藤波、3位表彰台
3年ぶりとなるインドア世界選手権での表彰台。藤波貴久!
2月21日、Xトライアル第2戦は、スイスのジュネーブで開催された。ジュネーブでのXトライアルは昨年に続いて2度目。ジュネーブはFIM(国際モーターサイクリズム連盟)のオフィスからごくごく近い。FIMとしては、ずいぶん気合いの入ったトライアル大会ともなっている。
勝利はいつものとおりトニー・ボウ。しかし今回は、減点数が一桁もちがうような勝ちっぷりとはいかなかった。それでも2位カベスタニーにトリプルスコア。ボウの圧勝ぶりは変わらない。
2位はカベスタニーだったが、3位には藤波貴久が入った。藤波がインドア世界選手権で表彰台に上がるのは久々のことだ。
右から、ボウ、ラガ、カベスタニー、藤波、ファハルド、グビアンのセミファイナル進出の6人
今回はFIMのお膝元(正しくは、FIMはジュネーブではなく別の町にあるらしいのだけど、その距離はほんの10kmでしかない)での開催ということもあって、クォリファイに参加したのは規定マックスの10名。ノミネートライダーの8名(ボウ、カベスタニー、ラガ、ファハルド、藤波、グビアン、ブラウン、ゴメス)に加えて、おととしのジュニアチャンピオンで昨年Xトライアルに初参戦したジャック・チャロナーとフランス人のベノ・ダニコールのふたりが加わってスタートとなった。
クォリファイで、しかし10人の参加者は6名に絞られてセミファイナルとなる。ワイルドカードのライダーはここであっさりふるい落とされて、セミファイナルに進出した顔ぶれは、いつものとおりとなっていた。ノミネートライダーのうち、ブラウンとゴメスをのぞいた6名だ。このうち4名がスペイン人、残り二人が日本人とフランス人だ。
今回クォリファイでは、ラガがボウを破った。ラガがオールクリーン、ボウは最後のセクションで1点をついた。今回は第1セクションがむずかしくて、多くはここでいきなり5点を取った。第1をクリーンしたのは、ラガとボウ、そして藤波だけだった。ところが藤波は、第4セクションで転落、マシンを傷めてスペアマシンに乗り換えている。ここで若干のタイムロスがあって、5分で5セクションの持ち時間にほんのわずか遅れてタイムペナルティをくらっている。
この結果、トップはラガ、2位ポウ、3位が5点のファハルド、4位と5位は同点でカベスタニーと藤波。この場合、同点決勝が行われて、順位が決められる。クォリファイの順位が、最終結果に影響を与えるルールだからだ。ここではカベスタニーがクリーンして藤波が5点。藤波は5位でセミファイナルに進出することになった。
去年までの藤波は、クォリファイでは好調だったが、その後に不運があって成績を落としていくことが多かった。今年は、クォリファイではイマイチの成績が多いが、これも作戦だろうか。
藤波がグビアンに負けたのはこのダブルレーン。レゴブロックみたいにでこぼこしていて、走りにくい
セミファイナルは、まずスピードレースが行われる。クォリファイの結果から、藤波対グビアン、カベスタニー対ファハルド、ラガ対ボウの対決だ。藤波とグビアンなら格からして藤波の楽勝だが、わずかにラインを乱して走りにくい路面に飛び込んでしまった藤波は、グビアンに敗退。1点減点を背負うことになった。このダブルレーン(スピードレース)で減点をしたのは、藤波とファハルド、そしてラガだった。
セミファイナル第3セクションで5点になったボウ。助走で滑ってしまったのだった。
第1セクションはボウだけが1点で通過。他は5点。第2はファハルドだけが1点。他はクリーン。第3は見事に全員が5点。ここまでのトップはボウで6点。2番手は10点でカベスタニーとグビアン。4番手が11点でラガと藤波。ファハルドが12点で4位だ。最近のインドアでは、クリーンか5点のセクションが多く、なかなか勝負が決まらない。なので最初のダブルレーンでの勝ち負けが、大きく結果に影響を及ぼしてくる。
ランキング2位に浮上のカベスタニー。しかしすでにボウとは13点のポイント差が開いている。
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最終セクション、3位でファイナル進出の望みがあったグビアンが1回の足つき。ほかはみなクリーンだった。これでボウ、カベスタニー、ラガ、藤波のファイナル進出が決まった。
ベータに乗り換えたファハルドは、期待されながら2戦連続でセミファイナル敗退となってしまった。ほんの少しの不運が、Xトライアルでは大きな結果になってしまう。
4名になったファイナル。顔ぶれは開幕戦と同じだ。ファイナルの一発目はダブルレーン。今度は総当たり戦で、4名が3回ずつ走る。藤波はボウだけに負けて減点1。ラガは藤波とボウに負けて減点2。カベスタニーは全敗で減点3。ボウは負けなしで減点ゼロ。
ファイナル最後のセクショントライは3セクション。最初のセクション(セミファイナルから連番なので第5セクションと呼称される)はボウだけがクリーンした。次の第6はラガが5点、藤波がちょっとバランスを崩して1点をついた。そして最後のセクションとなる。
最終結果は、セミファイナルとファイナルの減点をトータルする。ここまでボウは6点でトップ。2位は18点でカベスタニーと藤波が同点。4位に23点でラガ。ラガの表彰台はほぼ絶望的だが、カベスタニーと藤波が5点になれば可能性も出てくる。逆にカベスタニーと藤波は5点にならなければ表彰台獲得だ。
慎重に走った藤浪は、1分半の持ち時間をわずかにオーバーしてクリーンしながら減点1。いっぽうカベスタニーはインしていきなり足をついた。同点の二人が仲良く減点し、同点のまま試合は終わった。ラガはここをクリーンしたが、逆転はならずだ。
藤波が3位の表彰台。手前のお兄さんとおっさんは、誰あろう、モトGPチャンピオン(候補)のダニ・ペドロサとFIM会長ヴィト・イポリトさん
同点の場合は、クォリファイの結果の上位のものが上位となるルール。これによって、カベスタニー2位、藤波3位が決まった。あと1点どこかで節約しておけば、藤波の2位表彰台も充分可能だったが、なにせ藤波がインドア世界選手権で表彰台に上がるのは2009年のイタリア大会以来。3年ぶりの表彰台ということで、藤波とすれば、大きな収穫となったようだ。
<Posted in 12.01.24 19:23(
12.02.13 16:36 Modified)>
ボウ、桁違い。Xトライアル開幕
2012年の世界選手権が開幕した。まずはXトライアル。いわゆるインドア世界選手権だ。ノミネートライダーによるショーとしての味わいも深いトライアル勝負。
しかしこの勝負、いよいよトニー・ボウの圧倒的強さが際立っている。開幕戦、ドイツ国境に近いフランスのストラスブールでは、ボウの減点がたったの2点なのに対して、2位のラガが21点と、まさに桁のちがう強さを見せつけた。
藤波貴久はファイナルに残り、2位争いの末、4位。3位カベスタニーと同点の22点だった。
Phoro : G2F / F.I.M.
ルールは昨年同様。最初に全員でクォリファイラップを走る。今回は5セクションを5分間の設定。持ち時間をすぎるとペナルティがある。この減点によって、上位6名かセミファイナルに進出。7位以下はここで敗退だ。同点の場合は、同点決勝が行われる。セクションひとつだけの勝負だ。
セミファイナルは、最初にダブルレーン。クォリファイの結果に準じて一対一で勝負をする。勝てば減点ゼロ、負ければ1点。
これに続いて4セクションを走って減点数を競う。クォリファイとちがって、セクションをひとつずつ全員で走っていく。トライ順はクォリファイの下位からになる。持ち時間は1セクションごとに1分。これをすぎると30秒に1点ずつ減点だ。
これで順位が決まると、上位4名がファイナルに進出する。2名はここで敗退となる。
ファイナルは、最初に総当たり戦でダブルレーン。ひとりが3回ずつ走ることになる。
続いて3セクションを使って最後の決戦。勝負は、セミファイナル、ダブルレーン、そしてファイナルの3セクションの減点をすべて足して競われる。これで同点になった場合は、クォリファイの結果が上位のものが、上位となることになっている。
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クォリファイをラガと同様にオールクリーンしたボウは、セミファイナルでもオールクリーン。ファイナルのダブルレーンで藤波に負けて1点減点をとり、ファイナルの二つ目のセクション、全員が5点となったセクションをクリーンして、タイムオーバーの1点。合計2点で試合を走りきってしまった。どちらも足つきの減点ではないから、この試合、ボウはついぞ一度も足をつかなかったことになる。
クォリファイの結果を見ると、ラガがもうちょっとボウに迫ってもよかったような気もするが、ダブルレーンで3点の減点をし、クォリファイで抜けられたセクションで5点になるなど、ちょっと不本意なところもあったようだ。
ファハルドはベータでの復帰第一戦となるが、好調だったクォリファイから一転、ダブルレーンでカベスタニーに敗退して1点を失うと、クォリファイでは1点で抜けていたセクションで5点になって、ファイナルには残れなかった。
藤波はクォリファイを6位と最後の一席でセミファイナルに進出したが、そこから2位に肉薄する戦いぶりを見せた。最終的には2位ラガに1点差、3位カベスタニーとは同点だったが、同点の場合はクォリファイの成績に準じるというルールにのっとり、4位に甘んじている。
<Posted in 12.01.15 13:47(
12.01.18 20:21 Modified)>
オッサの2012年
オッサの2012年のレース活動計画が発表になっている。
2011年にエースライダーだったジェロニ・ファハルドが離籍したため、エースにはダニエル・オリベラスがつくことになった。
オリベラスは2011年もオッサのライダーとして、開発のサポートなどを行っていた。2011年に世界選手権に参戦することはなかったが、晴れて第一線の舞台に復帰することになったわけだ。オリベラスは世界選手権の他、スペイン選手権とイタリア選手権(インドアとアウトドア)にも参戦する。
女子の部では、去年躍進したのがイギリスのエマ・ブリストだった。女子世界選手権、SSDTと参戦し、かつてない好成績をおさめている。彼女はそのまま2012年もオッサのライダーとして同様の活動をすることになる。
その他、マルク・ブラットがヨーロッパ選手権などに、イタリアのサポートチームからは、ダニエレ・マウリノとマテオ・ポリが参戦する。
オッサCEOのジョーン・ガート氏は、2年目のオッサレーシングチーム誕生に際してこんなふうに語った。
「最初のチームはいくつかの失望と大きな成果があった。2年目に向けて、チームを大きく刷新することになった。新しいチームの活躍に、興奮している。2012年への期待は、2011年にチームで働いてくれたメンバーによるところが大きく、あらためて彼らに大きな感謝を捧げたい」
<Posted in 12.01.12 16:27(
12.01.12 17:02 Modified)>
ファハルドはベータへ
ベータ時代にトニー・ボウをサポートしたダニ(中央)もチームに復活している。手ごわいチームとなりそう
ジェロニ・ファハルドがベータへの移籍を発表した。すでに1月8日のシェフィールド・インドア大会(世界選手権ではない)に出場、アダム・ラガと同点の3位に入っている。
ファハルドはガスガスでトップライダーに成長した2007年にベータに移籍、トップ争いの一角を形成していた。2011年、オッサの誕生とともにそのエースライダーとしてオッサチームに参入。新設計のまったく新しいマシンでX-Trial、世界選手権トライアルに参戦した。
1年目のオッサは、1年目らしい初期トラブルにも悩まされたが、同時にファハルドのライディングも相まって、世界選手権でも表彰台を獲得する活躍を見せた。
1年後、ファハルドは再びベータのライダーとなって、世界選手権に打って出る。ファハルドの参入で、ベータのファクトリーチームはイギリス人のジェイムス・ダビルとの二人体制となる。
ファハルドのベータチーム再加入は、ベータのチームマネージャーであるドナト・ミリオ(かつてのトップライダーでもある)の決断によるもので、ミリオさんはファハルドの再加入を、チームにとっても大きな起爆剤となると歓迎している。
なお、若手の成長株、ジャック・チャロナーは、サポートチームのトップトライアルチームから、引き続き世界選手権に参戦する。
<Posted in 12.01.11 09:26(
12.01.11 09:52 Modified)>
タレスのJTGデビュー
ミラノショーで発表になったJTG。クリックすると大きな画面で開きます。
長くうわさに上っていたジョルディ・タレスによる新しいトライアルマシンがデビュー、間もなく日本に入ってくる。
JTGという名称のこのニューマシン、スペイン読みで「ホタガス」と呼ばれているが、アルミフレーム、オフセットされたリヤサスペンションなど、その乗り味が楽しみなところ。
2012年世界選手権には、ジョルディ・タレスの甥っ子であるポル・タレスがジュニアクラスに参戦して熟成を進める予定という。
ジョルディ・タレスとJTG。ミラノショーにて
JTGは、7回の世界チャンピオンのジョルディ・タレスとミキ・アルパによって開発された。タレスはトライアルマシンを、アルパはエンデューロマシンを担当している。JTGは当初JotaGasと呼ばれていたが、Jordi Taress Gasかもしれない。Gasはガスガスとは(おそらく)関係なく、フジガスのガスとおんなじ、アクセルを開ける、燃料を送る、という意味だ。
フレームはベータと同様に燃料タンクを含んでいて、非常にスリムにできている。リヤサスペンションが片側にオフセットされて装着されているため、エアクリーナーボックスをマシンの中心部分に置くことができている。その容量はざっと3リットルということで、高いエンジン性能を発揮するレイアウトだ。リヤサスペンションユニットはオーレ製。
トランスミッションは5速。キャブレターはデロルトの26φを使っている。車重65kg。現行のトライアルマシンでも最も軽い部類となる。排気量は今のところ発表されているのはポルが乗る300ccバージョンをはじめ、280ccと250ccがリリースされる予定となっている。
日本ではエトス・デザインが輸入代理店となることが決まっていて、間もなく第一陣が入荷してくるということだ。
*クリックすると大きな画面で開きます。
<Posted in 11.12.01 16:36(
11.12.06 13:56 Modified)>
ライア・サンツ、ガスガス!
左からラモン・プエンテ(ガスガス社ゼネラルマネージャー)、ライア・サンツ、サンティ・ナバロ(チーム監督)
ライア・サンツが、ガスガスと契約を交わした。9月21日にガスガス本社がリリースを出して発表したもの。ライアは2012年からは、ガスガスのライダーとして、トライアル、エンデューロ、そしてレイドと、3種目のモータースポーツに参戦することになる。
今回ライアが結んだ契約は3年間。契約を交わしたガスガスとライアは、すぐにダカールラリーの準備に入ることになるが、2012年度のトライアル活動への準備も、すでにスタートを切っている。
ライアは今25歳。これまでに11回のトライアル世界選手権女子チャンピオン、10回のヨーロッパチャンピオン(女子)、4回のトライアル・デ・ナシオン勝利(女子)、そしてダカールラリーの女子部門に優勝の功績を残している。これに2012年はエンデューロ活動が加わるわけで、この3部門にチャレンジする女子ライダーは、ライアが初めてということになる。
ライア・サンツは、2004年にベータからモンテッサに移籍。以後、7回の世界タイトルを獲得している(1回だけ、イリス・クラマーにタイトルを奪われている)。モンテッサとの関係は良好で、女子世界選手権に挑戦すると同時に、ジュニアクラスへの参戦も続けていた。過去には表彰台に登ったこともあるが、最近ではポイント圏外となることも多かった。モンテッサのライダーとして8年を経て、ライアは新たなチャレンジを開始することを決意したようだ。
<Posted in 11.10.24 08:00(
11.10.24 08:34 Modified)>
女子はスペインとライア
トライアル・デ・ナシオン(TDN)は、日曜日に男子の部が開催されるが、それに先立って土曜日に女子の部が開催されるのが通例。今年も9月17日土曜日に女子TDNが開催された。参加したのはフィンランド、スウェーデン、オーストラリア、アメリカ、ノルウェー、イタリア、フランス、ドイツ、イギリス、スペインの10カ国だった。
優勝はスペインだったが、2位のイギリスとは5点差。14セクション2ラップ3人の戦いは、スペインが僅差で2連勝をあげた。
<Posted in 11.09.30 12:39(
11.09.30 16:23 Modified)>
TDN。スペイン優勝、日本6位
プレゼンテーションでの日本チーム。左から、イタリアねーちゃんふたり、小川毅士、野本佳章、柴田暁、マネージャーの小谷徹、監督の西英樹と最後はやっぱりいたりあねーちゃん
9月17日・18日、イタリアでトライアル・デ・ナシオンが開催された。今年は日本が出場する世界選手権クラスに6カ国が観戦。去年の5カ国(スペイン、イギリス、イタリア、フランス、日本)にノルウェーが加わっての戦いとなった。
日本チームは藤波貴久、小川毅士、野本佳章の去年のメンバーに、新たに柴田暁を加えて構成された。ところが直前になって、藤波が感染症となって試合に参加ができず。3人での戦いとなってしまった。
結果はノルウェーに敗れて6位。しかし3人という大きなハンディを背負いながらのこの結果、新生日本チームは確実に成長し続けている。
勝ったのはもちろんスペイン。イギリスが2位、3位はイタリアだった。
プレゼンテーションでの日本チーム。左から野本、柴田、小川
藤波の感染症は、家族みんなが感染してしまいたいへんなことになってしまったという。2010年のTDNは、去年のぶっちぎられの5位の惨敗から、参戦見送りの声も多かったのだが、藤波自身が「出よう」と声をかけて実現したもの。4人の選手は全国のトライアルファンからのいくばくかの資金援助を得て、自費を投じて渡欧している。けっして楽な戦いではないが、1年1年の結果が、実績と経験の積み重ねとなり、未来に向けて、大きな道標となるはずだ。
No MOTOショー。撮影:小谷徹さん
大会に向けた週末、強烈に脚光を浴びたのは野本佳章だった。日本には世界チャンピオン藤波貴久がいて、黒山健一や小川友幸、あるいはジュニアチャンピオンの野崎史高など、そうそうたるメンバーがいる。世界のトライアルファンにも、彼らの名前はすっかり浸透している。しかし一方、海外の世界選手権に出て行かない(成績が残らない)日本人選手のことは、なかなか覚えてもらえない。現状、次にヨーロッパの人に名前を覚えてもらえる日本人が登場するには、何年待たなければいけないか、ちょっと気が遠くなるところだ。
ところが野本には「逆転の発想」があった。ここ数年、野本がこつこつとトレーニングを続けてきたバックフリップ技。お国柄、日本では披露されることはないと思われるも、ここはイタリア。ちゃんと予告をしてからやったから、大観衆が集まってたいへんな騒ぎとなった。
ギャラリーの中には、世界のトライアル関係者もずらり。アダム・ラガもトニー・ボウも、ライア・サンツもみんな野本に注目した。そして大成功。これでみんな、日本の"No MOTO"の名前をすっかり覚えてしまった。
小川毅士の走り
今年は自分用のパーツを荷物をつめてもっていった各選手。あるいはイギリス大会に参戦したマシンをそのまま置いてあった柴田選手と、去年よりは参戦体制はよかったが、それでも苦戦は免れない。なんせ、主砲の藤波貴久が欠席である。成績スコアの面でも痛手だし、各セクションでのアドバイスが得られないのも痛かった。しかしそれでも、みんながんばる。
左から2位のイギリスチーム、ドギー・ランプキン、ジャック・チャロナー、マイケル・ブラウン、ジェイムス・ダビル。優勝のスペイン、ジェロニ・ファハルド、アルベルト・カベスタニー、トニー・ボウ、アダム・ラガ。3位のイタリア、ファビオ・レンツィ、フランチェスコ・イオリタ、ダニエレ・マウリノ、マテオ・グラタローラ。
勝利はスペイン。もうやる前から結果がわかっているようなリザルトだが、日本チームに関しては、1ラップ目はノルウェーに勝っていた日本チームだったから、惜しいといえば惜しい9点差の結果だった。
TDN世界選手権クラス結果表。クリックするとPDFを開きます。
<Posted in 11.09.23 08:36(
11.09.29 12:55 Modified)>
2011アウトドア終幕
2011年世界選手権が終了した。チャンピオンは予定通りトニー・ボウがその座についたが、アダム・ラガの後半の追い上げはなかなかのものだった。
最終戦は9月3日と4日、フランスのスキー・リゾートISOLA2000にて開催。フランス大会はすでに開催されているため、この大会はヨーロッパ大会として開催された。
もともと最終戦はポーランド大会が予定されていたが、水害でキャンセルとなり、代替大会としてこの会場が選ばれた。
ジュニアはアルフレッド・ゴメス(モンテッサ)が1日目にタイトルを決めた。ユースはすでに日本大会でジャック・シェパードのチャンピオンが決定していた。
FIMのプロモーション映像も届きました。
1日目はラガが絶好調。しかも天候の変化を読んでか飛ばしまくってゴール。2位のボウにダブルスコア以上の15点差をつけての圧勝となった。
藤波貴久はラガのペースについていけず、やがて降り出した雨にもつかまり、アルベルト・カベスタニーとジェロニ・ファハルドに上位を許して5位に甘んじている。上位4人をスペイン勢が独占するリザルトとなった。
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2日目は今度はボウが神がかった走りを見せた。雨の中、セクションがやさしく設定されたとはいえ、6位のマイケル・ブラウンになるとクリーンが6個しかとれない難セクション群である。そこを1ラップ目にたった1点で回りきって見せた。
2ラップ目は今度はラガが猛追撃。ボウが7点を取ったところを2点でまとめて気を吐いたが、トータルでは6点差でボウが有終の美を飾ることになった。ボウはこれでアウトドア世界選手権タイトルは5つ目。
藤波は4位。3位カベスタニーに9点離されてのこのポジションだ。ファハルドはこの日は失格。どうやらマシントラブルが発生し、パドックまで押して帰る際に手伝いを受けたということでの失格となった。失格でなければ、ファハルドは7位に入っていたところだった。奇しくもマシントラブルで後半のほとんどを申告5点としたもてぎと同じ成績。
その7位には、前日にジュニアクラスでチャンピオンとなったアルフレッド・ゴメスが入った。ワールド緒戦にしては、この成績は大金星。まぐれという話もあるが、まったく実力がなければまぐれも起こりえないわけで、来年のゴメスが少し楽しみとなった。
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終わってみれば、チャンピオンはトニー・ボウ、2位にアダム・ラガ、3位に藤波貴久と、2007年以来5年間その顔ぶれの変わらない世界選手権となった。しかし内容的には同じシーズンなどひとつもなく、今年はボウの圧倒的強さから始まったものの、ラガの王道的トライアルが復活して追い上げてのこの結果だ。いま、ボウの牙城を崩すのは限りなく困難だが、ラガの存在で、ボウも心おだやかにタイトルを獲得したわけではなさそうだ。
藤波は序盤の不調から立ち直り、日本GPではあと一歩で優勝できたところで負傷があった。毎年アクシデントのある藤波だが、今年は特に大きなアクシデントがいくつかあった。それに負けずに戦う藤波の姿に「負けないぞ日本」を重ね合わせる人も多かったのではないだろうか。
ジュニアはゴメスがきっちり優勝してチャンピオンを獲得した。ゴメスは去年もチャンピオン候補として走りながら、後半戦で逆転を許してランキング2位に甘んじていた。今年も前半戦の破竹の勢いからやや勢いを落としての後半戦となっていて心配されたが、最後はきっちり勝利した。
残り試合が1戦あるが、ゴメスはワールドクラスへの参戦を希望した。卒業したら、新学期を待たずに上級クラスに編入してもいいシステムだ。
ゴメスのいない2日目、ジョナサン・リチャードソンが優勝。リチャードソンもイギリス期待の次世代を担うライダー。イギリスは若いライダーが次々に育って生きている。そういえば、ジュニアのチャンピオンは、この2年間イギリス人が獲得していた。スペイン人のチャンピオンは久しぶり。来年のタイトルは、どこの国のひとが持っていくのだろうか。
2011年ジュニアクラスチャンピオンのアルフレッド・ゴメスは、こんな人。妹が女子世界選手権に参戦していて、そこそこ好成績を挙げるようになってきた。妹はスペインチームの代表選手だが、お兄さんが代表選手になるのは、まだもうちょっとむずかしそうだ。
ユースはセドリック・テンピエール(フランス・シェルコ)が勝利した。チャンピオンを日本で決めたジャック・シェパードは手首の治療のため今回はお休み。そのためにはるばる日本までチャンピオンをとりに来たのだ。
日本大会で2位となったヘサス・マルティンは6位。日本での表彰台は、なにかのきっかけになったのだろうか。
2日目はスウェーデンのエディ・カールソンが勝利した。マルティンはやはり6位。弟のほうも10位と11位だから、ライバルがひしめく中で、それなりの成果を残した。せっかく日本にやってきてくれたのだから、それをジャンプボードとしてがんばっていただきたい。
ということで、試合には出ていないけれど、年間表彰を受けにフランスへやってきたジャック・シェパード。手首がちょっと痛そうだけど、手術はまだしていないみたいだ。
<Posted in 11.09.10 14:44(
11.09.10 18:02 Modified)>
ボウに土。ラガ勝利のイギリス
ガスガスのエース、アダム・ラガが、4連勝中のトニー・ボウを破った。今シーズン2勝目。すでにボウのチャンピオンシップでの優位は圧倒的だが、ラガは元チャンピオンとして、ボウの独走に待ったをかけたかっこうだ。
舞台はスコットランドのフォートウイリアム。滑る滑るコンディションで、ラガがボウに対して得たリードは、たった1点だった。しかし、立派な勝利だった。
世界選手権イギリス大会がこの地を会場に選ぶのは去年に続いて2度目。主催にはずいぶんお金がかかっていて、プロモーション活動も立派だったが、しかしお客さんはというと、主催者が期待していたほどには来てくれなかったようだ。
去年とちがったのは、今年のイギリス大会は日曜日だけのワンデイイベントだったこと。スコットランドは、ヨーロッパ大陸からはけっして近くない。ライダーとファクトリーは、たった1日のために、巨額の遠征費を使ってやってこなければならなかったのだ。お客さんは5000人を越えた。その数字自体は、悪くない数字だったと思われる。
このイギリス大会は、なによりもスコティッシュ6日間トライアル(SSDT)のスタート&ゴール地であるフォートウイリアムで開催されるというところに意義があった。お天気も、まさにスコティッシュ・ウエザー。ときに晴れ、ときに霧雨。かと思えば豪雨。お天気によって刻一刻と変わってしまう路面のグリップは、ライダーにとって最大の懸案となった。もともとスコットランドの岩々は、猛烈にグリップが悪い。
こんなコンディションでは、多くの場合、先行のライダーやマインダー連中が、岩の表面の苔を必死で落として、ライダーの走破を助けていたものだ。しかし今日、レギュレーションによってそういったことは禁止されている。となれば、この大会で最初に走らなければいけないライダーは、その成績に多くを望めないのは誰の目にも明らかだった。
第3セクションと第7セクションで、ボウは最後のポイントの岩にさしかかったところで突然グリップを失って滑り落ちてしまった。セクションは滑りやすいだけでなく、どれもまた、とてもとても長かったのだ。
ボウはその前、第6セクションではさすがのライディングを見せていた。ここを1点で抜けたのはボウだけだ。90秒のトライ時間をめいっぱい使って、困難極まるこのセクションを駆け抜けたのだが、しかし序盤でふたつの5点を喫していたのは痛いところだった。
今回は、多くのライダーが1ラップ目の持ち時間をめいっぱい使い、そしてタイムオーバー減点を加えることになった。岩の状態が良くなるのを待った結果だったともいえる。藤波もそんな戦い方をした。
藤波は序盤は抜群の走りで試合をリードしていったが、1ラップのタイムオーバー減点は4点。これがなければ堂々の単独トップを奪っていたところだった。タイムオーバーを加算すると、ラガと同点の18点になった。ラガのタイムオーバー減点は、わずか1点だった。
ボウは、この二人に遅れること3点の21点で1ラップ目3位。4位はカベスタニーの25点だった。
2ラップ目、ボウの逆襲が始まった。ボウは2ラップ目中盤にはラガをとらえてトップに浮上。しかし試合終盤、小さなミスがあいついだ。12セクションで2点、13、14で1点を失ったボウは、これでラガにチャンスを与えてしまった。ラガは第8セクション以降をすべてクリーンして、ゴールに飛び込んだ。結果は1点差。ラガの今シーズンふたつめの勝利となった。
藤波には、疲れが目立っていた。これでは、1ラップ目の再現はむずかしい。しかしよく踏ん張って、3位争いには勝利した。3位争いのライバル、カベスタニーとはわずか1点差だった。1位2位の点差も1点、3位4位の点差も1点だった。
ラガに2勝目を許したボウだが、しかしいまだチャンピオンシップではボウが大きくリード。ボウとラガのポイント差は、15点となっている。
次なる戦いは日本のツインリンクもてぎとなる。
■世界選手権
クリックするとPDFのセクションごとの結果が開きます
■ジュニアクラス
去年のユースチャンピオンのポル・タレスが、このクラスで初優勝。ポイントリーダーのアルフレッド・ゴメスは今回は2位だった。ゴメスのタイトル争いのライバルはフランチェスク・モレは今回は3位。ゴメスとモレとの点差は19点となっている。2連勝したアレキサンドレ・フェラーは今回は4位に終わっている。
■ユースクラス
ジャック・シェパードが今シーズン5勝目。チャンピオン争いのライバル、セドリック・デンピエルは4位にとどまったので、ランキングポイントではシェパードがさらに7点テンピエルを突き放した。シェパードのリードは、15点となっている。
次はいよいよ栃木県ツインリンクもてぎでの日本GPだ。8月20日/21日!
Photo & Report : Mario Candellone
<Posted in 11.08.01 11:40(
11.12.03 16:19 Modified)>
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