今週末、1月29日は、Xトライアル(インドア世界選手権)第3戦。独走を続けるトニー・ボウ、これに続くアルベルト・カベスタニーとアダム・ラガの争い。その中に割っている日本の藤波貴久。さらにベータに移籍して早く本領を発揮したいジェロニ・ファハルドと、トップライダーがひしめき合う激戦だ。
このトップ5のほか、フランスのロリス・グビアン、イギリスのマイケル・ブラウン、さらに去年のジュニアクラスチャンピオン、アルフレッド・ゴメス(スペイン)がいつものメンバーだが、今回のマルセイユには、ゲスト参加として、ポル・タレスが初参戦する。
ポル・タレスは、おじさんの世界チャンピオン、ジョルディ・タレスが開発に携わったJTGを駆って、今シーズンはジュニアクラスに参戦することになっている。Xトライアルに参加するには荷が重いというのがふつうの見方だが、さて、どんな走りっぷりを見せるか、乞うご期待だ。
2月21日、Xトライアル第2戦は、スイスのジュネーブで開催された。ジュネーブでのXトライアルは昨年に続いて2度目。ジュネーブはFIM(国際モーターサイクリズム連盟)のオフィスからごくごく近い。FIMとしては、ずいぶん気合いの入ったトライアル大会ともなっている。
勝利はいつものとおりトニー・ボウ。しかし今回は、減点数が一桁もちがうような勝ちっぷりとはいかなかった。それでも2位カベスタニーにトリプルスコア。ボウの圧勝ぶりは変わらない。
2位はカベスタニーだったが、3位には藤波貴久が入った。藤波がインドア世界選手権で表彰台に上がるのは久々のことだ。
右から、ボウ、ラガ、カベスタニー、藤波、ファハルド、グビアンのセミファイナル進出の6人
今回はFIMのお膝元(正しくは、FIMはジュネーブではなく別の町にあるらしいのだけど、その距離はほんの10kmでしかない)での開催ということもあって、クォリファイに参加したのは規定マックスの10名。ノミネートライダーの8名(ボウ、カベスタニー、ラガ、ファハルド、藤波、グビアン、ブラウン、ゴメス)に加えて、おととしのジュニアチャンピオンで昨年Xトライアルに初参戦したジャック・チャロナーとフランス人のベノ・ダニコールのふたりが加わってスタートとなった。
クォリファイで、しかし10人の参加者は6名に絞られてセミファイナルとなる。ワイルドカードのライダーはここであっさりふるい落とされて、セミファイナルに進出した顔ぶれは、いつものとおりとなっていた。ノミネートライダーのうち、ブラウンとゴメスをのぞいた6名だ。このうち4名がスペイン人、残り二人が日本人とフランス人だ。
今回クォリファイでは、ラガがボウを破った。ラガがオールクリーン、ボウは最後のセクションで1点をついた。今回は第1セクションがむずかしくて、多くはここでいきなり5点を取った。第1をクリーンしたのは、ラガとボウ、そして藤波だけだった。ところが藤波は、第4セクションで転落、マシンを傷めてスペアマシンに乗り換えている。ここで若干のタイムロスがあって、5分で5セクションの持ち時間にほんのわずか遅れてタイムペナルティをくらっている。
この結果、トップはラガ、2位ポウ、3位が5点のファハルド、4位と5位は同点でカベスタニーと藤波。この場合、同点決勝が行われて、順位が決められる。クォリファイの順位が、最終結果に影響を与えるルールだからだ。ここではカベスタニーがクリーンして藤波が5点。藤波は5位でセミファイナルに進出することになった。
去年までの藤波は、クォリファイでは好調だったが、その後に不運があって成績を落としていくことが多かった。今年は、クォリファイではイマイチの成績が多いが、これも作戦だろうか。
藤波がグビアンに負けたのはこのダブルレーン。レゴブロックみたいにでこぼこしていて、走りにくい
セミファイナルは、まずスピードレースが行われる。クォリファイの結果から、藤波対グビアン、カベスタニー対ファハルド、ラガ対ボウの対決だ。藤波とグビアンなら格からして藤波の楽勝だが、わずかにラインを乱して走りにくい路面に飛び込んでしまった藤波は、グビアンに敗退。1点減点を背負うことになった。このダブルレーン(スピードレース)で減点をしたのは、藤波とファハルド、そしてラガだった。
セミファイナル第3セクションで5点になったボウ。助走で滑ってしまったのだった。
第1セクションはボウだけが1点で通過。他は5点。第2はファハルドだけが1点。他はクリーン。第3は見事に全員が5点。ここまでのトップはボウで6点。2番手は10点でカベスタニーとグビアン。4番手が11点でラガと藤波。ファハルドが12点で4位だ。最近のインドアでは、クリーンか5点のセクションが多く、なかなか勝負が決まらない。なので最初のダブルレーンでの勝ち負けが、大きく結果に影響を及ぼしてくる。
ランキング2位に浮上のカベスタニー。しかしすでにボウとは13点のポイント差が開いている。
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最終セクション、3位でファイナル進出の望みがあったグビアンが1回の足つき。ほかはみなクリーンだった。これでボウ、カベスタニー、ラガ、藤波のファイナル進出が決まった。
ベータに乗り換えたファハルドは、期待されながら2戦連続でセミファイナル敗退となってしまった。ほんの少しの不運が、Xトライアルでは大きな結果になってしまう。
4名になったファイナル。顔ぶれは開幕戦と同じだ。ファイナルの一発目はダブルレーン。今度は総当たり戦で、4名が3回ずつ走る。藤波はボウだけに負けて減点1。ラガは藤波とボウに負けて減点2。カベスタニーは全敗で減点3。ボウは負けなしで減点ゼロ。
ファイナル最後のセクショントライは3セクション。最初のセクション(セミファイナルから連番なので第5セクションと呼称される)はボウだけがクリーンした。次の第6はラガが5点、藤波がちょっとバランスを崩して1点をついた。そして最後のセクションとなる。
最終結果は、セミファイナルとファイナルの減点をトータルする。ここまでボウは6点でトップ。2位は18点でカベスタニーと藤波が同点。4位に23点でラガ。ラガの表彰台はほぼ絶望的だが、カベスタニーと藤波が5点になれば可能性も出てくる。逆にカベスタニーと藤波は5点にならなければ表彰台獲得だ。
慎重に走った藤浪は、1分半の持ち時間をわずかにオーバーしてクリーンしながら減点1。いっぽうカベスタニーはインしていきなり足をついた。同点の二人が仲良く減点し、同点のまま試合は終わった。ラガはここをクリーンしたが、逆転はならずだ。
藤波が3位の表彰台。手前のお兄さんとおっさんは、誰あろう、モトGPチャンピオン(候補)のダニ・ペドロサとFIM会長ヴィト・イポリトさん
同点の場合は、クォリファイの結果の上位のものが上位となるルール。これによって、カベスタニー2位、藤波3位が決まった。あと1点どこかで節約しておけば、藤波の2位表彰台も充分可能だったが、なにせ藤波がインドア世界選手権で表彰台に上がるのは2009年のイタリア大会以来。3年ぶりの表彰台ということで、藤波とすれば、大きな収穫となったようだ。
Phoro : G2F / F.I.M.
ルールは昨年同様。最初に全員でクォリファイラップを走る。今回は5セクションを5分間の設定。持ち時間をすぎるとペナルティがある。この減点によって、上位6名かセミファイナルに進出。7位以下はここで敗退だ。同点の場合は、同点決勝が行われる。セクションひとつだけの勝負だ。
セミファイナルは、最初にダブルレーン。クォリファイの結果に準じて一対一で勝負をする。勝てば減点ゼロ、負ければ1点。
これに続いて4セクションを走って減点数を競う。クォリファイとちがって、セクションをひとつずつ全員で走っていく。トライ順はクォリファイの下位からになる。持ち時間は1セクションごとに1分。これをすぎると30秒に1点ずつ減点だ。
これで順位が決まると、上位4名がファイナルに進出する。2名はここで敗退となる。
ファイナルは、最初に総当たり戦でダブルレーン。ひとりが3回ずつ走ることになる。
続いて3セクションを使って最後の決戦。勝負は、セミファイナル、ダブルレーン、そしてファイナルの3セクションの減点をすべて足して競われる。これで同点になった場合は、クォリファイの結果が上位のものが、上位となることになっている。
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クォリファイをラガと同様にオールクリーンしたボウは、セミファイナルでもオールクリーン。ファイナルのダブルレーンで藤波に負けて1点減点をとり、ファイナルの二つ目のセクション、全員が5点となったセクションをクリーンして、タイムオーバーの1点。合計2点で試合を走りきってしまった。どちらも足つきの減点ではないから、この試合、ボウはついぞ一度も足をつかなかったことになる。
クォリファイの結果を見ると、ラガがもうちょっとボウに迫ってもよかったような気もするが、ダブルレーンで3点の減点をし、クォリファイで抜けられたセクションで5点になるなど、ちょっと不本意なところもあったようだ。
ファハルドはベータでの復帰第一戦となるが、好調だったクォリファイから一転、ダブルレーンでカベスタニーに敗退して1点を失うと、クォリファイでは1点で抜けていたセクションで5点になって、ファイナルには残れなかった。
藤波はクォリファイを6位と最後の一席でセミファイナルに進出したが、そこから2位に肉薄する戦いぶりを見せた。最終的には2位ラガに1点差、3位カベスタニーとは同点だったが、同点の場合はクォリファイの成績に準じるというルールにのっとり、4位に甘んじている。
オリベラスは2011年もオッサのライダーとして、開発のサポートなどを行っていた。2011年に世界選手権に参戦することはなかったが、晴れて第一線の舞台に復帰することになったわけだ。オリベラスは世界選手権の他、スペイン選手権とイタリア選手権(インドアとアウトドア)にも参戦する。
女子の部では、去年躍進したのがイギリスのエマ・ブリストだった。女子世界選手権、SSDTと参戦し、かつてない好成績をおさめている。彼女はそのまま2012年もオッサのライダーとして同様の活動をすることになる。
その他、マルク・ブラットがヨーロッパ選手権などに、イタリアのサポートチームからは、ダニエレ・マウリノとマテオ・ポリが参戦する。
オッサCEOのジョーン・ガート氏は、2年目のオッサレーシングチーム誕生に際してこんなふうに語った。
「最初のチームはいくつかの失望と大きな成果があった。2年目に向けて、チームを大きく刷新することになった。新しいチームの活躍に、興奮している。2012年への期待は、2011年にチームで働いてくれたメンバーによるところが大きく、あらためて彼らに大きな感謝を捧げたい」