【2011年06月27日】
アンドラで藤波2位、しかし
トニー・ボウが、スペイン大会に続けてまた勝った。いったい、ボウの強さはどこまで突き抜けてしまうのだろう。
そして今回、藤波貴久が久々に表彰台。今シーズン最上位の2位を獲得した。
しかし藤波は、ゴール後に後味の悪い事件に巻き込まれていた。
ボウとその他のトップライダー、あるいは世界選手権クラスを走る下位のライダーとの間の技術レベルの格差は、どこまで広がってしまうのだろう。それは、今回のようにセクションがむずかしくなればなるほど、明らかになっていく。
結果表を見て、まちがった解釈をしてはいけない。ボウのトータルが15点? ふつうなら、15点で30セクションを走りきれるということは、それはトライアルが簡単だったということを意味する。
そんなことは断じてない。これらのセクションは、FIMが全体会に派遣しているセクションコーディネーターであるデエゴ・ボシスが設定している。腕によりをかけられた難セクションなのだ。
土曜日にヨーロッパ選手権がおこなわれ、その惨状を見た主催者は、日曜日の開催前に、若干のセクション設定の手直しを行った。ゲートマーカーの位置を動かしたりという、ごく簡単な手直しだったが、難易度は若干下がった。それでも下位のライダーにはおそろしくむずかしく、また危険度の高いセクションであることに変わりなかった。
今回アンドラ大会は、またも新しいコースが設定されていた。小さな国の大会だが、山の上までいってみたり沢筋を使ったみたり、さまざまな会場をよく開拓してセクションとして使っている。今回使われたコースは、エリア自体は過去にも使われたことはあるが、セクションそのものは新たに開拓されたものがほとんどで、主催者努力が感じられるものだった。
土曜日の夜のボシスの努力で、やや走破が可能になった第1、第2セクションに続いて現れた第3セクションは、最初の難攻不落のセクションだった。長い岩盤の登りは、ボウのみが克服できた関門だった。ボウが1回の足つきで登りきったとき、お客さんは大喜びだった。他のすべてのライダーは、あえなく5点をちょうだいしてしまったのだった。
同じようなことが、第9セクションでも起こった。
ボウはまたしても難攻不落のセクションを足つき1回で通過した。他のすべてのライダーはみな5点だ。気持ちの上では、5点以上のダメージを受けたかもしれない。ボウとの差は、明らかだった。この時点で、競技の結果は明らかだった。次なる問題は、2位になるのは誰か、ということだ。
ボウのチームメイト、藤波貴久は、ダンスを踊るようにセクションを走破した。その走りはとても素晴らしかった。岩々のグリップは、しかしとてもとても巨大だった。恐れを抱いたライダーに、勝ち目はない。
1ラップ目、藤波が13点で2位、対してラガは19点で3位だった。残る15セクションで、何が起こるか。
2位争いのターニングポイントとなったのは、第3セクションだった。1ラップ目、ボウを除くすべてのライダーが5点となっていたこのセクション、ボウが2ラップ目も同じように1点で通過すると、今度は藤波が同じように1点でここを走破していったのだ。
結果、これが大きな意味を持った。藤波は2位をキープして、5時間の残り時間を3分ほど残してゴールした。
しかし悪いドラマはここから始まった。ガスガスからクレームが出た。藤波が1ラップ目に不法にサイレンサーを交換したということだった。FIMは暫定結果として、藤波を失格とした。表彰台に呼ばれたのは、1位ボウ、2位ラガ、3位カベスタニーの3人だった。
藤波は、サイレンサー交換などしていない。しかしFIMは、車検の時に施したサイレンサーへのペイントが確認できないという。表彰式が終わった後、モンテッサのパドックではサイレンサーのペイントを巡って重たい時間が流れた。それは15分ほどのことだったが、勝負はセクションでないところで決まろうとしていた。
やがてFIMは、正しいペイントを発見し、藤波陣営がサイレンサーを交換したという冤罪は取り下げられた。正式リザルトは、藤波が2位、ラガが3位となっている。しかしこの日、ダイナミックなセクションを走破するシーンに感動して帰途についたお客さんは、藤波のいない表彰台を最後に目にしていたことになる。
残ったのは、藤波とラガとの間に流れる不穏な空気だけだった。ふたりの関係は、お世辞にもよいといえる状況ではない。
■世界選手権
■ジュニアクラス
ジュニアクラスは、アルフレッド・ゴメスに初めて土がついた。勝ったのはアレクサンドル・フェラー。この日のフェラーは、非常によいライディングを見せた。打倒ゴメス達成で、喜びもひとしおだ。ゴメスは2位。3位の表彰台には、ポル・タレスが入った。
■ユースクラス
ユースクラスは、ジャック・シェパードが勝利の座に返り咲いた。前回優勝のスウェーデンのセドリック・タンピエが2位。3位はエディ・カールソン。カールソンという名にぴんときたオールドファンもいるかもしれない。しかしこの若きエディは、往年のチャンピオン、ウルフ・カールソンとは関係がない。
さて、次の戦いは2週間後、イタリアだ。
Photo & Report : Mario Candellone / Agnese Andrione
投稿 : 2011年06月27日 18:06





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