなぁ」と答えてしまうのだから、日本の役員さんよ、世界へ出ましょう、なんて言うばっかりなのも、無責任きわまりない。
 しかしいずれにしろ、会議に日本人が並んでいなくて、日本の主張なんか通るわけがないのだった。

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投稿者 nishimaki : 2008年07月27日 06:10

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コメント

そうですね。
野球で一応世界一(WBC)になった日本ですが、昨日、オリンピックでの試合の方法を勝手に変えられてしまって、星野監督激怒という話がありました。
世界野球連盟(と言うのかどうか知らんが)の主要メンバーに日本人の役員が居ないから勝手に決められてしまったそうで、国技とも言える野球ですらそうなのですから、
日本人は世界では相手にされてないってことなのかしら。。。

投稿者 めい : 2008年07月28日 19:43

FIMトライアル委員会に、MFJの代表がいないのはおかしい。私は昔からその必要性を感じておりました。しかしFIMの設立から考えるとある程度仕方が無かったのでは? 何かを創設するのに、どれほどの苦労と努力が必要だったかは、その歴史に携わった関係者だけにしかわからない。培われてきた権威を彼らは継承していきますね。自分たちの都合を優先するのは、ある意味では当然でしょう。
しかし、MFJでは、東洋の島国から委員を派遣しなければいけない、といったポリシーは残念ながら聞こえてきませんね。「建前は理解するが予算的に無理である」が本音ではなかろうか。だったらインポーターの代表などにしてもらったらどうでしょうか。それはMFJの成り立ちから思えば、まず考えられないことです。ここらあたりの壁を越えられると、MFJも新世界に突入できるのに・・・、惜しいです。でも、彼ら(欧州勢)は柔道の規則を変え、今や日本柔道界を完全に押さえ込んでいる(新興国を見方にして)学ばなきゃ、欧州勢のたくましさを。

投稿者 ミック : 2008年07月30日 09:10

 トライアル委員の派遣は当然必要と考えます。MFJでは「建前は理解するが予算が取れない」といった回答でしょうね。もともとモータサイクルスポーツは欧州勢が創設し、運営してきたもの。彼らの意向が優先されがちなのは、ある意味で仕方のない。昔、あるMFJに関りのある方から聞いた話ですが「トライアル委員になるのは、最低2ヶ国語、自国の言語以外に英語かフランス語が堪能であること。また、在籍委員の2名以上の推薦が必要。年間2〜3回開催の委員会に出席できること」などの条件があると。
 でも、インポーターの代表など諸条件的に有利な立場にある方にとりあえずお願いする、そんな手もありますよね。でもMFJの流れの中では、それはないでしょう。ここらあたりを、超えられれば新大陸は見えてくるのでしょうに。
 欧州勢は、まったく組織を動かすのがうまい。新興国を味方につけ、世界柔道界ルールを改正し、ますます 日本柔道 では考えられなかったような方向へ誘導していますね。今や欧州勢に学ぶ必要がありますね。
  

投稿者 ミック [TypeKey Profile Page] : 2008年07月30日 09:36

コメント、ありがとうございました。
ほっとくとスパムだらけになっちゃうので、せっかくの投稿を、しばらく留保するようになってます。
何度も投稿させちゃって、ごめんなさい。

野球、柔道、そしてMFJに限らず、日本の人は世界に意見を発信するのが本当に苦手。かくゆうぼくだって、やっぱり苦手。総理大臣だって、外国の大統領と肩を組んだだけでご自慢なんだから、それもしかたないかなとは思いますが、次世代のみなさんには、ぜひなさけない日本を建て直してほしいところです。

投稿者 ニシマキ : 2008年08月01日 00:44

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