2017年11月
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    2017.11.04

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    2017.08.17

    9/3寅吉カップ

日本のニュース

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APE50の乗り味

APE50Trial

 このマシンは、とりあえず市販の予定はまったくない。試しに作ってみて、乗ってみたというテスト車です。正式な試作車じゃないから、たまたま出会った時に、ちょっと乗せてねというと、乗せていただける。で、乗せてもらいました。
 ご存知の方はご存知と思いますが、このマシンは、2005年イーハトーブトライアルでデビューしたAPEトライアル50です。2004年にはAPEトライアル100が走りましたが、1年遅れて、50ccバージョンが登場したわけ。
 で、50ccのトライアルマシンのこと、こういうスタイルのマシンのことなど、つらつらと考えてみました。

えいや登り

 なんせ4ストロークの50ccです。最近、従来の4ストロークの概念を打ち破る高性能マシンが次から次へと出てきていますが、これはよくも悪くも従来の4ストロークです。エンジンにてんでパワーがないしパンチもない。どうしてAPEトライアル50を作ったかと聞いてみると、製作者の丸山さんは、50ccが製品ラインアップにあったからということです。
 50ccがどれだけ走らないかは、ちょっと知ってる人なら、誰でも知ってます。トライアルなんか、まるでできないというのが一致した意見です。それも、2ストロークのTLM50で得た意見だったりするので、4ストロークの50ccだと、どうしようもないレベルです。
 だから、覚悟して乗ってみました。ちょっとした坂道も、登れないのではないかとびくびくしながら、慎重に下見して走ります。このマシンには、イーハトーブのときにちょっと乗せてもらったけど、セクショントライをさせてもらうのは今回がはじめて。平地をくるくる走り回ってみるのと、形だけでもセクションを走るのでは、印象がまるで変わってきます。とりあえず、運転手の緊張感がちがう。
 今、ぼくらが乗っている外国製トライアルマシンと比べると、まずブレーキがきかない。前後ドラムだからという理由もあるけど、スピードがない領域では、地球上のあらゆる乗り物より、トライアルマシンのブレーキはよくきくから、こんなものだとおもうしかない。ふつうの人にはじめてトライアルマシンに乗せると、ブレーキ使えなくて転んだりする。このくらいのブレーキのほうが、安全かもしれない。

岩場を走る

 次は、タイヤだ。APEトライアルは、フロント19インチ、リヤ17インチ。トライアル専用タイヤは存在しないので、台湾製オフロードタイヤがついている。乗せてもらったのはいいお天気の日だったから、特にタイヤがだめで走れなかった感じはしないんだが「フロントタイヤが滑ったら岩を転げ落ちるだろーなー」と不安になってしまうというネガティブ要素はあった。日ごろミシュランラジアルで楽をしているから、ふつうのタイヤがこわくなっちゃうのだ。なさけない。
 このマシン、基本アライメントはFCR100(XR100)そのまんまなので、タイトターンではステアリングが切り込んでいく特性がある。駐車場でぐるぐる走るととっても気になる特性だが、岩ごろごろのセクションでは、あんまり気にならなかった。それどころじゃないのだ。
 上り坂では、エンジンを全開にしておいてそーっとクラッチをミートさせてスタートする。笑わないでください。その瞬間、ぼくは藤波貴久になった気がした。ふつうのトライアルマシンで フジガスのまねをすると、あまりのパワーにびっくらこいてしまうが、50ならそんなことはない。全開のままでもスピードはたいしたことないし、パワーもなんとかコントロールできそうな感じ。エンジンも全開域になると、レスポンスがおとなしくなって、コントロールも楽になる(しょせん50ccだからってのが大きいんだけど)。50cc全開というのは、これはこれでなかなか新鮮なトライアルだった。
 といっても、上り坂がなければ、ふつうにアクセルワークをしていればこの小さなマシンはけっこう走る。いまどきのトライアルは急坂や岩登りがないとトライアルと認めてもらえない傾向があるけど、みんながAPE50に乗ったら、もっと平らなところで勝負ができるにちがいない。
 このマシン、フレームはAPE50そのまんまだが、足回りなどは、CRF100のものを流用している。というか、車体まわりはCRF100そのまんまだと思っていい。燃料タンクは斬新なスタイルのソロのものを使い、シートとリヤフェンダーはTLR200のものを流用した。新たに作ったのは、左右のフットレストブラケットくらい。APEトライアルは、わりと簡単につくれちゃうマシンなのだ(ポルトオンで作れるような簡単さではないから、ほんとに作ろうとする時には覚悟を決めてね)。

丸さんと
このマシンの生みの親、丸山さん

 さて、ではこのAPEトライアル、市販の可能性はどれくらいあるのか。簡単に作れるし、今すぐにでも市販できそうなスタイルをしているのだけど、期待を持たせるとがっかりされるから、辛口で査定してみます。今、トライアルをやっている人で、このマシンを買おうという人は皆無でしょう。だって、APEよりもモンテッサやガスガスのほうが快適にトライアルができる。わざわざ苦しもうという人はなかなかいらっしゃらない。
 では、これからトライアルを始めようという人はどうか。このマシンでも、きちんと練習方法がわかっていれば、初級者向けトライアル大会だったら楽しめるようにはなるんじゃないかと思います。だけど「それじゃトライアルにならないよねー」という声にも耐えなければいけないし、たぶんあと10万円くらい出すとTY-S125Fが買えるとなると、やっぱりそっちに流れてしまうような気がする。
 だとすると、このオートバイがもしも万が一市販されたとしたら、これを買ってほしいのはトライアル志願者ではなく、渋谷原宿を流したい若者たちか、オフロードの入門用に足の届く軽量マシンがほしい人たち、それに、オフロード遊びにちょっと興味のある、バイク通学が禁止でない高校生や大学生などではないかと思います。つまり、トライアルとは、あんまり関係ない。
 APEトライアルが、イーハトーブでデビューして、トライアル畑でひっそりとお披露目をしているのが、なんとももったいない。丸山さんも「APEトライアル、なんて名前がよくなかったかなー」なんて言ってたので「オランウータン」という名前を提案しておきました。APEとは類人猿。ホンダの50ccシリーズはモンキー、ゴリラ、エイプ、ダックスと、伝統的に犬や猿なのだ。
 北京原人でもピネカントロプスでもなんでもいいから、ふつうにオートバイ屋さんで買えるトライアル“ごっこ”のできるオートバイ、登場しないかなぁと、APEトライアルで遊んでいると、ますますお願いしたくなるのでありました。

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