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川内村(西)

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耳のないウサギと年齢詐称疑惑

2013年のすみれ“>2013年型のうちのうさぎ

ぼくらの住む川内村から北へ20kmほどいくと、浪江町にはいります。浪江町は北西方向に長く延びていて、しかしこれがまた、ごていねいに福島第一原発から出た放射性プルームの帯と一致している、たいへん不運な自治体です。震災までは誰も知りもしなかった町の名前だと思うけど、鉄腕ダッシュ村があったから、ここのことを知っている人も少なからずいたはずです。

国道399号線を走って1時間ちょっとですから、川内村からも遠くないのですが、放射線値が高いからと、今は入れないエリアになってしまいました。

ここに、耳のないウサギが生まれたという話がありました。

2007年のすみれ
2007年の生まれたばっかりの頃

耳のないウサギは、福島第一原発の事故以後に生まれたウサギで、今は埼玉県で暮らしているようです。耳なしウサギのもともとの飼い主は、浪江でキャンプ場をやっていた方で、ぼくも2度ばかりお邪魔したことがあります。実はトライアル仲間のお友だち。世の中って狭い、というかいろいろとつながっていて、おもしろいです。

さてこのウサギが、なぜ耳を持たずに生まれてきたのか、やはり福島第一原発からの放射能の影響なのか、それともなんらかのストレス(強い地震によって母親が受けたストレス、なんて伝えている記事もありました)なのかは、はっきりしません。はっきりしているのは、このウサギには耳がなかったということです。

広島、水俣と被災者認定がむずかしい事例は過去にいくつもあったけれど、それはこういうことだったのかなといまさらながら思います。その因果関係はなかなか結びつけにくいし、というか、科学的にはほとんど因果関係はないのだろうと思います。でも耳のないウサギが生まれれば、きっと原発のせいだと思う人が多い。それもまた事実です。

こういうのはきっと、いつまでたっても結論が出ずに、国や行政と住民との隔たりは大きくなっていくのでしょう。

ところで、うちにもウサギがいます。うちのウサギには耳がある。いたってふつうのウサギで、おもしろくもなんともない。もう老齢で、だいたい10歳くらいになるんじゃないかと言われていました。いつ死んでもおかしくないし、もう充分生きているので、少々具合が悪いからといって遠くまで病院に連れてくるより、家で静かに天寿を全うさせてやった方がいいのでは?なんて獣医さんにアドバイスを受けたりもしました(幸い、医者に連れていったのは1回だけで、すぐ元気になりやがった)。

最近、うちのそのウサギが、もらわれてくるはるか以前の、生まれて数ヶ月のときの写真をいただいた。それがなんと、07年の日付が入っているではないか。とすると、やつは10歳ではなく、まだ7歳かそこらだったということになります。なんと、ウサギの世界にも年齢詐称があったようで。

2007年のすみれ
同じく2007年の若かりし頃

このウサギ、うちに来るまではなかなか波乱万丈な人生を送っていた。まず、性別が不詳だった。 生まれたばっかりのウサギの性別確認はむずかしいらしいんだけど、うちのウサギはメスということで「スミレちゃん」なんというかわいい名前をもらって、仲間の女の子とひとつ籠の中で暮らしていた。

数ヶ月後、子どもができた。うちのウサギはメスだったはずなのに、ちんちんが小さくてオスメスの区別がつかなかっただけだったようで、れっきとしたオスでした。

そんなわけでできちゃった結婚ごとく家庭を持ったうちのウサギだったけれど、どうもたいしたろくでなしだった。まず家庭内暴力が激しく、子どものことはいじめるし、母親のことも意地悪をする。おかげで母親は毛が抜けて禿げてしまった。

事態を重く見た飼い主は、うちのウサギだけ隔離して育てることにした。独房です。ところがやつは、穴を掘ってここからも脱走した。何度も何度も脱走して、ほとほと手を焼いた飼い主は、このウサギを放出した。今、やつがうちにいるのは、悪さの限りを尽くして追い出されてきたからなのです。

やつの子どもは、5匹くらいいたらしいのだけど、そのうちの何匹かは、父親にいじめられて耳をかみ切られてしまっているといいます。耳のないウサギにも、いろんな人生があるものです。

2013年のすみれ
2013年型のリンゴを食ううさぎ

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