【2005年08月12日】
シェルコ4ストローク
いよいよ日本上陸のシェルコ4ストローク。といっても、ヨーロッパではすでに5月にデリバリーを開始していた。日本では、それよりちょっと遅れて到着してきたわけだ。 これは、モンテッサ(ホンダ)4RT(RTL250F)ともちがう、スコルパ125Fともちがう、もちろん旧来のRTLやTLRとはまったく別物の4ストロークマシンだった。 実はこのマシン、日本には5月の世界選手権日本大会の時にはじめて日本上陸を果たし、その後試乗ができる状態になっていたのだが、こういうまったく新しいマシンは、輸入元のカシックにもセッティングデータがなく、なかなか調教ができずに今にいたっている。何度かセッティングを変えて試乗させてもらって、まだ本調子ではないのかもしれないが、このマシンの性格というか方向性のようなものが見えてきた気がするので、遅ればせながら紹介します。
マシンの正式名称は3.2 (ThreeTwenty)とされているようだ。4tはスペイン語の4ストロークの略であって、特にこのマシンの名前を示すわけではない模様。
その車名が示すとおり、排気量は320ccに近く317cc。320ccバージョン以外の排気量の登場はないのか気になるところだが、今のところ、その計画はまったくないとのこと。日本的に考えると、このマシンは登録して車検をとって公道を走ることができない(可能性はゼロではないが、とてもむずかしい)、いわゆるコンペ専用マシンということになる。シェルコ2.9やガスガス280や300と同じ扱いというわけだ。
エンジンは、RTL(Cota4RT)に比べるとシリンダーが大きめに感じるが、逆にクランクケースはごく小さい。エンジンのシステムはSOHC4バルブということだ。クラッチ側のクランクケースカバーなど、2ストロークマシンのそれと共用できるのではないかと思える形状で(事実共通らしいのだが、未確認)、クランクケース自体はとても小さくできている。クラッチ、トランスミッションは2ストロークのシェルコのものをそのまま使っているのだそうだ。
カタログスペックの73kgは、2ストロークモデルと比べてざっと2kg増し。この重量増なら、よくまとめたといえるだろう。マシン全体をまるっきりリニューアルしたRTL(Cota)に対して、シェルコは可能な限り従来モデルを踏襲して設計されている。クランクケースの基本設計が共通だから、もしかしたらフレームも基本的には共通かもしれない。実際には大きくなったラジエターをおさめるため、ダウンチューブの横幅が広くなったりしているが、ディメンジョンは2ストロークマシンと極似しているという。2.9などと3.2の写真を重ね合わせてみると、ほぼぴったり重なってしまうのだ。
驚くべきは排気系。RTL(Cota)があれだけの大きさのサイレンサーを使い、それでも騒音過多に悩んでいるというのに、シェルコ3.2は、これまた2ストロークと極似した排気系を使っている。排気音は小さい。
さらにびっくりするのは、キックの軽さだ。デコンプがたいへんスムーズに機能しているようで(諸元にはデコンプ装備についての記述はないが、デコンプなしでこの軽さはあり得ない)キックギヤの減速比の関係もあってか、125ccとはいわないまでも、200ccエンジンを始動するような軽さである。始動時にはスロットルを開けないなどの作法はあるけど、このキックなら、2ストローク250ccを敬遠していた人にも受け入れられるかもしれない(といいつつ、非常に軽快に始動するときもあれば、てこずって汗かくことあり。4ストロークの始動は、4RTも含めて、少しばかりの慣熟を必要とするようだ)。
排気量:317cc
ボア×ストローク:82×60mm
シリンダー:無鉛ガソリン使用・ニカジルメッキシリンダー
冷却:水冷
始動:キック
キャブレター:デロルトVHST28mm
エキゾースト:アルミ製エキゾーストチャンバーつき鉄パイプ
トランスミッション:5速。一次減速はギヤ、二次減速はチェーン
クラッチ:油圧・湿式多板
点火:フライホイールマグネトー
アンダーガード:Stamped Ergal
シャーシー:デルタボックスタイプ・クロームモリブデン鋼クロームメッキ仕上げ
ブレーキ:AJP油圧・フロント185mm/リヤ145mm
フロントサスペンション:パイオリ38φトラベル170mm
リヤサスペンション:プログレッシブリンク・ボーゲアブソーバー・トラベル175mm
リヤホイール:モラッドアルミリム、鉄製スポーク、ミシュランチューブレスタイヤ
重量:73kg
ホイールベース:1,332mm
最低地上高:305mm
シート高:635mm
投稿 : 2005年08月12日 11:38



