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もんもちの夏

もんもちの円陣

 8月21日から23日まで、東京あたりの若者たちのミュージカルが、公演に向けた最後の仕上げにやってきた。その数、ざっと60名。大騒ぎだった。若いって、すごい。
 彼らの公演は、9月1日と2日に、江戸川区総合文化センター小ホールでおこなわれる。開演時間は両日ともに14:00からと19:00からの2回。
 今回、彼らは、ひとの駅かわうち(6年前に廃校になった小学校)の体育館で、全編を通じての通し稽古をやりにきた。で、日曜日の午後には、村のひとを招いて通し稽古を見てもらった。照明と大道具はないけど、衣裳もライブミュージシャンもついて、ちょっとしたショータイムになったのだった。
 ぼくはオートバイ遊びをしていたのでほとんど見られず。だもんで、江戸川まで本番を見にいくことにしました。

もんもちお食事中

 彼らの劇団は、もんもちプロジェクトSSっていう。名前の由来はわからない。今度、聞いておこう。演目は『むだに過ごしたときの島』。イタリアの童話作家の手になる物語。いいお話しだけど、物語についてはミュージカルを見てのお楽しみだ。
 彼らはまず、クルマ2台6人で我が集落に現れた。後発隊はバスをチャーターして50名様ちょっとで1日後に現れる。先発隊は、準備部隊だ。本番の江戸川区の市民ホールと同じスペースに印を打ったり、積もり積もった(彼らを迎え入れるにあたって、それなりに掃除はしたんだけどね)ホコリを処分したり、区長さんをお迎えして大盛り上がりの酒宴をしたり、6名様は大忙しだった。
 その晩、夜中にドラムやキーボードを満載した2名様が到着、さらに翌朝、ギャル4名様が到着。今回のざっと60名のうち、40名近くが女の子だ。この劇団の勢力図はわかんないけど、最近はどこへいっても女性陣の方がパワフルだ。プロデューサーも女の子だし。
 さてさて、最初の1台が到着してから24時間後、観光バスをチャーターしての本隊がやってきた。ギターケースをかかえて降りてくるやつがいれば、ホッケーのスティック持ってるのもいるしジョウゴ持ってるのもいる。もちろん小道具だろうけど、不思議なご一行ではある。さっそく体育館にはいって練習開始の強行スケジュールだけど、60人近くもいると、靴を脱いで入るだけでも5分やそこらでは終わらない。人数が多いってのは、すごいことだ。
 それにしても、いいものを作っていこうという気持ちが集結してるのは、横で見ていても気持ちがいい。「そんなことじゃだめだ」「なっとらん」「気持ちが入ってないんじゃないか」なんていうダメ出しはここにはいっさいなくて、いや、だめなものはだめなんだけど、だめな状況からどうすればいいものに仕上げられるかを、みんなが一生懸命話しあっている。いやぁ、青春だなぁ。大人のミーティングは(ぼくの周囲だけだったら申し訳ない)、アイデアのダメ出しと、実現性の困難さを出し合って悲観して、先送りというのが多い。ぼく自身からしてそんなだから、どうしようもないのであった。
 今回の仲間は、大学生と、最近大学を卒業した面々。就職環境が厳しい今日この頃、ちょうど卒業のタイミングのみなさんはたいへんなんだけど、これだけ熱く作品を作りあげられる連中だったら、就職にへくったって、力強く生きていけるにちがいないと、おじさんは頼もしく思ってしまいました。

夕日

 それでも、夕日に向かって力強く走っていって足を取られてひっくりかえって、ねんざしてしまいました、という若者もいた。熱く未完成というのも、若者の魅力ではある。
 そんなこんなで日曜日、通し稽古には村のひと、およそ30人ほどがきてくれた。人口3,000人の村だから、人口の1%(村の広報誌や防災無線では告知をしたけど、村外には告知できなかった)が来てくれた。ライブ入場者の世界最多記録はGLAYの20万人らしい。計算がよくわかんないけど、それに匹敵するくらいの大観衆ってわけだ(東京と横浜だけで3000万人くらいいるらしいから、%で言えば、それより多い)。
 いつもの年だと、お盆をすぎると急に冷えてきて、極端なひとだと薪ストーブを焚き始めたりするのだけど、今年はいつまでも暑い。暑いといってもせいぜい30度くらいで、体温を越えるような気が狂った暑さにはならないのだけど、即席ステージをつくった体育館は(窓を開け放っていても)けっこう暑かった。こればっかりはどうしようもないけど、暑い東京で稽古してるより涼しいところでやったほうが効率がいいでしょうと言っちゃったのはワタシです。ごめんなさい。
 感激した村人も「暑い」「なんだかよくわからん」「感動した」「涙が出てきた」など、いろんな感想をお持ちだった。見に来てくれた村のひとも、劇団のみんなも、ありがとう。

もんもちブランコ

 終わった後、体育館をのぞいたら、みんなで大反省会をやっていた。うまくいったと喜んでいては、進歩がないってことでしょうね。さらにその後、みんなで夕食した後、校庭で花火に興じる声がする。さっきまでの真剣な表情はどこへやら、花火に大喜びする姿は、まんまいまどきの若者だった。
 ところで、この物語は、主人公たちが見たこともない火山がそびえ立つ島に迷いこむお話。その島は、もとの世界の人々が無くしたいろんなものが集まっている別世界の島だったんだそうだ。
 ご当地は川内村の北西のはずれにある集落で、古い集落名で、高田島という。あれも島、これも島。怒濤の2泊3日を終えてお帰りになった劇団員の面々は、高田島のことを、ほんとうの「むだに過ごしたときの島」だったと思ってくれているようだ。うひひ。

もんもち花火

 以下、公演のお知らせ
生演奏オリジナルミュージカル
『むだに過ごしたときの島』
脚本・演出:中原和樹
原作:Silvana Gandolfiシルヴァーナ・ガンドルフィ(タトル・モリ エイジェンシー)
【日時】
2010/9/1(水) 14:00/19:00
9/2(木) 14:00/19:00
*受付開始:1時間前
*開場:30分前
【会場】
江戸川区総合文化センター 小ホール
*JR新小岩駅南口より徒歩15分
【料金】
2,000円(前売り・当日共)
presented by Monmochi Project SS

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