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うなぎ
ひさーしぶりに、うなきを食べた。
以前は、スーパーでひと串300円くらいのを買ってきて、日本酒につけたり、焼いたりして、おいしいうな丼製造にいそしんでたんだけど、もう2年ほど、そういうのはやめちゃった。
まずは、うなぎが高くなったからだ。考えてみると、300円のうなぎは、ぼくにとって納豆や卵かけご飯の次くらいに手軽で安い食事だった。ご飯が炊いてあれば、うなぎあっためてのせるだけだから。
でも生まれてこの方、たぶん10年くらい前までは、うなぎってのはそんなに安い代物ではなかった。かつ丼なんかよりはイチランク上のお値段がしたもんで、鰻屋さんというのは、うなぎしか置いてないのに、なんとなーく敷居が高い風流な食事処だった。
したら、うなぎの絶滅が危惧され始めた。人間が食べ尽くしてしまって絶滅するのは、それも自然の摂理という考え方もあるかもしれないけど、それではあんまりノータリンだ。頭のいいお方は養殖なんかのシステムをより確立させるんだろうけど、消費者のぼくとしては、とりあえず、最近になって変化した食生活を元に戻すべきだと思ったのだった。ぼくが応援したいのは、うまくもないうな丼を1000円弱で食わせる牛丼屋さんより、昔っからうなぎをぱたぱたと焼いている、根っからの鰻屋さんだったから。
こういうお店のおなぎはやっぱり高いから、おいそれとは食べられない。でもそれでいいじゃないの。もともとうなぎはそのくらいの高級和食なんだ。
で、このうなぎは、お隣、小野町の若嶋屋さんの上うな重、お持ち帰り。
この日はぼくとお隣の大家さんのお誕生日。なんと、お誕生日いっしょなのだ。ふたりともうなぎが好きだから、若嶋屋さんのうな重でお誕生日パーティを、というのは決めてたんだけど、連れてくと、お勘定払われてしまいそうなんで、お持ち帰りで持ってくことにした。
そしたらあっちはあっちで帆立だの海老だの用意してて、豪華絢爛なお誕生日になってしまったけど、このへんの夕べはだいたいこんなもんだ。
上うな重はふた串で、ボリューム満点。ひと串の、並うな重なら2000円とリーズナブルなお値段でがんばっているので、これからは月にいっぺんくらい、ここで並うな重を食べることにするんだと、心に誓ったお誕生日でした。
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