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2016マルセイユ

トニー・ボウ、Xトライアル十連覇

3月25日、地中海に面した南フランスのマルセイユで、Xトライアル最終戦が開催された。全4戦、例年になく短期決戦となった2016年Xトライアルシーズンの最終戦だ。

この大会、10連覇のかかっているトニー・ボウは、クォリファイでまさかの3位と不安の滑り出しだったが、最後は王者らしい貫録の走りで今シーズン3勝目を挙げ、見事2016年Xトライアルチャンピオンに輝いた。

ラガは今回もカベスタニーに敗して3位。藤波が、今シーズン初めてのファイナル進出を果たしている。2016年は、表彰台こそスペイン人独占に終わったが、最後の最後で、スペイン人が独占するXトライアルファイナルという図式は崩されることになった。

2016マルセイユ会場

最終戦のゲストライダーはハイメ・ブスト。バルセロナに続いて今シーズン2回目の参加になる。今回はフランス大会だから、フランス人ライダーでもよかったと思うのだが、フランス人のいい人材がいなかったのかもしれないし、大人の事情があったのかもしれない。

今シーズンの参加者をマシン別に集計すると8人×4回で32回の内訳は、ガスガスが1回、TRSが4回、ヴェルティゴが5回、シェルコが8回、モンテッサが14回となる。国籍別で集計すると、ドイツ人1回、イギリス人1回、日本、フランス、スウェーデンが4回ずつ、そしてスペイン人が18回。技術の高さももちろんだが、インドアトライアルはそもそも数からしてもスペイン勢に圧倒されているわけだ。

前回、バルセロナでは8位と不本意な結果だったブストは、しかし今回も8位の最下位となった。5つ用意されたセクションのうち、走破できたのは最終セクションだけ。それも2点とタイムオーバー1点の3点。トータルは23点。

対して唯一のスウェーデン人、エディ・カールソンは、最終セクションこそ5点となったが、第1セクションを減点1点、タイムオーバー1点で抜けている。カールソンは1点差で7位の座を獲得したわけだ。

Xトライアルでは、今シーズンから減点のルールがより厳しくなって、タイヤ以外の接地は瞬間で1点減点をとるようになった。いわゆるカメは減点となってしまうわけだ。

2016マルセイユの藤波とカルロス

1点ならまぁいいやと思うなかれ。Xトライアルでは、山ほど足をついてセクションをアウトして3点という走り方は通用しない。減点は3点までしか認められず、それ以上の減点は5点になってしまうのだ。加えてXトライアルにはセクションの持ち時間もあり、1分半を過ぎると30秒ごとに1点が追加される。アンダーガードこすって(どっかりのっからなくても、さわっただけで減点になってしまう)、ごそごそともがいてタイムオーバー1点となってしまうと、足つき2回でもう5点だ。バックはやりたい放題でご自由にどうぞなのだが、ノーストップルールより、さらに美しく走るべしという条件が厳しくなっている気がする。

5位争いは、フランス人のアレックス・フェレールがいつものように藤波に敗して6位となった。フェレールはオーストリア大会で最下位の8位となった他は、3戦で6位に入った。

さて、フェレールに勝って5位のポジションで決定なら、いつもの通りの藤波だが、今回はちょっとちがった。藤波のスコアは14点。フェレールが17点だから、点数自体は前回オーストリアのほうがよかったのだが、走り自体は悪くなかった。第4セクションで5点となったのはもったいなかったが、ほぼ実力は出せたという結果だった。

2016マルセイユの藤波オーストリア、マルセイユと、藤波のライティングは悪くなかった。そして今回はファイナルに進出した。

ところが4組目のクォリファイで、ファハルドが思いがけない減点をした。第4セクションまでで10点減点だったファハルドは、第5セクションを3点で抜ければ藤波に勝てる。ところがファハルドは、あせってもがいて、あげくに落ちて5点になってしまった。ここまで続けて2戦、わずか1点差でファイナル進出を逃していた藤波が、今度はわずか1点差でファイナル進出を果たした。今シーズン、初めてスペイン人以外のライダーがファイナルを走ることにもなった。

藤波のファイナル進出もビッグニュースだったが、クォリファイの大事件は、トニー・ボウがクォリファイ3位となったことだ。5つのセクションのうち4つをパーフェクトにクリーンしていながら、第2セクションで5点となってしまったことでの3位で、ライディング的には悪くはないのだろうが、ちょっと幸先が悪い。ボウが10回目のタイトルを獲得するには、仮にラガが優勝したとして、2位に入ればいい。でも、3位ではダメなのだ(2勝、2位1回、3位1回で同点となり、最終戦で勝利したラガがチャンピオンとなる規則)。

2016マルセイユのボウシーズンタイトルがかかった、そして10連覇がかかった一戦。精神的に厳しい戦いだった。

ファイナルの最初の儀式はトライ順を決めるスピードレース。4位藤波と3位ボウがまず対決し、これはボウの勝利。次いでボウと2位ラガが対決してこれもボウが勝利、最後のカベスタニーとの対決もボウが勝って、トライ順は藤波、ラガ、カベスタニー、ボウとなった。このあたりから、ボウにスイッチが入ったようだ。

ファイナルでは、序盤は藤波が快調。第1を1点+1点、第2をクリーン+1点と、ここまでは3位につけていた。しかし第3以降は3連続5点で4位が決まってしまった。

2016マルセイユのカベスタニーカベスタニーも快調だ。2戦続けて2位獲得。15年近く衰えがないのもすごい。

ラガは第1で3点を取ったものの、その後はよく減点を抑えて最終セクションを残して減点5点。カベスタニーは第1で1点を取った以外は第4まで3連続クリーンで減点1点。そしてボウは、第4までの全部をクリーンして減点0。しかしこの3人の勝負は、最終セクションでひっくり返る可能性が大だ。Xトライアルの勝負は、最後の1セクションまで気が抜けないことになった。仮にボウが5点となり、ラガとカベスタニーがクリーンしても、優勝はカベスタニー、ラガとボウは同点となるから、タイブレイクとなる。

2016マルセイユのラガ2戦続けて3位。出だしはよかったが、最後は失速してしまったラガだが、人車とも実力は世界トップを証明した。

はたして最終セクション、カベスタニーが2点+1点とミスをして、トータル減点4点。1点差でラガに勝って2戦続けての2位を獲得した。ボウはここもクリーンで5連続クリーン。文句なしの勝利で、2016年チャンピオン、そして10年連続インドア世界選手権チャンピオンを決定したのだった。

2016マルセイユのボウとシレラタイトルを獲得したボウと、チーム監督のミゲール・シレラさん

結果表PDFです。4ページあるので、スクロールして見てください。拡大もできるし、別に開くこともできます
2016マルセイユのボウチーム10連覇が決まったトニー・ボウとレプソル・Honda・チームの面々。

Photo:FIM/Good Shoot & Repsol Honda Team

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