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SSDT 5日目

SSDT

 SSDTも5日目。これが終われば、残るは1日のみ。ここまできたら完走はできるかな、とか、いやいやまだまだなにがあるかわかんないぞとか、思いを巡らすだけでもいろんなことを思います。
 トップ争いだって、ここまでくればもう上位入賞はまちがいないと思ったり、それでもトラブルの可能性はゼロじゃないしなぁとか、きっとそれぞれ心配や不安をよぎらせつつ、そんなことはないはずだと気持ちを強く持ってスタートしていくわけです。
 そんな中でも、ドギーさんあたりは、もしかしたら今年はずいぶん気が楽に走れてるんじゃないでしょうか。初日にトラブルで30点ももらって、すっかり優勝争いからは一歩引いた感じになっちゃっているけど、どっこい、今日は13位まで順位を回復してきました。この分でいくと、トップ10くらいには入れるかもしれません(きのうは、まだ優勝の可能性も、なんて書いたけど、さすがにそれはあぶない感じになってきた)。


 金曜日のこの日は、ペニンシュラコースと呼ばれたりします。フォートウイリアムから、いつもなら山のほうへでかけていくんだけど、この日ばかりは南の半島側にでかけていきます。コランフェリーという、SSDTでは有名なボートで湾を渡っていきます。湾なのか海なのか、はたまた川なのかよくわかんないけど、これだけ北へやって来れば、全部氷河のあとだといわれても信じられそうです。
 あー、書き忘れていたけど、フォートウィリアムス近郊にあるベン・ネビスってのは、イギリスで一番高い山です。スコットランド語では、ベンってのは山って意味みたい。ネビス山ってわけ。検索すると、ベン・ネビス山、なんて書いてあるのが多いけど、ベイ・ブリッジ橋みないな言い方になっちゃってるんじゃないかと思うなぁ。標高はたったの1,344メートル。イギリスは、標高の低い丘陵地帯なんですね。逆に言えば、こういうなだらかな低いロケーションだから、ゴルフとかトライアルが発祥したのだと思われます。
 ついでにベン・ネビスの奥には、ネス湖があります。伝説の恐竜、ネッシーのすみか。SSDTでは、さすがにネス湖までは行きませんが、ベン・ネビスの麓までは立ち寄って、セクションが設営されます。元気な参加者だと、フォートウィリアムスについて、まずベン・ネビス登山をやっつけてから、それからトライアルなんて猛者もいらっしゃる。でもさらに念のために付け加えておくと、ベン・ネビスは低山だけど、人気と遭難の多さはなかなかなんだそうであります。天候の急変が、多くの遭難を引き起こしているそうな。その麓でやってるトライアルが、過酷な自然を舞台にしているのは、当然ともいえる。
 えーと、金曜日の話だった。半島を1周するこの日のトライアルは、SSDT常連さんからいわせると、休息日なんだそうだ。舗装路が多くて、わりとのほほんとトライアルできるという意味なのかもしれない。でもね、やっぱり舗装路ばっかりじゃないから、あんまりらくちんだと思わないほうがいいです。なんたって、SSDTの1日なんだから。
 この日、1点でトップだったのはダン・ソープ。日本ではまったく無名だと思われる選手だけど、世界選手権には出場したことがある。で、さんざんな成績だった。世界選手権だけで比較したら、日本の国際A級の一桁ゼッケンのみなさんくらいの選手。だからうまいのだ。うまいけど、SSDTではイギリス人はさらに別格になる。日本の選手で、SSDTの1日を1点なんかで回ってきた選手なんて、いまだひとりもいませんから。
 ちなみにこのソープさん、お父さんはデビッド・ソープといって、モトクロスのチャンピオンに同じ名前の人がいるけど、それは別人。お父さんもSSDTの常連さんでした。90年代までは走っていたけど、さすがに、ランプキン父さん世代なんで、最近は息子にまかせてご本人は欠場です。ミック・アンドリュースなんかも、もう出てないですしね。
 SSDTを50過ぎたおっさんたちが走っているのを見て、日本のおっさん予備軍たちは気持ちを大きくしていたものですが、実は50過ぎてSSDTを走っているおっさんたちは、20歳のぴちぴちした頃からSSDTを走ってる。その経験があって、50歳になってもSSDTを走れるわけで、日本でだけ経験を積んで、いきなり50歳を過ぎてSSDTを走ろうったって、こりゃなかなか厳しいです。
 レポートを読んでいたら、ダン・ソープは、女子ライダーで4位を走っているケティ・サンターのボーイフレンドだそうだ。カップルでSSDTを走れるなんて、スケールが大きい。ケティのお父さんも往年の名ライダーだったから、血統書つきです。ケティは今年25歳だけど、すでに6回のSSDT参戦経験あり。女子世界選手権ではポイントをとれるかとれないかくらいの選手だけど、ことSSDTではそんじょそこらの日本のライダーは、太刀打ちできないと思います。日本の皆さんは、とりあえず打倒ケティを目標に、がんばってみてください。
 ソープはこの日1点でトータルは35点、12位。これに続くは2点が三人。ロス・ダンビーとドギー・ランプキン、そしてジョナサン・リチャードソン。ドギーさん、4日連続オールクリーンはなりませんでした。そんなに簡単じゃないってことです。
 総合のトップ争いは、マイケル・ブラウンとアレックス・ウイグ、そしてベン・ヘミングウェイが15点で並びました。この日の減点はブラウンが5点、ウイグとヘミングウェイが6点。おもしろいなぁ。これで最終日を迎えるんだから、結果が楽しみです。5日を終えて15点だから、1日平均3点。
 3日続けてオールクリーンしたドギーさんは、今35点。3人がそろって最終日に20点もくらうということはなんだろうから、ドギー・ランプキン、奇跡の逆転優勝は絶望的な状況になりました。
 きのう、トラブルを起こしたと思われるジャック・チャロナーは、今日は朝から走っていません。彼のSSDTは木曜日の朝、終わってしまったようです。
 そうだ。忘れてた。すいません。アルベルト・カベスタニーはこの日は10点も取っちゃった。現在トータル30点。ニューカマー賞獲得はまず確実ですが、順位のほうは現在8位。ドギーさんに8点差まで詰め寄られてますから、この二人の勝負がどうなるのかも、楽しみです。
 オンナの戦いも見てみましょう。おー、金曜日はエマがトップ。41点で、ベッキーに10点縮まりました。5点差。ここの戦いも、またおもしろい。3位はコルスでトップとは24点差。4位にさっき書いたケティがいます。トータル287点。この日はベッキー・クックと同点でした。
 この日も、6人の女性ライダーは、全員きちんと完走しています。シュミットさんだけがタイムペナルティをとってますが、それでもたったの6点だから、みなさん、たくましいです。
 さて、あと1日。最後にどんなドラマが待っているやら。

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