ボウ、2107点で優勝
2月28日、スペイン選手権が開幕していた。
スペイン選手権は、スペインのトップライダーの他、スペインに拠点を置くスペイン人以外のトップライダーの参加もあることから、世界選手権の前哨戦として注目を集めることがあるが、今年は別の意味で興味深い開幕となった。
それは、新しいルールの運用だ。
優勝したのはトニー・ボウ。そのスコアは2,107点だった。2位はジェロニ・ファハルドで2,085点。なんだ? このスコアはと思うでしょうが、これが今年のスペイン選手権です。
(*スペインから追加情報をもらって、一部修正しました)
いったいなにが起こったのかというと、今年、スペインはトライアルに新ルールを採用したのだ。ある意味、今までのトライアルの概念ががらりと変わるようなルールとも言えるし、ある意味、従来のトライアルの本質を生かしながら、将来を見据えたルール変更とも言える。
スペイン選手権には、トップライダーが走るTR-S(スクラッチ)、以下、TR-2、TR-3、ジュニア、カデットなどのクラスがある。IAS、IA、IBなどのクラスがある日本と同じようなものと考えていい。そして従来は、全日本選手権と同じような試合が開催されていた。
しかしスペイン人は、時代の変化をかぎとるのが早い。2年前には、下見は前日のうちに。当日は下見なしで1回トライをし、すぐにもう1回走るという、15セクション1ラップ2トライという新制度を導入した。間延びした試合にカンフル剤を注ぎ込むルールだったが、これはこれで、選手も(それほど)大きな抵抗なく受け入れたようだ。
そして今回のルール。
ざっと説明すると、まず減点法ではなく、加点法だということ。欠点を指摘するよりほめて育てたほうがいいということか、まぁそれはともかく、0点がえらかったこれまでのトライアルとは一転、点数が多いほうがえらいということになる。
そして、おのおののセクションには、ボーナスポイントを伴ったゲートが設けられている。ゲートは難易度によって、10点、5点、2点とボーナスが設定されている。10点ゲートを通過したら10点加点されることになる。
ゲートをひとつも通過しなくても、足をつかずにセクションをアウトすると、20点が手に入る。足を1回つくと15点。2回で10点、3回は5点。4回以上、あるいは転倒したりセクションから飛び出してしまったり、従来の5点に相当することになってしまったら、0点。
セクションごとの結果表を見ながら、新しいルールについて考えてみよう。リザルトにはずらりと68点が並んでいる。これはたとえば、10点ゲートを5つ、5点と2点のゲートを2つずつ通過したことを意味している。第5セクションに限っては、5点ゲートがもう一つ用意されていたようで、73点獲得している。
リザルト欄の小さいほうの数字は、足つきの回数だ。20とあるのは、従来の考え方だとクリーンしたと見ればいい。優勝したトニー・ボウのリザルトを見ると、第4セクションで1回足つきをおかしているが、用意されたゲートはすべて通過したことが、リザルトから読める。
5位となった藤波貴久。第1セクションで19-0というのがある。ここでは藤波に不運があって、セクションの途中でエンジンが止まってしまい、いわゆる5点となってしまった。なので0点。しかし5点となるまでに、19点分のゲートを通過していた。途中で転んでも、そこまでに蓄えたゲートポイントは生かされるのだ(19点だから、2点のゲートを2つと5点と10点をひとつ通過したところでエンジンが止まったのだろう)。
今回は、セクション設定がいささか簡単で、藤波のようにひとつのセクションで0点となってしまうと、そこから取り返しがつかない試合になってしまったようだが、これはルールとシステムの問題ではなく、設定の問題。10点のマーカーの難度がもっと高ければ、スコアが入り乱れてもおもしろいスコアボードになったにちがいない。
このルールだと、ひとつの設定で世界のトップのボウから、少年ライダーまでが同じセクションで勝負ができる。むずかしいラインを攻めるのは控えてオールクリーンを狙うライダーもあり、あるいは、片っ端からマーカーに挑戦しマーカーポイントを積み立てるも、ほとんどのセクションをアウトできずに終わるライダーもあり。
今回は、94人のライダーの参加があった。こんなに参加者が多かったのは、スペイン選手権でも珍しいそうだ。
<Posted in 10.03.19 17:21(
10.03.19 21:30 Modified)>
マドリッドも、ボウ
3月13日土曜日、スペインの首都マドリッドでは、インドア世界選手権第3戦が開催された。
ここまでの3戦、トニー・ボウとアルベルト・カベスタニーが2勝と1勝。この大会でカベスタニーが勝てば、再び対戦成績をタイに持ち込める図式だったが、勝ったのはボウだった。
ボウはこれで3勝1敗(2位1回)。次の最終戦マヨルカ(地中海に浮かぶスペインの観光島)で、ボウがファイナルに進出すれば自動的にボウのチャンピオンが決定する計算となった。
藤波は、どうにも今年のルールが合っていないようで、ラストチャンスからセミファイナルに進出、セミファイナルでは不運もあって、5位に甘んじている。
インドア世界選手権も残りは2戦となった。イギリスで始まり、フランス・マルセイユ、スペイン・バルセロナと戦って、今回が第4戦。トライアルのメッカ、バルセロナの次はスペインの首都マドリッドでの開催となり、最終戦がスペインの観光名所マヨルカ島。後半戦はスペイン漬けのインドア世界選手権だ。
今年はルールがいろいろ変わって理解がむずかしいインドア世界選手権だが、今回また、ちょっとしたシステム変更があった。インドア世界選手権は毎回テレビ中継(ユーロスポーツ)がおこなわれているが、テレビ中継できる時間には限りがある。そこでテレビ中継は、クォリファイ(予選)が終わってから始まることになっている。つまりテレビを見る人にとっては、インドアトライアルのテレビ放送が始まった時点で、勝負が始まっているということだ。今回で言えば、クォリファイで9位となったアレックス・ウイグは、テレビにはひとつも写らずに戦いを去っているということになる。
しかしインドアトライアルは、テレビ相手だけではない。観客席に入るお客さんもいる。今回は、クォリファイの3セクションが終わったところで、お客さんが入場した。クォリファイは5セクション用意されていたが、実は3セクションがお客さんがいないところでおこなわれ、残る2セクションがお客さんの前でトライされた。この間2時間ほど。ライダーにすれば、なんとも不思議な間合いになってしまった。
実はこの2時間の間に、開会式やレプソルのプレゼンテーションがあった。つまりお客さんは、ここから見始めたのだ。
お客さんがいない3セクションの間に、ロリス・グビアン、アルフレッド・ゴメス、アレックス・ウイグの3人は満点減点の15点をとり、ジェイムス・ダビルが10点、藤波貴久が7点、ジェロニ・ファハルドが6点、アルベルト・カベスタニー5点、アダム・ラガが1点、トニー・ボウがオールクリーンと、ここまで勝負が進んでいた。残りは2セクション。
ボウは結局5つのクォリファイセクションをすべてクリーン。文句なしにセミファイナルに進出した。クォリファイ2位はラガで1点。3位はカベスタニーの5点。問題は、セミファイナルに進出する最後の1席を争うクォリファイ4位。ファハルドと藤波が7点で同点となった。同点ならふたり、5人セミファイナル進出とすればよいような気もするが、テレビの放送時間が決まっているからか、どうしても4人に絞りたい。ファハルドと藤波は、タイブレークを行った。
タイブレークはひとつのセクションを走って、減点の少ないほうが勝ち残る。問題はどちらが先に走るかだ。順番は、クリォファイでの順番がそのまま使われる。なので藤波が先だ。セクションは、そんなにむずかしいものではなかった。クリーンをするなら、なにも問題はない。そうなると、走破タイムが短いほうが勝ちとなる。藤波は、次ぎに控えるファハルドがマークできないタイムでここを走りきる必要があった。結果、最後の最後で5点になってしまった。これを見たファハルドは、余裕を持って走ればよし。藤波が5点になっているから、3点でもOKだ。走る順番が、大きな意味を持ってくる結果となった。
| Qualification |
| 1 | Toni Bou | SPA | Montesa-HRC | 0 |
| 2 | Adam Raga | SPA | Gas Gas | 1 |
| 3 | Albert Cabestany | SPA | Sherco | 5 |
| 4 | Jeroni Fajardo | SPA | Beta | 7 |
| 5 | Takahisa Fujinami | JPN | Montesa-HRC | 7 |
| 6 | James Dabill | GBR | Gas Gas | 10 |
| 7 | Loris Gubian | FRA | Gas Gas | 18 |
| 8 | Alfredo Gomez | SPA | Montesa | 20 |
| 9 | Alexz Wigg | GBR | Beta | 25 |
藤波は、クォリファイ5位で、ラストチャンスに進んだ。ラストチャンスのライバルは、ダビル、グビア、ゴメス。最初のダブルレーンで勝利したのは藤波とゴメスだった。そしてふたつのオブザーブドセクション。最初にトライしたグビアンはトータル11点、ゴメスが8点。藤波が8点以内なら、同点ならクォリファイの成績で順位を決めるという規則に則り、藤波がセミファイナルに進出する。ひとつめのセクションで1点とタイムオーバー2点をとった藤波は、これでセミファイナルへの切符を手にした。藤波はそれでこのセクションでは大きなアクションをして見せて、お客さんの心をつかんだ。そのかわり、減点は5点だった。このあとダビルが走ってトータル5点。藤波は、6位でセミファイナルに進出したことになる。
| Last Chance |
| Pos. | Name | Double Lane | Sec1 | Sec2 | Total |
| 5 | James Dabill | 0+1 | 0+2 | 1+1 | 5 |
| 6 | Takahisa Fujinami | 0+0 | 1+2 | 5+0 | 8 |
| x | Alfredo Gomez | 0+0 | 2+1 | 5+0 | 8 |
| x | Loris Gubian | 0+1 | 3+2 | 5+0 | 11 |
スペイン人4人、イギリス人と日本人が一人ずつ、ノミネートライダーによるセミファイナルが始まった。ボウが頭ひとつ抜きんでていて、ダビルがちょっと苦戦という図式。3セクションでダビルはオール5点、ボウは1点+1点(足つき1回とタイムオーバー30秒以内)の2点のみだった。
問題はここでも2位から5位までの4人の戦いだ。ボウが2点を取った第2セクションは、その他の5人は全員5点となった。勝負は最初のセクションと3つ目のセクションの二つになる。最初のセクションで足が出たのは藤波だけだった。3つ目のセクション、ラガ、カベスタニー、ファハルドの3人はクリーンはしたが30秒以内のタイムオーバー、1点。藤波は、なんと35秒のタイムオーバーで2点減点となった。これで藤波だけが8点、他の3人は6点となった。
続くはスピードレースのダブルレーン。ボウとラガと藤波が勝利。ファハルド、ダビル、カベスタニーには1点ずつ減点が加えられた。ボウ2点、ダビル16点の二人のポジションは1位と6位で分かりやすい。残る4人は、ラガが6点、カベスタニー7点、ファハルド7点、藤波が8点。大接戦だが、点数から明らかなのは、上位4人はボウとラガとカベスタニーとファハルドということだ。藤波は、1点差でセミファイナルはいたいという結果になった。
| Semi Final |
| Pos. | Name | Sec3 | Sec4 | Sec5 | Double Lane | Total |
| 1 | Toni Bou | 0+0 | 1+1 | 0+0 | 0+0 | 2 |
| 2 | Adam Raga | 0+0 | 5+0 | 0+1 | 0+0 | 6 |
| 3 | Albert Cabestany | 0+0 | 5+0 | 0+1 | 0+1 | 7 |
| 4 | Jeroni Fajardo | 0+0 | 5+0 | 0+1 | 0+1 | 7 |
| 5 | Takahisa Fujinami | 1+0 | 5+0 | 0+2 | 0+0 | 8 |
| 6 | James Dabill | 5+0 | 5+0 | 5+0 | 0+1 | 16 |
4人のスペイン勢によるファイナル。ファハルドが最初のセクションで5点となって一歩後退。ボウは3つ目のセクションでタイムオーバー1点、4つ目で減点1と2点を失ったが、セミファイナルと合計しても総減点は4点。
ラガは前回の予選落ちからがぜん気を吐いて、4つ目のセクションでの減点1のみでファイナルラップを走ったが、セミファイナルでの6点と加算して総減点は7点。2位となった。
3位に、ファイナルで2点、セミファイナルで7点、トータル9点のカベスタニー。4位がファイナルとセミファイナルが7点ずつのファハルドという結果になった。
インドアでは、1位のポイントが20点。これはアウトドアと同じだが、2位が15点とより1位に大きな比重が乗っている。3位は12点、以下4位から9位までに9、6、5、4、3、1と選手権ポイントが与えられる。今回のボウの勝利で、ボウはランキング2位のカベスタニーに13点差をつけた。ボウのタイトル獲得はほぼ確定的。しかし、ボウが(まずあり得ない気はするが)クォリファイで敗退するか、お腹でもこわして欠場してしまって、かつカベスタニーが優勝などした場合は、計算上の逆転劇の可能性が残っている。
| Final |
| Pos. | Name | Sec6 | Sec7 | Sec8 | Sec9 | Semi Final | Total |
| 1 | Toni Bou | 0+0 | 0+0 | 0+1 | 1+0 | 2 | 4 |
| 2 | Adam Raga | 0+0 | 0+0 | 0+0 | 1+0 | 6 | 7 |
| 3 | Albert Cabestany | 0+0 | 0+0 | 0+0 | 2+0 | 7 | 9 |
| 4 | Jeroni Fajardo | 5+0 | 0+0 | 1+1 | 0+0 | 7 | 14 |
<Posted in 10.03.19 08:28(
10.03.19 11:51 Modified)>
2/103のTRライダー
Photo:Hell's Gate
イタリアに、HELL’S GATEというエンデューロがある。かなり意地悪なエンデューロであることは、そのタイトルの読んで字のごとし。HELL’S GATEとは、日本語訳をすれば地獄の門だ。
参加者は103名。そして優勝したのは、12回(インドアを含む)のトライアル世界チャンピオン、ドギー・ランプキン(ベータ)。2位にはいったのが、同じイギリスのグラハム・ジャービス(シェルコ)。しかし3位はいなかった。103人もスタートしたのに、ゴールしたのはたったの2名だったというわけだ。
同じくトライアル出身で、インドアエンデューロ世界選手権の覇者となったタデウス・ブラズシアク(KTM)は、クラッシュでリタイヤ。しかしトライアルライダー強しの印象は、いよいよ濃厚になっている。
簡単な結果(☆は世界選手権トライアル参加経験のあるライダー)
| Stage 1(Morning Enduro) |
| 1 | Taddy Blazusiak | KTM | 34.02:70 | ☆ |
| 2 | Graham Jarvis | Sherco | 34.30:22 | ☆ |
| 3 | Andreas Lettenbichler | | 34.41.15 | |
| 4 | Dougie Lampkin | Beta | 36.19.70 | ☆ |
| 5 | Cory Graffunder | Husqvarna | 36.40:89 | |
| 6 | Xavi Galindo | Husaberg | 36.48:86 | |
| 7 | Mikael Vukcevic | Sherco | 37.43:43 | |
| 8 | Chris Birch | KTM | 38.11:54 | |
| 9 | Daniele Maurino | Gas Gas | 39.47:82 | ☆ |
| 10 | Daniel Gibert | Sherco | 40:00.05 | ☆ |
| Main Event |
| 1 | Dougie Lampkin | Beta | 4 laps |
| 2 | Graham Jarvis | Sherco | 4 laps |
<Posted in 10.02.08 21:50(
10.03.05 12:38 Modified)>
ボウ、バルセロナで勝利。藤波4位
1月31日、インドア世界選手権の中でも一番の盛り上がりを見せるバルセロナ大会。他のインドア大会は、金曜日とか土曜日の夕方からの開催となるが、このバルセロナ大会だけは日曜日の開催で、夜ではなく真っ昼間に開催される。会場の広さも含めて、いろんな意味で特別な大会だ。
今回は、インドアエンデューロ世界選手権との併催となり、スタジアムは朝から大にぎわいだった。
そんな中、トライアルの方はトニー・ボウが再び勝利を取り戻し、今シーズンの成績を2勝1敗とした。しかし2位はアルベルト・カベスタニーで、1勝2敗。藤波貴久は今シーズン初めてファイナルを走って4位にはいった。今回はアダム・ラガがセミファイナル敗退となり、ランキング3位はジェイムス・ダビルと入れ替わっている。タイトル争いは、ボウとカベスタニー以外に事実上、権利はなくなっている。
もちろん、多くのトライアルライダーにとって、バルセロナは地元での大会となる。ボウはバルセロナの近郊出身だし、その他のライダーも多くがカタルニア州の出身。バルセロナはカタルニアの首都だから、ここでの戦いは地元での凱旋ということになる。
加えて、藤波貴久やジェイムス・ダビルも、いまやスペインのカタルニアの住民だ。いやはや、トライアルをやるならカタルニアに住めが、よくも悪くも現在のトライアルの常識だ。ドギー・ランプキンもチャンピオン時代はカタルニアに住んでいたし、野崎史高もここに住んでいた。
さらにさらに、モンテッサはバルセロナにワークショップがあり、シェルコはバルセロナ近郊、ガスガスはバルセロナの隣の大都市ジローナにある(距離はともかく、東京に対する横浜的感覚かな)。ライダー、メーカーともに、ここで一旗揚げれば大きな注目を集める。しかしそれだけ、バルセロナ大会にあたってはライダーにはプレッシャーもかかってくる。
勝利を決めるまでの流れは、今回はマルセイユと同様。まだまだ今年のルールに賛成するライダー・関係者は少ないが、それでもルールとしては一応の定着をしているようだ。予選(クォリファイ。藤波はこれを1ラップ目と呼んでいる)は自動的にセミファイナルに進出する4名を選出する勝負で、これはユーロスポーツのテレビ中継ははいらない。しかし最後には、ここでの結果も勝敗に影響してくるから、手も抜けない。
今回のクォリファイは5つのオブザーブドセクションによっておこなわれた。ボウは問答無用のオールクリーン。カベスタニーがひとつ5点となり、このふたりの強さは今回も引き続き発揮されていた。一方下位グループでは、アレックス・ウイグとロリス・グビアンがともにオール5点。最下位決定戦でグビアンが5点となって、ウイグ7位、グビアン8位が決まったが、今回は参加者が8人だから、少なくともラストチャンス(敗者復活)には全員が参加できることになる(ワイルドカードで9人以上の参加者がいれば、ここで誰かが敗退していくことになる)。
さて残るは3位と4位を誰が勝ち取るか。このふたつのイスを、藤波とファハルドとラガが争った。藤波は5点がひとつ、2点が二つ、1点がひとつでトータル10点。ファハルドは5点が二つ、ラガは5点が3つあって、さらに細かい減点を加えて、ファハルド15点、ラガ17点。今回は、ラガがラストチャンスに回るということになった。今年は、トップライダーがラストチャンスで苦境に立たされるケースが、とても多い。
| Qualification |
| 1 | Toni Bou | SPA | Montesa-HRC | 0 |
| 2 | Albert Cabestany | SPA | Sherco | 5 |
| 3 | Takahisa Fujinami | JPN | Montesa-HRC | 10 |
| 4 | Jeroni Fajardo | SPA | Beta | 15 |
| 5 | Adam Raga | SPA | Gas Gas | 17 |
| 6 | James Dabill | GBR | Gas Gas | 20 |
| 7 | Alexz Wigg | GBR | Beta | 25 |
| 8 | Loris Gubian | FRA | Gas Gas | 25 |
ラストチャンスは、これも前回同様ダブルレーンから。ラガとウイグの勝負はラガの勝ち。ウイグはなんと転倒してしまった模様で、この時点でセミファイナル進出は絶望的な感じだ。ダビルとグビアンは、順当にダビルが勝利。グビアンは減点1を課せられた。
ダブルレーンに続いて、ふたつのオブザーブドセクションで決着をつける。最初のセクションは全員クリーンしたものの、ウイグがタイムオーバーで1点(インドアでは、タイムオーバーは30秒ごとに1点が加算される)。ラガとダビルが0点、グビアンが1点、ウイグが6点となって、ここまでは順当にラガとダビルがセミファイナル進出かと思われた。
最後のセクション、ウイグが5点。これでウイグは11点。ダビルとグビアンは、ともに1点をついた。ダビルは1点でグビアンは2点。なのでラガは、ここを1点で通過すればセミファイナル進出だ。なのに!
よもやここで敗退するとは思っていないラガだったが、ボックスにリヤタイヤをぶち当てた瞬間、リヤアクスルが折れた。ナットもはじけ飛ぶような壊れ方で、これではトライは続けられない。続けられたとしても、3点でも5点でも同じだった。ここで5点となったラガはラストチャンスのトータルが5点となり、グビアンに3点差でラストチャンス敗退となった。
この2戦は藤波だったが、どうも今年のインドアでは、ビッグスターの誰かが不幸の憂き目にあっている。ラガといえば、インドアで無敵を誇ったトライアルの大スターだ。そのスターが、お客さんやテレビを見る人にほとんど登場しないまま戦列を去ってしまった。マシンが壊れたのがいけないといえばそれまでだが、そういったミスが結果に直結し、しかもお客さんの興味までそいでしまっているのではないかというのが、今年のインドア世界選手権のむずかしいところだ。
| Last Chance |
| Pos. | Name | Double Lane | Sec1 | Sec2 | Total |
| 5 | James Dabill | 0+0 | 0+0 | 1+0 | 1 |
| 6 | Loris Gubian | 0+1 | 0+0 | 1+0 | 2 |
| x | Adam Raga | 0+0 | 0+0 | 5+0 | 5 |
| x | Alexz Wigg | 5+0 | 0+1 | 5+0 | 11 |
今回のセミファイナルは、国籍が豊かになった。3名のスペイン人に、日本人とイギリス人とフランス人が一人ずつ。だいたい、今の世界選手権の勢力図を現しているともいえるが、藤波は孤軍奮闘だ。イギリスはもうすっかり世代交替して、そのうえでダビルがさらに上位を標的に定めているのだから、あなどれない。
ボウは、ここでもオールクリーン。ボウがずば抜けているのは今に始まったことではないが、試合になればいろんな要素がからんで、トップライダーの接戦になるのが今までの戦いの常だったが、どうも今年あたりはボウ一人だけが抜け出てしまっている感じがする。今年のこのルールは、ひとつにはいつも同じ顔ぶれが勝っている戦況を改善し、いろんなライダーが活躍できるようにしたいというFIM側の思惑があったという。そういう点では、ボウはここまで1勝1敗だし、開幕戦でダビルが表彰台を獲得するなど、思惑はぴたりとあたっているようにも思える。しかし同時に、それでも強い者は強く、藤波やラガ、ファハルドなど、この強い者になんとかくらいつこうとするトップグループが、たびたびルールの餌食になっている。ダビル以下のグループはトップグループにやや近づいたかもしれないが、トップグループの上に、ボウという単独峰ができあがってしまったのかもしれない。
セミファイナルの3つのセクションでは、カベスタニー、藤波、ファハルド、グビアンの4人がオール5点となった。実は、このセクション自体はクォリファイで使ったものそのままなのだが、クォリファイとセミファイナルの間にはエンデューロのレースが開催されていた。タデウス・ブラズシアク(なんとチャンピオンを獲得した)、ドギー・ランプキン(ランプキンは、エンデューロはまだ修業中で、そんなに成績が出ていない)、ロバート・クロフォードなど、トライアルでもなじみのある名前が多く走っている。もちろんトライアルセクションを走るわけではないのだが、すぐ隣で砂ぼこりを上げて走り回るので、セクションは全面的にホコリがかぶった状態になっていた。これが、ものすごくすべる。もともとバルセロナのセクションは上がるか落ちるかの設定が多いのだが、上がったのは結局ボウだけだったというわけだ。
そんな中、最後のセクションで、実力なのかたまたまなのか、ダビルが上がった。1点。タイムオーバーの1点を加算しても、ボウ以外のライバルよりも3点のアドバンテージを獲得した。これは大きい。
続くダブルレーンでは、まずボウとファハルドが対戦。ボウが大事を取って敗退し、ボウに初めて減点1がついた。次はカベスタニーとダビル。これはカベスタニーの勝利。ダビルのアドバンテージは2点に減った。最後が藤波とグビアン。これも順当に藤波。グビアンはレースに負けた上に3回足つきで、グビアンのファイナル進出は絶望的だ(もっともクォリファイがオール5点なのだから、セミファイナルを走っているだけでも奇跡といえる)。
さてこの結果、セミファイナルトップはボウで1点。2位がダビルで13点。3位は藤波とカベスタニー、ファハルドが15点で横一線ということになった。この場合、結果はクォリファイの順位を持って決定するというのが規則だ。クォリファイ2位だったカベスタニー、3位だった藤波がファイナルに進出。ファハルドはここで涙の敗退となった。
| Semi Final |
| Pos. | Name | Sec3 | Sec4 | Sec5 | Double Lane | Total |
| 1 | Toni Bou | 0+0 | 0+0 | 0+0 | 0+1 | 1 |
| 2 | James Dabill | 5+0 | 5+0 | 1+1 | 0+1 | 13 |
| 3 | Albert Cabestany | 5+0 | 5+0 | 5+0 | 0+0 | 15 |
| 4 | Takahisa Fujinami | 5+0 | 5+0 | 5+0 | 0+0 | 15 |
| x | Jeroni Fajardo | 5+0 | 5+0 | 5+0 | 0+0 | 15 |
| x | Loris Gubian | 5+0 | 5+0 | 5+0 | 3+1 | 19 |
そしていよいよ、今年初めて藤波が走るファイナル。4つのセクションで勝敗を決する。ボウはここまでに2位グビアンに対して12点のリードをとっているから、さすがに勝利は揺るぎない。逆に2位以降はまったく予想がつかない。
最初のセクションは全員クリーン。しかしここで、藤波にトラブルが発生した。リヤブレーキのトラブルだ。次のセクションにトライするまで、約3分のインターバル(ほかの3人がトライしている間)がある。この間に修理ができれば、藤波は自分のマシンでトライを続けられる。しかし修理は間に合わなかった。
藤波がスペアとして持っているのは、2008年型の藤波号。2009年型とは、同じように見えて仕様が大きくちがう。もちろん現在の藤波は、2009年型に絶対の信頼を置いている(ちなみに、2010年型のワークスマシンの登場はないようだ)。藤波は、2009年型を1台しか持っていないのだ。一方ボウは、 2009年型を2台持っていて、1台をスペアとしている。藤波は、ボウのマシンを借用してセクションを走った。
しかし結果は5点。エンジンのマッピングもボウと藤波では仕様がちがう。もちろんライディングポジションも異なる。2008年型の藤波号だったらどうだったかというのはあまりにも仮定の話となるが、少なくとも、本来の自分の本番車との間には、大きな隔たりがあったにちがいない。
二つ目のセクションで5点になったのは、藤波とダビルの二人。ボウとカベスタニーはクリーンした。ここで、カベスタニーは2位に向けて加速し始めた(といっても、勝利の目はもはや絶望的)。
三つ目のセクション。藤波の本番車は修理を終えて帰ってきた。しかしやはり5点だった。このセクション、ダビルも5点。藤波とダビルの2点差は、変わらない。
最後のセクション。ほかの三つのセクションはインにはいったとたんに大きな障害があって、それを登れずにおしまいだったが、三つ目については木で構成されたセクションで、トライアル的難易度もあった。藤波は、ここをクリーンした。ダビルがここで2点つけば、クォリファイで上位につける藤波が表彰台を獲得できる。しかしダビルはクリーン。タイムオーバーで1点を課せられたが、ぎりぎり、セミファイナルでのアドバンテージを守って、藤波の追撃を許さなかった。藤波は、今年初めてファイナルを走ったという点では大きな収穫があったが、あと1点のところで表彰台を逃したという点で、なんとも悔しいバルセロナ大会となった。
その後、カベスタニーはクリーンで、ファイナルをオールクリーン。ただしタイムオーバーの1点があったので、トータルは16点。カベスタニーにとっては、2位になるのはまず順当で、勝利はまずムリというファイナルの戦いになった。
そして最後にトライしたのがボウ。ところがなんと、ボウはセクションインしていきなり大転倒。藤波貴久証言によると「ボウは絶対になにかやらかそうとしたのだと思う。一番神経を使わなくてもいけないはずの木を使ったセクションだったけれど、あの失敗は、なにかやってやろうとおもっていたにちがいない」とのこと。うまくいっていればバルセロナのお客さんは大喜びだったろうが、残念でしたという結末になった。
3戦が終わって、残るはマドリッドとマヨルカの2戦になった。正式発表はまだないが、これ以外に組まれていた戦いはキャンセルとなるようだ。ランキング 1位はボウ、 2位はカベスタニーだが、今回でランキング3位はダビルが進出。ダビルとイギリス人とFIMにしてみたらしてやったりだが、これはつまり、ラガがタイトル争いにからんでくる可能性が絶望的になったということだ。
| Final |
| Pos. | Name | Sec6 | Sec7 | Sec8 | Sec9 | Total |
| 1 | Toni Bou | 0+0 | 0+0 | 0+0 | 5+0 | 6 |
| 2 | Albert Cabestany | 0+0 | 0+0 | 0+0 | 0+1 | 16 |
| 3 | James Dabill | 0+0 | 5+0 | 5+0 | 0+1 | 24 |
| 4 | Takahisa Fujinami | 0+0 | 5+0 | 5+0 | 0+0 | 25 |
<Posted in 10.02.04 08:13(
10.03.19 11:50 Modified)>
世界戦ルールその後
ノーストップだ、いや従来通りだ、はたまたなんだかえらく計算がむずかしそうな新ルールだと、すぐ先に開幕する今年の世界選手権のルールがはっきりしない毎日だが、どうやらFIMの世界選手権に関しては、2010年のルールは2009年同様となるようだ。
その一方、例の計算がむずかしいルールが、スペイン選手権で採用になることは決定した。スペイン選手権では、2009年にはトップクラスのトライ順を従来とはまったく変えて開催するという大胆な方策を施していて、その柔軟性には驚かされる。
まず、計算がむずかしそうな新ルール(当方が算数が苦手なのでこんな呼び方になっているが、どう呼んだらいいのかもわからないのが正直なところ)についての補足。
ひとつのセクションに、あちこちに加算方式のゲートマーカーがある。そこを通過すると、マーカーの点数に応じてポイントが加算される。いかなる場合でも減点はない。
もし、ゲートマーカーをひとつも通過できなかった場合はどうなるのかという疑問があったが、セクションを完走すると、完走ポイントが加算されるという。たとえば完走ポイントが10点(従来ルールの草大会式で言うと,テープ内ライン自由で3点減点の感じ)とすると、2点減点のケースだと15点ポイント獲得、1点減点だったら20点ポイント獲得、クリーンしたら30点ポイント獲得となっている。つまりどこのゲートも通過しなくても、セクション出口までたどり着けば、この場合だと30点は獲得できる、というルールだ。
このルールの一番の懸案は、ゲートのポイントを何点に設定するかで、試合のおもしろさが激変してしまう。やっていくうちにまとまっていく部分もあると思うが、むずかしそうだ。
もうひとつは、5点になった場合の評価。ゲートをひとつも通過せず入り口で転倒した場合は獲得ポイントなし、0点(クリーンではない)となる。でもひとつでもゲートを通過して転倒した場合は、通過したゲートのポイントはきちんと加算される。10点のゲートを3つ通過して、4つ目のゲートで転倒した場合は、10点のポイントが与えられる。セクションアウトしていなくても、だ。
このあたり、イギリスの伝統トライアルにこだわる人たちにとっては、最後まで走っていないのに有効ポイントが与えられるとはなにごとだと怒り出すにちがいない。それも一理ありそうな気がするが、この実験は、そんな古くさいことを言っている場合ではないというところが出発点になっているようだ。
このルールを採用するというスペイン選手権では、2009年に試合システムの大改革が行われた。日本では、全日本選手権の中部大会と中国大会で、それぞれスペシャルセクション導入とタイムスケジュールの新たな試みがなされているが、これが全国的に普及しないのは、日本では従来通りの手法にこだわる意見が多いからという。しかしスペイン選手権の試みは、そんな小さなもんじゃないのだ。こういうところでも、日本はスペインにかなわない(どっちが正しいか、ではなく、大胆な実験をする大きな気持ちがあるかどうかという点において。正しいかどうかについては、日本的考えの方が正しいことの方が多い気もする)。
スペイン選手権にもいくつかクラスがあるが、トップクラス以外(日本でいえば国際B級とか)は従来通りのスタートをする。そしてトップクラス(日本でいえばIAS。IAもこの中に入るかもしれない)のスタートは遅め。全日本中国大会と、この点ではそっくりだ。
でもこれだけじゃない。下見は前日のうちに終わらせてもらって、セクションに到着したらすぐに走っていただく。下見しちゃいけないシステムだそうな。で、1回走ったら、同じところをもう一度走る。日本風に言うと、連続トライということだ。そうやって、15セクションを1ラップ、2回ずつ走って、結果表には15セクションの2ラップとして表示される。
さらにコースのいたるところ(だいたい5セクションごと)にタイムコントロールがあって、試合の流れがコントロールされている。第1セクションで1時間身動きせずにじっとしているなんて、このルールでは不可能だ。
スペインの選手は、オーガナイズへの不満をよく口に出す。昔(確か2002年のことだった)、スペイン協会の姿勢が気に入らないといって、スペイン勢のほとんど全員がスペイン選手権をボイコット、ライセンス停止の処分を受けたことがあったけど、先日のインドア世界選手権開幕戦でも、こんなルールではボイコットだという声が出ていたという。そんなうるさいスペイン勢でも、このルールにはとりあえず従順に参加している。彼らの問題意識は伝統がどうのこうのではなく、ルールとして公平にできるのか、技術の高い者が不利をこうむるようなことがないのか、という、そのへんについて意見することが多いようだ。
というわけで、まずはスペイン選手権がいったいどんなことになるのかが注目。このスペイン選手権には、藤波貴久も出場する。世界選手権とはルールがまるでちがうから、練習という意味ではちょっと首をかしげるところもあるが、セクションにはいれば条件は同じだからと肩慣らしに出場することになっているという。機会があったら、ルールについても感想を聞いてみたいと思っている。
<Posted in 10.01.27 09:54(
10.01.27 10:38 Modified)>
カベスタニー勝利
1月23日、インドア世界選手権第2戦はフランスのマルセイユで開催。ライダーを中心に不評だったルールは若干変更を受けての運営となった。
この戦いで、今シーズンから2ストロークのシェルコにマシンをスイッチしたアルベルト・カベスタニーが、トニー・ボウをわずかに振り切って勝利。新しいシーズンで、幸先のいい1勝を得た。
シェルコは今シーズンから、フューエルタンクをマシンの左後ろに配置した革新的レイアウトのニューマシンを投入していて、シェルコにとっても幸先のいい勝利といえる。
今回から、QXとかTX1という呼び名はなくなって、クォリファイ、ラストチャンス、セミファイナル、ファイナルで勝利を争うシステムになった。クォリファイは全員が最低4つのセクションをトライして順位を決め、上位4人がセミファイナルに進出する。5位から8位まで(それ以下はクォリファイ敗退)がラストチャンスで争い、ラストチャンス上位2名がセミファイナルに進出する。
6名によるセミファイナルで、上位4名がファイナルに進出。
最終的に4名でファイナルを争って勝敗を決める。
クォリファイでは、前回の絶不調とは裏腹、カベスタニーが好調だった。減点2。ボウを4点引き離してトップでセミファイナル進出の切符を得た。3位はラガで、ボウと同点の6点。その次の4位が、藤波貴久とジェロニ・ファハルドで、どちらも9点だった。
同点だったので、クォリファイに使われたセクションのひとつを使ってのタイブレーク。どちらも1点をついて減点は同じだったが、藤波が4秒ほどセクション走破に時間がかかっていた。これでファハルドの4位、藤波の5位が決まって、藤波はラストチャンスに回ることになった。
| 1 | Albert Cabestany | SPA | Sherco | 2 |
| 2 | Toni Bou | SPA | Montesa-HRC | 6 |
| 3 | Adam Raga | SPA | Gas Gas | 6 |
| 4 | Jeroni Fajardo | SPA | Beta | 9 |
| 5 | Takahisa Fujinami | JPN | Montesa-HRC | 9 |
| 6 | James Dabill | GBR | Gas Gas | 11 |
| 7 | Loris Gubian | FRA | Gas Gas | 21 |
| 8 | Alexz Wigg | GBR | Beta | 25 |
| Non-Qualifiers |
| 9 | Alexandre Ferrer | FRA | Sherco | 26 |
ラストチャンスでは、まず二人ずつのダブルレーンが行われた。前回はダブルレーンが勝負の行方を左右する要素が大きすぎたということで、今回のダブルレーンは勝って減点ゼロ、負けて減点1という以前の減点に戻っている。藤波vsグビアンは藤波が勝ち、ウイグvsダビルはウイグが勝った。
続いて二つのセクションにトライ。最初のセクションでは藤波のみがクリーン、ダビルとウイグが1点、グビアンが5点となった。しかし走破した3人もタイムオーバーがあり(持ち時間1分。それをすぎると30秒ごとに1点)それぞれ1点ずつのタイムオーバー減点が加算された。この時点で、藤波はウイグに1点リード、ダビルに2点リードだ。
最後のセクション。ここで藤波は、減点を1点以内に抑えればセミファイナル進出。2点だったら、セクション走破タイムで勝負が決まる。最初にトライしたウイグはクリーンでタイムオーバー、続いてダビルがクリーンでオンタイム、グビアンが5点。最後にトライした藤波は、確実に走ってあぶないところでは足を出していったが、タイムオーバーが想定外だった。なんとここで、ダビルとウイグに対して1点多い減点となってしまい万事休す。2戦連続で、藤波のクォリファイ敗退が決まった。
| Pos. | Name | Double Lane | Sec1 | Sec2 | Total |
| 5 | James Dabill | 0+1 | 1+1 | 0+0 | 3 |
| 6 | Alexz Wigg | 0+0 | 1+1 | 0+1 | 3 |
| x | Takahisa Fujinami | 0+0 | 0+1 | 2+1 | 4 |
| x | Loris Gubian | 0+1 | 5+0 | 5+0 | 11 |
セミファイナルでは、順当にスペイン人4人が勝ち残った。ウイグはダブルレーンを含むすべてのセクションで5点で問題外(藤波は、そのウイグに負けてしまったわけだが)。ダビルも5点ひとつでファイナル進出を阻まれた。
日ごろからインドア選手権で腕を磨いているスペイン勢は、どう逆立ちしても日本人やイギリス人より有利なのは否定できないところだ。
| Pos. | Name | Sec3 | Sec4 | Sec5 | Double Lane | Total |
| 1 | Albert Cabestany | 1+1 | 1+1 | 1+0 | 0+0 | 5 |
| 2 | Toni Bou | 3+1 | 0+1 | 0+0 | 0+0 | 5 |
| 3 | Adam Raga | 1+2 | 3+1 | 0+0 | 0+0 | 7 |
| 4 | Jeroni Fajardo | 5+0 | 0+1 | 1+1 | 0+1 | 9 |
| x | James Dabill | 3+2 | 5+0 | 1+1 | 0+1 | 13 |
| x | Alexz Wigg | 5+0 | 5+0 | 5+0 | 5 | 20 |
そしてファイナル。4つのセクションを戦って勝敗を決する。スコアはセミファイナルからは加算されている。セクションのナンバリングを見るとラストチャンス以降が決勝扱いということになるが、スコアが加算されているのはセミファイナル以降になる。
ラガは第6(ファイナルの最初のセクション)で5点、ファハルドは1点やタイムオーバー減点などを重ねていくが、カベスタニーとボウはクリーンを連発して譲らない。このまま4つのセクションを走り終えたら、タイブレークとしてダブルレーンで決着がつくことになる。
しかし最後の最後に、ボウが足つきで減点。これでカベスタニーの初優勝が決まった。
ランキングでは、カベスタニーとボウが35点で同点。ラガが21点でこれに続き、4位には前回3位にはいったダビルが18点で続いている。ファハルドは15点、2戦続けてクォリファイ敗退をした藤波は8点で、すでにタイトル争いからは完全に脱落している。インドアのシリーズは短いから、早くもタイトル争いはカベスタニーとボウの二人に絞られてきた印象がある。
| Pos. | Name | Sec6 | Sec7 | Sec8 | Sec9 | Total |
| 1 | Albert Cabestany | 0+0 | 0+0 | 0+0 | 0+0 | 5 |
| 2 | Toni Bou | 0+0 | 0+0 | 0+0 | 1+0 | 6 |
| 3 | Adam Raga | 5+0 | 5+0 | 0+0 | 1+1 | 14 |
| 4 | Jeroni Fajardo | 1+1 | 0+1 | 0+0 | 5+0 | 17 |
<Posted in 10.01.26 18:46(
10.03.05 12:38 Modified)>
2010年ルールのお話
2010年、アウトドアのルールがノーストップになるという話題があった。イギリス人の間では大賛成と盛り上がっていたようだが、話はそうそう簡単ではないようだ。
インドア世界選手権のルール変更によって、もっとも貧乏くじを引いてしまった感のある我が藤波貴久選手に、2010年のアウトドア世界選手権のルールについての現況を聞いてみた。
ノーストップルールというのは、停止を即5点とするものだ。停止については、現在はまったく減点をとらなくなっているが、いろいろ紆余曲折があった。
1990年代まで、長く定着していたルールでは、停止は減点をとらず、停止しかつ足をついたときに減点5となっていた。この当時は、足をつかなければバックするのも自由だった(バックする概念がなく、ルールが追いついていなかったという背景もある)。
1997年、1年だけ世界選手権で採用されたルールは、奇想天外だった。ほとんどなにをしてもよくて、登り損ねたらそのままバックで降りてきて(向きを変えてきてはダメ)何度でもやりなおせる。サブフレームを持って向きを変えてトライすることもできた。今思い出しても、かなりみっともないトライアルだった。
そのテストケース(だったのかどうだかわからないが)を経て、停止を1点とするルールが採用された。しかし今度は、なにを停止とするのかが論争の種になった。
そして現在のルールに落ち着いている。簡単に言えば、転倒やセクション外に飛び出る以外では、5点になるのはバックだけ。止まるも自由(足をつかなければ減点ゼロ、足をつけばその減点)。ただし世界選手権や全日本選手権ではセクション走破時間の制限がある。途中で一休みしていると、時間が足りなくなる。
今でも、バックしたのしないの、あるいは自分のわだちを踏むのはご法度なのだが、わだちを踏んだかどうかは、はっきり跡が残っているわけでもなし、けっこう問題になったりもする。トライアルの採点は、いろいろむずかしいのだ。
とはいえ、停止1点でも問題になった経緯があるのに、なぜ今また停止5点のルールが出てきたのか。ライダーの間では、当然疑問と反対の声が上がった。賛成しているのはイギリス人くらいのもので、たいていのトライアルライダーや関係者からは、賛成の声はまったくといっていいほどあがらなかったようだ。
どうしてイギリス人が賛成かというと、イギリスのセクションは滑るところが多い。晴れても降っても滑る。しかもめちゃめちゃに滑る。一度止まると、再スタートはまず不可能なところが多い。なのでイギリス人は、止まらずに走るのがうまい。逆に一度止まってためをつくって大きな障害を越えたりするのは、苦手なライダーが多い。つまりイギリス人は、ノーストップルールが採用されると、ちょっと有利。自分たちに有利だから賛成するという魂胆も見え隠れする(表向きには、止まらずに走るのがトライアルの伝統であるというのが理由だ)。
もうひとつ、FIMがルールに手を入れたい背景には、トップのふたりか3人以外に勝つチャンスがない現代の世界選手権はいかがなものかという発想もある。停止に減点をとるようにしたのも、技量の格差を減らしたいという思惑があった。
しかし停止1点をとったときのことを思い返せば、この発想はアホ丸出しだった。どんなルールにしても、うまいライダーがへたになることはない。そしてへたっぴは、体制を整えられないまま次のポイントに向かっていって、悲惨な玉砕をすることが多くなった。
おそらく今ノーストップルールを採用すると、きっとこのときの再現になるのではないか。止まらないからテンポが早い。マインダーを数多く(あるいは足腰の強いマインダーを)用意できるライダーが安心してトライできて、ライダーに追いつかないマインダーのいるライダーは、マインダーなしでポイントにトライせざるを得なくなり、中途半端にトライして失敗してけがをする。ご愁傷さまだ。
こういう予想は、日本でしているよりもヨーロッパの方がはるかに現実的な危機感を持って語られる。だいたい、ルールが変わってもセクションには変化がない。ノーストップだから簡単にしましょうなんて、通達があったとしてもなにも変わらないのが今までのヨーロッパだった。フランス大会など、10年かけてセクションを作っていたりするのだから(10年前から開催地が決まっていて、10年かけて準備したりする)今年ルールが変わったからといって、急にセクションを簡単にするなんてやなこったなのだ。
こうまでしてルールを変えたいのは、やっぱりいろんなライダーに勝ってほしいというFIMの思惑がある。インドア世界選手権では、オブザベーションセクションを減らして競争ばかりにして、イギリスのルーキー、ジェイムス・ダビルが表彰台に上った。この結末にFIM関係者はご満悦らしいが、トライアル本来のところで勝負がつかないからそれ以外の要素を加えるというのは、草大会で同点の場合に順位をじゃんけんで決めるというのと変わらない。FIMも、そこまでトライアルがきらいだったのかと問いたいところだ。
そんなこんなで、ライダー関係者から反発を食らったあげく、今では、今年のアウトドアの世界選手権は去年のままのルールで運用されるのではないかということになっている。藤波も、シーズンオフにはいった直後にはノーストップ対応の練習を繰り返していたが、今年にはいってからは、その練習をまったくやっていないという。藤波がノーストップの練習をしていたのは、ノーストップに歓迎だからじゃない。そうなったときに困らないための準備だ。今藤波がノーストップの練習をやめたということは、練習しなくても困らない事態になったということである。
しかし一方、今ヨーロッパでは、現状のルールに変わる、別のルールが取りざたされているという。ノーストップよりは、こちらの方がはるかに有力ということだ。これがすごい。
冒頭にあるへたくそないたずら書きは、このルールの概念図だ。ところどころにゲートマーカーがある。このマーカーは、なにクラスはどこを走りなさいと指定されているわけではなくて、どこを走ってもいい。走りたくなかったら、通らなくてもいい。マーカーには数字が書いてある。これが点数になる。50点マーカーを通過すれば50点。3点だったら3点。
これまでのトライアルは(おそらく)トライアル誕生以来減点法だった。ここではじめて、トライアルが加算法になる。減点法とは、いわば失敗をねちねち責められるルールだから、なんとなく爽快じゃないと思ったりもしていたので、難所を通過すればポイントがもらえるというルールはとりあえず歓迎したい。
転んだりすると、そこでトライはおしまい。そこまでに通過したマーカーのポイントをトータルしたものが、そのライダーのそこでのポイントになる。だからインに難所があって、そこで5点になってしまったら0点。同じような難所で転倒しても、それが最後だと、そこまでにポイントを集めておけるから、被害は少ないということになる。
しかし、このルールが採用になると、大きな問題点がある。ひとつのセクションでのポイントだけでも100点とかになるので、1日トライアルをすると何千点という気が遠くなるポイントになる。1と2と3と5の足し算でさえむずかしいというのに、そんな数字になると(少なくとも自然山通信には)お手上げである。ライダーも、電卓を片手に下見をするようになるかもしれない。
藤波選手は、すでにこのルールで模擬大会を経験したということだ。セクション作りそのものはこれまでと変わらないが、マーカーに課するポイントの振り方は重要だ。リスクが高いものを低いポイントにしておくと誰もトライしないし、大物をひとつ失敗してその日の勝ち目がなくなってしまうような設定でもうまくない。これはなかなかむずかしそうだ。
しかしそれにもまして、このルールのよいところがあるという。それは、藤波選手ときのうトライアルを始めたばかりのライダー(というのは極端化もしれないが)が、同じセクション、同じクラスにトライできるということだ。今でも、世界選手権では3つのカテゴリーが同じセクションを走っているが、勝者は3人現れる。しかしこのルールなら、すべて簡単なところばかり走ってポイントを集めた初級者ライダーが、むずかしいポイントでことごとく失敗したカベスタニー(誰でもいいのだけど、カベスタニーはときどきこういうことがある)に勝っちゃうという可能性もある。三谷英明さんと藤波選手が、ではなく、ぼくと藤波選手が同じセクションで勝負ができるというところが、このルールのすごいところである。
遠い日本の常識から考えると、このルールが2010年のトライアルに採用されることはほとんどないと思われるも、トライアルの現状打開のために、こんなことまで考えているという、ヨーロッパの頭の柔らかさは、ちょっと脱帽するところではある。
さて、2010年はどんなルールになるのやら。いや、もう間もなくなんですが。
<Posted in 10.01.18 16:16(
10.03.05 12:38 Modified)>
2010年、ウェアも再編?
新しいシーズンを迎えて、いろいろ動きがあってトライアル界の再編加速中といったところだが、少し地味なところではライディングウェアにも再編の動きがあった。
インドア世界選手権開幕戦、すったもんだのレギュレーション下で優勝したのは、それでも実力ナンバーワンのトニー・ボウだったが、ボウのウエアは、それまでのエキサイティングではなく、エボだった。
モンテッサチームは、これまでチーム全体でエキサイティングと契約をしていたが(唯一、藤波だけがゴールドウインとの契約を継続している)これが、今年はエボと契約することになったということだ。
エボといえば、ガスガスと一心同体のアクセサリーメーカーだった。ガスガス以外のライダーがエボを着ることもあったが、ガスガスのライダーはほとんど全員エボを着ていた。たとえばガスガスの申し子アダム・ラガは、エボ以外を着たことがないはずだ。
今回、モンテッサがエボを着ることになったのと同時に、ラガはエキサイティングを着ることになった。ちょうど着るものが入れ替わったわけだ。
というのも、ガスガスではこれまた社内的な再編が行われていて、これまでのようなガスガス=エボの関係は解消されたということだ。
2010年は、よく見ると今までとはちょっとちがった組み合わせが楽しめそうだ。
<Posted in 10.01.14 08:47(
10.03.05 12:38 Modified)>
ボウ、2010開幕勝利
2010年、最初の世界選手権は、イギリスのシェフィールドで開催のインドア大会だった。
この大会、今までとはまったくちがった新しいレギュレーションで開催されたが、インドアの申し子トニー・ボウは今年も圧倒的なライディングセンスを発揮して、2位以下をよせつけずに圧勝した。
2位は、今年からマシンを2ストロークにスイッチしたシェルコのアルベルト・カベスタニー。3位はイギリスのジェイムス・ダビル(ガスガス)が、先輩ドギー・ランプキン(イギリス・ベータ)やアダム・ラガ(スペイン・ガスガス)を下して3位表彰台を得た。
藤波貴久は最初のクォリファイで勝ち進めずに7位となっている。
新しいレギュレーションは、こんな感じだ。
最初に行われるのは5セクションでのクォリファイ、QX1と8人のライダーがそれぞれ対で勝敗を決するダブルレーンのTX1。
次に3つのセクションとダブルレーンによるTX2。
最後に4セクションによるTX3がおこなわれ,これとTX2のポイントで勝負が決せられるということになっている。
同点の場合は、それぞれダブルレーンでタイブレークがおこなわれたりセクションでの走破タイムで順位を決めたりというその他のルールもあるが、クォリファイを含めて3ブロックの戦いをすべて勝ち残っていかなければ勝利はないというシステムとなっている。
今回、QX1でベストパフォーマンスを示したのはボウ。オールクリーンで減点ゼロ。これに続いたのがジェロニ・ファハルド(スペイン・ベータ)の減点2,藤波貴久(日本・モンテッサ)の減点3。この3人は、クォリファイでのトップ3となり、このQX1でアレックス・ウイグ(イギリス・ベータ)とロリス・グビアン(フランス・ガスガス)のふたりが敗退を決めた。
QX1
| 1 | Toni Bou | SPA | Montesa-HRC | 0 |
| 2 | Jeroni Fajardo | SPA | Beta | 2 |
| 3 | Takahisa Fujinami | JPN | Montesa-HRC | 3 |
| 4 | Adam Raga | SPA | Gas Gas | 6 |
| 5 | Dougie Lampkin | GBR | Beta | 6 |
| 6 | James Dabill | GBR | Gas Gas | 9 |
| 7 | Albert Cabestany | SPA | Sherco | 13 |
| 8 | Michael Brown | GBR | Sherco | 17 |
| Non-Qualifiers |
| 9 | Alexz Wigg | GBR | Beta | 19 |
| 10 | Loris Gubian | FRA | Gas Gas | 25 |
しかしクォリファイはあくまでクォリファイ。続くTX1からが世界選手権本番のスタートだ。
TX1は8人のライダーによる1対1のダブルレーン。ここで勝利した4人はTX2に進出する。敗退した4人は敗者復活セクションにトライして、2名はTX2に進出、2名は敗退する。今回はマイケル・ブラウン(イギリス・シェルコ)と、なんと藤波が敗退する2名となった。ボウはダブルレーンでドギー・ランプキン(イギリス・ベータ)に負けているが、敗者復活で勝ち上がって駒を進めている。
TX2では勝ち残った6人のライダーが3つのセクションにトライする。そしてベストスコアを出した4人のライダーが最後のTX3に進出する。TX2で敗退したのはファハルドとランプキンのベータ・コンビだった。
TX3、最後の勝負はボウとカベスタニー、ダビルとラガの4人で競われた。順当にいけばインドアチャンピオンの軽傾斜の3人が勝ち残るところだが、今回は地元イギリスの声援もあってか、ダビルが大健闘。ラガを下して表彰台を獲得した。
| 1 | Bou | 5 | TX3 |
| 2 | Cabestany | 11 | TX3 |
| 3 | Dabill | 15 | TX3 |
| 4 | Raga | 15 | TX3 |
| 5 | Fajardo | 0 | TX2 |
| 6 | Lampkin | 5 | TX2 |
| 7 | Fujinami | 2 | TX1 |
| 8 | Brown | 2 | TX1 |
藤波貴久は、好調だったクォリファイから一転して7位、その後は他のライダーが走っているのを見守るしかなかった今回からのルールに対して、不公平を感じるとコメントしている。
ともあれ、2010年は開幕した。変化と波乱を含みながら、ボウの優位は揺るぎがないようだ。
<Posted in 10.01.11 09:08(
10.03.05 12:38 Modified)>
カベスタニー、2ストに
アルベルト・カベスタニーが、2010年に向けて引き続きシェルコと契約。そして同時に、2010年のレース活動は、これまでの4ストロークではなく、2ストロークマシンでのものとなるという発表がなされた。
シェルコはこの秋のミラノショーで、燃料タンクをサイレンサーの反対側に配置した意欲作を発表していて、このモデルのアピールのために、カベスタニーが再び2ストロークに乗ることになったものだ。
写真はシェルコの名エンジニアのジョセップ・パチャウ博士(左)とゼネラルマネージャー、マーク・テシエ(右)と握手を交わすカベスタニー。ST10(シェルコ・トライアル2010年型)と呼ばれるニューマシンで、カベスタニー本来の切れ味が戻ってくるか、目前に迫った2010年に向けての最初の話題となった。
新しい年になると、ライダーの移籍などの情報が一気に明らかになる。彼らの契約は、シーズンいっぱいとなっていることが多いからだが、カベスタニーの場合はメーカーの移籍ではないから翌シーズンの契約については早めに発表ができる。
カベスタニーがシェルコに移籍したのは2005年。これで5年目のシーズンにはいるわけだが、最初の2年間は2ストロークマシンで戦っていた。そして2008年に4ストロークに乗りかえている。
カベスタニーといえば、インドア世界選手権のチャンピオン経験者で、もてぎの日本GPで優勝するなど、世界選手権のトップクラスのライダーの一人。この4ストロークマシンでも、インドアトライアルで1勝をあげるなど、マシンの戦闘力の高さを存分に見せつける活躍を見せた。
しかし重量的なハンディなどは長丁場のアウトドアでは大きいのか、4ストロークに乗った2年間は、結果的にランキングを落として2年ともボウ、ラガ、藤波のトップ3、さらにファハルドにもポジションを奪われてランキング5位に甘んじていた。
今度の2ストロークは、燃料タンクがエンジンの上にないという点で、トライアルマシンでは初めてとなる(と思う。フレディ・スペンサーの乗ったNSR500の初期型は燃料タンクがエンジンの下にあったが、1年間の苦戦の末、ふつうのレイアウトに改められてチャンピオンを獲得した思い出あり)。革新マシンST10とカベスタニーが、どんな走りと活躍を見せるのか、乞うご期待です。
<Posted in 09.12.31 21:19(
10.03.05 12:38 Modified)>
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
次
最古