開幕戦はやっぱり黒山!
2010年全日本選手権は、3月14日に茨城県真壁トライアルランドで開催。従来とは異なり、9セクション2ラップに、IASのみスペシャルステージの2セクションがおこなわれるという新しい試みが組み込まれていた。
序盤は田中善弘、野崎史高、渋谷勲などの好調が光ったが、やはり黒山健一が中盤以降実力を発揮して堂々の勝利。小川友幸も、最後にスペシャルステージで野崎を逆転して2位にはいった。
ルーキーでは、スーパークラスのセクションに不安があると語っていた宮崎が10位となって最上位を得た。
*レポート、書きました
開幕戦は、もうここ何年も真壁トライアルランドで開催することになっている。同じ会場だから、セクションに使われる地形も同じ。新鮮なセクションを提供したいという主催者側は雪や雨の中、苦労を重ねて会場設営。今回のセクション設定をしたのは、成田匠だった。
今回は、セクション設定の他、新鮮なシステム変更があった。IASクラスのみ、スペシャルステージの導入だ。スペシャルステージは、大昔(成田匠が国際B級だった頃と記憶している)に全日本に導入されたことがあったが、賛否両論のままに廃止され、それがこの数年、中部大会実験導入されていた(中部大会ではスペシャルセクションと呼んでいる)。
中部のSS(頭文字をとるとどちらもSS)はギャラリーにも好評で、これがトライアル委員会でも一定の評価を受け、各地の全日本でもこういった試みを積極的に取り入れていくという申し合わせがあったということだ。
同時に、セクション数は9セクションとなった。コンパクトでスピーディな試合進行を目指したものだが、運営スタッフの人手不足も影響しているという。少子化で人口が減っているのはトライアル界だけではないのだが、トライアルの運営側の人口減は深刻なのかもしれない。
さて、今回の最初のスタートライダーはエキジビジョン125の倉持俊輝。13歳の中学生ライダーで、トライアルアカデミーの出身者だ。エキジビジョン125は若年層のトライアルライダーへの啓蒙活動で設けられたクラスだが、このクラスの参加者ももうちょっと増えてくれないものかと願うところ。倉持は国際B級のリザルトと照らし合わせると63位。まだまだ修業中といったところだが、動きのいいアクションは今後が期待できるところだ。
■国際A級スーパークラス
スーパークラスのメンバーは、昨年から三谷英明がいなくなり(IAに移動)、尾西和博と坂田匠太がお休み(スポット参戦の可能性はありとのこと)。代わってIAから3人の若手が昇格してきた。09年IAチャンピオン藤巻耕太、そして野本佳章、宮崎航の3人だ。昨年昇格した柴田暁、斎藤晶夫、西元良太(08年IAチャンピオン)の3人も、上位を目指して参戦してきた。
今回のIASセクションは、9個のすべてが難攻不落というわけでもなく、結果表を見ても12人の全員がクリーンを獲得している。成田匠によると「かなりメリハリをつけてセクションを設定した」ということだった。
第1セクションは最後のポイントが難関だった。ここは結局、柴田以外の1年生、2年生は全員が5点となった。しかし西元と藤巻、IAチャンピオンのふたりは、IASならではの難関ではなく、前半のポイントで失敗している。いわば、IAラインで5点になっているわけだ。彼らがIAを走っていたらこんな結果にはなっていなかったはずで、IASを走るという緊迫感が、平常心を失わせていたのかもしれない。
渋谷勲、小川毅士はここを2点で通過。小川友幸、野崎史高、そして柴田暁が1点で通過。柴田の1点は素晴らしかった。そしてここをクリーンで通過したのは二人。黒山健一と田中善弘だった。
第2セクションでは、柴田は5点に終わったものの、今度は斎藤が1点、宮崎航がなんとクリーン。宮崎は土曜日の時点では「IASのセクションを走るのが不安」と語っていたが、同時に開き直って走れるから、それがいい結果に結びつけばとも語っていた。
第3セクションも大岩が複雑に配置された難所だった。ここまでオールクリーンしていた田中善弘がここで2点。このセクションは、斎藤以外の11人が5点とならずに通過している。宮崎と藤巻のルーキー二人が1点、西元がクリーンと、ルーキーたちもがんばっていることを実証している。
試合の流れが変わったのが第4セクションだった。9セクション2ラップということで、IBによる渋滞に巻き込まれることをきらって誰よりも速いタイミングでトライに入っていた小川友幸が、最後のポイントで失敗して5点となった。その後、西元、野本が3点となると、野崎、渋谷、そして田中がクリーン。抜けられないセクションではないことが明らかとなった。ところがここで、黒山も5点になった。これでトップは野崎、2位に渋谷と田中だ並ぶという展開となった。この日はセクション数が少ないから、このまま野崎が逃げ切り、黒山や小川が5点ひとつが災いして敗退する可能性は少なくなかった。
黒山も、それを心配した。しかしそれを心配していても、残してしまった5点を覆すことはできない。かくなるは、ここから先のセクションをひとつひとつていねいに走り、ライバルの失点を待つしかない。
その後の黒山は、しかし見事な走りっぷりだった。第4セクションの5点以外はオールクリーンとまではいかなかったが、ふかふかのヒルクライムと最終のタイヤ一本ラインの登りとで1点を失い、1ラップ目のトータル減点は7点。
黒山を脅かすべき野崎は、1ラップ目には5点こそなかったものの、3点を二つ、1点をひとつと減点を重ねて、1ラップが終わったときにはわずか1点差ながらトップを黒山に奪われていた。
黒山と同じく第4で5点となり、野崎と同じように減点していた小川は、1ラップ目11点で3位。ふたりには、乗れっぷりにちょっと差があるような印象だった。ただし小川は、まだまだあきらめてはいない。少なくとも、3位になるのと2位を獲得するのとは、シーズンを戦う上で大きなちがいがある。
第1セクション、第4セクションをクリーンして気を吐いた田中善弘は、それ以降はちょっと点数をまとめられ切れず、1ラップ目は5位。2ラップ目には1ラップ目にクリーンした第1と第4で5点となるなど、ラップだけで見れば9位となって、トータル6位に落ち着いた。
2ラップ目に田中に勝るスコアを残しながら、田中に10点差、20点差をつけられたのが、スーパークラス2年目の柴田暁と西元良太、斎藤晶夫。柴田は「今年は3位以内を狙っていきたい」と具体的に夢を語る。対して西元は「がんばるしかない」と殊勝な豊富を語っていたのだが、8位は思ったよりもよい結果だったようだ。2ラップ目に4つのクリーンをたたき出して、1年生2年生の6人の中ではベストラップの23点をマークした斎藤は、1ラップ目が悪すぎて(最下位)9位。この上り調子が、フューチャー300での試合慣れができてきたということなら、次回以降が楽しみでもある。
10位から12位までは、昇格1年生が3人並んだ。この3人の中で最上位となったのは、IAランキングも5位で、セクションに対する不安も口にしていた宮崎航だった。不安と同時に、開き直ってセクションに挑めるので、それがいい結果につながることも期待していた宮崎。どうやら結果は、いい結果に出たようだ。
さて、今年の注目株といえば小川毅士。昨年、出身地の京都から真壁トライアルランドの近くに転居し、さらに今年は、チームとマシンを一気にスイッチした。日常、真壁で練習をしている愛好者からは「今年の毅士は絶好調」という声も多かった。
RTLからベータEVOへ。その乗り換えは、さぞマシンが軽くなったことだろうと思うのがふつうだが、実はマシンの重量は、さほど大きな変化はないという。毅士が乗っていたフューチュー300は、排気量をアップしているのと同時に、軽量化も進められている。スタンダードのEVOなら、重量自体は同じくらいではなかったかと、毅士は言う。今年の毅士号は、さらにいくらかの軽量化を進めているので、それで1kg〜2kgの軽量化が実現した。ただ、実際にマシンを操る際には、重量配分の問題か、EVOはやはり軽さが実感できるとのことだった。
もちろん、マシンが軽ければすぐに成績が出るわけでもなく、4ストロークから2ストロークへの乗り換えも簡単ではない。だいぶ慣れてはきたが、とっさのときについ2ストロークの乗り方が出てしまうということで、結果は渋谷勲に3点差の5位。毅士にすれば、大いに不満な結果となった。しかし、最後のスペシャルステージで見せたクリーンなど、今後の毅士に対する期待も、また大きい。
9セクション2ラップが終わって、20分ほどのインターバルを置いてふたつのスペシャルステージセクションにトライ。この方式は、ライダーにはおおむね好評のようだ。観客にとっても、時間に追われて大急ぎのトライになることが多い通常の終盤戦は、試合の流れが見えないことが多いのに対し、スペシャルステージは試合の流れも整理ができる。なにより、ゆっくり観戦することができるのがいい。
強いていえばという注文としては、2ラップをゴールしてからスペシャルステージのオープンまでの20分が、間延びしてしまうという危険があった。選手にとっては、コンセントレーションを維持した状態のまま最後まで走りきれたほうがいい。観客側の視点からすると、待ち時間が少し長いきらいもあるが、食事をとったりなど、一息入れられる時間をとれたりもする。どちらがいいかは、選手側観客側、運営側のいろいろな事情がありそうだ。
スペシャルステージは、ひとつめは大岩中心のダイナミックなもの。前半の大技と、最後にダニエルで飛んでいくところが大きなポイントとなった。ふたつめは、名物となっている第ヒルクライム。いつもはある程度の助走を持って登りにかかるが、今回は助走がほとんどない状態でのアプローチとなった。
ひとつめのセクションは12人のうち半分の6人が5点。中でも、野崎と小川毅士が5点となったのは意外な展開となった。ふたりとも、ダニエルで飛んでいく最後のポイントでの失敗。野崎は「ああいうところは得意パターンなのに」とくやしがることしきり。
クリーンしたのは黒山、小川友幸、渋谷の3人。トップライダーにとっては、足が出る設定ではないが、ちょっと失敗が5点になる、油断できないセクションだったということになるのだろう。
SSの一つ目を終えたところで、黒山のリードが5点となり、黒山の勝利が決まった。シーズンオフに手術をし、まだ術後のコンディションには多少の不安もあったというが、結果的には試合は問題なし。セクションインを前に、エンジンで左手を暖める姿が見受けられたが、黒山が手術の影響を感じさせたのは、こういう瞬間くらいだった。
最後のセクション。スペシャルステージの二つ目。こちらはひとつめよりも少し難度が高く、5点に沈んだのは7人になった。その中には、小川友幸も含まれている。小川は野崎と僅差での2位争いをしていて、結果、この5点で両者の点差はわずか1点となった。野崎がSSひとつめをクリーンしていたら、あるいは3点ででも抜けていたら……。小川にすれば、最後に転がり込んだ2位表彰台だった。
市販車マシンに乗って2年目。土曜日には素晴らしい仕上がりといっていたが……。
「実は、ないしょにしていましたが、仕上がりにちょっと不安があって、そんな中では今日の試合はよく戦えたと思ってます。準備不足は時間切れの結果なので、次の九州までには万全の体制で臨みたい。優勝できた去年の開幕戦は、自信を持って海上にやってきていましたから、そういう体制で次回は走りたい」
と、小川の試合後のコメント。
このSSのふたつめ。クリーンをしたのは、ひとつめのSSよりひとり減ってふたり。しかし今度は、上位陣が誰もクリーンできないという結果になった。
クリーンしたのは、まず小川毅士。ふけの鋭い2ストロークエンジンを上手に使ってそそり立つ頂点を極めた。そして最後にトライした柴田暁。柴田は登りの頂点にたどりついてから、体勢を整え、満を持してセクションアウトした。スーパークラス2年目のまだルーキー選手が、関東大会のエピローグを飾る、素晴らしいトライを見せたのは、うれしくも意外な結末となった。
■国際A級
2年間のスーパークラス生活から、国際A級に戻ってきた三谷英明が見事な勝利。1ラップ目からトップを譲らず、5点もひとつだけという見事さだった。今回優勝したマシンは、去年の最終戦を走ったそのままの状態ということで、シーズンオフには別のマシン(フューチャー125)に乗り込んでいたという。突然出場してこの成績をおさめるというのも、三谷らしいところ。三谷が強いときには、練習をしていなかったりすることが多い。
それにしても、去年は、藤巻、野本ら、若手ライダーの活躍が注目を集めたシーズンだった。今年は一転、ベテランライダーが上位を占めた。昨シーズン後半、上位入賞ができるようになった滝口輝は、2週間前に追突事故に遭い、むち打ちに苦しみながらの15位。B級チャンピオンで逸材ぶりが期待されている山本直樹は、ポイント獲得まで12点差の24位。
誰が勝つか分からない勝負のおもしろさは、国際A級クラスの魅力のひとつだが、IASからの降格組に、ルーキーの若手が混ざってしのぎを削るようになると、このクラスもより活気に満ちた戦いとなっていくだろう。
今回6位の田中裕人は、去年まで長く小川毅士のマインダー(今年からアシスタントと呼ぶことになった)を務めていた元IAS。自分で走るのは久しぶりだが、2ラップ目に減点をほぼ半減させてこの順位を得た。
国際A級の2位から15位までの各選手。2位本多元治、3位岡村将敏、4位成田亮、5位小野貴史、6位田中裕人、7位小谷徹、8位村田慎示、9位高橋伸一郎、10位小森文彦、11位砂田真彦、12位佃大輔、13位永久保恭平、14位徳丸新伍、15位滝口輝
■国際B級
「国際B級は5年目になるのかな。長かったですね」
樋上真司が国際B級初勝利。去年はゼッケン1をつけたものの未勝利。表彰台も遠かった。
「去年までは、試合となると緊張してぴりぴりしていたんですけど、今年はそうならずに走れるようになりました。気持ちの切り換えができるようになったかな」
ということだ。気持ちの切り換えができるようになったところで九州でももう1勝?と水を向けると「期待されちゃうとプレッシャーになっちゃうけど、九州もがんばります」と前向きのお答え。
今年の国際B級は、新しいポイント獲得者が多く、シーズンの行方も楽しみだ。
去年、エキジビジョン125を走っていた磯谷玲は、IBに昇格していきなり、11位でポイントを獲得した。
国際B級、2位から15位までの各選手。2位窪谷貴正、3位宮本竜馬、4位松本龍二、5位平井賢志、6位椎根弘守、7位岩田悟、8位杉木直志、9位岩見秀一、10位岩崎直樹、11位磯谷玲、12位朝倉匠、13位鈴木克敏、14位山口雄治、15位益子宏和
■エキジビジョン125
どうなるかXispa
スペインの新興メーカーXispa(チスパ)。その動きにはいろいろと興味深いものがあるが、このほど、2010年モデルを発表したというニュースが届いた。と同時に、XispaとShercoの間での訴訟問題などもあって、国内での販売については、まだ不透明部分も多い。
2010年モデルが発表されたのを機に、Xispaと現在のトライアルメーカーの位置関係を、簡単に整理しておきたい。
<Posted in 09.10.31( 10.03.05 Mod.)>
Xispaは、もともと子ども用の電気バイクなどをつくっていたメーカーで、このマシンとともに本格的トライアルシーンに参入した。
ところが登場したマシンは、誰が見てもShercoにそっくり。外観が似ているのと構造設計的に模倣があるのとは必ずしも一致しないが、Shercoはこれについて訴訟を起こしたようだ。
裁判はしばらく時間を要し、この間にXispaは日本ではアルプスヴァンが実験輸入を開始した(正規販売代理店とはなっていないとのこと。販売台数の問題もあって、MFJの公認申請もしておらず、現状ではNA、NBの公認大会には参加できない)。トップレベルの性能を徹底的なコスト削減でつくりあげたマシンは、価格的に大きな魅力だった。
しかしその後、裁判が結審した。裁判はフランスでのものだそうだが、これでXispaは敗訴した。事実はどうあれ、判決がXispaはShercoの模倣であると認めたわけだ。Xispaはこのマシンを売っていくためには、Shercoに対して損害賠償なり意匠使用料なりを支払う必要が生じた。
これでXispaの将来は閉ざされたかと思いきや、2010年モデルが登場した。Xispaには、Shercoへの支払いをおこなってもなお生産販売を続けていく力があったということかもしれない。
以上がXispaとShercoの関係だが、これが全世界的に見ると、話はもっと複雑になる。この判決の少し舞え、ShercoはScorpaの権利を買った。ScorpaはShercoのブランドとなって生き残ることになったのだが、前記、日本のアルプスヴァンをはじめ、Xispaを販売している代理店は、全世界的にScorpaの正規代理店というケースが多々あった。Scorpaの行く末が見えなくなったタイミングで、ScorpaのインポーターはXispaに食指をのばしたということらしい。
ところが今度は、ShercoとScorpaが同じ会社のブランドとなって、さらにXispaはその会社から訴えられる立場となった。全世界的に、Xispaの代理店は扱いを見直さざるを得ないのが実情だ。
今、世界的にはShercoとScorpaが同じ会社となった。Scorpaの経営が危うくなったときには、GasGasが出資するという話もあって、事実、SY250F用のWR250Fエンジンは、GasGasが引き取った。しかし裁判では、GasGasによる再建計画を不十分と判断されて、GasGasとScorpaの資本縁組はなくなった。
一方、日本では、GasGasの輸入元である亜路欧と、Shercoの輸入元であるカシックが一体化した。どちらも輸入元は亜路欧となったわけだが、こうなってくると、ブランド存続で落ち着いたScopraはどこが扱うことになるかなど、まだ現在のところは明らかになっていないことも多い。
来週には、イタリアでミラノショーが開催される。この会場で、トライアル界の世界的再編の青写真が示されるという情報もあるが、さて、現実のところはどうなるのか。今持っているマシンのパーツ供給の心配をされている方も、ぜひご注目あれ。
ストップ? orノーストップ
2010年から、世界選手権のルールが変更されるかもしれないという動きが出ている。
ルール変更は「ノーストップ」。マシンの停止を5点と採点するルールの採用だ。FIMトライアル委員長のジャン・マーク・クルミエ氏によると「ルール変更はまだ決定ではないが、その方向で動いている」という。
ライダーは、ルール変更に備えて練習方法を変更する一方で、このルール変更に疑問を呈しており、ストップが1点となる可能性も示唆している。
いずれにしても、決定は近々おこなわれるFIMトライアル委員会で決定されることになる。
(写真は09年開幕戦アイルランド大会を観戦するサミー・ミラーさん。往年の名ライダーは今のトライアルになにを思うか)
<Posted in 09.10.22( 10.03.05 Mod.)>
トライアルのルールは、何年かに一度、変更を議論されるのが通例になっている。現在のルールは、1999年から採用されているもので、世界選手権の現場では、表面的には大きな混乱もなく機能してきた。
しかしそれ以前は、1997年にバックを採点から不問とする(足をつきながらバックしても、足をついた数だけがカウントされる)ルールを採用したり、その翌年に一転、一瞬の停止を1点とカウントするなど、やや迷走状態を続けた時期もあった。
2005年には、採点マシンなる電子機器の開発もとりざたされた。これはマシンのフロントアクスルに装着し、マシンのストップを検知して5点を宣告するという秘密兵器。しかし実際にテストをした結果、マシンの耐久性、信頼性を含め、以後、このマシンが話題に上ることもなかった。
伝統的に、セクション内でマシンをストップさせるべきではないという意見は、トライアルに長い伝統を持つイギリスの大御所から発案されることが多い。トライアル委員会は、現在はフランス人がトップにいて、ノルウェーやルクセンブルク、イギリスの委員が脇をかためている。今回のノーストップ論は、トライアルとはどうなるべきかという、トライアル委員会内での方向性の現れかもしれない。
こういったルールの変化と同時に、セクションでの持ち時間制限というのも導入された。1997年にバック可となった時代には、持ち時間の制限がなかったから、ライダーは疲れ果てるまで延々とトライすることも可能だった。1分半(全日本選手権は1分を採用)の持ち時間が採用されている現在は、スピーディなトライが実現している。
セクションの持ち時間生の導入をもって、再びバックをしてもOKとすべきという意見もある。セクショントライに制限時間がある中、バックをしたりホッピングを繰り返すことは、持ち時間を消費することにつながり、必ずしも減点を減らす好材料とはならないからだ。ホッピングもバックもスタンディングスティルも、トライアルのテクニックのひとつ。持てる技術をルールによって制限するのはいかがなものかという意見もある。イギリス人が守るべきトライアルの伝統はあるにせよ、時代もマシンもテクニックも進化している。トライアルも進化すべきという意見は根強い。
一方、水泳などでもある一部のテクニックが制限されることはよくある。F1など、強力なエンジンを持てば優位に立てるモータースポーツでは、排気量の制限や最低重量の設定でイコールコンディション(一部のライダーが突出して好順位を独占するのを防止したい)を維持しようとしているが、トライアルではそれらの制限がイコールコンディションにはつながらず、逆に技術レベルの格差を大きくすることも考えられる。
トライアルとルールの問題は、なかなか決着を見ないむずかしいテーマのようだ。いずれにしても、結論は今しばらく待たなければいけない。
黒山健一、またまた勝利
全日本選手権第6戦中部大会は、10月11日に愛知県岡崎市キョウセイドライバーランドで開催された。
通常の12セクション2ラップを終えたあと、3セクションのスペシャルセクション(IASのみ)を催すなど、大会主催の意欲が強い中部地区。告知や動員も順調で、公式発表2400人のお客さんでにぎわった。
国際A級スーパークラスは黒山健一があぶなげない勝利。2位には指の不調をひきずる小川友幸。3位には復調傾向の渋谷勲が入った。
国際A級は野本佳章が自身2勝目。タイトル争いでリードする藤巻耕太は2位となった。3位は岡村将敏。
国際B級は山本直樹が順当勝ち。しかし試合終盤までは松岡一樹がトップを守っていて、薄氷の勝利だった。山本はこれでデビュー以来5連勝。
<Posted in 09.10.13( 10.03.05 Mod.)>
■国際A級スーパークラス
12セクションを2ラップ、そして国際A級スーパークラスのみ、その後に3セクションのスペシャルセクションをおこなうという中部大会ならではの取り組み。スペシャルセクションは、見た目にダイナミックな設定が特徴で、しかしここで逆転劇が起きることもある。まずは12セクション2ラップの、通常の競技が選手たちの最初の腕の見せどころとなる。
第1セクション、第2セクションと、どちらかというと細かいテクニックが必要な設定。野崎史高が第1で1点をつけば、黒山健一は第2で1点。渋谷勲はその両方で1点と、序盤は混戦模様が予想された。
こんな中、小川友幸とルーキー柴田暁は黒山とともに第1をクリーンした数少ないライダーだったが、第2で柴田は3点、小川は5点をとってしまった。第2セクションまでの時点では、黒山と野崎が1点、渋谷が2点、柴田が3点と小川友幸が5点で上位5人を占めていた。いつもとはちょっと並び順がちがう。
小川友幸は、前回中国大会の練習中に痛めている指に致命的なダメージをうけ、そればかりか、これまでも苦しいシーズンを送っていたことが明らかになった。中部大会、東北大会は大事をとって欠場する可能性も否定しなかった小川だが、テーピングを施してこの大会に参加。もちろん支障はあるが、トライには影響のない状態で大会に臨めたという。それでも、第2、第4で5点となるなど、やはり小川本来の走りとはなにかがちがうようだった。
一方、これでもかというほどに調子に乗れないのが小川毅士。調子は悪くなく、応援団もかけつけているというのに、スコアカードには5点と3点と1点が並び、9セクションを追えてクリーンがゼロ。ルーキーの柴田にこの時点では11点差と大差をつけられていた。
野崎史高も、また波に乗れない。第2セクションでは、ただ一人クリーンをたたき出して気を吐いたが、次の第3で5点をとると、2点5点と減点し始めて、黒山を楽にさせてしまった。
こんな中で、さすがに黒山は横綱相撲を見せる。しかし序盤は、本人にいわせれば集中ができていなくて、クリーンをしながらもいやな戦いだったと言う。1ラップ目の終盤あたりからはいきなり本来の走りができるようになって気分よいトライが戻ってきたという。ただし見ている限りは、前半から圧倒的強さを見せつけていた。傍から見える圧勝ぶりにもっていくために、黒山には黒山の苦労があるということなのだろう。
2ラップ目に入って、黒山の強さはますますきわだった。12セクションをたったの2点。2ラップあわせて10点は、2位小川友幸の1ラップの減点よりも少ない。完全なワンサイドゲームだった。黒山の12セクションでの5点は一つだけ。ヒルクライムの第9セクションで、スピードをのせられずにあがりきれなかったものだ。「完全にミス。2ラップ目にクリーンをしたので、まぁよしとします」とその失敗を認めている。試合結果に影響がなかったから、一つ二つの失敗は起こりうると余裕だ。
黒山のスペシャルセクションは、ひとつ5点があった。テープの外に飛び出して、本人も苦笑いの5点だった。実はひとつめのスペシャルセクションを終えたところで、黒山と小川友幸の点差は17点に広がっていた。残り二つを連続5点としたところで、黒山の勝利は確定している。どこかに、そんな安心感があったのかもしれない。「でも、恥ずかしかったですね」と、黒山は振り返った。
小川友幸は、序盤はともかく、最後は思うように動かない腕との戦いだった。痛めているのは指だが、その指をかばって動くから、腕が全体的に疲労してくる。「腕をつったりするのは今までにもあったが、いうことをきかないというのは初めての経験だった」と苦しい戦いを振り返る。2ラップ目後半から苦しくなり、スペシャルセクションのひとつめは、その最たる状況で迎えたのだという。
チャンピオンシップでの黒山とのポイント差は15点。黒山が10位でポイントを獲得すれば、小川が勝利してもタイトルは黒山へ渡る。ほぼ事実上、タイトル争いは決着したといっていい。
その小川友幸に、前回4ポイント差まで詰め寄ったのが野崎だった。しかし今回の野崎は4位。それも、5位の小川毅士と減点7点差まで迫られての4位だった。「キョウセイは苦手ですね。なにが苦手なのかわからないけど、結果を見ても、どうも苦手です」と、今回の野崎は、舞台を早く最終戦SUGOに移したいかの様子。SUGOは、野崎がこれまでに2度勝利した“特異な”会場だ。
小川友幸と野崎の選手権ポイント差は再び7点となった。7点という点差は、開幕戦で小川友幸が勝利し、野崎が4位になったときのポイント差そのまま。以後の4戦は、このふたりは完全にシーソーゲームをしているということになる。
小川友幸と野崎の間に割って入ったのが、渋谷勲だった。第6セクションまでは黒山に1点差で好調を維持していたから、あるいは勝利争いをする期待もあったのだが、ヒルクライムセクションで連続5点となってやや失速。小川友幸に2位の座を奪われてしまった。
それでも渋谷は「練習通りの走りができているし、マシンも自分にあったものができあがっている。いつも同じ顔ぶれを勝たせるのじゃなく、ぼくらがもっとがんばらないとね」と確実に感触をつかんでいる。
5位に入った小川毅士は、今回はさんざんだった。2ラップを終えた時点では、柴田暁と同点(手元の集計では、5点負けていると伝えられていたらしい)。柴田はチームメイトではあるが、ここで負けては具合が悪い。それで奮起したのがスペシャルセクションだった。この3セクションをクリーンしたのは、小川毅士、ひとりだけだった。時間ギリギリでみんながトライするスペシャルセクションでは、小川毅士は3分のタイムオーバーをもらってしまったが、それでも柴田を逆転するには充分な活躍だった。
毅士に負けはしたが、今回の柴田は見事だった。渋谷が登れなかったヒルクライムの第7セクションを登りきり、2ラップめにはクリーンすらした。トップライダーが足をついたり5点になっているところを抜けているというパターンは、今回の柴谷は珍しくなかった。
結局スペシャルセクションの派手な設定の前に6位となったが、IAS最年少のこのライダーは、もっとのびてくる可能性ありだ。
7位に尾西和博、8位に今回は(地元なのに)いつもの走破力を発揮できなかった田中善弘、9位に斎藤晶夫(勉強しすぎらしい)、10位に猛烈な早まわりだった三谷英明、11位に西元良太となった。
IASでは、10位までポイントが獲得。次回黒山は、5点とればタイトル確定。5点とは11位相当のポイントだが、11位ではポイントが与えられないから、完走しただけではタイトルはとれず、10位以上に入る必要があるということになる。もちろん黒山本人は、そんな低いレベルの目標については、まったく計算していないにちがいない。
■国際A級
いつも神経戦の国際A級。今回も優勝は2ラップを通じてたったの6点だった。勝ったのは野本佳章。1点が4つと2点が一つというパーフェクトな勝利だった。
野本は、どちらかというと、難セクションを独特のラインで駆け抜けていくというパターンが印象的だ。今回のセクションは、点数的には野本向きとはいえないのだが、それでも「ダイナミックでもあり、トライアルらしいむずかしいところもちゃんとあり、いいセクションでした」というとおり、結果的には、野本が楽しんで走れる設定になっていたようだ。
「本人はまったくそう思っていないんですけど、2ラップ目や3ラップ目になると、セクションをなめてしまうみたいな感じがあって、それで失敗することが多いんです。だから毎回新しいセクションに挑むような新鮮な気持ちで走れるようにすればいいんです」。そういう点では、2ラップという試合形態は、野本向きなのかもしれない。「今日は最初から、というかきのうのうちから勝ちを意識していました」と自信もあったようだ。これで2勝目。「ちょっと少ないですね」と3勝目に向けて思いを新たにする。
ランキングトップの藤巻耕太は今回は2位。順調にポイントを積み上げていて、最終戦SUGOで4位に入ればライバルの動向に関わらずタイトルを決定する。ただ、第2戦で勝利して以降、4位5位2位と勝利に逃げられているのがくやしいところだ。
優勝、そして2位と、前回まで藤巻を猛追していた小野貴史は、今回は8位と低迷してしまった。これで小野のタイトル獲得は絶望的に。かわって、ランキング3位には1戦を欠場し、今回も発熱と戦いながら走りきった小森文彦がランキング3位に浮上している。
若手の滝口輝が久々に11位で、九州の西和陽も九州以来、ベテラン村田慎示は開幕戦以来、そして藤原慎也は自身初のポイントを獲得している。
左上から、2位藤巻耕太、3位岡村将敏、4位小森文彦、5位成田亮、6位本多元治、7位寺澤慎也、8位小野貴史、9位徳丸新伍、10位宮崎航、11位滝口輝、12位佃大輔、13位村田慎示、14位藤原慎也、15位西和陽
■国際B級
開幕戦から負け知らず。山本直樹はまたしても勝利した。
とはいえ、楽な試合ではなかった。1ラップ目に3点3つとほんの少し減点が多かった山本は、2位で試合を折り返した。いつものペースなら、2ラップ目に確実に減点を減らして勝利を呼び込むのだが、第2、第4と5点となってしまって万事休す。チームミタニのチームメイト、関東の松岡一樹にリードをとられたまま、試合は終盤戦を迎えた。
ここで松岡が痛恨のミス。第9で5点となってしまったのだった。山本はここをクリーン。これで試合はひっくり返り、たった2点差ではあるが、山本の勝利が決まった。
それにしても、山本の落ち着きは目を瞠るものがある。途中でひっかかり、セクションの持ち時間が残り少なくなる中、マインダーのお父さん(山本弘之さん、かつてのトップライダー)が焦りを殺して10秒9秒と指示を出しても、ゆっくり確実にマシンを引き出し、残りコンマ何秒でセクションアウトしていく。「見ているこっちがあわててしまう。もっとあせろと言いたくなる」とお父さんもぼやき節。
山本と松岡、ふたりの若手ライダーは、しかしその乗り方のスタイルはまったくちがう。今風のライディングの松岡に対し、山本はクラシックなスタイルだ。お父さんの弘之選手は当時とすれば新しいタイプのライディングをしたもので、しかも山本は自転車トライアル出身なのだが、ライダーのスタイルの誕生は、なかなか秘密めいている。
3位は関東の佐藤優樹が初表彰台となった。前回初出場で3位となった宮本竜馬は(山本に輪をかけてクラシックなスタイルで走る)今回は9位となった。
左上から、2位松岡一樹、3位佐藤優樹、4位真田啓行、5位椎根弘守、6位紺野賢二、7位中田幸佑、8位新井佑典、9位宮本竜馬、10位橋口智彦、11位岩見秀一、12位大西貴、13位吉良祐哉、14位安岡護、15位平井賢志
■エキシビジョン125
13歳、磯谷玲が中国大会に続いて2回目の出場。前回は国際B級22位相当で、あとひとふんばりで国際B級のポイント獲得ができるところまできていた。今回は地元での大会とあって期待されたが、結果は54位相当とだいぶ落っこちてしまった(ちなみに、中国の大ベテラン河野選手にクリーン差で負け、唯一の女性ライダー長谷山選手に4点差で勝っている)。
まだまだ将来が楽しみな選手だから、今のうちに国際B級にもまれてほしいところ。
それにつけても、このクラスへの参加者がいつまでたってもたったひとりであること、それに対してのサポートがほとんど見られないことなど、日本の将来はどうなってしまうのだと、このクラスを見るといつも思います。よいコンセプトなんだから、しっかり育ててください。お願いします。
トリッカーでトライアル
東京のトライアル拠点YSP京葉から、ヤマハトリッカーをベースとしたコンプリートのマシンが登場した。
改造はいたってシンプルだが、トライアル歴の長いYSP京葉のノウハウがたっぷり注ぎ込まれていて、トライアルマシンとしてのポテンシャルもなかなか高い。もちろん、純然たるトライアルマシンとの差はいろいろな点で明らかだが、それにもましてトリッカー改の商品的魅力は小さくない。
なんといっても、このマシンは入手が簡単で、ベースマシンのトリッカーは厳しい規制にもパスした日本製モーターサイクルだからだ。
ホイール改造など、交換パーツ代は安価ではないが、それでもヨーロッパ製トライアルマシンの価格よりは安価におさまっているのも魅力だ。
<Posted in 09.10.08( 10.03.05 Mod.)>
この、トリッカーSPは、ヤマハの個性派オフロードマシンであるトリッカーに、前後ホイールを交換してトライアルタイヤを履いて武装したものだ。
トリッカーとセローは、エンジンや車体まわりに共通部品が多い兄弟車種。セローにはもともと21インチ/18インチの、トライアルタイヤがはいるホイールがついているから、セローならそのままトライアルが楽しめるのではないかと思いがちだが、あえてトリッカーがベースマシンとして選ばれたのは、理由がある。
同じように見えるセローとトリッカーのフレームだが、実は両者では、フロントフォークのつきかたがちがう。キャスターやトレールなど、トライアルに重要なこれらのアライメントが、トリッカーのほうが、より適切な値となっているのだ。
印象としては、またがってハンドルを左右に操作してみると、このトライアル向きのアライメントがなんとなく察することができると思う。トリッカーは、ハンドルから先の前の部分がとても軽い感じ。トライアルでは、チョッパーのような(極端なたとえだが)遠隔操作のハンドリングは不向き。このハンドリングがほしいがために、ベースマシンにトリッカーが選ばれているのだった。その他にも、セローとトリッカーでは、装着されているパーツが異なっていて、トリッカーの方がより軽快感が強い。加えて、スイングアームの長さもちがう。トライアルに使うなら、どちらが適しているかは、一目瞭然だ。
ということで、この秋、YSP京葉の大月信和さんが、宮城県スポーツランドSUGOの深山トライアルにトリッカーSPで参加した。深山トライアルは、本来トライアルマシン限定の大会なのだが、主催の藤原氏曰く「(ヤマハ契約ライダーのボス的存在の)大月さんとの力関係で」参加を認めたものだという。大月さんは、もちろんYSP京葉の代表者だが、誰あろう、今は昔、TY125(ツインショックの)をデビューさせたヤマハ契約ライダーの大御所でもある。モトクロス、トライアル、そしてスノーモビルで大活躍した経歴は、伊達ではない(トライアル以外は、すべてのクラスでチャンピオンを獲得しているという。トライアル以外で、というのは残念だった)。
さすがに大月さんのライディングにより、トリッカーSPはよく走った。しかし同時に、その位置づけも明らかになってきている。まず重たい。こつこつと軽量化することは可能ではあるが、それでもカタログスペックで125kgという堂々たるウェイトである。70kgをめぐる1kg2kgのところで勝負するトライアルマシンとは、少し次元がちがう。
まっすぐ走っているときにはなんら問題がなくても、少し傾くと支えられない。好調にセクションを回り始めた大月さんも、少しずつ減点を重ねていって、やはりトライアルマシンとの方向性の差は明らかというところだ。
ただ、トリッカーにはトリッカーの長所がある。まずは、1年中いつでも、新車のマシンが入手できるということだ。トライアルマシンは、春頃にどっと日本にはいってきて、その後の追加はケースバイケースで、ほしいマシンが即座に手に入らないことも多い。中には、あちらの会社の事情もあって、何ヶ月も待たなければいけないこともある。その点トリッカーは日本製のマシンだから、すんなり手に入る。
しかもトリッカーは、もともと日本の道を自由自在に走り回ることを目的に作られたマシンだから、トライアルマシンのように、シートがなかったりヘッドライトが暗かったりといった不便さがない。通勤にも通学にも、ツーリングにだって使えるポテンシャルを持っている。そのうえ、トライアルだってできるという位置づけだ。
昔々のトライアルマシンは、トリッカーほどではないが、どれも厚手のシートとある程度大きなタンクを持っていて、山の中の長距離移動ができるようになっていた。そんなマシンをベースに、より性能を求めたいライダーは、シートを削ったりタンクを小さくしたり、いろんな改造をしてポテンシャルアップに努めたものだった。最近のトライアルマシンは、輸入された状態で非のない状態のパーフェクトな性能を持っているが、逆に性能アップを図るという楽しみはいささか少ない。このトリッカーは、購入後の、そんな楽しみも与えられているようだ。
YSP京葉では、2009年11月いっぱいは、自賠責や登録代までを含んだ「乗り出し価格」で60万円ぽっきりというセールをやっている。トリッカーに前後フルサイズのタイヤを履かせるプロジェクトは、このところいろいろのショップで手がけているが、多くの人にトライアル的なオフロード走行の楽しさを味わってもらいたいというYSP京葉の取り組み。トライアルに興味はあれど、専用のトライアルマシンを用意するのに踏み切れない人は、ぜひこちらにご注目あれ。
●YSP京葉WEBサイト
●YSP京葉オリジナルコンプリート・トリッカーSP
| YSP京葉 オリジナルスペシャルトリッカー250 | |
|---|---|
| 車両メーカー希望小売価格 | 457,800円 |
| ◎前後ホイール組み換え(部品代) | 108,628円 |
| ◎ホイール組み換え作業工賃 | 42,000円 |
| ◎登録諸費用 | 18,900円 |
| *東京都23区以外の登録は別途 | |
| ◎納車準備費用 | 23,100円 |
| ◎G防犯登録 | 1,050円 |
| ◎自賠責保険(1年間) | 8,620円 |
| ◎重量税 | 6,300円 |
| ◎ナンバー代 | 520円 |
| 合計金額 | 666,918円 |
| 値引き | -42,000円 |
| 総合計金額 | 624,918円 |







