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    2017.11.04

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    2017.10.15

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  88. イベント(大会)

    2017.08.17

    9/3寅吉カップ

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トライアルをやると……?

最近、トライアルライダーがエンデューロレースに出場することが多くて、みんな楽しそうに走っている。

そんな、カテゴリーちがいの交流と、必要なテクニックをどう手に入れるか、そしてお互いのジャンルにある垣根みたいなのがあるのかないのか、みたいなことをつらつらと考えてみた。

トライアルライダーがエンデューロに進出するのは、契約主のインポーターが、トライアルとエンデューロの両方を扱っているからだ。ベータ、ガスガス、シェルコ(五十音順)はトライアルマシンとエンデューロマシンを平行して開発して、世に出している。トライアルライダープロモーションや社会勉強を兼ねて、エンデューロに参戦したりする。特にベータは、チームやスタッフみんなでエンデューロに参戦、トライアル以外の世界を楽しんで、もとい研究していることが多い。

トライアルライダーがみんな楽しむエンデューロ。自然山通信的にはトライアルイベントでさえ行きたくても行けないザンネンがたくさんあって、エンデューロもなかなか見に行けずにいる。ということで現場を見ないでなんだかんだと感想を書きつづることになっちゃうのですが、読み飛ばしていただければ幸いです。

1512なみあいの高橋博高橋博さん。Photos:小松保男さん@チーズナッツパーク

今回、興味深くリザルトを見せてもらったのはSLiCK杯CGCなみあいオールスターってやつ。以前はよくゲロ系エンデューロなんていってたけど、さすがに最近はそんな品がない呼び方じゃなくて、ハード系エンデューロなんていうらしい。外国だとエクストリームクロスとかいうのかな? スピードを競うはずのレースが、走り抜けられるかどうかがイノチみたいになっている、そんな競技だ。でもそれって、ほとんどトライアルだよね。

昨今は、南牧耐久とかサンデー平谷とか、トライアル大会にもエンデューロマシンで挑戦する参加者が少なくない。トライアル大会への道場破り的参加も楽しいだろうし、ハードなアタックが成績になるのも楽しいだろう。そしてその根底には、トライアルテクニックが、ハードなエンデューロをスムーズに走るのに有効だという認識が広がってきている気がする。

1512なみあいの森耕輔2位に入った森耕輔も、トライアルの国際A級

それで今回のなみあいオールスターのリザルトだ。優勝が高橋博、2位森耕輔、3位小川毅士と、トップ3はみなトライアル国際A級。やっぱりトライアルライダーは強い。これは日本だけでなく、世界的に見ても、タデウス・ブラズシアク(元世界選手権ランカーのポーランド人)をはじめ、ドギー・ランプキンにグラハム・ジャービス、あるいは田中太一と、トライアル出身のライダーが目白押しだ。アルフレッド・ゴメスやジョニー・ウォーカーら、エクストリームのトップライダーとなっている彼らも、実はトライアルの世界選手権(ワールドカップクラスを含む)を走っていたライダーだった。日本でも世界でも、ハード系エンデューロはトライアルライダーに牛耳られているといっていい。

トライアルがうまければエンデューロで速くて勝てるのだろうか? 結果を見ると、そうともいえるし、そうでないともいえる。なみあいオールスターの結果を見ても、トライアルのうまさだったら小川毅士がぶっちぎりのはず(実際、本人はあっさりと勝つ気でいたらしい)。でも残念ながら勝てなかった。

1512なみあいの毅士後ろ姿小川毅士のたくましいバックビュー

これについて、ブラズシアクがトライアルからエンデューロに転向して成功を収めた直後、藤波貴久にコメントを求めたことがある。ブラズシアクがあれほどのスピードを発揮するのだから、藤波貴久ならもっと大きな成功をおさめるのではないかと。その答は、Noだった。藤波は、旧知のブラズシアクとエンデューロコースで何度かいっしょに走る機会があったという。そこでブラズシアクがとても速いことを知り、トライアルでは圧勝しても、エンデューロでブラズシアクに勝てる自信はないということだった。ちなみに藤波は、インドアのスピードレースでも遅くないし、エンデューロコースでもなかなかのスピードを発揮する。

そのはるか昔、成田匠が世界選手権を走っていた頃、スーパークロスに出てみたらどうだろうと無茶ぶりをしてみたことがある。実際に出場しようとするといろいろ問題はあれども、成田からは、スピードに自信がないという返答をもらったような気がする。ずっと時間が経ってから、成田はエンデューロに出場した。ぽっと出てきて好成績をおさめたので話題になったが、成田は勝利ができなかったことでくやしそうだったのを覚えている。やはりスピードが足りないという感想だった。

成田や小川毅士、あるいは藤波やブラズシアクを持ち出すまでもなく、トライアルの経験者はそれぞれのレベルでそこそこに速い、しかし超速いか、勝てるかというと、やっぱりそれぞれのライダーの資質や努力や環境によって変わってくる。

優勝した高橋博は、トライアルIAのポイントランカーから、スキー競技に転身し成功をおさめもした。スピードに対する天性があったといえるし、さまざまなジャンルに対応する柔軟性の高さを持つライダーだ。そして今は、このジャンルのトップを走るべく努力を重ねている。重たいエンデューロマシンを立て直して走らせ続けるフィジカル性能も持ち合わせている。高橋博は、トライアル出身のライダーではあるが、いまやハード系エンデューロのトップライダーとしての位置づけのほうが正しいようだ。

ちょっと乱暴にトライアルライダーとエンデューロ(あるいはモトクロス)ライダーを比べてみる。トライアルライダーは地形を読むのに長けていて、目前の地形に対して適切なテクニックを用いて悪路を走破していく。エンデューロライダーは(もちろん地形は読んでいるのだけど)外乱に瞬時に反応して、マシンとアクションを適正な体勢に動かしていく感じ。トライアルは下見をし、下見で組み立てた通りに走ることで、走破力を発揮するし、そういうトレーニングをしている。

ラインを外したり突発的な事態に弱くて、状況がはっきり見えないロケーションをハイスピードで抜けていくのが苦手というトライアルライダーの性能は、こういうトレーニングから生まれてくるのかもしれない。トライアルは、ライダーには比較的オールラウンドの性能を求められる競技だが、それでも勝利への最後の鍵は、その競技なりの性能を追求しなければダメ、ということらしい。

トライアルライダーがエンデューロなどに参戦するケースは、これからも出てくるだろう。そのほうが試合件数も多いし、誰が勝つかわからないという興味は、ハブニングやアクシデントの可能性が高いだけ、トライアルよりはエンデューロのほうに分があるから、トライアルで勝ちあぐんでいたライダーが発奮できる舞台ともなりそうだ。

1512なみあいの鈴木健二鈴木健二さん。ライディングフォームがなんとなくモトクロスだ

それでも、元ヤマハモトクロスチームのファクトリーライダーで、チームの監督も務めた鈴木健二さんなどは、抜群の走破力と速さを持っている(残念ながらマシントラブルで途中リタイヤしている)。トライアルライダー、モトクロスライダーではなく、オートバイの操作が上手で観察力が鋭く、経験が豊富で体力が備わっているライダーはジャンルを問わずに速いしうまいということだろう。

こういう結果を見ると、エンデューロでの走破力を高めるためにトライアルを学ぼうと思うライダーも少なくないと思われる。世の中に役に立たないことはほとんどないし、トライアルは走破力アップのために、大きな力になるにちがいない。

でもトライアルを志し、トライアルばっかりやってるライダーでさえ、思い通りに上達するのに苦労しているのだから、その道はきっと簡単ではないと思う。トライアルは、だいたい簡単ではないからおもしろい。ぜひみんなでトライアルを学んで、エンデューロを楽しんでくださいね(どう学び、どう修得するのかがむずかしいけど、それはまたいずれ)。

1512なみあいの高橋博下見ふとマシンを止めてラインを読む高橋。

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