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川内村(西)

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お相撲

0902凍った自動車

 すっかりご無沙汰してしまいました。ご無沙汰しておいてこれかよという気もするけれど、この冬は、珍しくお相撲がおもしろかった。テレビも見ない非文明人なので、ワイドショーにあおられて流行ものを追う習慣はないのだけれど、電気屋さんでちょっとの間テレビを見てしまったり、ラジオから流れるおしゃべりなどから、冬場所の朝青龍が切羽詰まった状況なのは知りたくなくても伝わってきて、朝青龍復帰から優勝まで、つらつらとなんとなーく観戦することになっちゃったのだ。
 朝青龍がいじめられているのは、前からご存知だった。朝青龍といえば、スポーツドリンクのコマーシャルで黒山健一と共演したことがあるので、なんとなく他人の気がしないのだけど(こうやって、勝手に何の役にも立たない人脈を増やしている)、あのCM共演のあとくらいから、世間は朝青龍に冷たくなった。お相撲は単なるスポーツじゃなくて伝統文化らしいから、強いだけじゃ勤まらないらしい。そういう世界もあるのかもしれないけど、お気の毒だなぁと思ってた。お気の毒だと思いつつも、時々テレビで見かける朝青龍はふてぶてしくてちょっといやなやつそうに見えるので、いじめられるのも当然かなと思ったりしていた。こちらは外野だから、どんな感想を持ったって、悪くはなかろう。
 冬場所が気になっちゃうようになったのは、新年の稽古総見なるものを見てしまってからだ(もちろん、たまたまテレビで見たのだけど)。朝青龍がぼろ負けして、評論家のみなさんにこてんぱんにやられていた。「おまえなんかやめちまえ」みたいな勢いで、こういうことを堂々という評論家のみなさんも勇気がいってたいへんだけど、人の商売にずかずか入ってきてやめれだのなってないだの、勝手なことを言うのが宿命のテレビってのは、あいかわらずすげー暴力だなぁと思ってみていた。
 まぁしかし、テレビが暴力的で困ったちゃんなのは今に始まったことじゃない。稽古総見を見ていて不思議だったのは、稽古総見で調子が悪い力士は、ほんとに本番でも調子が悪いのか、という素朴な疑問だ。はばかりながら、トライアルライダーの練習は、ぼくらもよく見る。練習風景を見ていても、調子のいいライダーとよろしくないライダーがいる。で、調子のいいライダーが本番で強いかっていうと、けっこうそんなことはない。むしろ、めっぽう調子がいいライダーが、本番ではこてんぱんになっているのも、よくあることだ(といいながら思い出すに、90年代後期のドギーは練習でも本番でも強かった。今、トニー・ボウがちょっとそんな感じ)。スポーツなんて、技術・体力がある人が集まっているのだから、そこんところではなかなか勝負がつかない。その技術・体力をどう使うかってメンタル勝負が、頂点スポーツの妙じゃないかと思うんだけど、相撲はちがうのか?ってね。
 確かに、冬場所初日の朝青龍の勝ちっぷりは、あぶなっかしかった。予定通りではなくて、なんとか勝っちまった、みたいな勝ち方だった。でも、本人はきっと、まちがって勝ったなんて、まちがっても思っていない。トライアル的にいえば、藤波貴久のトライがこんな感じで、予定通りスパスパッと決まるライディングではなくて、失敗したと思ったのに足を出さず、また失敗したと思ったのにやっぱり足を出さず、気がつけばクリーンのままセクションアウトしているなんてのに似ている。たまたま勝った、なんてのは勝手なことを言う評論家(すいません、トライアルではわたしもそうかも)にまかせておけばよくて、勝ちは勝ち。そして勝っていくうちに、勝利が似合う選手に育ってくる。2003年以降の藤波、2008年の西元良太が、勝っていくうちに勝つのが当然になっていったライダーだ。ぼくらは「化ける」なんていうが、考えてみればこれも失礼な話で、本人たちは勝つライダーになるために、地道に努力しているにちがいない。
 そんでまぁ、その後は朝青龍の全勝で最終戦(千秋楽っていうんですね)を迎え、朝週流が負けちゃったんで同点決勝。全日本選手権だと、あとの試合で勝った方が勝ちだから白鴎の優勝になるんだけど、伝統文化だからそうはならないんですね。同点決勝ってのはおもしろいから、トライアルでもやってみればいいのにね。というのは余談。
 ぼくは相撲の文化や伝統はこれっぽっちも知らないので、座布団が頭に当たって思わずガッツボーズした朝青龍のことは、かっこいいと思った。でもあれが前代未聞で怒られちゃうんだね。相撲というのは、ほんとにわからない。土俵を割った力士のことをはたいたりだめ押しで突き飛ばしたりするのは、気持ちはわかるけど弱いものいじめみたいでいかがなものかとは思ったけど、ガッツボーズがいけないなんて、むずかしいスポーツだ。しかもそれを強要されてるのは、日本人じゃないんだから、ご苦労様だ(人の国に来て稼ごうというんだから、それくらい苦労してもいいのかもしれないけど)。
 自分の国に帰ったといえば怒られるし、こういうかわいそうな人ってのは、いるもんだね。誤解される前科もあるんだからしょうがないかもだけど、家にくらい帰ったっていいじゃないかと思うんだけど、伝統ってのは頭が固いってことでもあるわけだから、しょうがない。
 自然山通信はトライアルが畑だから、さっきから無理矢理トライアルに話を合わせているけど、朝青龍がいじめられるみたいに、マナーの悪い選手が槍玉にあがることも、時々ある。「そんなこたぁ、考えなくてもわかるだろう」と、槍玉をあげる側の方々はおっしゃる。でもいまや、新人類たちはモンゴル人よりも日本の伝統文化をご存じなかったりする。マナーの常識も、昔と今はちがっていたりもするもんだ。だめならだめで「試合のあと、ガッツボーズをしたら5点減点」というルールを作っておいていただければわかりやすくていいんだけど、マナーや風格でものごとはかられると、外国人力士じゃなくたって、理解はなかなかむずかしい。
 日本の伝統文化がどんな風に守られていくか、マナーや風格はどうやって守るべきか、へそ曲がりは、そんなことを思いつつ、でっかいハダカ男たちがぶつかる様を見る。
 写真は、川の水のはねるところに止めておいたら、すっかり氷の芸術に包まれてしまった自動車

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