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2011年の子牛

 きのうは、牛の競りの日だった。牛の競りがあったときは、牛農家仲間などを集めて、宴を催すのだという。まるで外様なのだけど、Mさんちの宴にいれてもらいました。


 種付けをして、出産を見守り、子どもを育てる。そして子牛のうちに、競りにかけて、出荷する。今年は、牛農家にも明るい話題がない。それでも子牛は生まれる。せめて、つかの間育てた子牛にいい値段がついてくれればうれしい。競りの日の宴は、娘を嫁に出した夜の宴会みたいなもんだろうか。
 しかし競りの日の前日、ニュースで南相馬市の和牛から基準値を大きく超えるセシウムが出たと伝えられた。これでは、いい値段はつかないにちがいない。値段がつけば、いくらでもいいと、少しあきらめたようにMさんは言っていた。
 そして競りの日の夕方、いくらで売れたのか、聞くのがちょっとこわい。友人の受験の結果を聞くみたいなもんだ。不合格だったなんて聞いたら、どんな顔をしたらいいかわからない。牛の競りも、安値がついちゃったりしていたら、宴会にも顔出しにくい。聞けば、一番安いときには一頭13万円くらいのとんでもない値段がついたこともあったという。
 でも土地の人は、入ってくるなり聞くのだ。「おい、べこさいくらだった?」。その単刀直入具合がすばらしいと思う。牛は、28万円で売れていた。30万円だったらバン万歳というから、やっぱりちょっと安い値段が出てしまったけれど、それでもこのご時世だったら、まずまずのお値段だった。よかった。
 避難区域では、ペットの世話が問題になっている。でも牛の世話はもっと問題が大きい。値段が暴落しても、牛乳が出荷できなくても、牛はエサを食う。エサを買えば食費がかかるし、草地の草を収穫してくれば、今度は草に含まれる放射線値が問題になる。特に乳牛には、そんな草は絶対に食べさせられない。牛の内部被曝は、あっという間に牛乳に現れるからだ。
 先行きの見えない中、みんなは牛を育てている。春には、牛を放すという動きもあった。牛農家に対する行政の対応がはっきりせず「農家で勝手に判断しろ」と聞かされてきたひとがいた。それは、つまり牛を放してしまえと言うことだと、どこに放すかの相談が始まった。
 20km圏内では放された牛も見てきたが、牛を放すというのは犬や猫を放してしまうのとはちょっとちがう。彼らはでかいし、力も強い。玄関をこじ開けてひとの家に入ることなど簡単だし、いったん家に入ったら、彼らはUターンするという発想がないのだそうだ。ひたすら前進して、外へ出ようとする。へたをすると、地震で崩れなかった家も、ぼろぼろになってしまう。
 あるいは、水を求めて沢筋にわけいっていく牛もいるかもしれない。そのうち、足を取られて動けなくなったら、そこで絶命する牛もいるかもしれない。水源でそんなことになったら、水も飲めなくなる。たいへんだ。
 行政の対応(国も県も、村もみんなそろって)もはっきりしないけれど、今はまだ放すべきじゃないと、農家の間で話し合いが続いた。結果、牛は放されなかった。話し合いの中では、さっぱり決まらない補償問題も含まれていたと思う。農家のみんなには、いつもどおり仕事をしていると、補償がもらえないんじゃないかという、根拠のない、漠然とした不安もあるみたいだ。
 それから2ヶ月ほど経って、そのとき放さずにすんだ牛が、旅立っていったわけだ。少なくとも表面上は、いつもどおりだ。

2011年の親牛

 この村の、この集落の宴は、まるで遠慮がない(いや、そんなことはない。親しき仲にも礼儀はあるんだろうけど、みんなつきあいが長いから、ぎりぎりの攻防戦を、よく心得ている)。牛の世話に忙しくて、一度も村から出ていなかった農家は、避難をして、また戻ってきた農家をちくちくとせめる。みなさん、立派な壮年(あるいは老人)だ。この年になれば、そうそう放射線被害も気にすることはない。でも、おっかながっているひとはいるのだ。そこをまた、ちくちくとせめられる。
 ところが長いこと避難所生活をしてきた側には、そちら側の言い分もある。震災直後は寒く、最近ではやたらと暑い避難所暮らし。子どもたちが通う学校の問題もある。すべてが、一筋縄ではいかない。ずっと村から出ていない側は、村役場が出ていってしまい、残った人間は蚊帳の外に置かれているといい、役場といっしょに避難している側は、避難生活の気苦労を語る。どちらも切実な悩みで、意見はなかなかまとまらない。まとまるわけなどないのだ。
 ひいきの野球チームについての言い争いは犬も食わないでほうっておけばいい。でも今回の件については、二日酔いとともに忘れるわけにはいかない問題だし、村と住民の将来にかかわることでもある。ほうってはおけない。そして、全く結論が出ないことでもある。
 真っ向から対立する意見を言い合いながら、それでもけんかにならないのは、酔っ払いながらも、戦うべき相手は地元の仲間ではないと、みんながちゃんとわかっているからだと思う。
 我々はどうするべきなのか。答えはまだなんにも見えない。おそらく今するべきは、地震の前と同じようにみんなで集まって酒を呑むことじゃないだろうか。ここではずっと、そうしてきたという。酒を呑み、いろんな話をし、時にはけんかをして、地域を作ってきた。みんなで酒が呑めれば、きっと未来も開けていくにちがいない。
 むずかしい話もちょっとしたけれど、たっぷり笑った宴でもあった。今日、巣立っていった子牛くんには、楽しい宴をいただいた。ありがとう。

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