トライアル・自然山通信
【2009年02月18日】
開幕戦楽しみな三人
全日本選手権の開幕戦が近づいている。
茨城県桜川市真壁トライアルランドでは、来る日のためにセクション開拓が始まっていて、そしてこれに参加するライダーは、よりよい成果を目指して、準備に余念がない。
全日本のトップクラス、国際A級スーパークラスの戦いは、あいかわらず激しいセクションでし烈な戦いが繰り広げられるが、今年の開幕戦で注目したいのは、新しくスーパークラス入りをする3人のニューカマーたちだ。
2009年国際A級から国際A級スーパークラスに昇格したのは3人。チャンピオンの西元良太、ランキング2位の柴田暁、ランキング4位の斎藤晶夫だ。
ランキング3位の本多元治、5位の佃大輔は、かつて国際A級スーパークラスを走った経験がある。2008年にスーパークラス入りをした三谷英明と小森文彦のふたりも、やはりかつてスーパークラスを走った経験を持ちながら、国際A級のトップライダーとして返り咲いたライダーだ。そんな中、今年スーパークラス入りをした3人は、まるっきりのルーキースーパークラスライダー。ぴかぴかのニューカマーだ。
もともと国際A級スーパークラスは、世界選手権に挑戦するライダーのための特別クラスだ。こつこつと国際A級を戦い抜いてきたライダーには、セクションは限りなく厳しい。三谷も小森も、2008年のシーズン前には、スーパークラスで走ることの厳しさと危険性、モチベーションを保つことの困難さを語っていた。
そこに挑戦する若手3人。
2008年国際A級チャンピオンとなった西元は、そのシーズンオフに野崎史高と練習を積んだのが、その年の躍進につながったと語っている。ふたりは自転車トライアル時代の先輩後輩で、同じく世界チャンピオンの経験者でもある。同じ関東のライダーで、同じチームに所属する。一緒に練習するチャンスはあった。
もちろん練習のやり方そのものも大いに見習うものがあったというが、しかし西元が野崎から学んだのは、トライアルに対する取り組みや考え方だった。もともと自転車トライアルのチャンピオンである。ライディングテクニックについては、大いなる素質があったのはまちがいない。それでも、2008年に西元がチャンピオンに向けて大きく“化けた”のは、野崎とのこんな日々があったからだ。
第6戦中部大会で優勝し、ランキングポイント3点差で本多を破ってランキング2位を勝ち取ったの柴田は、チーム三谷所属である。チーム三谷には、小川友幸をはじめトップライダーがずらりとそろっている。トライアルを学ぶには、やはりよい環境を持っている。
実は、今回ここに紹介するライダーは皆関東在住だが、そんな中唯一大阪から遠征して真壁で練習に励んでいるのが柴田だ。
このご時世、トライアルで食べるのはとても厳しい。しかしだからといって、トライアルにかける費用を節減してしまっては、ライダーの成長もない。新しい世界に飛び込むためには、関東への遠征練習など、遠くない。
2005年に国際A級入りをして、3年間戦った。奇しくもその1年めは、ランキング14位で、ランキング13位の西元と並んでいる。
その2005年に、ついに無得点に終わった国際A級1年生が、斎藤晶夫だった。トライアルは頭のいいライダーが強いといわれる。頭がいいというのは、いわゆる勉強ができるできないという意味ではなく、トライアル的な頭脳の善し悪しの話だが、斎藤は現役の信州大学の学生でもある。勉強もできるトライアルライダーだ(それがトライアルに有利なのかどうかは、よくわからない。学業に忙しいというハンディもあるし)。
比較的地味なエリートラダーだった斎藤が、ひとまわり大きなライダーとなったのは2008年のSSDT参戦からではなかったか。野崎史高や小川毅士らが参戦したことはあったが、ヨーロッパに活躍のベースを持たない日本の若手が、SSDTに参戦した例はまずない。しかしSSDTは、お年寄りのリクリエーションではなく、気力体力のあふれる脂の乗ったライダーがからだごとぶつかる対象が、SSDTだ。
その後、A級で上位入賞を果たすようになって、ランキング4位。スーパークラス入りを果たした。
最近、ようやくスーパークラスのセクションに目が慣れてきた、という斎藤。激しいセクションは、志を持ってスーパークラスに昇格してきた斎藤にとっても、やはり険しいものだった。
こんな3人を牽引しているのが、先輩である野崎史高と小川毅士。野崎は埼玉県小川町に在住だが、小川はもともと京都の人。このシーズンオフ、よりよいトライアル環境を得るために、一家丸ごと真壁に引っ越してきたという。
野崎が西元を、毅士が柴田と斎藤を。どちらもチームメイト同士だが、それだけに限らず後輩を見守る先輩としての目線がそこにある。しかし一方で、練習のパートパートでは、毅士といえども後輩に楽勝ではない。
「いやー、部分部分でちょっといいときがあるだけで、セクションひとつ試合丸ごとという点では、まったく安定感がちがいます」
と先輩、小川毅士をたてる斎藤だが、先輩も後輩に追い込まれてくれば、より大きなパワーを発揮するかもしれない。
そんな意味でも、2009年のスーパークラスは、ルーキーの3人に注目したい。
投稿 : 2009年02月18日 12:36
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