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日本のニュース

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黒山5連勝。足つきは1回だけ

1209第5戦の黒山健一

 9月9日、全日本選手権中国大会。会場は5年ぶりとなる山口県下関市フィールド幸楽トライアルパーク。広大なエリア、変化に富んだ地形で、気持ちも広々としてくる。
 スーパークラスは黒山健一がまたしても圧勝。1ラップ目に第4セクションで1回の足つき、2ラップ目は11セクションまですべてをクリーンしていながら、最終12セクションでテープを切って5点。2セクションによるSSはふたつともクリーンと、他のライダーをよせつけない走りで勝利した。
 現在、黒山の選手権ポイントは100点で2位の小川友幸が79点。このポイント差を維持すれば、黒山の11回目のチャンピオン決定劇は次の中部大会で見られることになる。
 国際A級は成田匠がガスガス・ランドネで初勝利。国際B級は武井誠也が3勝目。ランキング2位とのポイント差をダブルスコアとして、2戦を残して早々とシリーズチャンピオンを決めている。


 第2セクションをクリーンしたのは黒山健一、ただ一人だった。野崎も二人の小川も、みんな5点。友幸は、アウトしていながらカードに接触しての5点だった。しかし5点は5点だ。
 しかし、ここまではそんなに珍しいことではない。黒山とて、そうそう完璧な試合運びで勝利ができることは、そんなに多いわけではない。誰もがいけないところをクリーンしたと思ったら、意外なところで失点をして、そんな攻防を1日に渡って続けていって、最後に勝利をつかむのが、黒山の多くの勝ちパターンだ。

1210JTR5小川毅士

 第3セクション、ここで毅士がクリーンを出す。黒山はクリーンだが、野崎が3点、友幸は2点。1枚の切り立った岩から降りる時にアンダーガードがひっかかって前転気味になってしまう。野崎と友幸も、そんな状態になってしまった。
 しかし次の第4セクションで、黒山が1回の足つきを見せた。足が出て、いかにもくやしそうな声が出た。岩にのった時の、わずかなバランス修正で出た足だった。ここは野崎と毅士がクリーン。友幸は黒山と同じく1点。4セクションを終わって、黒山が1点、毅士5点、野崎と友幸が8点。じりじりと黒山がライバルを引き離し始めてきている。
 土曜日に下見をした段階では、オールクリーンが夢ではない神経戦という予想になった。オールクリーンは運不運もあるのでそうそう簡単にできるものではないが、3点でようやく抜けるとか、みんなが抜けられないかもしれないというセクションはほぼないということだ。黒山以外のトップ4がみな5点となった第2セクションも、黒山にしかいけないセクションではなかった。2ラップ目には宮崎が3点で抜け、田中善弘がクリーンしている。

1210JTR5小川友幸

 4セクション以降、次々にクリーンをしている野崎に対し、友幸は2セクションから6セクションまでクリーンが出ず。2点、1点、1点……と細かい減点が続いてしまった。しかし5点にはならないことで「不調からは抜け出したんじゃないか」とアシスタントの田中裕大が言う。毅士は岩場の続く第5で1点を失っただけで第8までにクリーン6個を積み上げた。
 第9セクション。前日の雨で閉鎖にしようかという話にもなった、一番奥のセクションだが、当日は天候の回復が早く、閉鎖がまぬがれたセクションだ。ここで野崎と毅士が5点。細かい減点のトータルが5点となっていた友幸はここをクリーンして、ふたりに追いつくことができた。3人による2位争いは、たいへんな接近戦だ。
 とはいえ、黒山は一人クリーンを続けているから、トップとの差は開くばかり。9セクションの時点で、黒山1点、友幸10点、毅士11点、野崎13点。黒山が崩れなければ、試合は動きそうもない。
 しかしその後に崩れていったのは黒山を追うべき友幸だった。ラップ後半の10、11セクション、黒山、野崎がクリーンをしたのに対して、友幸は1点、5点。最終12セクションはクリーンしたが、野崎に逆転を許してしまった。
 最後まで集中してセクションに取り組んでいたのは毅士だ。10セクションを1点で抜け、11セクションをクリーン。友幸が5点になったから、毅士はこの時点で2位に浮上した。ところが、この頃トップグループは1ラップ目の持ち時間が残り少ないことで、ペースを早めてセクショントライをし始めていた。毅士は、その波に乗り遅れてしまった。同じ時間帯に走っていたら、スタート時間が早い毅士の方が残り時間は少ない。残り時間わずかで、毅士は最終12セクションを申告5点でパスすることにした。それでもタイムオーバーの1点が加算された。トップはここをみなクリーンだから、ここで6点のハンディをもらうことになり、2位から4位に滑り落ちてしまった。以後、毅士が流れを再び自分のものにできることはなかった。2ラップ目は、トップ3がみな一桁減点で回ってきたのに対し、毅士だけが1ラップ目より減点を増やしてしまっている。戦い方がまだ甘い、まだ弱いと、毅士自身も認めている。実力がきっちり出せれば結果は変わってくるのだろうが、トライアルがむずかしいところは、そこだ。
 さて黒山は、結局1ラップ目の減点は第4セクションのちょん足ひとつだけだった。これは2ラップ目にオールクリーンができるかもしれない。アシスタントの二郎によると「本人はしてやろうと思ってるでしょうね。減点するとしたら、1ラップ目に足をついた4と最終の12セクションくらいかな?」と言っていた。さてラップオールクリーンはできるだろうか。
 黒山以外のトップ4は、第2セクションをまたも5点となって、黒山との点差をますます広げてしまった。第2の5点以降、細かい減点が続いた1ラップ目の友幸も、今回はきっちりクリーンを続けている。逆に野崎が、ぽろぽろと減点している。第7セクションで毅士が5点。そろそろ2位争いが野崎と友幸の二人に絞られてきた。

1210JTR野崎史高

 野崎は第2の5点以外に、3つの1点で2ラップ目を終えた。小計8点。友幸は第2の5点以外には、最終セクションでの1点のみだった。小計6点。1ラップ目の減点を足すと、野崎が21点で友幸が22点となる。残り2セクションのSSが勝負だ。毅士は2ラップ目に21点を失い、2ラップを終えた時点で3位にはとうてい届かなくなってしまった。
 2ラップ目の黒山健一は絶好調だった。1ラップ目に足をついた第4セクションもクリーンして、次々にクリーン。そのまま最終セクションに到着した。ここをクリーンすれば2ラップ目はすべてクリーン。ところが、最後のポイントに上る直前、後輪がテープを切って5点となってしまった。最後の最後で5点。黒山の2ラップ合わせての減点は、6点となった。2位の野崎とは15点差だから、SSの2セクションを待たずに優勝は決まった。しかし黒山は「まだ決まらないでしょ」と勝利が決まったのを知りたくない様子。試合はまだ終わっていない。
 SSのふたつ。ひとつめは比較的平坦な沢登から、最後に3メートル近い崖登りをする。ふたつめはコンクリートブロックのコンビネーションで、ポイントの多い設定。ひとつひとつのポイントは絶望的に高いことはなさそうだ。SSというと、ダイナミックでポイントの絞られた設定となることも多いが、このSSはトライアルらしいセクション設定だった。
 SSの第1は、比較的抜けやすかった。リザルトを見ると、くしくもこのセクションの減点が総合結果の順となっている。クリーンは3名。その3名が表彰台に乗った。1点は一人。その小川毅士は3位にも5位にも15点以上の差があるひとり勝負になっている。3点は3人。単独5位の田中善弘と、6位争いの野本佳章、斎藤晶夫の二人だ。5点は3人。この3人の中に、柴田暁も入っている。柴田はいつもなら5位をがっちり守るポジションにいるが、今回は8位と低迷した。象徴的だったのが、このSS第1だった。
 最後のSSは、入口がまず高かった。しかしここで友幸が5点になってしまったのは意外だった。本人もどうして登れなかったのかわからない、という。これで事実上、2位争いは決着した。野崎がSS2で5点となっても、すでに友幸の逆転はあり得ない。最終結果は3点差だったから、結果、友幸はここを1点で抜けていたら、2位入賞のチャンスもあった。
 しかしこのセクション、入口での5点はともかく、抜けられたライダーはごくわずかだった。野崎と毅士が3点で抜けた他、黒山以外はすべて5点だ。

1210JTR5黒山賢一

 クリーンは黒山一人だけ。クリーンでアウトした黒山は、頂上でこぶしを上げて雄叫びを上げた。勝利の雄叫びかと思いきや、それはこのセクションを自分が思った通りのライディングができたことの歓喜だった。黒山といえど、イメージどおりの完璧な走りができることは、めったにない。今の黒山は、そんなイメージ通りのトライを、どれだけたくさんできるか、ということになってきた。
■国際A級

1210JTR5成田匠

 セルモーターつきの入門用マシンガスガス・ランドネ。成田匠がこのマシンを走らせ始めたのは、去年の北海道大会からだった。排気量をあげ、これまでに得ているノウハウを注入して戦いに挑んでいたが、なかなか最上の結果は得られないでいた。マシンのセットアップも難問ながら、150ccクラスでIAのセクションを走るというのは、なかなか厳しい。今回も「どのセクションもいけるのかなぁというぎりぎり」という設定で、2ラップを走り終えた成田は、すべてを出し尽くした感じだった。
 1ラップ目は減点8。それ以上に、5点がひとつもない内容が素晴らしかった。2ラップ目は5点をふたつとってしまいリードがあやぶまれたが、2位の加賀国光も2ラップ目の追い上げは容易でなく、1ラップ目のリードをそのままに成田がランドネを初勝利に導いた。
 成田亮と加賀のランキングトップ争いは変わらないが、成田匠がランキング3位に浮上した。成田亮と加賀のトップ争いは4点差。残り2戦。チャンピオン争いはなかなかしれつで興味深い。成田亮は2ラップ目が悪くて8位となっている。
 砂田は初表彰台をゲットした。
■国際B級

1210JTR5武井誠也

 北海道で大神に敗した武井だったが、やっぱり強かった。1点1点5点と滑り出しはいいとは言えなかったが、その後しっかり点数をまとめて勝利。1ラップの小計の9点(2ラップとも)は参加者中ただひとりだ。
 試合の結果もぶっちぎりだが、ランキングでもぶっちぎり。今回の試合を終えて、ランキング2位の岩田悟(今回は4位)に46点差。ちょうどダブルスコアだ。残り2戦を待たず、2012年チャンピオンを決めた。
 武井自身は、次の勝利、さらに翌年のことを見すえてトライアルに取り組んでいるようだ。小気味よいマシンさばき、堂々たる試合運び。上級クラスでどんな結果を残してくれるのか、今から楽しみだ。

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