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モンテッサのボウ、始動

 早々にモンテッサへの移籍が発表されていたトニー・ボウが、いよいよモンテッサに乗って人前に出はじめた。まずはモンテッサからはボウの移籍証明の写真が届いた。
 すでにレプソルカラーにすっかりなじんでいるような雰囲気。今、一番時代が進んでいると言われているボウの乗り方と、ランプキン、藤波貴久というどちらかというとそれとは対極にいるライダーによって育てられたモンテッサ4ストロークマシンとのコンビネーション。今シーズンの一番の注目点だ。

 トニー・ボウ(トニーは愛称で、ほんとはアントニー。正式にはもっと長いのかもしれないしミドルネームもあるかもしれないけど、最近はもっぱらトニーで通っている)は、2003年に世界選手権デビューをした。それ以前からスペインでは評判の注目株で、世界選手権での活躍が期待されていたものだった。
 2003年は、それまで世界選手権とまったく同じラインを走っていたジュニアクラス(というより、世界選手権を走るライダーが、知らない間にジュニアクラスにもエントリーしていた、という感じ)が、はじめて緑色のゲートを走るという、独立したクラスになった年だった。16歳になったばかりのボウは、規則的には当然ジュニアクラスに参戦するべきだったのだが、ボウは世界選手権のセクションでも充分通用するし、そういう事例についてはヨーロッパのひとは理解がいい。ほかの16歳が「ボウだけずるい」なんて言うことなく、ボウは世界選手権に挑戦した。
 当時の世界選手権は2日制だったが、その初日にして、15位に入った。周囲は当然驚きつつも、やっぱりな、という受け取り方もあった。
 残念だったのは、この前に開催されたスペイン選手権でカベスタニーが音頭を取ってスペイン人ライダーがこぞってスペイン協会に抗議の意を表明したこと。これでスペイン人ライダーのほとんどがライセンス停止処分を受けてしまい、世界選手権挑戦1年目のボウのライディングは、03年の茂木では見ることができなかった。

 当時のボウは、ベータのライダーだった。ベータというメーカーは新人を発掘するのが(少なくとも当時は)じょうずだった。ベータ本社もそういう方向性があったし、ベータのスペインインポーターも(ただの販売代理店ではなく、ベータの製造の一部もおこなっている)新人発掘には積極的だった。過去、ベータで育ったライダーといえば、大きなところでもドギー・ランプキン、黒山健一、ライア・サンツ、トニー・ボウとそうそうたるメンバーが並ぶ。
 そして今回、今あげた4人の中で黒山をのぞく3人が、すべてモンテッサのメンバーとして顔をそろえることになったわけだ。ランプキンとライアはともにモンテッサで世界チャンピオンとなった。さて、トニー・ボウははたして?

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