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【2010年01月27日】

世界戦ルールその後

 ノーストップだ、いや従来通りだ、はたまたなんだかえらく計算がむずかしそうな新ルールだと、すぐ先に開幕する今年の世界選手権のルールがはっきりしない毎日だが、どうやらFIMの世界選手権に関しては、2010年のルールは2009年同様となるようだ。
 その一方、例の計算がむずかしいルールが、スペイン選手権で採用になることは決定した。スペイン選手権では、2009年にはトップクラスのトライ順を従来とはまったく変えて開催するという大胆な方策を施していて、その柔軟性には驚かされる。




 まず、計算がむずかしそうな新ルール(当方が算数が苦手なのでこんな呼び方になっているが、どう呼んだらいいのかもわからないのが正直なところ)についての補足。
 ひとつのセクションに、あちこちに加算方式のゲートマーカーがある。そこを通過すると、マーカーの点数に応じてポイントが加算される。いかなる場合でも減点はない。
 もし、ゲートマーカーをひとつも通過できなかった場合はどうなるのかという疑問があったが、セクションを完走すると、完走ポイントが加算されるという。たとえば完走ポイントが10点(従来ルールの草大会式で言うと,テープ内ライン自由で3点減点の感じ)とすると、2点減点のケースだと15点ポイント獲得、1点減点だったら20点ポイント獲得、クリーンしたら30点ポイント獲得となっている。つまりどこのゲートも通過しなくても、セクション出口までたどり着けば、この場合だと30点は獲得できる、というルールだ。
 このルールの一番の懸案は、ゲートのポイントを何点に設定するかで、試合のおもしろさが激変してしまう。やっていくうちにまとまっていく部分もあると思うが、むずかしそうだ。
 もうひとつは、5点になった場合の評価。ゲートをひとつも通過せず入り口で転倒した場合は獲得ポイントなし、0点(クリーンではない)となる。でもひとつでもゲートを通過して転倒した場合は、通過したゲートのポイントはきちんと加算される。10点のゲートを3つ通過して、4つ目のゲートで転倒した場合は、10点のポイントが与えられる。セクションアウトしていなくても、だ。
 このあたり、イギリスの伝統トライアルにこだわる人たちにとっては、最後まで走っていないのに有効ポイントが与えられるとはなにごとだと怒り出すにちがいない。それも一理ありそうな気がするが、この実験は、そんな古くさいことを言っている場合ではないというところが出発点になっているようだ。
 このルールを採用するというスペイン選手権では、2009年に試合システムの大改革が行われた。日本では、全日本選手権の中部大会と中国大会で、それぞれスペシャルセクション導入とタイムスケジュールの新たな試みがなされているが、これが全国的に普及しないのは、日本では従来通りの手法にこだわる意見が多いからという。しかしスペイン選手権の試みは、そんな小さなもんじゃないのだ。こういうところでも、日本はスペインにかなわない(どっちが正しいか、ではなく、大胆な実験をする大きな気持ちがあるかどうかという点において。正しいかどうかについては、日本的考えの方が正しいことの方が多い気もする)。
 スペイン選手権にもいくつかクラスがあるが、トップクラス以外(日本でいえば国際B級とか)は従来通りのスタートをする。そしてトップクラス(日本でいえばIAS。IAもこの中に入るかもしれない)のスタートは遅め。全日本中国大会と、この点ではそっくりだ。
 でもこれだけじゃない。下見は前日のうちに終わらせてもらって、セクションに到着したらすぐに走っていただく。下見しちゃいけないシステムだそうな。で、1回走ったら、同じところをもう一度走る。日本風に言うと、連続トライということだ。そうやって、15セクションを1ラップ、2回ずつ走って、結果表には15セクションの2ラップとして表示される。
 さらにコースのいたるところ(だいたい5セクションごと)にタイムコントロールがあって、試合の流れがコントロールされている。第1セクションで1時間身動きせずにじっとしているなんて、このルールでは不可能だ。
 スペインの選手は、オーガナイズへの不満をよく口に出す。昔(確か2002年のことだった)、スペイン協会の姿勢が気に入らないといって、スペイン勢のほとんど全員がスペイン選手権をボイコット、ライセンス停止の処分を受けたことがあったけど、先日のインドア世界選手権開幕戦でも、こんなルールではボイコットだという声が出ていたという。そんなうるさいスペイン勢でも、このルールにはとりあえず従順に参加している。彼らの問題意識は伝統がどうのこうのではなく、ルールとして公平にできるのか、技術の高い者が不利をこうむるようなことがないのか、という、そのへんについて意見することが多いようだ。
 というわけで、まずはスペイン選手権がいったいどんなことになるのかが注目。このスペイン選手権には、藤波貴久も出場する。世界選手権とはルールがまるでちがうから、練習という意味ではちょっと首をかしげるところもあるが、セクションにはいれば条件は同じだからと肩慣らしに出場することになっているという。機会があったら、ルールについても感想を聞いてみたいと思っている。

投稿 : 2010年01月27日 09:54

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