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震災2年と半年目の空

1309飯坂のスカイライン

 2013年9月11日。震災から2年半を迎えました。2年半ということに、個人的には特別の感傷はないのだけれど、2年半前のこの日にはたくさんの人が亡くなっているし、新聞やテレビは2年半の節目を報じています。でも首をかしげちゃう数字があったので、それだけ言いたい。


  震災2年半たって、自宅に帰れずに避難しているひとの総数は28万9611人だそうな。これは復興庁の数字らしい。29万人という人数が多いのか少ないのか、ピンとは来ない。我が川内村の人口は3,000人弱、お隣の富岡町は2万人だったはずだけど、今回の震災は津波と原発と、それに地震の災害もあるし、北関東から東北の北の端まで範囲も広い。そう思うと、29万人が多いのか少ないのかはよくわからない。ふーん、それだけの人がまだ帰れないのだなぁと、他人事みたいに思っただけだった。
 でも福島版のニュースになったら、もう少し細かく、市町村ごとに数字が上がった。そしたら川内村の数字も出てきて、人口3,000人弱(2,600人だか2,700人)のうち、まだ86%のひとだかが戻っていない、ということだった。つまり450人くらいしか帰ってきてないということですね。 
 前に書いたような気もするけど、みんなが避難しちゃって誰もいない2011年。村に残っている人をひとりひとり名前を書き出して数えた人がいた。村の入り口でガソリンスタンドをやっているK子さんだ。ほかにやることがねーから、というのだけど、一人一人の名前を覚えていられるからこんなことができる。感心するところはいっぱいある。
 K子さんによると、当時村にいたのは、公式発表で200人から300人だったけれど、400人はいたということだ。それから村長が帰村宣言などして、少しずつだけど人が戻ってきた。なのでいまどき400人しかいないということはあり得ないんだな。
 ただし、人を数えるのってむずかしい。住民票の数で数えれば苦労しないけど、それじゃ避難の数はわかんない。無料の避難住宅を借りている人の数は、行政が把握しているから数字が出る。ところが今現在、川内村には住んでもいいとされているところがたくさんある。そういうところに家がある人は避難住宅に暮らしながら、週に何度か村の家に戻って掃除したり飯を食ったり、もしかすると畑仕事をしていたりする。こうなると、避難なのかなんなのか、よくわかんなくなる。
 感傷的に2年半もたってまだ復興は道半ばだ、というのはその通りだと思うけど、裏付けとなる数字は、こんなふうに数え方によってどうにでもなるものだ。
 写真は、大きな木の下にたたずむスカイラインだけど、これは今は自分の家に帰れない浪江町の人が、別の浪江町の人が震災後に始めたお店に遊びに来たときに駐車場で撮ったものです。彼らはもちろん避難者だけど、復興予算で手を差し伸べてもらうのを待たずに、自分で自分の仕事の復興を模索していました。こういう彼らも、おそらく避難者の数には入っているはず。
 もちろん、彼らが左うちわで新生活を送っているわけではないし、補償も満足にもらっていないし、幸せいっぱいということにはならない。でも自分たちのことをかわいそうな避難者だと思っていては前に進めないという気持ちもある。
 400人でも2,000人でも30万人でも、ひとりひとりにそれぞれのドラマと涙と笑いがあるはずなのだけど、震災2年半というニュースはあんまりどんぶりすぎて、それぞれの人間模様をきれいさっぱり隠してしまっているようで、それが気になってしまった震災2年半の節目の日でございました。
 おまけの写真は、飯舘村から避難している人がやっているうどん屋さんのおとなりに広がる観光スポット「アンナガーデン」。福島県も二本松あたりから北へやって来ると、智恵子の「ほんとうの空」が広がっている気がします。

1309アンナガーデン

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