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川内村(西)

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平さんのメカニック

1003お隣のお家

 平忠彦さんが世界グランプリに挑戦したときに、メカニックを務めた松本和彦さんとお話をする機会があった。松本さん、なんと川内村の出身なのだった。
 ヤマハのメカニックとしてグランプリに出て、次は向こうのメーカーと契約してレース部門で活躍。ずっとイタリアに滞在していたけど、今、ちょっと日本に帰ってきているのだった。


 松本さんが日本でメカニックをしている時代、ぼくもサーキットに通っていたはずなんだけど、面識はなかったのだけれど、その出会いはひょんなところにあった。
 村はずれの山のてっぺんに、元小学校の先生がいらっしゃる。若い頃は教員としてこの村の小学校に勤務し、定年間近には校長先生として赴任された。松本さんは、この先生が若い頃に教鞭をとられたときの教え子なんだそうだ。
 模型飛行機とかが好きな先生だから、オートバイもきらいじゃないんだろうけど、マルボロチームとかアゴスチーニとかレイニーとかの名前が出てきたときは驚いた。そういう情報は、松本さんの近況から得たものだったのだ。
 松本さんは、ヤマハのスタッフとしてグランプリへ出かけていって、そのままヨーロッパにとどまった。カジバでメカニック業をやっていると聞いていたのだけど、去年はMVアグスタでお仕事していたのだそうだ。
 MVアグスタといえば、日本インポーターの親分は前川和範さんで、平さんが現役の時代には、ヤマハレーシングチームの監督さんだったのだけど、松本さんがアグスタで仕事していたのは、そういうのとは関係ないらしい。
 松本さんとの話は、なかなか楽しかった。あの時代は、ぼくもサーキットにちょくちょく出かけていたから、共通の友人の話とかで遊べるかと思ったけど、松本さんはどうやら日本人には興味がないらしかった。海外へ出かけたまま日本に帰ってこないなんて人は、だいたいそういう人ばっかりかもしれない。
 なので松本さんとの話は、イタリア人の話や、イタリア料理の話がほとんどになった。わからんちんな上司に手を焼くのは、イタリアでも日本でも同じ。だけど相手がイタリア人だと、日本人相手みたいな悲壮感が感じられない。イタリア人を上司に持ったことがないから現実感を感じないのか、イタリア人がどんな連中だかをちょっと知ってるつもりだからかはわかんないけど、まぁ外国映画を見てるみたいな感じなのかもしれない。
 エンジンがぶっ壊れない処置をするのに、親方と意見が真っ逆さまに対立して、自分の意見を通してイタリアチャンピオンをとった話は、もっと詳しく聞けば、きっとちょっとしたドラマになるにちがいないと思われる。
 最近じゃ、ロードレースはすっかりフューエルインジェクションばっかりで、しかし最近のFIは、ライダーのくせまで学習してくれるんだそうだ。アクセルワークがあらっぽくてタイヤを滑らせてしまうライダーが乗っていると、コンピュータはそのくせをフォローしてガソリンを吹きつけるんだそうで、そういうのをトライアルマシンに積んだらどうなるかなぁ、なんて話も楽しかった。

1003ダノニーの品々

 でも松本さんが、うんと楽しそうに話をするのは、イタリアのおいしい食べ物のことだった。イタリア料理は素材の妙。フランス料理みたいにくどいソースを使わないところが潔い。サラダにかけるのはオリーブオイルとビネガーと塩がよろしい。イタリアでそれ以外のサラダの食べ方を見たことがないのは、それが(彼らにとって)イチバンおいしい食べ方だからだ。
 松本さんに教えてもらったところでは、サラダの語源はソルトなんだそうで、野菜を保存するための塩漬けが元祖サラダだったらしい。サラダって、要は漬け物だったんですね。
 ホンモノのイタリアのピザを焼くには、日本の小麦粉ではむずかしいのではないかとか、チーズはやっぱりイタリアから取り寄せるべきだとか、さっきまで上司だったイタリア人のダメっぷりを語っていた松本さんが、イタリア料理の素晴らしさを雄弁に語るコントラストがおもしろい。自分ちのネコがいかにかわいいかを力説する奥様みたいな顔つきになっちゃってる。おいしいもの、おいしい食べ方、そこに取り組む人生ってのは、いかに幸せを呼ぶかという明らかな証明みたいなもんだ。
 松本さんによると、料理もエンジンチューニングも、楽しみの取り組みはおんなじなんだそうだ。やってみる、具合が悪いところをあぶり出して、対策をして次にかかる。テストをして、また走らせる。この繰り返しだ。だから松本さんが料理をするときには、おんなじものばっかり1週間くらい作り続けることがあるんだそうだ。
 この村はなんにもなくて、退屈だ、と、松本さんは言う。村が退屈でレース場に飛び出し、日本が退屈になってイタリアに飛び出した松本さん。でもぼくは東京で育ってレース場に出向き、ついでにヨーロッパにも砂漠にもジャングルにも行かせてもらって、あげくになんにもない村にやってきた。
 立場と村に対する感想は真っ逆さまだけど、イタリアのサラダがおいしいという共通認識の前には、そんなことはどうでもいいことみたいな気がしてくるのだった。
 写真は松本さんちではないけど、松本さんちもこんな感じかなぁという、うちのお隣のおうちの夜の団らんと、松本さんとお話をしたカフェダノニーのオリジナル商品たち。商品開発が大好きで、ときどき当てが外れてとんでもない味のジャムもできあがったりしているそうだ。そういう意味では、松本さんとも趣向が似ているかもしれない。
カフェダノニーhttp://www.danony.jp/
0240-23-4326

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