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TY125

TY125

 ある日突然,TY125がやってきた。
 もてぎにいたときだったかな? 電話がかかってきた。
「トライアルマシンもらったんですけど,125ってだけで、なんにもわかんないんです。どうしましょう」
 どうしましょうといっても、もらっちゃったんだろ? どんな状態だかわかんないけど,乗って遊ぼうよ。
「いやー、なんせぽんこつだもんで,捨ててもいいっていわれて持ってきたんですけど,でも置くところがないんです。置いてってもいいですか?」
 なんだ。ほとんど事後承諾ではないか。


 どこのメーカーかもわかんないって、なんだろうなぁ。空冷の頃のガスガスかなぁ。でもそんなの、村の周辺に落ちてるだろうか。
 と、なんとなーく楽しみに帰ってくると、あった。一目瞭然、TY125だった。メーカー名もわかんないのに、よく125だってわかったなぁと感心してみたら、マフラーに125って書いてあった。タンクには音叉のマークのステッカーが貼ってあるけど、いまどきの青年だと、音叉のマーク=ヤマハにつながらなくても不思議じゃないのかも。
 このぽんこつを持ってきたTくんは、オートバイが大好きで。でも結婚しちゃったんで、オートバイ遊びは断念して、日々お仕事している。そこへぼくなんかがやってきたもんだから、本当にお気の毒。TY-S125F、貸してあげるから、いっしょに遊ぼうよと誘っているんだけど、人のバイクだとぶっこわしたときに困るからといって、乗ろうとしない。大丈夫だよ、オートバイこわす可能性はゼロじゃないと思うけど、オートバイこわすようなおっかないこと、最初はそうそうできやしないからとご説明申し上げるのだけど、彼はかたくなだ。もしかすると、遠慮の他に、ほしくなっちゃってがまんができなくなるのがこわいのかもしれない。
 そんなところにこのTY125だ。
「これなら惜しくないですね。ほっぽりなげたって火をつけたって大丈夫。でも動くかなぁ」
 どっちかというと、このバイクが動いちゃったら、それはそれなりに貴重なものになっちゃうから、ほっぽりなげたり火をつけたりするのは、けっこう悲しいことになると思うんだけど、まぁいいや。地元の仲間のための、気兼ねないトライアルバイクが手に入るってのは、いいことだ。
 ただし問題は、やはり動くかどうか、なんである。見たところ、ぽんこつである。しかしぽんこつだと思えば、程度は悪くない。リヤのスポークはさびているけど、フロントはさびていない。そのかわり、オイルとホコリの化合物がびっしりこびりついている。これが逆に、うまい具合に全体をコーティングしている。
 キックペダルのあたりのクランクケースに穴。遊んでいて、岩に叩き付けて穴が開いたので、それきり放置してあったというのがこのマシンの前歴だ。キックが降りないけど、割れたケースの破片が挟まっているんだったら簡単でいいなぁと、開けてみた。破片はひとかけらもなかった。

0907TYのシリンダーとか

 タンクの中はさびが充満している。例の、ガソリンがくさったすばらしい香りも漂っている。シリンダーを外そうとしてみた。びくともしない。さびているようだ。オイルとCRCとプラスティックハンマーとでなだめすかして、なんとかだした。1週間オイル漬けにしておいたのがよかったのかもしれない。
 ピストンは、上死点と下死点の真ん中当たりで止まってた。ピストンが止まってた上側のシリンダー壁はさびが浮いていた。ピストンはかじったあと。そういえば、昔の2ストロークエンジンって、調子よく走っていても、必ずかじった後があった。そういうもんだったんだよなぁ。ちょっとなつかしい。
 エキゾーストパイプを叩いて無理矢理外したら(これはHくんがやってくれた)、中からくさったオイルが出てきた。テールパイプも、純正品でなく水道管が打ち込まれているのが発覚した。TY125とTY175のサンレンサーがちがうものだったなんて,ぽんこつを1台入手して,初めて知りました。TYがデビューした頃,ぼくは高校生でオートバイ小僧だったけど,トライアル小僧ではなかったから,あんまり詳しいことは知らないんだよね。これから勉強するので,岐阜のKさんや静岡のKさん(!)、よろしく手ほどきお願いします。お手柔らかに。
 玄関先でごそごそやっていたら、おもしろがってのぞく人も現れた。おじさんたちは、手を出し始めるとたいへんなことになるのを知っているから、様子を見るだけで退散していく。地域に残って農作をやっているFくんは、農繁期が過ぎてしまうと、比較的時間があって、いつもは釣りなどをして過ごしているけど、このおもちゃを見つけると足しげく通うようになった。締め切りの最中にやってこられても相手ができないけど、かわりにTY125が相手をしてくれる。キャブレターのオーバーホールとか、燃料タンクのさびとりとか、Fくんがるんるんとやってくれている。Fくんは免許を持ってないけど,農業やっているだけあって,機械ものには勘が鋭い。どうせこのオートバイには保安部品もないし,山の中でトライアル遊びをするなら、免許がなくても問題ない。Fくんにとっても、このTYは貴重な入門車となるはずだ。動けば。
 きっと、レストアが好きな人なら,ピストンは文句なしに新品を調達するだろうし,シリンダーもホーニングにだすだろうなと思いながら,こいつは極力金をかけないで動かしてみようと思った。パーツクリーナーやCRC、さび落しやデブコン、それに耐水ペーパーは大量消費しそうだけど,それはしかたない。きのうはHくんがやってきて、シリンダーのベースパッキンをきれいにはがしていった。ベースパッキンはそのへんの紙切れを切って作ろうと思っているけど,こんなにきれいにはがされたら,そのまま使えるかと勘違いしてしまいそうだ。
 動くかな,火がはいった瞬間に,ぶっ壊れるかもしれないけど,さて、どうなるかな? ぽんこつがつくる地域コミューンも、ちょっと楽しそうなのであった。
 そうそう、こいつがきたその日、玄関先でクランクケースカバーをはずしたら、オイルをこぼして、玄関先がオイルまみれになった。その後も,玄関が作業場だから,たずねてくるときは、滑って転ばないように気をつけてくださいね。

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