トライアル・自然山通信
【2007年10月15日】
IAは成田、IBは平田がタイトル獲得
2007年の全日本選手権は、最終戦まで各クラスとも厳しいタイトル争いが続いていた。
国際A級は125ccで参戦している成田匠と昨年のチャンピオン小森文彦(ホンダ)が2点差でタイトルを争っていた。どちらか勝ったほうがタイトルを決めるという状況の中、なんとふたりは同点でゴール。クリーン数ひとつの差で、成田の勝利とともに、成田のタイトルが決定した。
国際B級は藤巻耕太(ガスガス)が3勝目。チャンピオン争いは滝口輝(ホンダ)を2点差で退けて平田貴裕(スコルパ)が制した。
成田と小森の最終決戦はさわやかだった。
国際A級の最後にスタートを切ったふたりは、同じようなペースでセクションを攻めていった。
第4セクションで成田が2点をつけば、小森は1点。しかし小森は次の第5セクションで1点減点するなど、ふたりの勝負は拮抗している。
結局1ラップ目を終えて、成田が4点、小森が5点。勝負は僅差のまま、2ラップ目に突入した。彼ら以外では、白神孝之(シェルコ)が7点、岡村将敏(スコルパ)と田中裕人(ホンダ)が9点と続く。成田と小森は、トップ争いをしながらチャンピオン争いをしていた。
2ラップ目、開始早々にして成田が第1セクションで2点。しかし小森も仲よく2点を喫して、勝負の行方はまったく見えない。このラップ、最小スコアで終えたのは白神の2点だったが、小森も3点とほぼベストを尽くす走りを見せた。最終セクションを終えたところで、小森は「悔いはない」と試合を振り返った。
成田の2ラップ目の減点は4点だった。トータルでは、小森と同点の8点クリーン数は成田が22、小森が21。クリーン数たったひとつの差で、最終戦は成田のものとなった。そしてそれは同時に、2007年のチャンピオンを決定づけることにもなった。
さわやかな表彰台で、しかし成田の左腕には、黒いリボンが止められていた。黒山健一、野崎史高の腕にも止められていたこのリボンは、先日不慮の事故でこの世を去った阿部典史選手を追悼したものだった。彼の告別式は、この前日のことだった。合掌。
【成田匠】 途中で1ラップ目の結果は知ったのですが、1点差のトップなんて、なにが起きるかわからないから、最後まで集中して走りました。小森くんとは同じようなペースでしたからいっしょに走って、どちらが勝つにしてもがんばろうと声をかけあっていました。いい勝負ができたと思います。 チャンピオンになって、またスーパークラスへの昇格がからんでくるのですが、できればこれからのライダーのために、抜かれるまで目標でいたいと思っています。来年は藤巻くんもIAに昇格してくるし、若いライダーの成長は楽しみです。
国際B級は、平田貴裕(スコルパ)と滝口輝(あきらひかる・ホンダ)が6点差でタイトル争い。滝口優勝で平田が3位なら平田のたいとる決定という状況だが、滝口にとっては目の上のたんこぶ、藤巻耕太(ガスガス)が復活してきて好調。いっぽう平田は、夏以降調子を崩していて、さらに練習中にエンジンを壊して大会出場もぎりぎりというきわどい戦いだった。
滝口は藤巻の牙城を崩せず2位。しかし一方平田は、1ラップ目に6位と出遅れて、一時はチャンピオン獲得はあきらめるまでに追いつめられていた。後半、タイトルは気にせず走ると決めてから少しずつ追い上げを開始。自力チャンピオン獲得圏の3位はならなかったが、滝口が2位となったことにより、わずか2点差ながら平田のタイトルが決定した。
平田は去年、兄の雅裕がIBチャンピオンとなっていて、兄弟で2年連続チャンピオンを達成した。
*滝口くんの名前を、わざわざ紹介しておいてまちがえました。ごめんなさい。輝くんはあきらくんではなくひかるくんと復唱しながら、このざまです。キャンバーターンでは谷側に足をついてはいけないと呪文をとなえながら、いざとなったら谷側に足をついてしまって大転倒してしまったような失敗です。申しわけない。
今回の序盤は、藤巻が失点を重ねていて、滝口が藤巻を上回ってトライを続けていた。ところが5セクション以降、藤巻ががぜん本調子を発揮し、以後、まったく足をつかずに1ラップ目を終えると、2ラップ目もたった1ヶ所でだけ失点した以外は、すべてクリーンしてしまった。これにはライバルは脱帽する以外はない。
藤巻に完敗したという滝口は、これで4回目の2位入賞。第1戦で5位、第2戦で11位という成績に甘んじていた2年目のルーキーが、1年で大きな成長を遂げたのはまちがいない。もちろん上には上がいて、藤巻はB級1年目で優勝3回2位2回、不参加3回の結果を持ってランキング3位を獲得したのだが、若き才能の華開き方には、いろんなタイミングのずれがあるものだ(今回スーパークラスでようやく華開いた小川友幸の遅咲きを見ても、それは明らか)。
滝口に続いて、今回3位に入ったのは小野田理智。A級ライダーとして活躍していた選手だが、一度降格をし、ちょっと昔のベータテクノとともに全日本選手権に復帰してきた。1ラップ目はクリーンが5個とそこそこだったが、こちらも2ラップ目に開花。クリーン10、減点7は藤巻に次ぐラップ賞だった。
小野田の出現のおかげで、表彰台を逃してあぶない思いをしたのが平田だった。これで滝口が藤巻を破って優勝していたら、晴れのチャンピオンは滝口のものとなっていた。ほんとうにぎりぎりのところで、平田は07年のタイトルを手中にしたのだった。
2007年シーズンが終了し、上位8名のA級昇格者も明らかになった(最終的には、MFJの審査委員会を経て決定される)。平田、滝口、藤巻の3人は当然として、ランキング4位、ランキング5位には村上功、荒木隆俊のベテラン勢が入った。ただ、村上が今回も6位に入り、全日本全戦にポイント獲得を果たしたのに対し、荒木は今シーズン初のノーポイント。今回8位に入った息子に、初めて負けを喫することになった。A級昇格の目標を達成した荒木は、来年は息子の磨き上げに精出す予定という。
投稿 : 2007年10月15日 08:57
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3月号、いよいよ新しいシーズンが始まります。3月号の発送は、2月27日と28日の両日にわたっておこないました。
今月号は、ちょっと変わったトライアル風景が表紙です。でも、そのスピリッツは、世界選手権とも同じはず。トライアルの思い、広く伝わってほしいと思います。
実は、今月号は自然山通信13年目の創刊記念号でした(印刷屋さんに渡してから、それに気がつきました。とほほ。なので、4月号に、13年目の思いをまとめたいと思います)。
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今月も、2010年モデルのインプレッションはつづきます。日本に本格上陸のチスパ125とガスガスシリーズに乗ってみました。25周年を迎えたど・ビギナートライアルは、主催者萩原さんやスタッフ、参加者の寄せ書き寄稿。そのコメントの影に、トライアルの本質が隠れています。
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