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2017北海道

北海道、オールクリーンのLTR、IBと雨のIA

24名が参加のIA、30名が参加のIB、そしてLTRは4名。このうち、3名のライダーが10セクション2ラップをオールクリーンした。LTRでは早々と2017年チャンピオンが誕生、そしてIAとIBでは初優勝が出た。IAは平田雅裕、IBは小倉功太郎だ。

2017北海道IA表彰台国際A級表彰台。右から平田雅裕、氏川政哉、小野貴史、武井誠也、小谷徹、村田慎示

今回のスタート順は、IB、LTR、IAS、IAの順。早いスタートのIBは、早まわりをすれば天気予報があたったとしても、雨から逃げ切れるかもしれない。LTRもその可能性はちょっとある。IAは、いつものペースを見るとIASを抜き去るのはなかなか困難だから、雨から逃げるのはむずかしそうだ。

1ラップ目、IAのトップは平田雅裕の1点だった。平田は前回初優勝した平田貴裕の兄。前回は8位で弟の初優勝を見上げることになってしまったが、今回は好調だ。しかし1ラップ目の好調が、勝利に結びつくとは限らない。今回はかなりの神経戦で、しかも大接戦だ。平田を追っての1ラップ目2位は氏川政哉で減点2、3位が小野貴史3点、4位小谷徹5点、5位武井誠也6点、6位永久保恭平8点。7位村田慎示が9点で、ここまでが一桁減点、15位でも18点という神経戦ぶりだ。

2017北海道IA氏川政哉ランキングトップの氏川政哉。1ラップ目2点ながら、平田に1点差で逃げられた。

IAの面々は、先を急ごうともがいていた。しかし目の前には緊張感を引きずって回っているIASの一団がいて、さらにすでに1ラップ目を終えて、下見もそこそこに先を急ぐIBの集団に追いつかれ、飲みこまれてしまう。概して、IAのペースはIASより早いものだが、参加ライダーのほぼ全員が、雨との競走してペースが早い。IASに追いついて追い越そうというライダーは、ほとんどいなかった。そればかりか、IASが2ラップ目を終えようとするとき、IAの最後尾はまだ1ラップ目を走っていたほどのタイミングだった。

こんな中、平田雅裕はさらにマシンに不具合が生じて、一度ピットに戻っている。帰ってきた時には、もう雨が降り始めていた。

「別世界や」

みな一様に、1ラップ目とのコンディションのちがいに驚く。1ラップ目はオールクリーンするかしないかで走っていたのに、2ラップ目は出られるかどうかというトライアルになっている。

2017北海道IA小野貴史今シーズン2度目の3位表彰台。ランキングも氏川、平田兄弟に続いて4位となっている。

2ラップ目に最小限点をマークしたのは、武井だった。武井はIAの中でもペースが早く、IASの直後にトライして回っていた。これも好スコアの要因だったかもしれない。武井の2ラップ目の減点は12点、これに次いで13点で2ラップ目を回ってきたライダーが、3人いた。氏川政哉と小野貴史、このふたりがクリーン7、クリーン4が、平田雅裕だった。雨が降って、多くのライダーが1ラップ目とは一転して5点を複数献上する中、平田は雨の中でも5点一つで走りきったのだった。トータルでは1ラップ目のたった1点の貯金が効いて、平田が氏川を1点差で下して初勝利となった。

2017北海道IA平田雅裕弟、貴裕に続いて初優勝の平田雅裕。平田兄弟、強い。

IBチャンピオンは兄が先にとり、翌年に弟がとった。IAに昇格しての初ポイントは弟が先だった。表彰台に上ったのも、弟が先。そして前回、弟が先に初優勝。いつかは兄も初勝利をするのだろうが、マシンを最新型のSC300にしてから、兄雅裕は調子を落としていた。それが周囲の心配事だったのだが……。

「新型はアルミフォークになっていて、これまでとはセッティングがちがっていたんですけど、それを知らないで今までと同じだけオイルを入れてて、つい先日弟に教えてもらった。それでセッティングをやりなおしたら、今日は絶好調でした」

弟が勝てば、すかさず兄が勝つ。ランキングトップの氏川にすれば、なんとも目の上のたんこぶの先輩兄弟となったが、しかし氏川の不幸中の幸いは、前回までポイント争いで1点差に迫られていた平田貴裕が、今回は7位と低迷したこと。これで氏川のポイントリードは、9点にまで広がった。そしてランキング2位貴裕に8点差で、雅裕がランキング3位に浮上してきた。

次の目標は、兄弟そろって表彰台、そしてワンツー、ということになるのだろうか。兄がアシスタントを務める氏川兄弟に対し、二人ともライダーの平田兄弟。兄弟同士の対決は、さてどちらが勝利するだろうか。

■レディース

レディース(LTR)は、いつものように西村亜弥が勝利した。しかし今回は、毎回狙っていてできないオールクリーンを達成、2戦を残して決定したチャンピオン獲得劇に華を添えた。

2017北海道LTR西村亜弥タイトルの決まる一戦、そしてオールクリーンをめざすべき一戦。緊張の西村亜弥。

いつもはオールクリーンを狙って、最後の最後に足が出たり転んだりしているのだが、今回はそういう心配はあまりなく、逆に、みんながクリーン可能なセクションが多かったから、ちょっとしたアンラッキーなミスでも順位に影響しそうという、そんな心配が西村を苦しめていた。

終わってみれば、2位に10点差だからまずぶっちぎり。去年に続き、開幕から5連勝で早々と2年連続全日本タイトルを決めた。もともとのレベルが高かったから、西村の圧勝は当然といえば当然だが、西村の「もっとうまくなりたい」という意欲と、その成果がしっかり伝わってくるLTRクラスになっている。

2017北海道LTR小玉絵里加2戦連続2位。勢いがついてきた小玉絵里加。
2017北海道LTR小谷芙佐子3位小谷芙佐子。ランキングは2位を守っている。

西村には届かないが、1ラップ目の2位の小谷芙佐子もクリーン7を記録している。小谷は2ラップ目に減点を増やして3位に。安定して2ラップを走り西村に次いだのは小玉絵里加だった。これで小玉は2勝3敗。初盤の遅れをとりもどして、ランキング争いも両者は2点差になっている。

2017北海道LTR寺田智恵子4位の寺田智恵子

2位争いの二人も、今回は5点が一つもなし。4位が定位置の寺田智恵子も、クリーン7をマークしてきた。参加者は少ないが、参加している4名はそろってレベルをあげてきているところが、レディースクラスのなによりの収穫ではないだろうか。

■国際B級

2017北海道IB表彰台右から、小倉功太郎、中山悟史、磯谷郁、倉持晃人、坂井柚稀、渡辺祐貴の上位6名

今回はオールクリーン勝負だ。セクションを下見して、日曜日の朝、雨が降っていなかった時点で、多くのライダーがそう自分に言い聞かせた。それでもそのとおり、誰もがオールクリーンできるわけではない。

1ラップ目、トップ10までは一桁減点でまわってきたが、1ラップ目の時点でオールクリーンは二人だけだった。ランキングトップの山中悟史と、去年の北海道で6位になった小倉功太郎だ。

オールクリーンを続けているのに加えて、小倉に注目すべきはそのペースの早さだ。雨が降る前にゴールしたいという思いは、途中、オールクリーンがもう一人いると聞いて、そこからはオールクリーン勝負になったときの対策として、積極的にペースを早めていった。小倉が2ラップ目の最終セクションにトライしたのは、IASが1ラップ目の最終セクションに終結していた頃だった。小倉のスタートは8時23分だったが、この日の小倉は2時間10分ほどで10セクション2ラップを走りきってしまったことになる。しかも一度も足をつくことなく、だ。

2017北海道IB小倉功太郎着実に上位に食い込んできていた小倉功太郎。念願の初優勝、しかもオールクリーンだ。

今シーズンの小倉は開幕戦の5位が最高位。九州大会は欠場したが、今回の勝利でランキング争いは6位まで浮上した。ランキング5位までは国際A級へ昇格できるので、この勢いが今後も発揮できれば、昇格争いはさらにおもしろいことになる。

開幕戦の勝利以来、勝利には恵まれないが、確実に表彰台にのっている山中悟史は、今回の2位でポイントリードを11点とした。前回9位となってランキング争いがつめられていたが、これで一安心か。しかしランキングの上位陣は今大会もきっちり上位につけているので、なかなか油断のできない今年のIBとなっている。しかも上位陣は、みんな10代選手だ。

2017北海道IB中山悟史2勝目がなかなかこない。でもランキングは確実にトップをリードしていく中山悟史

今回10位と出遅れたのは、九州大会で初優勝を果たした濱邊伶。1ラップ目にパンチミスがあって、同じセクションにふたつのパンチを打たれてしまった。もちろんオブザーバーのミスだが、次のセクションまでにライダーが申し出なければ、パンチのないセクションは見落としと判定されるのがルールだ。IASの吉良佑哉にもこのミスがあった。不運ではあったが、パンチをもらったときに確認すれば修正されるものだから、若い濱邊には手痛い教訓になった。これがなければ、濱邊は6位となっていたはずだったが、しかし8点の余計な減点を課せられながら、10位で踏ん張ったのは実力の賜物。濱邊の現在のランキングは5位。ランキング4位に5点差、ランキング6位の小倉には8点差。ランキング争いが、興味深い。

2017北海道IB磯谷郁1回の足つきの1点は見事だったが、今回はそれでも3位の磯谷郁

今回は、IAでは4人、IBで8人ものシーズン初ポイント獲得者が出た。IAは木下裕喜、武田呼人、池田蓮、三塚政幸。三塚以外はこれが初めてのポイント獲得だ。

IBは地元北海道の渡辺祐貴(TY-S125Fでの6位はお見事)、斉藤隆志、岡村敏美、椎根弘守、永田吉昭、西本和晃、福島秀敬、栗原賢司。15人しか獲得できないポイント獲得圏で、8人がシーズン初ポイントというのはなかなか珍しい。

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