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ボウ、2107点で優勝

1003スペイン選手権のリザルト

 2月28日、スペイン選手権が開幕していた。
 スペイン選手権は、スペインのトップライダーの他、スペインに拠点を置くスペイン人以外のトップライダーの参加もあることから、世界選手権の前哨戦として注目を集めることがあるが、今年は別の意味で興味深い開幕となった。
 それは、新しいルールの運用だ。
 優勝したのはトニー・ボウ。そのスコアは2,107点だった。2位はジェロニ・ファハルドで2,085点。なんだ? このスコアはと思うでしょうが、これが今年のスペイン選手権です。
(*スペインから追加情報をもらって、一部修正しました)


 いったいなにが起こったのかというと、今年、スペインはトライアルに新ルールを採用したのだ。ある意味、今までのトライアルの概念ががらりと変わるようなルールとも言えるし、ある意味、従来のトライアルの本質を生かしながら、将来を見据えたルール変更とも言える。
 スペイン選手権には、トップライダーが走るTR-S(スクラッチ)、以下、TR-2、TR-3、ジュニア、カデットなどのクラスがある。IAS、IA、IBなどのクラスがある日本と同じようなものと考えていい。そして従来は、全日本選手権と同じような試合が開催されていた。
 しかしスペイン人は、時代の変化をかぎとるのが早い。2年前には、下見は前日のうちに。当日は下見なしで1回トライをし、すぐにもう1回走るという、15セクション1ラップ2トライという新制度を導入した。間延びした試合にカンフル剤を注ぎ込むルールだったが、これはこれで、選手も(それほど)大きな抵抗なく受け入れたようだ。
 そして今回のルール。

1003スペイン選手権セクション

 ざっと説明すると、まず減点法ではなく、加点法だということ。欠点を指摘するよりほめて育てたほうがいいということか、まぁそれはともかく、0点がえらかったこれまでのトライアルとは一転、点数が多いほうがえらいということになる。
 そして、おのおののセクションには、ボーナスポイントを伴ったゲートが設けられている。ゲートは難易度によって、10点、5点、2点とボーナスが設定されている。10点ゲートを通過したら10点加点されることになる。
 ゲートをひとつも通過しなくても、足をつかずにセクションをアウトすると、20点が手に入る。足を1回つくと15点。2回で10点、3回は5点。4回以上、あるいは転倒したりセクションから飛び出してしまったり、従来の5点に相当することになってしまったら、0点。
 セクションごとの結果表を見ながら、新しいルールについて考えてみよう。リザルトにはずらりと68点が並んでいる。これはたとえば、10点ゲートを5つ、5点と2点のゲートを2つずつ通過したことを意味している。第5セクションに限っては、5点ゲートがもう一つ用意されていたようで、73点獲得している。
 リザルト欄の小さいほうの数字は、足つきの回数だ。20とあるのは、従来の考え方だとクリーンしたと見ればいい。優勝したトニー・ボウのリザルトを見ると、第4セクションで1回足つきをおかしているが、用意されたゲートはすべて通過したことが、リザルトから読める。
 5位となった藤波貴久。第1セクションで19-0というのがある。ここでは藤波に不運があって、セクションの途中でエンジンが止まってしまい、いわゆる5点となってしまった。なので0点。しかし5点となるまでに、19点分のゲートを通過していた。途中で転んでも、そこまでに蓄えたゲートポイントは生かされるのだ(19点だから、2点のゲートを2つと5点と10点をひとつ通過したところでエンジンが止まったのだろう)。
 今回は、セクション設定がいささか簡単で、藤波のようにひとつのセクションで0点となってしまうと、そこから取り返しがつかない試合になってしまったようだが、これはルールとシステムの問題ではなく、設定の問題。10点のマーカーの難度がもっと高ければ、スコアが入り乱れてもおもしろいスコアボードになったにちがいない。
 このルールだと、ひとつの設定で世界のトップのボウから、少年ライダーまでが同じセクションで勝負ができる。むずかしいラインを攻めるのは控えてオールクリーンを狙うライダーもあり、あるいは、片っ端からマーカーに挑戦しマーカーポイントを積み立てるも、ほとんどのセクションをアウトできずに終わるライダーもあり。
 今回は、94人のライダーの参加があった。こんなに参加者が多かったのは、スペイン選手権でも珍しいそうだ。

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