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【2009年06月22日】

今度はラガに惜敗の藤波

0906イタリアの表彰台

 6月21日、イタリアで世界選手権が開催された。この大会、トニー・ボウが失速して3位。アダム・ラガが優勝で、藤波貴久は日本大会に続いて2位入賞した。




09イタリアのラガ

 イタリアはいまやもっともトライアルに適したお国といえる。ここ何年も、イタリア大会は北イタリアを舞台に開催されている。アルプスの山麓を舞台とする世界選手権は、自然のロケーションを最大限に利用した、過激な設定が数多い。アルプスの反対側のスイスでは、環境への配慮が厳しく自由度がほとんどないだけに、イタリアは貴重な存在だ(といって、環境へのダメージが決定的だとは、どうしても思えない)。今回のイタリア大会は、ミラノの近郊での開催。大都市から近いとあって、実数として1万人を超えるギャラリーが詰めかけて盛況だった。

 日本大会の日曜日、納得のいかない5点の採点で調子を崩したトニー・ボウだったが、悪夢は再び起こった。日本では第7セクション、今回は第8セクションだった。ボウが犯した失敗は、またしてもカードを動かしたこと。怒りにまかせず、オブザーバーにていねいな質問をして判定を見直してもらうようにお願いするボウ。しかし採点はくつがえらず、ボウの精神状態は乱れたまま、続くセクションに挑むことになった。それがいけなかった。
 第9、第10と立て続けに5点。この3セクション、トップ3は(2ラップ目のボウも含めて)ほとんど1点かクリーンだから、ここで一気に10点以上のハンディをかかえこんだことになる。
 勝負は、藤波とラガの一騎討ちになった。1ラップ後半、時間がない。この日、ジュニアとユースには多くのライダーが参戦していた。そのほとんどが、前日のヨーロッパ選手権に参戦している。セクションはほとんど同じ。いきおい、下見が短く、ペースが早い。この日が初めてのトライアルとなる世界選手権組は、彼らの2ラップ目に完全に飲み込まれることになった。リザルトを見ても、世界選手権組の1ラップ目には軒並みタイムオーバー減点がある。それは、こういう事情からだった。
 1ラップ目後半、急ぎセクションをこなして、軒並み減点を増やしていくライダーたち。セクションもむずかしかったが、それは前半も同じだった。時間がないことが、ライダーの集中力を微妙に奪い、押さえられるはずの減点を蓄積させていく。

09イタリアの藤波

 日本で2位となった藤波は、今回はラガより後からスタートした。しかし時間との戦いになることを読んで、ラガに先行して2ラップ目に入った。足つきの減点は2点差で遅れていたが、タイムオーバーが4分少なかった。トータルでは、藤波が2点差のトップ。
 2ラップ目、ボウが逆襲を試みる。藤波とラガはがまん大会だ。よりがまん強かったのは、ラガだった。ラガは、ボウが3点で抜けた以外全員が5点となった14セクションでの5点以外、1点がふたつというすばらしいスコアで、藤波を振り切って今シーズン2勝目にたどりついた。
 藤波は、13セクションでの3点が致命的だったと振り返る。1ラップ目に時間がない中で5点になっているから2ラップ目は集中してのぞんだ。しかしちょっとした乱れでばたばたと足をついてしまった。
「やってしまったなぁ、という感じ。今日は、あれが決定だった」
 14セクションも、けっして不可能という設定ではなかったから、あれがいっていれば流れも変わったと、くやしさはつのる。
 しかしそれでも、今大会は楽しく走れたという藤波。シーズン序盤に苦しみながらセクションをこなしていた日々に比べると、ここへきて一気に本来のフジガスっぷりを取り戻している藤波だった。

09イタリアのボウ
今回は3位のトニー・ボウ

 藤波はこの2位入賞でランキングも3位まで復活した。日本大会とこのイタリア大会で、標的のアルベルト・カベスタニーの調子がよろしくなかったのも幸いしたが、20点差をわずか3戦で逆転したのだから、その強さもホンモノだ。ただしここから上はなかなかけわしい。藤波とランキング2位のラガの間には38点、ラガとランキングトップのボウの間には14点の差がついている。残り3戦、ボウが次の大会で8位に入れば藤波のチャンピオンの目はなくなる計算になる。現実的には、トップ3のフォーメーションは、よほどのことがないかぎり、動きそうにはない。

■ジュニア

 母国イタリアで、マテオ・グラタローラが勝利。自身、2年ぶり2回目の勝利となった。チャンピオン候補アレックス・ウイグは2ラップ目に1点の好スコアをマークしたが1ラップ目の10点がきいて勝利を逃した。前日のヨーロッパ選手権でも、優勝のロリス・グビアンに続いてグラタローラ、ウイグの順だったから、今回はグラタローラのためのイタリア大会だったのかもしれない。グラタローラはこの勝利で、チャンピオンシップでもアルフレッド・ゴメスに2点差と詰め寄った。
 今回、お休みしていたライア・サンツが久しぶりに参戦してきた。しかしその結果は17位。一時は表彰台に乗る勢いで、ジュニアのトップライダーの一員だった彼女も、全体のレベルが上がってすっかり押し流されてしまったかっこうだ。彼女のポテンシャルもあがっているのだが、それ以上にジュニアの枠内での切磋琢磨が激しくなっている。
 今回のエントリーリストには、韓国やマレーシアからの参戦もあった。彼らは母国から遠征してきているのではなく、ジョアン・ポンスのトライアルスクールの生徒たち。ノルウェーやチェコのライダーも、このクラスに参加し始めている。名実共にジュニアクラスが世界の若者たちの登竜門となりつつあるきざしである。
 もうひとり、リザルトの最後に名を連ねているのは、世界選手権に参戦していたマーチン・クロウステック。チェコのトップライダーで、イタリアのトップトライアルチーム(ベータのサポートチーム)から参戦している。今回は年齢制限を飛び越して、ゲストとしてこのクラスに参戦。しかしその結果は17位相当で、やはり、今のジュニアカップのレベルが相当に高いことをうかがわさせる。

■ユース

 スペイン人、カルロス・トラビエッサが同点クリーン差でマキシム・マレンハインをくだして勝利。もてぎで2連勝したジョナサン・リチャードソンは今回は3位に甘んじた。トラビエッサはイギリスでの2連勝に続いて今シーズン3勝目。今シーズン勝利しているのはリチャードソンとトラビエッサの二人だけだが、トラビエッサは負け方が派手なので(優勝以外の表彰台が一度もない)、ランキングではリチャードソンに40点の大差を付けられている。

RESULTS

Pos.Rider/Machine123456789101112131415LapTPToralClean
1Adam RaGasGas0020011002030551983220
GasGas SPA00000000010005170
2藤波 貴久0010011100525502144016
Montesa JPN000001000022352150
3Toni Bou0000010555055333264818
Montesa SPA000100000105030100
4位以下
Pos.RiderMachineNationL1L2T/OC
4Dougie LampkinBetaGBR261865015
5Albert CabestanyShercoSPA321545114
6Jeroni FajardoBetaSPA371175514
7James DabillGasGasGBR432907210
8Marc Freixa GasGasSPA37309769
9Daniele MaurinoGasGasITA524901013
10Michael BrownShercoGBR584511044
11Loris GubianGasGasFRA535231084
12Daniel OliverasGasGasSPA574871125
13Fabio LenziMontesaITA696201312
14Henri HimmanenBetaSWE676601332
15Francesco IolittaScorpaITA737301460
ジュニア
Pos.RiderMachineNationL1L2T/OC
1Matteo GrattarolaShercoITA450924
2Alex WiggBetaGBR10101123
3Alfredo GomezMontesaSPA81602423
4Jack ChallonerBetaGBR141002419
5Francesc MoretGasGasSPA24803218
6Jochen SchaferGasGasGER201503516
7Guillaume LanielGasGasFRA231303616
8Emil GyllenhammarGasGasSWE231403714
9George MortonBetaGBR191903815
10Benoit DabnicourtBetaFRA172304013
11Ross DanbyGasGasGBR192204114
12Simone StaltariGasGasITA281504313
13Andrea VaccarettiMontesaITA312005113
14Alexandre FerrerShercoFRA352405915
15James FryShercoGBR35270629
16Mardon MoiBetaNOR353206710
17Laia SanzMontesaSPA343617110
18Jan JunklewitzShercoGER35390747
19Jan PetersBetaGER40410816
20Jiri FikejzShercoCZE44410854
21Guillaume JeanBetaFRA46400864
22Martin HemmerBetaNOR52450975
23Markus SchutteMontesaGER524801003
24Maxime MathyGasGasBEL485401021
25Seoung Won AnShercoKOR535001033
26Jean Philippe LerdaGasGasFRA475701044
27Ewoud LalkensGasGasNED585241141
28Lewis NolanShercoMAL625501173
29Harry HarveyGasGasGBR656301280
TOThierry GraberGasGasSUI71------
RMarc GraverGasGasSUI71------
RIvan PeydroGasGasSPA
RJohannes GschaiderBetaAUS
GMartin KroustekBetaCZE28410
ユース
Pos.RiderMachineNationL1L2T/OC
1Carlos TraviesaGasGasSPA510627
2Maxime WarenghienShercoBEL330626
3Janathan RichardsonShercoGBR540924
4Pere BorrellasGasGasSPA8401223
5Hakon PedersenShercoNOR11501623
6Tanguy MottinGasGasFRA12501723
7Ben MorphettBetaGBR9901821
8Luca CotoneBetaITA61201821
9Jonathan WalkerGasGasGBR81101922
10Dennis StetterGasGasGER71402118
11Matteo PoliBetaITA101502519
12Matteo CominoliBetaITA201003018
13Francesc CiuranaBetaSPA121803014
14Gianluca TournourGasGasITA122103318
15Marc HorrachGasGasSPA92603514
16Jan SchaferHM FutureGER261003615
17Ismael CatalinGasGasITA191803717
18Roman TessariolGasGasFRA211603715
19IB AndersenGasGasNOR182003816
20Kristoffer LeirvaagShercoNOR192003914
21Federico RembadoGasGasITA36220589
22Federico CortiBetaITA34280628
23Gabriel MarcinowGasGasPOL30360668
24Aaro CastellsGasGasSPA32350677
25Martin LagergrenGasGasSWE32380709
26Eric StorzShercoUSA38380766
27Vaclav BrujShercoCZE42480902
28Antonio de IuliisBetaITA44470912

投稿 : 2009年06月22日 15:06

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