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日本のニュース

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全日本東北SUGO大会

07SUGO黒山

 全日本選手権もいよいよ終盤戦。第6戦は、昨年までと異なり東北大会となった。スポーツランドSUGOの会場は、建築廃材などを利用した人口セクションをメインとした中杉トライアル場を中心としているが、今回は旧くぬぎ山荘の方面までコースをのばし、自然セクションの度合いが増えた。
 国際A級スーパークラスは黒山健一(ヤマハ)が小川友幸(ホンダ)に1点差で勝利した。3位は野崎史高(ヤマハ)、3点差で田中太一(ホンダ)と続いた。
 国際A級クラスは成田匠(ヤマハTYS125F)が三谷英明(ホンダ)に2点差で勝利。今シーズン4勝目を挙げた。
 国際B級クラスは負傷から復帰した藤巻耕太(ガスガス)が勝利。ランキング2位の滝口輝(ホンダ)が2位。ランキングトップの平田貴裕(スコルパ)は3位となった。
●試合現場からの実況報告は自然山速報をご覧ください。
●試合結果は自然山リザルトをご参照ください。


【国際A級スーパークラス】
 黒山健一(ヤマハ)、小川友幸(ホンダ)、田中太一(ホンダ)、野崎史高(ヤマハ)。ゼッケン1番から4番までのいわゆるニッポン四強が、きっちり四つに組んで勝負をするシーンが垣間見えたのが、今回の大会だった。
 結果表を見ると、黒山対小川、野崎対田中となっているが、序盤から中盤にかけては、四者は優劣つけがたい戦いを演じた。
 序盤は野崎だった。スタート直後にキャブレタートラブルを出して修理を強いられた野崎は、ひとりライバルの輪から遅れて走ることになったが、ライバルのいなくなった第1セクションを華麗にクリーン。このクリーンは、スースパークラスでは唯一のクリーンとなった。
 黒山は第1セクションを5点。小川や太一は2点だったから、幸先の悪いスタートとなった。しかも黒山は、続く第2セクションでも5点。ここは野崎も小川も太一も、みなクリーンをしているから、大きなハンディを負って試合を進めることになった。
「緊張していて、それで考えすぎてあんなことになってしまいました。あんなに緊張することなかったんですけどね」
 と黒山は、あとになって序盤の失敗について語った。その後黒山のペースは急速に復活するのだが、この序盤の走りは、からだのどこかに問題を抱えているのではとつい心配してしまいたくなるものだった。
 今回、スーパークラスの面々は、第1セクションで長い長い下見をした。いつも早めにトライしていく野崎を待っていたという側面もあるのかもしれないが、スタート後30分がたって、まだ誰もトライしようとしない。黒山などは、第2セクションの下見にでかけてしまった。
 最初にトライしたのは田中善弘(ガスガス)だった。5点。その後、小川友幸がトライに入った。スタートから、約50分が経過していた。

07SUGO小川
小川友幸

「ラインも決まったし、なんでみんなやらないんだろうと不思議だった。ただ、最初にトライするのはいやだったから、誰かがトライしたら入ってやろうと、それは決めていた」
 小川は第1セクションのトライ前の攻防を振り返る。むしろ、石の上に泥が乗って、グリップが悪くなるのを心配していた小川だったが、ライバルとのかけ引きはむずかしい。
 その後、第3セクションまではとんとんとトライが進んだが、第4セクションでまた動きが止まった。第2では黒山が5点になっているし、第3では黒山以外は全員が5点となった。下見が長く牽制しあうのは、セクションの難易度とは必ずしもイコールではないようだ。第4セクションでは、やはり善弘が先頭を切ってトライした。ここは黒山と小川が1点、野崎と太一が1点。オーバーハングの崖をあがり、ざくざくの斜面を上り下りする設定だったが、走ってみれば、意外といけてしまうもののようだった。
 序盤、4セクションを終わって、小川と野崎が6点、太一が8点、黒山が11点。しかしまだまだ、勝負は始まったばかりだった。
 第5セクションは、新設なったざくざくの登りセクションで、コンディションを知りたいスーパークラスのライダーは、ここでまた動きを止めてしまった。こんな中、真っ先にトライをしたのは小川だった。ところがこれは裏目。小川は5点となって、それを見たライバルはさらに慎重な下見をしたのちにトライ、黒山が1点、野崎と太一はクリーンを叩きだした。これで試合のリードは野崎がとった。野崎6点、太一8点、小川は11点で黒山が12点。いつもの試合展開とは、少し様子がちがう。
 第7セクションは、水気を含んだ斜面をがらがらと登っていく設定で、時間もぎりぎり、難度も高い。第5で5点となった小川は、ここもまたライバルに先んじてトライした。後半、時間に余裕がなくなった小川は足をつきながらマシンを送り出した。3点。その後にやってきた黒山と野崎はともにここをクリーン。太一は5点となって、野崎6点、黒山12点、太一13点、小川14点と、野崎が単独リードをかためはじめたかに見えた。しかし今日の試合は、そう簡単には終わらない。

07SUGO野崎
野崎史高

 野崎の悪夢は第8セクションで起こった。そそり立つ岩に飛びつくセクション中ほどのポイント。野崎が加速に使った岩は、その最初の瞬間に、ぐらりと動いた。それでタイミングを逃した野崎は、岩の手前で加速を中止せざるをえなかった。小川と太一はクリーン、黒山は1点。これで、トップ野崎11点から小川14点まで、4人が3点の間に並ぶことになった。
 第9セクションもまた難度の高いセクションだった。ここでは黒山のみがクリーンし、小川と太一が5点、野崎が1点となっている。黒山が、野崎に1点差まで迫ってきた。しかし野崎には、もう時間が残されていなかった。1ラップの持ち時間3時間半をすでにすぎようとしていた。野崎は最終セクションのトライを断念してゴールへ急ぐ。これで、トップの座を自ら譲り渡すことになった。
 1ラップ3時間半の持ち時間については、トップの中では、唯一小川だけがタイムオーバー減点をとらなかったが、他は大なり小なりタイムオーバーをとることになった。この、1ラップめのタイムペナルティは結果表に記載がない。結果表の書式がルールの変化に追いついていないからだけど、それもなんだかなさけない。
 タイムオーバー減点が正確につかめないので、各チームの集計はいろんな情報が飛び交った。1点をめぐる攻防をしているのに、ライバルの点数が錯綜する。いや、自分のチームの点数さえ、正確ではなかったりする。見ている側には、勝負の行方がさっぱりわからない。
 2ラップめ、野崎がペースを乱した。1ラップめの最終セクションから、なんと5セクション連続の5点だ。ただしこのうち、第1セクションと第3セクションは、全員が5点となった鬼門で、これはいたしかたない。それにしても、第2は黒山と小川がクリーン、第4も小川がクリーン、黒山が1点で抜けているから、ここでの連続5点は痛かった。
 試合中盤、勝負は黒山と小川の一騎打ちの様相を呈していた。両者の減点差は5点。5点ひとつで同点に並ぶ僅差である。黒山がクリーンすれば小川もクリーンする。ふたりの気迫と気迫がぶつかり合う緊迫した勝負が続いた。
 異変は、2ラップめ終盤の最終セクションで起こった。そこまで5セクション連続でクリーンを続けていた小川が、マーカーを動かしたとして5点となったのだ。小川にとっては認められる判定ではなかったが、2ラップめも時間は引き続きタイトだった。この判定については試合後に抗議を出すことになったが、これが覆ることはなかった。オブザーバーの判定は、尊重すべきものだ。
 これで黒山と小川の間には10点差がついた。さらに3ラップめの第4セクションで小川が5点。これで両者の差は決定的になったと思われた。
「今日はちょっと勝てないかなと、勝負を2位キープに切り替えたところはあった」
 と小川。今シーズンの小川の強さは、ここまで3勝をあげているのも一因だが、勝てなかったときに確実に2位をキープしている点も大きい。黒山が、1位でないときには常に3位に甘んじてしまっているのと対照的だ。だからここでも、小川が2位を守る作戦に出たのは当然のことだった。今日は野崎も太一も調子がいいから、油断をしていると4位まで転落してもおかしくない。
 ところが結果的には、野崎と太一は2ラップめから3ラップめにかけて大量減点をとっていた。そしてさらに、3ラップめの黒山も、思わぬ失点を重ねていた。
「3ラップめの第7セクションの5点はいただけなかった。今日は久々に練習通りの走りができていたから、あの走りは悔やまれるところ」
 と黒山は振り返る。しかもそれだけではなくて、黒山は3ラップめの最終セクションでも5点を叩いている。さらに黒山には、トータルで6点のタイムオーバー減点があった。勝利は黒山が握ったが、小川との点差は、たった1点だった。
「もっと離れているかと思っていた。この点数差を見ると、くやしさもひとしお。判定をめぐる減点もくやしいし、それ以外にもいろいろあった。自分のミスもあった。終わってみれば、勝てる試合を落としたという感じ」
 2位を守ったつもりが、結果的には勝ち逃していた。くやしい小川の3敗目は、同時に3回目の2位ともなった。黒山と小川、ともに3勝ずつ。そして小川が2位3回、黒山が3位3回。勝てなかったときの順位の差で、小川がチャンピオンシップを6点リードして、残りはいよいよ2戦を残すのみとなった。
 なお野崎と太一の戦いは、こちらもわずか3点差で野崎に軍配が上がった。トップ争いとの15点の差はつけられたものの、走りのパフォーマンスとしては同一といっていい。彼らがトップ争いのできるコンディションを仕上げてきたとき、全日本選手権はさらにおもしろくなる。

07SUGO田中太一
07SUGO井内
07SUGO田中善弘
07SUGO尾西
国際A級スーパークラス各選手(4位から7位まで)。左上から田中太一、井内将太郎、田中善弘、尾西和博



【国際A級】

07SUGO成田
成田匠

 125ccながら、成田匠(ヤマハ)のうまさは光っている。今回もまた、セクションの攻略法に悩みながら、成田は排気量に勝るライバルに勝利した。これで今シーズン4勝目。
 結果表だけ見ると、成田に敗れているライバルが減点を増やしているだけに見えるが、成田の走りっぷりについては、実際に会場に足を運んでいただくのが一番。非力な馬力を最大限に効率よく使って、不足する部分は人間の動きで補っていく。このライディングこそ、トライアルを学すべてのライダーが見習うべきものだ。
 1ラップめ、その成田を押さえて、同点ながらトップに立っていたのが宮崎航(ベータ)だった。着実な成長を続ける宮崎は、この日は2ラップめまでトップを守った。しかし3ラップめに、堪えきれずに減点を増やして成田の勝利を許してしまった。そればかりか、三谷英明、小森文彦、田中裕人(いずれもホンダ)のチーム三谷軍勢に逆転されて、最終的には5位。がまんできる時間がもう少し長くなれば、宮崎が勝利をつかむ日もそんなに遠くないかもしれない。
 4連勝した成田に対し、ランキング2位の小森は今回3位で、ポイント差は11点に広がった。分は圧倒的に成田にあるが、まだタイトル争いの真っ最中の国際A級である。

07SUGO三谷
07SUGO小森
07SUGO裕人
07SUGO宮崎
07SUGO小野
07SUGO佃
07SUGO西元
07SUGO野本
07SUGO白神
07SUGO竹屋
07SUGO斉藤
07SUGO柴田
07SUGO本多
07SUGO岡村
国際A級各ライダー(2位から15位まで)。左上から三谷英明、小森文彦、田中裕人、宮崎航、小野貴史、佃大輔、西元良太、野本佳章、白神孝之、竹屋健二、斉藤晶夫、柴田暁、岡村将敏、本多元治



【国際B級】

07SUGO藤巻

 全日本選手権デビューウィンを飾った藤巻耕太(ガスガス)が、ケガの療養から復帰した。利き腕の右の筋力がなくなってしまってまだ元通りにはなっていないということだが、ライディングには問題なし。そしてそのとおりの結果を出して、復活をアピールした。
 ランキングトップの平田貴裕(スコルパ)は、仕事疲れが残っているとかで、3ラップめに点数を増やして順位を落とした。それでも表彰台をキープしているのだから、チャンピオンの資格は充分。
 ランキング2位の滝口輝(ホンダ)は5位からスタート。2ラップめに3位にあがるも、3ラップに一気にスパート。なんと9セクションのすべてをクリーンしてみせるという快挙を達成した。しかしそれでも藤巻には3点だけ届かなかった。滝口と平田のランキングポイント差は13点。残り2戦での逆転は軌跡にも近いが、可能性は残っている。

07SUGO滝口
07SUGO平田
00SUGO荒木
07SUGO水間
07SUGO木下
07SUGO宮下
07SUGO藤原
07SUGO沢上
07SUGO村上
07SUGO岩見
07SUGO岩崎
07SUGO安岡
07SUGO橋場
07SUGO松本
国際B級各ライダー(1位から15位まで)。左上から藤巻耕太、滝口輝、平田貴裕、荒木隆俊、水間康輝、木下裕喜、宮下祥次、藤原竜、沢上祐介、村上功、岩見秀一、岩崎直樹、安岡 護、橋場祐次、松本龍二



【エキシビジョン125】

07SUGO125松岡

 今年から全日本に併催となったこのクラス。参加できるのは国際B級と国内A級の20歳未満の選手。事実上国際B級ライダーには参加のメリットはないが、国内A級ライダーにはかけがえのない経験の場となる。
 今のところ松岡一樹以外に参加者がいないのが残念だが、残念というより、参加資格を持っているライダーがいないのか、あるいは参加資格があるのに参加しないのか、前者だとしたらトライアル界全体の問題だし、後者だとしたら、貴重なチャンスを自ら逃していることになる。このクラスは、もっともっと注目されていいはずのもので、本当なら自然山通信でも表紙にすべきものだと思う。どうもすいません。
 というわけで、このクラスでし烈な争いが展開されるようになると、藤波に続く世界チャンピオンの可能性が語られてもいいかなと思うのであった。とりあえず当面の興味としては、エキシビジョンとして国際B級セクションを走っている松岡が、いつB級ポイント獲得圏相当の成績をおさめるようになるのか、ということになる。

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