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川内村(西)

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風間さんと冒険を語る集い

1308風間さんと

8月10日、11日。風間深志さんを呼んで、風間さんを囲う集いを開催しました。

ぼくのやるイベントは、いつもずるずるで締まりがなくて申し訳ないのだけど、おもしろいお話が聞けたので、忘れないうちにメモしておこうと思った。ただしほんとは、こんなメモを読むより、実際に風間さんに合って話を聞いた方が、百倍感動的にちがいない。風間さんの話は、風間さんの人間の魅力を通して、より強く伝わってくるものだから。

みんなを前に、風間さんに挨拶してもらおうと思ったら「おれの話より、ニシマキくんがなんでおれを呼んだのかの方が興味がある」なんて言われてしまった。こういうときに、かっこいいことが言えないのがぼくの欠陥で、ついでにお世辞も言えない。お世辞どころか、ほんとにすごいと思っていてもすごいと言えないへそ曲がりだから、いろんなところで失敗している。

1308風間さんと

これから始まりですよー、という風間さんのごあいさつ

たぶんぼくは、まずは風間さんにここに来てほしかったのだと思う。来てもらって、ここの地域の空気を吸ってもらって人に出会ってもらって、そして風間さんの話を聞きたいと思った。そしてその話は、ぼく一人で独占してはいけないと思ったんだと思ったから、みんなに来てほしいと思った。

ほんとは、村に残る子どもたちとかに、風間さんの冒険話を聞いてもらいたいと思った。でも夏休み中だったり、同じ日に福島大学を始めとする団体さんの主催のお祭りがあったりして、うまいこと話が進まなかった。風間さんには、ごめんなさいなことになったし、もったいないと思うのだけど、小さな村とはいえ、仕切りというのは、いろいろむずかしいもんだ。

でもまぁそういうのは村の事情や、村人としてのぼくの事情で、オートバイの仲間とひとときをいっしょに過ごせればそれでいい。

1308風間さんと

ビールの差し入れを持ってきてくれたご近所のYさん。なにを話してるのかは聞き漏らしました

イベントは、昼から昼まで、24時間。午後の早いうちくらいを目標に集まってもらって、夕ご飯くらいからわいわいと始めて、翌朝も朝ご飯食べながらわいわいとやって、お昼過ぎくらいに解散するというずるずるのスケジュールです。

午後、みんなが集まりかけたところで、風間さんが原発を見に行きたいというから、原発を遠くに見渡せるところまで、地図を書いて行ってもらうことにした。ぼくが案内すれば早いんだけど、まだ来ていない人がいるから、留守にはできないし。風間さんが行くというと、みんなも行きたいというので、イベントは開始直後にして人がいなくなってしまった。

そうそう。最近、その高台には、家主さんの趣味でWEBカメラが装着された。原発を監視するという目的と、不審者を監視するという二つの目的がある。アクセスのしかたは教えてもらっているので、ぼくも不審者を観察できる。最後の最後で道に迷ったという電話があったので、それから数分して、WEBカメラにアクセスしてみると、風間さんたちがあたりをうろうろしているのが映った。遠くに避難しているご主人に、今うろうろしているのはぼくの友人ですと一報しておきました。

実はここでは、今野外ステージを作っているのだけど、その作業をしているのもご近所の大工さんで、つまり風間さんたちはこの状況下では、村人たちに完全に包囲されているのだった。

1308風間さんと

夜になりました。ずいぶん涼しくなってます。

残念ながら、夜は少し曇っていて、満天の星空は見えなかった。だけど灼熱の地方からやってきたみなさんにとっては、昼間でも木陰にはいれば涼しくて、夜になると寒いくらいになる当地の気候に人として生きる環境を取り戻したかのようで、それはよかったなと思います。

翌日、朝ご飯を食べて(すぐ出発しちゃった人もいるんだけど)、午前中に風間さんのお話会がセットされました。

今日は寝っ転がりながら話をするんだと宣言して写真を撮ってみたけど、風間さんはこういう講演会を、一度やってみたかったんです。写真撮っただけで、あとはふつうに座ってお話してくれたんですが、寝っ転がってお話してくれてもいいんじゃないかなと思います。でも麻原彰晃がそういうふうに説法していた覚えがあるといっちゃったら、風間さんは嫌がっていた。そもそも寝っ転がり講演がネタだったのですけどね。

1308風間さんと

これが、寝っ転がりながら講演をするの図、というやらせの写真であります

風間さんは、なんの話をしようかとみんなに聞きながら話を始めてくれた。暑いから南極の話が聞きたいという声に応えて、話題は極点走破の話から。

北極と南極だと、北極は海で、南極は大陸です。大陸だから、南極点には南極点のモニュメントがある。なので極点制覇をした気になるのは、圧倒的に南極なんだそうです。

風間さんが極点へ行った当時、GPSなんて便利な道具はまだ普及してなかった。だから風間さんは、100万円だかそれ以上だかの出費をして、通信衛星に自分を捕捉してもらう手続きをとって、毎日自分の位置を確認してもらったんだそうだ。でもその捕捉データが送られてくるのが1日かかるんで、悠長に待っていられない。いつ氷が割れて冷たい海に落っこちちゃうかもしれないから、用が終わったらさっさと帰りたい。それが極点ってところの厳しさだ。

それで、もう北極点にごく近いところまで来ているとなったら、そのあたりをめったやたらと走り回るのだそうだ。そうすることで、風間さんが走った軌跡のどれかが、北極点を通過しているだろうと、北極点走破は、そういう段取りでおこなわれた。

北極も南極も、どっちも寒い。平均気温はマイナス20何度だったそうだけど、ということは、マイナス20度よりあったかい日もあったし、もっともっと寒い日もあったということだ。その気温差というのは、体感できるもんだろうか、今日は暖かいなぁ、なんて思ったりするのだろうか。聞いてみました。

あったかい寒いという思い出より、風間さんにはある日の思い出があるそうで。その日、大きい方の用を足していると、なつかしい匂いがしたんだそうだ。それは日本で暮らしているときにはあんまり感じたくない臭いなんだと思うけど、そのときなつかしいと感じたのは、それまで匂いを感じなかったからなんですね。

「寒いと匂いも凍るんだ」

と風間さんは言います。用を足しながら匂いに包まれたということは、その日は匂いがとけるほどにはあったかかったということだった。その日、風間さんはTシャツ姿になりたいと思ったそうだ。実際になれるものかどうかはわからないけど、マイナス20度は絶対的には寒いけれど、昨日に比べて10度もあったかいとすれば、それはきっとあったかい日だったにちがいない。

極点に立つ、極点で生きるというのはどういうことかという哲学的な質問をした人もいた。そのお答えは、たいへんアカデミックで、意味深だった(気温のちがいは感じるのかと質問したのはぼくだったけど、答えが下ネタになったのはぼくのせいじゃない)。

極点に立つと、地球上のあらゆる地点にある緯度と経度の概念がなくなってしまう。それは同時に、東西南北という概念も喪失させる。北極点に立てば、それより北はもうない。そして西も東もなく、あるのは南だけになる。南極に立てば、同様にそこにあるのは北だけになる。

それといっしょで、時間の概念も狂ってくる。夏の北極は昼が極端に長い。そして冬の北極は夜ばかり。そもそも経度がないのだから、時計の合わせようもない。

そこで風間さんは、これまでの人生が、いかに方角と時間にしばられて生きてきたのかを思い知ったのだそうだ。極点に立って、そのしばりがなくなると、人間はなんと不安になることかと。人間の常識はいろいろあるけれど、方角と時間という、ふだんそこにどっぷりつかっていると気がつかないところにも、しばりはあった。そんなことに気がついてくれる、そしてそれを教えてくれる冒険家は、他にはいない。

風間さんのバイクとともにでかける冒険旅行は、14才の時に山梨の地元の山に登ったときから始まっている。そのときに感じた達成感というか、眺めた景色の神々しさというか、地平線へのあこがれというかが、その後の風間さんを支配している。そしてそれは今でも、少しも変わっていないところがすごい。

60才を越えちゃって、今でも14才の気持ちでバイクに乗れる風間さん。それこそが、冒険家としての真髄のような気がします。

あなたはあなたの地平線、おいかけていますか?

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