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ミラノはカベスタニー勝利

アルベルト・カベスタニー

Photo:Mario Candellone

 2月17日、インドアトライアル世界選手権第6戦は、北イタリアのミラノへやってきた。残り4戦となって、そろそろチャンピオンシップの行方も方向づけられてきた。今シーズン圧倒的強さを見せているトニー・ボウ(モンテッサ)に対し、防衛すべきアダム・ラガ(ガスガス)とチャンピオン経験者のアルベルト・カベスタニー(シェルコ)はどう立ち向かうのか。



 クォリファイでは、ラガが圧倒的なうまさを見せた。減点ゼロ。オールクリーンの上、ダブルレーンレースでも勝利した。これ以上ないファイナル進出で、反撃ののろしを上げたかに見えた。
 クォリファイの2位はボウ。ここまででチャンピオンシップは10点差。タイトルをつかむには、ラガとの勝負に勝ったり負けたりしていけばいい。勝ち続ける必要はないが、負け続けるとまずいという計算。もちろんボウ本人はそんな計算をするまでもなく、常に勝ちに走っている。今回は第1セクションから5点となって、スピードレースでラガに負けて、トータル7点でのファイナル進出となった。
 カベスタニーは、タイムオーバーの1点を加えて7点でセクションをアウトし、藤波とのスピードレースでまけてさらに1点を追加し、8点でファイナル進出権を得た。このところカベスタニーは、藤波と争ってファイナルに進出するパターンが多い。ラガとボウのトップ争いには加われなくなってしまったのかと思わせるような戦況が続いていた。
 藤波貴久(モンテッサ)は、またしても! セクションでの減点8点。さらにカベスタニーと同様にタイムオーバーの1点を追加して9点。セクションを終えた時点でのカベスタニーとの2点差は、もはや挽回不可能だ。スピードレースでカベスタニーに勝てば1点差、カベスタニーがレース中に1回足をつけば同点になるが、セクションの走破時間が藤波のほうが4秒よけいにかかっているから、同点ならカベスタニーが上位。藤波がファイナルに進出するには、レースでカベスタニーに勝利し、なおかつカベスタニーが足つき3回以上してくれなければいけない。逆に言えば、カベスタニーは負けてもいいからクリーンすれば問題ないわけだ。
(最近は、ダブルレーンのスピードレースはこういう消化戦みたいなのが多いので、セクションをいくつかやってスピードレース、さらにスピードレースをいくつか、同点の場合はまたスピードレースで決着をつける、というシステムがいいのではと外野は思うが、イベントの運営条件など、きっといろいろ制約もあるのだろう)

藤波貴久

藤波貴久

 藤波は、バルセロナでファイナルに進出した以外、今年は4位にとどまることが多い。とはいえ、今回に関してはリスボンで足に負傷を負っているから、4位という結果は必ずしも悪いものではなかったかもしれない。
 藤波の次は、ジェロニ・ファハルドが入った。といってもファハルドは5点がふたつに、タイムオーバーが4点もある。藤波は4位つづきだが、その次がファハルドとランプキンで接戦しているので、戦況的には4強と5位争い、という展開になっている。今、少しずつボウとラガ、カベスタニーと藤波が離れていっている最中というわけだ。
 元インドア世界チャンピオンのひとりでもあるドギー・ランプキンは、4つの5点で21点(5点をとるとセクション走破時間が短いから、結果的にタイムオーバーはない)。スピードレースでファハルドに勝ちはしたが、6位を決定。ランキングでは5位キープだが、4位藤波には離され、ファハルドに1点差に追い上げられている。
 今回、ポーランドのタデウス・ブラズシアク(ベータ)が復活した。靭帯の負傷から1ヶ月。ほんとに治ってるの?と不思議になるが、藤波といっしょで、こういう人たちはオートバイに乗っているほうが治りが早いのかもしれない。無理は禁物だが、病は気から、というやつだ。
 もうひとり、本当の“ワイルドカード”は、イタリアのファビオ・レンツィ(モンテッサ)。主催者レンツィはセクションふたつをアウトして、さらにスピードレースでブラズシアクに勝利して気を吐いた。

アダム・ラガ

アダム・ラガ
Photo:Mario Candellone

 さてファイナル。ラガ、ボウ、カベスタニーの3人によるスペイン勢のトップ争い。今度は、いきなりカベスタニーが好調だ。第1は全員5点。第2は全員クリーンで迎えた第3。ここをカベスタニーだけがクリーン。他のふたりは5点。第4ではカベスタニーだけ1点でほかのふたりがクリーンだが、カベスタニーの優位は変わらず。次がスピードレースで、カベスタニーはボウに負けラガに勝った。ラガは2敗。これでカベスタニーが7点、ボウが11点、ラガが12点。第6ではラガが5点、カベスタニーがクリーンしながらタイムオーバーの1点(ファイナルでは、セクションあたり1分半をすぎると30秒ごとに1点の減点)、第7は複雑。ラガがクリーンでタイムオーバーの1点、ボウが3点でタイムオーバーの1点、カベスタニーが2点でタイムオーバーの1点。タイムオーバー覚悟でクリーンをねらうか、足をついて時間内にセクションアウトするか、インドアではこの判断が勝負をわけることもある。
 これでカベスタニーが11点、ボウが15点、ラガが18点。ラガの形勢が危うくなってきた。残るセクションはあと二つ。第8ではカベスタニーがタイムオーバーの1点でみなクリーン。最終第9ではボウのみが1点で他はクリーン。というわけで、カベスタニー12点、ボウ16点、ラガ18点で結果が決まった。
 カベスタニーは今シーズン初勝利。ボウとラガの選手権のポイント差は、変わらず10点。ボウにすれば、勝利はできなかったけどラガより上位につけることで、チャンピオンシップの上ではよい試合をしたと言うことになる。

<アルベルト・カベスタニーのコメント>
「この勝利を、生まれたばっかりの娘に捧げたい。実は先月ぼくは父親になったんだけど、ここまで娘に勝利の報告ができなかったのがくやしかったんだ。タイトルはちょっと遠い存在になってしまったけど、ぼくの技術レベルはこれだけのものを持っていると証明できた。ぼくの戦いをサポートしてくれる父親とマインダーに感謝したい」

トニー・ボウ

トニー・ボウ
Photo:Mario Candellone

<トニー・ボウのコメント>
「今日の結果はとっても満足している。誰だって、毎回勝つのは無理ってもんさ。今日の2位は、アダムにたった2点差で勝利してつかんだものだ。この勝利はとっても大きい意味を持つね。あの3戦、アダムとのポイント差をキープして、この調子を維持して、世界選手権の頂点を目指すよ」

<アダム・ラガのコメント>
「ファーストラップ(クォリファイラップ)ではいい走りをしたのに、一転最悪になってしまった。ミスのしすぎだ。タイトルはもうどこかに吹き飛んでしまった感じもするけど、最後まで高いレベルのライディングを維持して、自分のベストパフォーマンスを発揮できるよう、がんばる」

<藤波貴久のコメント>
「出だしはよかった。先週のケガの影響で、今週はまったくバイクには乗らなかったが、それを考えると上出来だった。ところが第6セクションで、ばかなミスをしてしまった。それでまたしても表彰台を逃してしまった」

<ドギー・ランプキンのコメント>
「たくさんのミスをしでかした。このタイプのセクションは、それほどむずかしいものではない。だからなおさら、挽回のチャンスもなかった。今日は、なにもコメントすべきことはない」

次戦は2月24日の土曜日、地中海に浮かぶメノルカ島(スペイン)のマホンにて開催される。

ファイナル
Pos. Rider Machine Point
1 Albert Cabestany Sherco 12
2 Toni Bou Montesa 16
3 Adam Raga Gas Gas 18
クォリファイ
Pos. Rider Machine Point
1 Adam Raga Gas Gas 0
2 Toni Bou Montesa 7
3 Albert Cabestany Sherco 8
4 Takahisa Fujinami Montesa 9
5 Jeroni Fajardo Montesa 17
6 Dougie Lampkin Montesa 21
7 Tadeusz Blazusiak Beta 31
8 Fabio Lenzi Montesa 35
世界選手権ランキング
Pos. Rider Machine Point
1 Toni Bou Montesa 51
2 Adam Raga Gas Gas 41
3 Albert Cabestany Sherco 39
4 Takahisa Fujinami Montesa 32
5 Dougie Lampkin Montesa 27
6 Jeroni Fajardo Beta 26
7 Tadeusz Blazusiak Beta 6
8 Shaun Morris Beta 4
9 Jerome Bethune Beta 2
10 Fabio Lenzi Montesa 1
11 Loris Gubian Sherco 1

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