2023年5月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
  1. 2017お勉強会
  2. リザルト関東
  3. トライアル・デ・ナシオン
  4. イベント(大会)
  5. イベント(大会)
  6. イベント(大会)
  7. リザルト中国
  8. TRJ / MFJ
  9. イベント(大会)
  10. MFJトライアル
  11. リザルト関東
  12. イベント(大会)
  13. MFJ
  14. リザルト中国
  15. リザルト関東
  16. イベント(大会)
  17. イベント(大会)
  18. イベント(大会)
  19. イベント(大会)
  20. イベント(大会)
  21. リザルト中部
  22. 2017TDN
  23. トライアル・デ・ナシオン
  24. リザルト関東
  25. リザルト中国
  26. リザルト中国
  27. イベント(大会)
  28. イベントリザルト
  29. リザルト中国
  30. リザルト中国
  31. TRJ / MFJ
  32. イベント(その他)
  33. リザルト中国

トライアル事始

© トライアル自然山通信 All rights reserved.

トライアル教室のうそ?

07BS真壁の野崎

 先生と生徒、どちらも人間。人間は人それぞれ。教えるほうと教えられるほう、どちらにもそれぞれの感性があります。感性がくいちがうと、せっかく教えてもらったのに「あの先生、うそつきじゃん」てなことになってしまう。たとえばそれは、こんなこと。
 というお話は、バイカーズステーション2007年5月号に書いたもの。
 誌面での原題は『よくある、トライアル教室の“うそ”と真実』でした。


 トライアルの乗り方を教えるというのは、たいへんなことだ。たとえばトライアルの教本には『登りではからだを前に、下りの時にはからだを後ろに』と解説する。登りではフロントが浮き気味になるからそうならないように、下りでは前転の恐れがあるのでそうならないようにという配慮からこうなっている。ところがこう教えられて、ロボットみたいにぎくしゃく走っている人が少なくない。気の毒に。彼らは素質がないんじゃなくて、教えられ方をまちがっちゃったのだ。
 写真を見てちょうだい。野崎選手は、登っているけれど、からだはどっちかというと後ろにある。トライアルの教本とは、ちょっとちがっちゃってる。
 登りでからだを前に持っていくと、リヤタイヤの荷重が減る。リヤタイヤのグリップを最大限に使おうというときには、登り坂だって、からだがリヤタイヤの荷重を稼ぐ位置にくることがある。登りではからだを前に、と教える先生は、すべての登りのシーンを想定しているわけではなくて、あるほんの一パターンを想定して教えている。

07BS九州の小川

 もう1枚、ターン中の小川友幸。トライアル教室では「ターンは外足荷重で」と教える先生もいるし「内足荷重」と真反対のことを教える先生もいる。生徒は困る。では、小川選手の場合は、どっちの足に加重しているでしょう。
 トライアルは、たいへんに複雑な地形を走る。トライアルに比べると、ロードレースなんて定盤の上を走っているようなもんだし、モトクロスコースだって高速道路に見える。こういう複雑な状況では、ライダーは刻一刻と状況に応じてマシンを操縦し、テクニックを使い分けなければいけなくなる。
 ターンでは内足荷重も外足荷重も使う。というより、その荷重をどう使い分けるかが胆である。外足か内足かという問題ではない。野崎選手の場合も、からだが前か後ろかが問題ではなく「今どのフォームをとるのが一番適切か」を感じ取って実践しているだけだ。
 ひとつのセオリーでテクニックを語ろうとすると、ろくなことにならない。ターン中、ずっと外足に荷重かけてればいいなんて、そんな簡単なもんだったら苦労はないし、実験できればやってみるといいんだけど、トライアルのような低速走行で、外足だけに加重して走れというのは、限りなく不可能に近い(もちろん内足もしかり)。
 ターンは内足荷重だという先生は、実はこっそり、外側のハンドルを押し付けていたりする。外足荷重という先生も、やっぱりハンドル操作をしている。彼らは、こういうことをないしょにしているわけじゃない。じょうずなライダーは、あまりにも無意識にいろんな操作をする。その中で、メインとなる操作について解説をするので、シロウトにとってはつじつまが合わなくなっちゃうのである。
「なにもしなければ走破できる」という言い方をするセンパイも多い。マシンの走破性にアクションを預けろということなんだけど、アクセルは開けてるし両手両足でマシンをコントロールしているし、無意識にいろんなことをしている。「なにもしていない」とはなんと乱暴な。ある程度トライアルができるひとならこれで通じるんだけど、ある程度のトライアルができない人が同じ教えを受けてしまうと、お気の毒。

07BS藤波1
07BS藤波2

 こちらの写真は、世界チャンピオン藤波貴久。ここでは、レバーを操作する指使いについて考えてみる。レバー操作は、ブレーキもクラッチも、人差し指1本でと教えられる。これは科学的にも証明されているし、実際のところ中指でレバーを握っていては、マシンをコントロールすることなんかできない。
 ところがこの藤波、ブレーキは人差し指と中指の2本指、右の写真では、クラッチを4本指で握ってる。ぜんぜん教科書通りじゃない。
 俳句は五七五でできている。字余りという定石をはずした手法もあるけど、最初から字余りばかりで習作を続けていては、まともな俳句を詠めるようにはならない。しかしまた、定石にこだわりつづけるのもまた、ろくなことはない。
初出:バイカーズステーション2008年5月号

関連記事

自然山通信5月号電子版できてます

たいへん遅くなりましたが、自然山通信5月号、電子版がご用意できました。 5月はゴールデンウィークなどありましたが(そのせいでこんなこと…

自然山通信5月号発売中

2023年自然山通信5月号の発売中!世界選手権も全日本シリーズもはじまり、もてぎの世界選手権日本大会「2023 Hertz FIMトライアル…

2023高田島庭先コンペティション

5月5日、高田島庭先コンペティションを開催しました。今回が4回目の開催になるみたいです。 1回目は伝説の大雨でした。1ラップ目で力尽き…

2023年全日本選手権独自集計ランキング

2023年全日本選手権ポイントランキングです。MFJ正式ではなく、自然山通信独自集計です。 各ラウンドの数字はポイントではなく順位です…

2023全日本選手権第2戦<リザルト>

2023全日本選手権第1戦熊本・山鹿大会リザルト ●2023年4月23日 ●熊本県山鹿市矢谷渓谷キャンプ場 天候:晴れ 観客…

4/23 全日本選手権第2戦熊本・山鹿大会

次の戦いは4月23日の九州だ。 4月2日、キョウセイドライバーランドで開幕した全日本選手権。3週間を置いて第2戦は九州熊本県山鹿市での…

【2023トライアルバイクテストデイ】いよいよ今週末!

【2023トライアルバイクテストデイ】今週末の開催です! 4月16日、関東トライアル場のメッカ、茨城県桜川市『真壁トライアルランド』で、【…

2017お勉強会

2023年高田島お勉強会

2010年から続けていて、まずまず好評をいただいたお勉強会・体験会のお知らせです。限定10名様。 福島県双葉郡川内村で…

電子版自然山通信2023年4月号

毎年春が早くなり、あったかくなって、温暖化が進んでいるのかなぁと思う今日この頃ですが、4月号電子版をご用意しました。 フューエルインジ…

自然山通信4月号発売中

2023年自然山通信4月号の発売です。今回、IAS小川毅士が試乗テストするのは『2023 Sherco 300 ST-R』。そして、今年から…

ページ上部へ戻る