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川内村(西)

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原発事故の思い出[避難所]

震災の夜は、なにごともなくすぎた。余震は次から次へとあったけど、あんな揺れはもうなかった。いつもと同じくビールが飲めるくらいには日常のままだったし、地震の後始末をする気になれないくらいに余震が頻発したという程度には非日常だった。本格的な非日常は、この3月12日からだった。

原発周辺の人の避難が始まるのではないかという情報は、なんとなくニュースからも伝わってきたから、なんか用意しておいたほうがいいんじゃないのと相談に行くと、まだ村からはなんの連絡もないんだという。

集会所を避難所に開放するのはたぶんまちがいないと思うけど、鍵を開けるのは簡単だけど、炊き出しとかも必要だから、そうなると人手が必要になる。みんなに連絡して手伝ってもらわないといけないから、そうとなると誰かの個人的判断では始めにくい。集まってきた地域の役員さんそれで一人暮らしのお年寄りの家を回って安否の確認に回ったのだった。

2011年3月避難所

戻ってきたら、村役場から正式な要請があったということで、集会所は避難所に変身していた。奥さまたちが何人か着ていて、お昼の用意も始まっている。役場の要請だから、食材は商店が用意する。こういうことは慣れているから、手際がいい。

すぐ食べられるものをと、おにぎりと漬け物と、みそ汁くらいが用意されたのではないかと思った。それで、富岡の人を待ったのだけど、待てど暮らせど誰も来ないという話は、3月12日のところで書いたとおり。

富岡にいて、富岡でお仕事をしていた地元のEちゃんは、川内村に入って右往左往する富岡の人を尻目に、まっしぐらに地元高田島をめざしたのでみんなより早く集会所へやってきた。だけど多くの富岡住民たちは、村に入ったらまず給油をした。

これはずっとあとになって聞いた話だけど、村の入り口にあったW商店では、最初は今日はお客さんがたくさん来るなぁと喜んでいたという。そのうち、休みなしにひっきりなしになって、ひぃひぃ言い始めた。そしたら誰かに(役場の人だか警察だか自衛隊だか住民の誰かだか)、あんたのところがガソリンなんか売ってるから渋滞してたいへんなことになってるじゃないかと怒られた。ガソリンスタンドがガソリンを売ると怒られる、そんな異常事態だった。

やがてガソリンは底をついて、それきりしばらく給油ができなくなった。富岡の人たちばっかりじゃなくて、ぼくらのクルマに入れるガソリンもない。逃げるにも、遠くには逃げられない。通信網がダメになったのとガソリンがなくなったのはまいった。あれから、クルマの燃料は常に満タンにしておくという習慣が身についた人は多かった。

ガソリンを入れた富岡の人たちは、川内小学校、中学校、富岡高校川内高、総合体育館、かわうちの湯、それから各地区の集会所と、次々に避難所に入った。場所がわかる人なんていないから、案内する人も必要だ。きっとそれは、たいへんな応対だったことだろう。

ぼくらのところに、富岡住民はどうやって着たのだろう。この道をまっすぐ走って、民家が何軒か見えてきたら左に曲がると、集会所があるぞと教えてもらったのだろうか。それで充分わかるようなきがするけど、自分でイベントを開催すると、もっとていねいに案内しても必ず迷う人がいる。このときの富岡の人たちは、きっと勘が冴えていたのにちがいない。こういう状況では、日常より勘を研ぎ澄ませないと、やっていけない。

小学校や中学校は大きいから、何百人、千人くらいの避難者を受け入れられる。だからぼくたちのところにやってきたのは、出遅れた最後の人たちか、あるいは村の中でどたばたあっちでもないこっちでもないとやっているのにしびれをきらして、先にあたりをつけてやってきた人たち、あるいはまた、いっそ村を出て隣の町までいってしまおうかと考えて、途中にちょっと快適そうな集会所を発見した人たちだったのではないだろうか。

震災前と震災後、それはまちがいなく2011年3月11日14時46分を境にするのだけど、高田島住民のぼくの感覚からすると、大きな揺れからいったん日常を取り戻し、最後の平和な時間を送ったのが、3月12日の午前中だった。

この避難所の看板が、ぼくらにとっては本格的な震災の始まりだった。

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