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小川友幸、終盤に逆転優勝

07中国の小川

 全日本選手権第7戦中国大会は9月16日、山口県下関市員光のフィールド幸楽トライアル場で開催された。
 国際A級スーパークラスは小川友幸が優勝、黒山健一が2位、3位には田中太一が入った。
 国際A級クラスは小森文彦が2勝目。本多元治が2位、白神孝之が3位。ランキングトップの成田は5位。
 国際B級クラスは滝口輝が2勝目。藤巻耕太は2位。3位に水間康輝が入った。ランキングトップの平田は4位。
 試合速報は自然山通信速報サイトをご覧ください。
 イベント案内のエントリーリスト、スタート時刻一覧などもご参照ください。
 結果の詳細(セクションごとの結果表)やランキングは自然山通信リザルトサイトに掲載しています。


【国際A級スーパークラス】
「今回は2位キープは考えなかった。それはSUGOでこりている」
 小川友幸はきっぱり言った。前回、好調の黒山健一の前に優勝争いを自らあきらめ、野崎史高や田中太一らに2位の座を奪われないための戦いに専念した。その結果が、たった1点差で勝利を逃しての2位だった。もっと優勝にこだわっていればという悔いが残った。
 今回も、小川が2位キープの作戦に出るべきポイントはあった。2ラップめ中盤、連続して5点をとる小川と黒山の間には10点のポイント差ができていた。しかしここで、小川は勝利を信じた。
「雨が降ったり止んだりしている。コンディションが悪くなる中、ちょっとしたミスが5点につながる。健ちゃんも5点をとる可能性は大きい」
 そしてそのとおりになった。10点の大差は、黒山の5点ひとつでたちまち5点になり、次のセクションでは小川が1点で抜け、黒山はまた5点となった。セクションふたつで、10点差が1点差になっていた。
 この日、大雨を降らせるとされていた台風11号は、韓国方向に進路をそれたか、ときおり思い出したように雨をぱらつかせるものの、終日雨ということにはならなかった。しかし泥は中途半端に濡れて重くなり、走る側にとっては難度が増している。
 黒山の鬼門は、第6セクションだった。1ラップ目はスムーズにクリーンしたものの、2ラップ目は振られて登れず、3ラップ目はその2ラップめの失敗が気になってか、3点でマシンを運んでいくことになった。対して小川は、ここを3ラップともクリーンしている。ここだけで小川は8点のリードをとったことになる。奇しくも、最終結果の点差と等しい。
 小川の鬼門は第9セクションだった。タイトな助走から大岩を駆け登り、さらにヒルクライムを駆け上がる。小川は1ラップ2ラップと5点となった。黒山は1ラップめにただひとり1点でここを通過した。この日のベストラップは黒山の4点。1ラップ目のこの好結果は、第9セクションの1点が効いている。しかし黒山も、2ラップ目3ラップ目は5点。逆に小川は、ついに3ラップ目にここを3点で走破した。小川は鬼門といいつつ、黒山との点差を、このセクションではわずか2点に抑えている。
 今回、3位は田中太一が獲得した。序盤には光るところを見せる田中だが、中盤から終盤に減点を増やして表彰台を逸するパターンが多かった今シーズン。今回もパターンとしては同様だが、シーズン初の表彰台獲得だ。3ラップ目に5点を多発していなければ、もう少しトップ争いに近づけたろうことが悔やまれる。
 逆に今シーズン初めて表彰台を逃したのが野崎史高。雨が降る予測のもとに早まわりをしてライバルの鼻を明かす作戦に出たが、それが1ラップ目に減点を重ねる結果となってしまった。さらに野崎の不幸が、雨がそれほど多くは降らなかったことだ。ライバルが1ラップ目の終盤にさしかかる頃、野崎は2ラップ目の終盤に入っていた。終わってみれば、田中とは4点差。ちょっとくやしい4位となった。
 さて、残る全日本は1戦。小川と黒山の間には、9点のポイント差がある。黒山が優勝しても、小川が5位なら小川のタイトルが決定する(同点で2位入賞回数が小川のほうが上となる)。今回のA級スーパークラスには7人の参加しかなく、完走すれば全員にポイントが与えられるから、小川が5位以下に落ちるということはまずありえない。ふつうに考えればすでに勝負あった、なのだが、勝負は最後の最後まで、なにがあるかわからない。それは、最後まであきらめずに勝利を得た小川が、一番よく知っている。

○小川友幸のコメント
1ラップ目の第3セクションでミスして5点は大きかった。あれで黒山選手にペースを作られて、調子を上げられてしまった。一時は2桁になるほど点数を離されてました。それから雨が降って、セクションがむずかしくなったので、ワンミスが5点につながる。黒山選手のミスで逆転もあると、あきらめずに走りました。それが勝利につながったと思います。ポイント差は9点。かなり気持ちが楽なりました。でもあと一勝したい。最終戦は地元での開催です。ぼく、地元で勝ったことがないんで、応援してくれている地元の人たちの前で勝ちたいです。今回は大きな一勝になりました。
○黒山健一のコメント
前半は割といい感じで走れましたが、試合が進むに連れて乱れてきました。2ラップ目の第5で失敗してから特に乱れましたね。続く第6も失敗。雨でドロドロになったラインがいやでした。やられてしまいました。でも、中途半端に終わったわけじゃなくて、やるべきことをやって終われたので良かったですよ。その結果、ぼくより小川さんのほうがよかったわけです。次回は小川さんの地元の中部ですね。ぼくが勝てたら勝率だけでも並べるので、がんばります。タイトルのことは、すでに他力本願になっているので、欲は言いません。
○田中太一のコメント
結果的に3位、久々の表彰台獲得ですけど、点数的に2位に詰め寄れなかったのが残念でした。2ラップ目、クラッシュばかりです。3位をキープしているとは思っていなかった。後半は、雨がふったりやんだりで、あれもきびしかったですね。後半雨の中を走りながら、雨の内タイミングでは知っていた野崎が少しうらやましかった。でもまずは3位に戻れてよかったです。

07中国黒山
07中国太一
07中国野崎
07中国井内
07中国善弘
07中国尾西

国際A級スーパークラス各ライダー(2位から7位まで)。左上から黒山健一、田中太一、野崎史高、井内将太郎、田中善弘、尾西和博



【国際A級】
 成田匠が5位に沈んだ。開幕戦で4位だったときには、125ccでよく4位に入ったという印象だったが、その後125ccが国際A級で勝てるマシンであるのを見せつけられると、5位はらしくない低迷の結果に思えてくる。
 しかし、成田匠といえど、も125ccを国際A級のセクションで走らせるのは簡単ではない。125ccの可能性が、常任の考えているものよりもはるかに大きいことは、国内では成田や藤巻(国際B級)、国外ではユース125クラスの選手の活躍っぷりを見ても明らかだが、可能性だけで勝負に勝てるものではない。ライバルが、エンジンパワーに任せて安心していられる場面でも、成田のみは必死でマシンを運ばなければいけない。その結果出てくるミスを、最小限に抑えることで初めて勝利が手に入る。
 中国大会での成田は、2ラップ目にふたつの5点で順位を落とした。どちらも1ラップ目にはクリーンしているセクションだったが、壁のようなヒルクライムを登りつめるセクションだったから、125ccには厳しい場面にはちがいなかった。勝利は無理にしても、これがなければ表彰台の可能性は充分にあったのだ。
 というのも、今回のセクションは、意識して難易度が低くなっていた。台風11号の接近で、当日は大荒れになる予定だった。だから最初から雨仕様のセクションが用意されていたのだ。ところが、雨はほとんど降らなかった。下見の長いスーパークラスは後半やや雨模様の時間があったが、ペースの早いA級では雨はほとんど無縁だった。オールクリーンが目標の試合展開で、1ラップにふたつの5点は致命的だった。
 その成田の失速はあったが、しかし小森文彦の勝利は素晴らしかった。1ラップ目は文句なしのオールクリーン、2ラップ目、3ラップ目に1点ずつを失点して、あわせて2点。このところ、追い上げパターンの試合が多い小森が、最初から勝利に向かってつっ走った。堂々たる、見事な勝利だった。
 この勝利は、ランキングを争ううえでも重要なものとなった。小森が20点を加え、成田は5位で11点にとどまった。今回だけで、一気に9点点差を縮めた小森は、ポイントテーブルで成田に2点差に迫ってきた。成田の連勝でタイトル争いからは一歩後退していた印象のあった小森だが、安定して上位に入っていた戦いぶりがきちんと生きた。最終戦、国際A級のタイトル争いは、し烈だ。

○小森文彦のコメント
久しぶりに優勝できて嬉しいです。最近は1ラップ目が悪くて追い上げることが多かったんですけど、今日は1ラップ目からオールクリーンを出せました。その後ミスはありましたが、大きな失敗がなくてよかったです。ミスを誘うようなセクションが多かったので、ライバルとの戦いというより、自分との戦いとなりました。ちょい足を出さないよう、がまんのトライアルです。特に勝ちは意識してませんでしたが、自信はありました。残り1戦。さらに気合い入れて挑みます。

07中国小森
07中国本多
07中国白神
07中国三谷
07中国成田
07中国竹屋
07中国宮崎
07中国野本
07中国柴田
07中国永久保
07中国小野
07中国西元
07中国小谷
07中国岡村
07中国砂田

国際A級各ライダー(1位から15位まで)。左上から小森文彦、本多元治、白神孝之、三谷英明、成田匠、竹屋健二、宮崎航、野本佳章、柴田暁、永久保恭平、小野貴史、西元良太、小谷徹、岡村将敏、砂田真彦



【国際B級】
 滝口輝が2勝目をあげた。前回の勝利は藤巻耕太が負傷して戦列を去った新潟大会でのことだったから、今回初めて藤巻を抑えて勝利を飾ったことになる。藤巻は、第2戦九州で平田貴裕に敗れて以来の2敗目。
 それにしても、レベルが高いトップ争いだった。滝口と藤巻はたったの3点で同点。クリーン数の差で滝口の勝利が決まった。藤巻は1点が3つ、滝口は1点と2点がひとつずつだ。
 1ラップ目は、滝口と平田がオールクリーンした。しかし平田は2ラップめに5点、3ラップめに6点。最終的に4位まで順位を落としてしまった。3位に入ったのは、ベテランの水間康輝だった。
 終盤に来てのランキング争いは、ここでもおもしろいことになった。途中欠席のあった藤巻が、ランキング3位に浮上。もっとも藤巻にはもはやチャンピオンの目はない。タイトルの可能性があるのは、平田と滝口の2人である。両者のポイント差は6点。滝口優勝、平田3位なら滝口の逆転チャンピオンとなる。一方、最終戦は平田の地元でもある。仕事と遠征の長旅で疲れが試合にでている平田にすれば、最終戦は楽な戦いになる。これに藤巻がからんで、最終戦の争いは、A級のそれ以上に、興味深い。
 なお今回の結果で、A級昇格の顔ぶれがだいぶ決まってきた。平田、滝口はもちろん昇格決定。さらに藤巻、村上功、荒木隆俊、水間康輝も昇格を決めた(もっとも藤巻、村上、荒木はランキングポイントが1点刻みだから、し烈なランキング3位争いではある)。残る昇格キップはあと2枚。計算上はランキング7位の椎根弘守から16位の木下までに、A級昇格の可能性が残っている。

○滝口輝のコメント
セクションが簡単で、高いステアケースもなかったので、ミスをしないように心がけました。滑るところでの失敗には特に注意したんですが、そういうところでやっぱりミスしちゃいました。減点は不注意の結果です。今シーズン、中盤あたりでは、勝つことを意識してあまり楽しく試合ができていなかったんですが、後半戦は楽しみながら走れています。そしたら調子もあがってきたきました。

07中国滝口
07中国藤巻
07中国水間
07中国平田
07中国上福浦
07中国大田
07中国村上
07中国椎根
07中国荒木
07中国薄井
07中国中野
07中国三浦
07中国坂井
07中国沢上
07中国前間

国際B級各ライダー(1位から15位まで)。左上から滝口輝、藤巻耕太、水間康輝、平田貴裕、上福浦明男、大田裕一、村上功、椎根弘守、荒木隆俊、薄井修、中野禎彦、三浦直喜、坂井裕輔、沢上祐介、前間元気

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