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    2017.08.17

    9/3寅吉カップ

世界のニュース

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ラガ優勝、藤波は4位

 6月19日、アンドラで開催された世界選手権第5戦は、第1戦以来のアダム・ラガの勝利となった。1点を争う接戦で、藤波貴久は僅差で4位となった。今年の世界選手権は、トップ4が大接戦だ。ランキングはランプキンが111点でトップ、藤波、ラガ、カベスタニーが109点で並んでいる。


 6月19日、アンドラはとても暑かった。夏のヨーロッパが熱いのは、昨年同様のようだ。報告によると、38度ということだけど、ほんとだろうか。ヨーロッパは、日本とちがって湿度がないから、日本の38度よりはすごしやすいと思うけど、トライアルを快適にできる環境でないのは確かだ。
 セクションも乾いたものが多く(沢のセクションもあったけれど)、スペイン勢の巻き返しの舞台にはもってこいの会場となった。
 優勝したラガは、ランキング4位は変わらずだが、ランキング2位から4位までが同点というすごい状況となった。いったい、今年の世界選手権はどうなっているんだ。苦節5年、藤波がようやくランプキンを倒したと思ったら、ランプキンもさして力を衰えず、スペイン勢も順調に力を伸ばしてくるで、トップ4人はまったく横一線の戦いになってしまった。この1年は、歴史に残るシーズンとなるような気がする。

 アンドラ大会は一日制。土曜日にはスペイン選手権が開催されたが、ラガたちが出場するトップカテゴリーの開催はなく、世界選手権とだぶってエントリーするライダーはいなかった。アンドラは小さな国で、トライアルができるのは事実上ひとつの街しかないようだ。しかしこっちの山、あっちの沢と使い分けて、セクションも毎年変化がつけられている。ただしライダーと同じく、観客にも足をつかな離れ業を要求するところが多かった。セクション際には足場がほとんどない。ところどころは、とっても危険だった模様。観客にとっても、ライダーにとっても(もちろん、トップライダーは別だ)。
 セクションは第1セクションからむずかしかった。大岩から180度ターンしてまるで滝のような大岩へとびついていく。ここでラガ、カベスタニーは手痛い5点を献上し、ランプキンと藤波は足つきでうまくこらえた。
 セクション5では、みんながエスケープした。あぶなすぎるという理由だ。唯一タデウス・ブラズシアクだけがトライして、2ラップ目に攻略成功している。

 トップ4の活躍はそれぞれで、藤波は試合をリードしている感じだったが、14セクションで大失敗。ここでランプキンに逆転を許した。1ラップ目が終わって、ランプキンが21点、藤波23点。ラガとカベスタニーが24点、僅差である。5位はボウで、28点だった。
 2ラップ目、素晴らしかったのはラガだ。このラップ、なんとたったの10点。2ラップ目も第5セクションは全員(ブラズシアクをのぞいて)エスケープしているので、この10点の素晴らしさは際立っている。
 藤波は出鼻をくじかれた。第1セクションから5点だ。結果的に、これで勝利へ毎戻るのは事実上不可能で、あとは2位を守ることが目標になった。しかしこれもかならず、藤波は4位でこの大会を終えることになった。
 ランプキンはそこここで足をつき、ラガに同点に追いつかれ、ついにクリーン差で敗れることになった。
 カベスタニーはほぼいつもどおりで、藤波を1点差でかわして表彰台獲得だ。

黒山健一
野崎史高

黒山健一と野崎史高。
1点差で11位と12に並んだ。

 黒山健一は11位と低迷。野崎が黒山に1点差の12位に迫っている。黒山は2ラップ目に、野崎は1ラップ目にそれぞれ3点(3分)のタイムオーバー減点をとっている。2ラップ目にタイムオーバーをしているのは黒山だけで、もしかしたらマシントラブルなどがあったのかもしれない。野崎は今回はコナーを破ったが、ランキングのライバルであるブラズシアクには先を行かれてしまった。黒山は今回今年はじめて二桁順位になってしまった。
 ランキングポイントは、ランプキンだけがほんの2点抜き出ていて、藤波、ラガ、カベスタニーが同点(正確には優勝2回2位1回の藤波がランキング2位、優勝2回のラガが3位、1回のカベスタニーが3位)。ものすごい接戦となったものだ。
 藤波にすれば、日本、アメリカというつきのある大会が終わってしまっているので、今後の展開は楽ではない。しかしラガ、カベスタニーもまた、スペイン、アンドラ、ポルトガルといういわば地元の大会がこれで終わる。ランプキンは、このあとイギリス大会が控えているから、もう一度勇気をもらえるチャンスがある。

 一方藤波とランプキンは、4ストロークマシンがどんどん戦闘力を増していて、心強い理由となっている。インドア大会のシーズンを通じて、スタンダードから藤波仕様を作る方向を探り、世界選手権開幕直前に藤波仕様のプロトタイプが完成し、日本大会でほぼ完成品となり、さらに細かい修正を施している。しかしトップライダーにとっては、マシンは完成しているのが当然で、それに乗り慣れてはじめてほんものとなる。現在モンテッサHRCのメンバーは、マシンに乗り慣れるひまなく世界選手権を走っているから、シーズン後半にはもう少しちがう展開となることも期待されるが、もしかしたら今年マシンを変えたばかりのカベスタニーにも同じことが言えるかもしれず、つまり、今シーズンの動向は、まだまだまったく余談ができないというところだ。
 観客は公式発表によると約7000人。ただしチケットもなく、観戦料も無料なので、7000人という数字がどこからきたのかは不明だそうだ。
 なお、ライア・サンツはジュニアクラスで3位表彰台を獲得。ユース125クラスにイリス・クラマーがゲスト(賞典外)参加して、14位相当の成績を残した(ゲスト参加だから、マシンは125ではないと思われる)。ライア・サンツはジュニアカップにデビューした頃、10位11位あたりをうろうろしたので、やはりイリスとライアでは少し実力差があるようだが、彼女が今後こうやってユースクラスに参加を続けるとしたら、また大きな楽しみができたといえる。
 次戦は翌週のフランス大会。渋谷勲が出場予定だ。

世界選手権アンドラ大会
サンタ・ジュリア

順位 ライダー マシン 1ラップ 2ラップ タイムオーバー 減点 クリーン
1 Adam Raga GasGas 24 10 0 34 16
2 Dougie Lampkin Montesa 21 13 0 34 15
3 Albert Cabestany Sherco 24 13 0 37 14
4 藤波 貴久 Honda 23 15 0 38 16
5 Antonio Bou Beta 28 13 0 41 16
6 Marc Freixa Montesa 31 17 5 53 15
7 Jeroni Fajardo GasGas 28 25 2 55 10
8 Jordi Pascuet GasGas 45 28 0 73 7
9 Graham Jarvis Sherco 40 34 0 74 3
10 Tadeusz Blazusiak GasGas 41 33 0 74 3
11 黒山 健一 Beta 40 41 3 84 5
12 野崎 史高 Scorpa 41 41 3 85 4
13 Jerome Bethune GasGas 54 44 0 98 4
14 Sam Connor Sherco 63 42 0 105 3
15 Shaun Morris GasGas 58 44 4 106 5
16 Daniele Maurino GasGas 64 52 0 116 2
17 Jose-Maria Juan Montesa 63 58 0 121 1
18 Xavler Leon Montesa 62 61 0 123 1
19 Stephano Dellio GasGas 64 64 0 128 0
20 Christophe Bruand GasGas 72 54 0 137 1
ランキング
1 Dougie Lampkin 111
2 藤波 貴久 109
3 Adam Raga 109
4 Albert Cabestany 109
5 Marc Freixa 80
6 Antonio Bou 77
7 Graham Jarvis 61
8 黒山 健一 59
9 Jordi Pascuet 40
10 Tadeusz Blazusiak 35
11 野崎 史高 33
12 Sam Connor 21
13 Jeroni Fajardo 20
14 田中 太一 12
15 渋谷 勲 7
16 小川 友幸 7
17 Jerome Bethune 6
18 Shaun Morris 6
19 Jose-Maria Juan 6
20 Bruce Le Riche 3
21 Christopher Florin 3
22 Daniele Maurino 2
23 Fabio Lenzi 1

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