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【2007年04月22日】

ボウ、開幕3連勝

グアテマラのトニー・ボウ
2連勝のトニー・ボウ
 世界選手権第2戦は、中央アメリカのグアテマラで4月21日〜22日に開催。この大会は日本と並んで2日制の大会だ。
 ボウは開幕から3連勝の負けなしで、両日を通じて勝利。ボウは開幕から3連勝の負けなしで、早くもランキング2位のアダム・ラガに11点差をつけてしまった。
 藤波は1日目の1ラップ目はボウを押さえてトップだったが、2ラップ目にボウの追い上げを受けて2位に後退。2日目は序盤のクリーンセクションで5点をとって3位となった。
 小川毅士は12位と13位。




【1日目(土曜日)】

 今回のボウの勝利は、藤波を相手に勝ち取ったものだった。1ラップ目、ボウは藤波に1点及ばず2位につけていた。この日の藤波は、スペインで風邪に冒されていたときとは一変して、好調だった。しかし藤波には、5点のタイムオーバーのペナルティがあった。対してボウは2点。
 グアテマラのセクションは、事前に誰も走っていない(ヨーロッパから10時間もかかる隣の大陸まで誰も練習には来ないし、といって、地元のライダーが世界選手権のラインを練習できるわけもない。試合中にトップライダーがつけるわだちが、グアテマラのセクションにつけられた初めてのわだちとなった。ちなみにセクションコーディネートはティエリー・ミショーがおこなった)。セクションは、藤波の弁を借りると「いかにもアウトドアといった感じで、ラインがないようなところをアクセルを開けてつっこんでいく」ということで、藤波好みという。インドア的な、無機質な造形が積み重ねられていて、通るべきラインが定められているセクションは、グアテマラには皆無だった。
 天候は晴れ。しかし暑く湿度が高い。藤波の好みのセクションという通り、前半は藤波のペースで試合が運んだ。セクションはラインができていないことをのぞけば、基本的には簡単。されど第6セクションまではトリッキーな設定だった。ただし試合序盤から、後半に時間がなくなるのはある程度読めていた。誰も走ったことがないセクションは、ラインを作るだけでも時間がかかる。攻略を悩むライダーが、試合序盤からセクションに群がっていた。
グアテマラの藤波
惜しくも2位と3位の藤波貴久
 そんな中、藤波はトップグループの最後にトライしていた。今回の藤波のスタート順は最後から4番目。開幕戦の成績が4位だったからだ。このところ、世界選手権のスタート順は毎年のように変わっていて、くじ引きだったり固定されてのローテーションだったりしたが、今年は一律、前の戦いでの成績順によってスタート順が決まるということになったようだ。
 タイムオーバーを含めて、ボウに2点のビハインドで2ラップ目を迎えた藤波は、しかしボウを追撃して、逆転する自信があった。ところが藤波は、ふたつのセクションで失敗をした。対してボウは、大きな失敗なく、2ラップ目を消化していく。終わってみれば、藤波とボウの間は7点差。ボウの21点に対しての7点差は小さくないが、藤波にすれば「勝てる試合」だったから、その落胆は大きかったようだ。とはいえ、開幕戦で落とした表彰台をゲットし、優勝戦線にからんだことで、藤波の2007年シーズンはようやくスタートを切った。  3位はランプキンの追撃を振り払ったラガが入った。ランプキンは1ラップ目の5位からカベスタニーを破って4位に浮上している。
 トップ5に続いては、今回はスコルパ250Fに乗るマルク・フレイシャが入った。このマシンでの最上位はこれまで黒山健一の6位(06年もてぎ)だったから、とりあえずそれに並んで面目を太持ったことになる。7位はジェイムス・ダビル。ジュニアチャンピオン経験者であるイギリス人は、いまやすっかり世界のセカンドグループの一角を形成する。ジェロニ・ファハルドがそれに続く。本来なら、トップ5に食い込んでくるべきライダーだが。
 これに続いて、9位10位とシェルコ4ストロークが並んで入った。ダニエル・オリベラスとクリストフ・ブルオン。オリベラスは世界選手権昇格1年目だし、ブルオンはこれまでポイント獲得が命題だったライダーだが、シェルコ4ストロークは、彼らに新たなパワーを与えている。

 初めて中米で開催された世界選手権は、何人かのオブザーバーがトライアルをわかっていないという汚点もあったが(3点が2点になっていたり2点がクリーンになっていたり。でもこれはどのライダーにも、公平に与えられたラッキーだったようだ)、予想に反して、全体的にはたいへんよくコントロールされた大会だった。  ただし何人かのライダーは、マシンが届かなかった。たとえばイタリアのトップトライアルチームは、マウリノとブラウンが2003年型のベータに乗る羽目になったが、これは最後の最後にようやくインポーターが調達してきた中古マシンだっただった。気温は異常に高く、トライアルをするに適した気候とは言いがたかった。  パドックはレーストラックの中にあって、設備は快適。観客にとって、セクションは歩きやすいもので、土曜日には5000人ほどの観客が集まった。

■モンテッサチームのコメント
<トニー・ボウ>
「連勝できたなんて、なんて素晴らしい。勝つのは簡単じゃない。コースはむずかしかったし藤波は強敵だった。こういう状況での勝利は、より大きな満足が得られるし、それがさらに大きな自信につながっていくのはまちがいないよ。ぼくはインドアトライアルのときこういった戦いのスタイルを続けているし、これからも一歩ずつ進んでいく。世界選手権シリーズは、まだ始まったばかりだからね」
<藤波貴久>
「今日の結果にはまずは満足。トニーには充分プレッシャーを与えることができた。あしたは新たなチャンスだと思ってトニーを追いつめる。今日は2ラップ目にミスが多すぎた。チームとしてはたいへんいい結果でしたね」
<ドギー・ランプキン>
「1ラップ目、10セクションまではとてもよかった。2ラップ目にもう少しポジションを上げられるとも思ったし、表彰台にはあがれると思った。あしたは、今日失ったポイントを取り返すために、がんばるよ」

【2日目(日曜日)】

 明けて日曜日、トニー・ボウが三度優勝してしまった。観客は日曜になって12,000人に膨れ上がった。3つのセクションが寄り難度を高められた。夜半に雨が降ったが、これで難易度はちょうどよくなるかと思われたのだが、トップライダーの実力はあなどりがたし。スコアはやはり大幅に好転し、1点を争う神経戦となった。
 1ラップ目のボウは、11セクションで1点、8セクションで3点。しかしそれですべてだった。ラガは2点が3つ。それですべてだ。藤波は第6セクションで5点となったのが響いて、トータル11点で1ラップ目は4位につけた。
グアテマラのラガ
アダム・ラガ
 2ラップ目、ボウは第6セクションで1点着いたのみ! トータル5点で試合を終えてしまった。ラガは第6と11セクションで1点ずつ。トータルで8点だ。ボウは1ラップ目の首位の座を守って、今シーズンの3勝目を挙げた。これでボウは、早くもランキング2位のラガに11点差。藤波には15点差をつけてしまった。 
 藤波は2ラップ目の序盤こそ細かいミスが出たが、後半はランプキンをよく追いつめて、最後には同点となった。クリーン差の勝負は藤波の勝ち。開幕戦ではクリーン差でランプキンが表彰台を獲得、藤波は4位に敗れたが、今回はそのお返しができた。
 今回、エルサルバドル、グアテマラの選手が合わせて4名参加していたが、ゲスト参加で、スコア的にも見るべきものはなかった。しかしデ・ナシオンには毎年南米からの参加がある。これを機会に、当地でもトライアルのトップをめざす選手が現れるかもしれない。
 アメリカ大陸代表としては、合衆国の16歳、パトリック・スメージがマインダーなしでユースクラスを走って、土曜・日曜とも見事表彰台を獲得している。

■モンテッサチームのコメント
<トニー・ボウ>
「きのうは藤波、今日はラガが強敵だった。ラガは最後の最後までぼくを追いつめてきた。勝ちたかったし、勝てると思ってがんばった。これからもミスなく、この3連勝に満足することなく、一歩一歩確実に勝利していきたい。今回の大会は素晴らしかった。主催者には、大会の成功をお祝いしたい」
<藤波貴久>
今回の表彰台の獲得は、苦労があった。1ラップ目にはミスが多かったし、最後の最後まで集中しきらなければいけなかった。最後にはポジションをアップできたけど、たいへんな僅差だった。今シーズンは、ずっとこんな戦いになると思う。厳しい戦いだけど、望むところだ」
<ドギー・ランプキン>
「クリーンたった1個の差で藤波にまけてしまったが、今日は素晴らしい戦いができた。今回の大会は、とてもいい大会だった。今後、もっと多くの大会を主催することで、もっといい大会が開催されるようになるだろう」

□次の世界選手権は、5月27日、フランスのセネスで開催される。


■SPEA世界選手権トライアル第2戦グアテマラ大会
○1日目(土曜日)

世界選手権結果
Pos.RiderNationMachineLap1Lap2TimeTotalClean
1トニー・ボウSPAMontesa81122118
2藤波貴久JPNMontesa71552721
3アダム・ラガSPAGasGas201223414
4ドギー・ランプキンGBRMontesa241804214
5アルベルト・カベスタニーSPASherco232304612
6マルク・フレイシャSPAScorpa262145111
7ジェロニ・ファハルドSPABeta362015713
8ジェイムス・ダビルGBRMontesa33448854
9ダニエル・オリベラスSPASherco50389976
10クリストフ・ブルオンFRASherco6046111170
11ジェローム・ベシュンFRABeta595271182
12小川毅士JPNMontesa665301192
13ダニエレ・マウリノITABeta537001231
14シャウン・モリスGBRGasGas627001322

ジュニア選手権結果
Pos.RiderNationMachineLap1Lap2TimeTotalClean
1アレックス・ウイグGBRGasGas221303513
2ニコラス・ゴンタールFRAGasGas282205011
3マイケル・ブラウンGBRBeta292205111
4ロリス・グビアンFRASherco30212539
5リー・サンプソンGBRSherco38300687
6マテオ・グラッタローラITASherco33430765
7ライア・サンツSPAMontesa525531104
8ルイス・オーレスティアVENScorpa696901380
Gディエゴ・オルドネスGUAScorpa607321351

ユース125選手権結果
Pos.RiderNationMachineLap1Lap2TimeTotalClean
1アルフレッド・ゴメスSPAGasGas22602820
2ロス・ダンビーGBRGasGas142303712
3パトリック・スメイジUSASherco242504910
4アレクシ・セルバンテスFRASherco28202509
5ロバート・アンドリュースIRLGasGas27350626
6ダビッド・ミランSPASherco31284639
7リカルド・カタネロITAFUTURE625401163
Gエミリオ・ベリスメリスELSBeta717321460
Gアンドレス・エスピノサELSSherco757311490
Gジョセ・マヌエル・オレラナELSBeta7573131610
T/0ロベルト・パチェコELSBeta--------0


○2日目(日曜日)

世界選手権結果
Pos.RiderNationMachineLap1Lap2TimeTotalClean
1トニー・ボウSPAMontesa410527
2アダム・ラガSPAGasGas620825
3藤波貴久JPNMontesa11301423
4ドギー・ランプキンGBRMontesa8601422
5マルク・フレイシャSPAScorpa171803517
6ジェイムス・ダビルGBRMontesa261103715
7アルベルト・カベスタニーSPASherco172103819
8ジェロニ・ファハルドSPABeta292305214
9ダニエレ・マウリノITABeta36340707
10シャウン・モリスGBRGasGas43290725
11ダニエル・オリベラスSPASherco43350787
12クリストフ・ブルオンFRASherco48490970
13小川毅士JPNMontesa525101032
14ジェローム・ベシュンFRABeta645501191

ジュニア選手権結果
Pos.RiderNationMachineLap1Lap2TimeTotalClean
1マイケル・ブラウンGBRBeta5901420
2ロリス・グビアンFRASherco13501818
3アレックス・ウイグGBRGasGas101002019
4ニコラス・ゴンタールFRAGasGas152003516
5リー・サンプソンGBRSherco202104113
6マテオ・グラッタローラITASherco182504314
7ライア・サンツSPAMontesa39410804
8ルイス・オーレスティアVENScorpa657101360
Gディエゴ・オルドネスGUAScorpa545201061

ユース125選手権結果
Pos.RiderNationMachineLap1Lap2TimeTotalClean
1アルフレッド・ゴメスSPAGasGas81202020
2ロス・ダンビーGBRGasGas141002418
3パトリック・スメイジUSASherco161302914
4アレクシ・セルバンテスFRASherco211303417
5ダビッド・ミランSPASherco242905310
6ロバート・アンドリュースIRLGasGas33230568
7リカルド・カタネロITAFUTURE41380793
Gエミリオ・ベリスメリスELSBeta737101440
Gジョセ・マヌエル・オレラナELSBeta737301460
Gロベルト・パチェコELSBeta737301460
Gアンドレス・エスピノサELSSherco757501500

世界選手権ランキング
Pos.RiderPoints
1トニー・ボウ60
2アダム・ラガ49
3藤波貴久45
4ドギー・ランプキン41
5アルベルト・カベスタニー31
6マルク・フレイシャ29
7ジェイムス・ダビル28
8ジェロニ・ファハルド26
9ダニエル・オリベラス15
10ジェローム・ベシュン14
11シャウン・モリス13
12クリストフ・ブルオン11
13ダニエレ・マウリノ10
14小川毅士7

投稿 : 2007年04月22日 08:44

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