2003年世界選手権シーズン。この年は、変革の年だった。特に藤波貴久とドギー・ランプキンにとっては、これまでの何年も続いたチャンピオン対挑戦者の戦いに、大きな変化が見られることになる。
そのきざしが、アイルランドで起こった。すでに実力的には、世界ナンバーワンに上りつめているのは疑いのない藤波だが、チャンピオンをとるには、開幕戦からコンスタントに実力を発揮しなければいけない。ところがこれまでの藤波は、絶好調で開幕戦を迎えられたことはなかったのだ。
そして2003年。開幕戦はアイルランド島の北の端の町、バンゴールで開催された。海岸沿いの岩場が舞台の大半となったこの大会、アイルランドらしいグリップの悪さと岩場の高グリップの、ほどよいバランスのとれた大会となった。
果報は、その1日目で訪れた。藤波貴久が見事な開幕戦勝利。シーズン前のインドア大会で負った足の負傷のため、試合の後半には苦戦しながらの勝利だった。負傷の様子を語る藤波インタビュー、日本人ライダーにしか登れなかった絶壁を、2台のカメラによって余すところなく映像とした。
もちろん、王者ランプキンのシーズンを見据えた戦いを展開。藤波の爆発力と合わせて、2003年シーズンを予測できるような走りっぷりだった。一見の価値がある。またトップライダーほぼ全員の一言コメントも収録。ライディング映像からではわからない、ライダー一人一人の性格も垣間見えて、興味深い。 |