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日本のニュース

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ベータEVO!

09BetaEVO-1

 世界選手権最終戦の会場でベールを脱いだベータの新型マシンEVOが、このほど日本に上陸。試乗車として、実際に乗って、乗り味を確かめられる状況になった。
 エンジンの中身も入っていなかったという噂の発表時から1ヶ月半。新型EVOは、その持ち味を十二分に発揮する新しいベータとなって日本の地を走る。


 EVOは、見てのとおり、これまでのベータとは別物に仕上がっている。2年前、REV-3がフレームを全面変更したけれど、見た目は従来モデルのREV-3と大きな変化がなかったのに対して、今回のEVOはどこからどう見ても大変化。今までのベータの流れを無視して考えてみても、トライアルマシンとして意表をつくフォルムをはなっている。
 考え方としては、これまでもベータは、フレーム内に燃料タンクを持っていたから、EVOのこのシステムも、特に驚くべき設計思想ではないのかもしれないが、これまでフレーム内に入っていた電装関係をすべてフレームの外に出し、メインチューブの寸法をぎりぎりまで切り詰めたところが新しい。
 ベータといえば、ジョルディ・タレス、ドギー・ランプキンと二人の偉大なチャンピオンを育て、また独特の粘り強いグリップを発揮することで知られている。反面、ここ数年は、重量的なハンディは否めないということになっていた。REV-3が全面改装を受けたのも、フレームを一新して軽量化を目指したからだ。しかし新REV-3からたった2年、ベータはこのような革新的マシンをデビューさせた。

09BetaEVO-2

 極限までウェイトをしぼりとったフレームワークは、それでも2.6リットルの燃料タンク容量を確保している。左右幅はスリムだが、キャブレターのすぐ上まで燃料タンクがのびてきていて、最大限に容量確保を追求されている。
 エンジンは、基本的には従来のエンジンと同じ形式のものを使用するが、ピックアップコイルの移動があったりして、クランクケースにも若干の手が入っている。イグニッションシステムはハードとソフトの2パターンが選べるようにもなり、エンジン性格も変更を受けているようだ。
 フレームは、1月から生産を開始するという4ストロークマシンと基本的に共通となるということで、スイングアームもチェーンラインが左右のどちらでも使えるようになっている。
 これで重量は、2ストロークの250と290が69kg、4ストロークモデルは71kgと発表になっている。最軽量の4ストロークマシンの誕生ということになる。さらにベータでは125ccも用意していて、こちらはさらに軽量の68kgだ。
 これらEVO 5兄弟の中で、最初に日本に上陸したのは250と290。リヤフェンダーに貼られたステッカー以外は、見分けはつかない。
 左側にあるキックはベータユーザーならおなじみ。右足と同じように、左足でするりとキックできるようになれば、ベータ入門の第一歩は合格。慣れてしまえば右も左もおんなじなのだが、最近はキック始動をしたことない人も世の中に増えているから、そういう人にはちょっと苦労していただくしかない。ちなみに4ストロークはよそのマシンと同じく右キックで、リヤブレーキをかけながらキックができるという技は使えない。
 フットレストに立つと、スリムなボディと思いきや、意外に足下のポジションが大きいのに気がつく。フットレストの幅は、広いといわれているRTL-Fよりもさらに広いそうだ。この幅広ポジションで、抜群の安定感を発揮するようになっている。
 フットレスト幅だけではない。EVOは全体にポジションが大柄だ。ドギー・ランプキンや門永哲也さん(ベータ・モーター・ジャパン代表の国際A級ライダー。長身を誇る)ならすんなり乗れそうだが、平均以下のサイズの人々は、ハンドルの変更などを考えたほうがいいかもしれない。
 その印象に輪をかけるのが、思い切り切れるハンドル角。ハンドルストッパーはいっさいないから、ボトルブラケットとフレームが干渉するところまで、するすると切れる。感覚的には、ハンドル切れ角が90度もあるような感じだ。いっぱいに切ると、アウト側のグリップははるか彼方になる。ちょっと乗れる人ならハンドルだって切れれば切れたで困ることはないはずだけど、手が届かないというのもうれしい悲鳴ではある。
 股の下から聞こえるエンジンの響きは、どうもこれまでのベータサウンドとはちょっとちがうような感じ。クランクケースにも手が入って、エキパイがちがってサイレンサーも変わり、音色が反響するであろうフレームワークも一新されたのだから、同じ音がするほうがおかしい。
 ただし自分で乗るのではなく、外から聞いていると、そこはやっぱり聞き慣れたベータサウンド。基本的なエンジン特性などはこれまでの流れを守っているから、当然かもしれない。
 走ってみる。2009年モデルから、270が290になった。スペック的にも289ccと掛け値なしの290だ。なので290がパワフルなのは当然として、250がなかなかパワー感あふれる仕上がりになっている。それも扱いきれないパワーではなく、ベータらしいしっとりした特性を発揮しながら、元気のよさをきっちり出したという感じで、この味わいも、今までのベータにはないものだ。
 これは当然、フレーム関係の軽量化が大きく寄与しているものと思われる。加えてエンジン本体にも改善の手が伸びているのだから、パワー感の改善も納得できるところだ。
 69kgという、トライアルマシンの中でも最軽量ランクに入る(諸元上、最軽量はガスガスの68kg)軽量っぷりは、乗ってすぐに実感できる感じではなかった。マシンが軽くないのではなく、安定感を狙った操安特性ゆえ、ことさらに軽さをアピールされることなく、自然にマシンを走らせることができる。もちろん、これまでとはちがう軽量ぶりは、実はなにをするときにでも変化となってライディングに現れているので、しばらく乗り続けていれば、軽量マシンの恩恵の多さにびっくり感心するにちがいない。
 2段階の切り替え式となったイグニッションのマッピングは、左側フレームにスイッチがある。特性を変化させるときには、左手を離しさなければいけないから、セクション内で変えたいときにはどうすればいいんだろうとちょっと悩むも、セクション走行中に特性を選ぶようなライダーは、スタンディングしてギヤをニュートラルに入れてフレームに手を伸ばすなどお茶のなのだろう。やりやすいのはスイッチをハンドルバーにつけることだが、不意にさわってしまうことをきらって、隠しスイッチのようにセットするのが、最近のスタンダードだという。
 キャブレターは、08モデルから採用となったケイヒンがひきつづき使われている。
 お値段は290が892,500円、250が882,000円(いずれも税込み。他に送料が10,500円必要)。今回日本に入ったのは、量産されて出荷されたものの最初の1台ずつを空輸したもので、第二陣は同じタイミングで工場を出て、すでに船便で日本に向かっているという。一般ユーザーに向けてのデリバリーは、年明け早々になるのではないかということだ。
 なお同じタイミングで、125ccも入荷される。08年は受注輸入でごく少数しか入ってこなかったが、今年は在庫として輸入するということで、こちらも楽しみ。
 ベータの125ccエンジンは、125cc仲間の中でもトルクがたっぷりなので評判が高い。その分、トップパワーが劣るというのが定評だったが、しかし08年はユースクラスでチャンピオンを獲得してしまった。あの激戦区でチャンピオンとなるくらいのマシンなら、トップパワーも必要にして充分。EVOはさらに軽量化された分、体感的なエンジンパワーもアップされているちがいない。125ccは829,500円だから、お値打ち感もある。
 ベータであって、ベータを越えたベータ。ベータファンはぜひ一度乗ってみるべし。これまでベータは苦手と言っていた人も、一度だまされたと思って乗ってみることをお勧めしておきます。

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