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    2017.08.17

    9/3寅吉カップ

日本のニュース

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全日本第7戦

 黒山健一、小川友幸3勝ずつで迎えた全日本選手権第7戦中部大会国際A級スーパークラス。勝利したのは黒山健一。終わってみれば、まったくあぶなげのない勝利だった。2位は田中太一との接戦に競り勝った小川友幸。
 国際A級は白神孝之が今シーズン初優勝。国際B級は平田雅裕が今シーズン3勝目を飾って、最終戦をまたずにシリーズチャンピオンを決めた。


 全日本もこの中部大会を含んで残り2戦。黒山vs小川の戦いは、ここで小川が勝てば最終戦に向けてタイトルの望みも出てくるし、黒山が勝てば、7回めの全日本チャンピオンは目前となる。
 会場は去年に続きキョウセイドライバーランド。かつて、伊藤敦志全盛の頃に全日本が開催されていた会場が、再び脚光を集めている。岡崎市からほど近く、トライアルに適した地形がたっぷり。加えて、去年から実験的におこなっているスペシャルセクション(SS)は、従来のトライアル競技のシステムとちょっと異なり、トライアルを初めて見るようなお客さんにその魅力をアピールする。さらに中部大会は、いつもの全日本とちがってセクションが多い。SSを始める以前は15セクション2ラップと、世界選手権と同じだった。今は13セクション2ラップに、SSが3セクション(国際A級スーパークラスのみ)となっている。
 お客さんたちは、スーパークラスのライダーのライディングに歓声を上げるが、ライダーにとっては、たとえそれが走破不可能に見えても、うまくいってあたりまえ、足つき1回でも痛恨の極み、まして5点にでもなれば取り返しがつかないという思いで試合を戦う。デ・ナシオンで好調な走りを見せ、そろそろ全日本でもいいところを見せたい野崎史高は、第2セクションにして減点5。マーカーを後輪で飛ばしてしまうという不幸。ゲートマーカーが乱立している全日本では、マーカーに触らないように走るテクニックが、いわゆるトライアルテクニックとは別個に必要となる。そういう意味では、マーカーを飛ばした、マーカーに触れたという失敗は、不運などではなく、今の全日本ではルールに基づいた勝負どころなのかもしれない。
 5点ひとつで勝負の行方が決定するわけではないが、実際のところ、野崎はこの5点で波に乗りそこねて、そこここでいい走りを見せながらもトップ争いからは後退していった。野崎はここ2年、最終戦菅生大会で勝利しているが「菅生では2連勝していることは忘れて、いい走りができるように努めたい」と語った。走り自体は、SY250Fに乗りはじめた初夏の頃からは劇的な進化をとげている。成績がついてくるのはいつになるか。
 トップ争いは、黒山、小川、田中(太一)の3人に早くも絞られた。最初に足をついたのは太一。第2セクション、ちょっとした岩に駆け登ったときに後輪を滑らせたのだが、これはまだ致命傷ではない。第3では太一、小川ともに1点。二人友惜しい足つきだったが、小川はこれをこらえたら谷側に落下する恐れもあったから、1回の足付は賢明だった。問題は、黒山がまだ1回も足をついていないことだ。
 黒山にとって、今回の1戦は2006年チャンピオンに向けての道標のみならず、ヤマハのお膝元での戦いという点でも重要だった。これまでも、黒山はイタリア大会でよい成績を残すことが多かった。それは古巣ベータのお膝元だからだったのではないか。お膝元だから、応援してくれる人も多い。そんな中では、なおのこと負けられない一戦というわけだ。
 黒山オールクリーンに対して、小川と太一が1点と2点で試合が進んでいく。ひとつのカギとなったのはそそり立つ大ヒルクライムの第7セクション。こういうところは、大排気量の2ストロークマシンより、なぜか4ストロークエンジンのほうが走破力がある。その独特のグリップや出力特性が生む結果なのだろう。しかし、4ストローク勢の中にあっても、黒山のDOHCエンジンはまた別格。余裕を持って駆け上がっていく。ここを2ラップともにクリーンしたのは黒山だけだが、2ラップともに減点のあった小川に対し、ヤマハDOCH勢は成田匠が2ラップ目にクリーンを出すなど、さすがツインカムエンジンの面目躍如といったところ。2ストローク勢は、全滅した。
 いよいよ黒山優位かと思われた第9セクション。黒山がこの日初めての5点をとった。ここは田中義弘や尾西が3点で抜けていたところで、トップグループにとっては、足つきを許すなら、そんなにむずかしいセクションではないと思われたのだが、成田、野崎の3点のあと、黒山は頂点でひっかかって横に落ちてしまって5点。

 この時点でここまでのトータルは小川、太一ともにが3だったから、一発逆転のチャンス。そしてクリーンを狙った小川は、黒山と同じように5点となった。足をつきにいくのとクリーンをねらうのとでは、得られる効果もちがうが、リスクの大きさもまったく変わってくる。最後にトライしたのが太一。二人の失敗を見ても、まったくひるむことなく正面突破。惜しくもその先で1回の足つきがあったが、見事な1点。これで太一が試合のリーダーとなった。さらに11セクションで黒山が1回足をついて、太一のリードは2点、黒山と小川も2点差と、6点の中に3人がきれいに並んだ。
 しかし太一のリードも長くは続かず。12セクション、太一はあと2メートル、いや1メートル及ばずにタイムオーバーの減点5。あと数秒、足をついてマシンを先に進めていたらと悔やまれるが、それは結果論だ。これでトップは再び黒山。2位も小川が返り咲いた。
 2ラップ目、1ラップ目に痛恨の1点だった第3セクションで、小川は3点を失った。これで小川は再び3位転落。黒山は、1ラップ中盤から2ラップ目、まったく足をつくことなくセクションを回っている。小川は1ラップ目に失敗した第9セクションで再び5点となって、黒山とは11点差、太一とも7点差。追いつこうとクリーンをねらって、さらに点差を広げてしまうという悪循環だった。
 ところが終盤、最後のドラマは田中太一の悲劇だった。11セクション、1ラップ目に黒山がバランスを崩して1回の足つきをした岩登りのセクションで失敗、ふたつめの5点をとってしまった。しかしこの次点ではまだ小川に2点差の2位を守っていた。この5点の影響があったか否か、1ラップ目にタイムオーバーとなった12セクションで、今度はカードに触って5点。試合終盤にして、一気に10点を失うことになった。
 6時間の持ち時間の中、去年とちがって自分のペースでSSにトライできるようになった今年の中部大会のシステム。結果的には、スーパークラスの9名のライダーは、ほぼ同じ時間帯にSSをトライし、ギャラリーは9人のトライを見逃すことなく満喫できたはず。
 ここでは、小川が細かいミスを出して1点ふたつ。しかし黒山と太一は3セクションともにきれいにクリーンした。SSは大迫力のセクション群が揃っているが、難度という点では、13のセクションが勝っていたようだ。SSは逆転の可能性もある最後の勝負どころと位置づけるのか、観客サービスに主眼を置いたスペシャルセクションなのか、よいアイデアで将来性のあるシステムだけに、今後ちゃんとした方向性を議論がされていくのではないだろうか。

 今回は、SSでの逆転劇はなかった。小川の足つきで、太一は1点差まで迫ったものの届かず、くやしいくやしい3位となった。小川は2位は得たものの、黒山と8点差の2位。ランキングポイントも、11点まで広がった。
「タイトル獲得は正直なところ不可能に近いので、タイトル云々ではなく、最終戦では今年の集大成としてしっかりした走りをしたい。今回で黒山選手が4勝をあげたから、ぼくもぜひその勝利数に並びたい」と小川。
 一方黒山は「菅生は、この2年続けて負けているし、なぜかあまり勝てない試合。だから次は、ぜひ菅生でちゃんと勝ってシーズンを終わりたい」と最終戦への抱負を語った。
 実は黒山は、第4セクションでこのところ持病となってしまった肩をまたまた脱臼。しかし今度はセクションの中ではずれかけた肩を自力で元に戻し(肩をぐるぐる回すことで入ったとのこと)クリーンでアウトしてしまった。肩のはずれる兆候もわかってきて、はずれそうなところで対処することもできた。ケガとつきあわせたら、黒山の右に出るものはない。北海道では序盤の脱臼で試合を失ったが、今回は脱臼も黒山の敵ではなかった。
【国際A級】

 田中裕人、寺沢慎也、加賀国光ら、しばらくぶりの顔が散見された今大会。特に寺沢は、デモ中の不幸の事故から4年ぶりの参戦。足に不自由は残るし痛みもあるといいながら、素晴らしい走りを見せてくれた。
 今回優勝は白神孝之。去年は全戦参加がかなわなかったが、今年は北海道大会にも参加ができた。しかしここまで勝利なし、それどころか無得点もあるという苦しいシーズンとなってしまった。白神らしい走りを取りもどしての勝利だった。
 2位は第1戦真壁以来の好成績、本多元治。3位はタイトルの可能性が残る三谷秀明だったが、三谷はHRCの開発の激務でお疲れ模様。休みをとりつつのセクショントライとなっている。
 チャンピオン候補の小森文彦は今回はどうしたことか8位。最終戦菅生では、3位に入ればチャンピオンが決まる。今回、竹屋健二が13位と大きくはずしたので、小森か三谷、チーム三谷のどちらかがタイトルを獲得するのは決定した。
【国際B級】

 平田雅裕がシーズン3勝目。序盤の乱れから、特に2ラップ目後半は見事なクリーンの連発で勝利を得た。
 チャンピオン争いのライバル志津野佑介が今回12位と低迷したので、平田は最終戦を待たずに今シーズンのB級チャンピオンを決定した。
 A級昇格をかけた争いはし烈。ボーダーラインのランキング8位には、大澤一が入ってきた。開幕戦の覇者荒木隆俊は2戦続けて無得点でランキング9位。A級昇格に赤信号がともっている。計算上は、ランキング10位の村上功、宮下祥次、ランキング12位の水間康輝までが昇格の可能性を持っているが、最終戦が注目。平田、志津野、そして兼松誠司の3人が、A級昇格を決めている。
速報記録は
http://www.shizenyama.com/i/
をご覧ください。
試合結果は
http://www.shizenyama.com/archives/results/cat9/
をどうぞ。

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