トライアル・自然山通信
【2009年03月17日】
カベスタニーがランク2位!
インドア最終戦。ここで、思いがけないことが起こった。ランキング2位を守っていたアダム・ラガが、まさかの5位に転落。アルベルト・カベスタニーに逆転されてランキング3位となった。カベスタニーは3位入賞を果たしてランキング2位を獲得した。
この、終盤のランキング争いの陰には、藤波貴久の活躍があった。藤波は最終戦を4位で終え、ランキングも4位。しかし今シーズンの藤波は、2位と3位が1回ずつを得て、去年よりは上向きの成績でアウトドアシーズンを迎えることになった。
すでにタイトルを決めているトニー・ボウは圧倒的に強かった。クォリファイを2位で通過した藤波を相手にダブルレーンで勝利すると、そのまま残る6つのオブザーブドセクションをすべてクリーン。もとからインドアでの強さは圧倒的だったトニー・ボウだが、その強さはますます磨きがかかっている。
この大会から、ボウと藤波は2009年のアウトドアシリーズで使う新型のワークスマシンで戦っている。ニューマシンの仕上がりは上々のようで、その結果が、今回のオールクリーンに結実したとも言える。
ともあれボウは、自身の3連覇のシーズンの結末を、圧勝で飾ってみせたのだった。
ボウに続いて2位に入ったのは、ファハルドだった。EVOのデビューシーズンのエースライダーとなったファハルドは、今シーズンはこれが初めての表彰台だ。
クォリファイでは5位と、さすがにクォリファイ敗退はまずないにしても、ちょっとあぶなげなファイナル進出だったが、そこからのがんばりはすばらしかった。今シーズンのインドアのルールでは、クォリファイの重要度は昨年までに比べて低くなっているようだ。そして今回のファハルドは、今年のインドアルールを最大限に生かして駒を進めてきた。
最初のダブルレーンでは、6位でファイナルに進出したダニエル・オリベラス(2009年はガスガスに乗る)と対戦して勝利。ここから先は、クリーンの連続だった。第3と第4では、クリーンしながらタイムオーバーで1点ずつを失ったが、結局ファハルドは、一度も足をつくことなくこの日のすべてのセクションを走りきってしまった。ボウの前に勝利はなかったが、大快挙の2位入賞となった。
問題は3位争いだった。クォリファイが終わって、第4セクションまでが終わったところでは、ラガとカベスタニーが同点で並んでいた。このふたりはまた、ランキング2位争いの渦中にいた。ただしラガがポイントでラガを2点リードしていたから、この最終戦でカベスタニーが3位、ラガが4位なら、ランキングは変わらず、ラガが3位のままだ。この期に及んでの逆転は、それを望むカベスタニーも、ほとんどあきらめていた。
ダブルレーンでボウと戦って2点を失った藤波は、第3セクションでラガが2点を失ったことでラガといったん同点に。しかし第4セクションで藤波は、減点1のタイムオーバー1点で、ここまでで4点減点。ラガは第4セクションを1点で切り抜け3点。折り返した時点では、ファハルドが2点、カベスタニーとラガが3点、藤波が4点とたいへんな接近戦となった。
第5セクション以降は、ますますのクリーン合戦となった。はじめてのファイナル進出でおっかなびっくりのオリベラスはちょっと番外だが、その他の5人はもはや1点も許さないという勢いで走り続ける。
第6セクション、最初に失点があったのが、ラガだった。これでラガの同点の相手は、カベスタニーではなく藤波となった。残るは最終第7セクションだけだ。
今年のルールでは、同点の場合は、最終セクションの走行タイムの速いほうが上位となることになっている。まず、4セクションまでで5位となっていた藤波が、ラガに先がけてトライする。ボウにはダブルレーンで負けているが、藤波もまた、スピードには定評がある。藤波は最終セクションをクリーン、タイムは38秒だった。このあとを走ったカベスタニーは、ここをクリーンすれば最終戦を3位で終えられる。ランキング2位はともかく、ランキング3位なら手に入りそうだ。ここは手堅くクリーンを狙う。
そのあとのトライが、ラガだった。ラガは、最終戦で表彰台を取りこぼしたくない。だから藤波に負けるわけにはいかなかった。藤波に勝つには、最終セクションをクリーンするだけでは足りない。38秒を切って走る必要がある。ラガは、藤波のスピードに果敢に選んだ。
その結果、ラガはこの日、トップ5の中では唯一の5点となってしまった。これでラガは万事休す。藤波との敗北は、3位カベスタニーとラガの間に、藤波が割って入ったということだった。
ランキングポイントは、これでラガとカベスタニーが同点。同点なら、優勝回数が多いほうが勝ちだが、今年は唯一1回だけ、カベスタニーがボウを破って勝利している。ということで、2009年のランキング2位は、カベスタニーということになった。
数年前まで、インドアといえばラガという感じで、圧倒的に強さを発揮したラガだが、その目玉は今やボウに持っていかれて、今年のラガはついに未勝利、2位も2回のみというかつてない結果に落ち着いてしまった。インドア的な技術でいえば、ボウについていけるのはラガが最右翼にいるのはまちがいないのだが、トライアルでは技術だけでないものも多く必要になる。今年のラガは、課題が多そうだ。
なおラガは、金色と黒を基調としたニューカラーのマシンを走らせた。どうやらこれが次期モデルの標準カラーとなるようだ。
Photo:Jake Miller (F.I.M.media)
| Qualificarion Lap(予選) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1位 | トニー・ボウ | レプソル・モンテッサ | スペイン | 3 |
| 2位 | 藤波貴久 | レプソル・モンテッサ | 日本 | 15 |
| 3位 | アダム・ラガ | ガスガス | スペイン | 16 |
| 4位 | アルベルト・カベスタニー | シェルコ | スペイン | 17 |
| 5位 | ダニエル・オリベラス | ガスガス | スペイン | 20 |
| 6位 | ジェロニ・ファハルド | ベータ | スペイン | 20 |
| 7位 | アルフレッド・ゴメス | モンテッサ | スペイン | 22 |
| 8位 | マイケル・ブラウン | シェルコ | イギリス | 22 |
| Final Lap(決勝) | |||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 順 | 名前 | ダブルレーン | 2 | 3 | 4 | 小計 | 出 走 順 組 替 | 5 | 6 | 7 | 合計 | ||
| 1 | ボウ | -- | -- | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 2 | ファハルド | 0 | -- | -- | 0 | 0+1 | 0+1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | |
| 3 | カベスタニー | -- | 2 | -- | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | |
| 4 | 藤波 | -- | -- | 2 | 0 | 0 | 1+1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 | |
| 5 | ラガ | -- | 0 | -- | 2 | 0 | 1 | 3 | 0 | 1+0 | 5 | 9 | |
| 6 | オリベラス | 2 | -- | -- | 1 | 5 | 5 | 13 | 5 | 2+1 | 3+1 | 25 | |
| Ranking(ランキング) | |||
|---|---|---|---|
| 1位 | トニー・ボウ | 38 | 3年連続チャンピオン |
| 2位 | アルベルト・カベスタニー | 25 | 優勝1回 |
| 3位 | アダム・ラガ | 25 | 2位2回3位2回 |
| 4位 | 藤波貴久 | 22 | 2位1回3位1回 |
| 5位 | ジェロニ・ファハルド | 18 | 2位1回 |
| 6位 | マイケル・ブラウン | 8 | |
| 7位 | ドギー・ランプキン | 4 | |
| 8位 | ロリス・グビアン | 1 | |
| 8位 | マテオ・グラタローラ | 1 | |
| 8位 | ダニエル・オリベラス | 2 | |
| 8位 | アルフレッド・ゴメス | 1 | |
投稿 : 2009年03月17日 09:46
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