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変身! ポルトガルおっさんライダー
海外旅行ってのは、行くほうからすればずいぶん長いこと滞在しているようでも、綿々と歴史を刻んでいる現地からすれば、しょせんほんの一瞬の滞在にすぎない。だからわずかばかりの滞在で見たものを語っていると、きっとうそついちゃったりするんだろう。でも語ってしまう。木を見て森を語らずとも、木を語ることはできるかもしれない。
で、ポルトガルでのお話。ポルトガルの街中では、小さなオートバイをよく見た。ホンダとかヤマハとかじゃなくて、モンテッサでもブルタコでもない。旧東ドイツを含む、東ヨーロッパで作られたオートバイたちが多い。ヤワとかツェンダップとか、そんな連中だ。
ところがその東ヨーロッパの小さなオートバイたち、みんな不思議なかっこうをしている。正確には、オートバイと運転手のトータルファッションが不思議だ。なんだか、てるてる坊主みたいなんである。最初は、ぶかぶかのカッパを着てるのかと思った。なんというか、運転手がカッパを着てるんじゃなくて、運転手とオートバイがまるごとポンチョをかぶっちゃっているのだ。
大きなボディアクションをするとあぶないんじゃないかなんてトライアル的心配はさておき、オートバイを走らせているという感じがしない。だらしがないオバQが疲れはててズルスル這いつくばっているように見える。
で、このおじさんに出会って、しかけの全貌が明らかになった。ニッポン人の不思議な視線を察したおじさんは、雨も降ってないのに、ポルトガル風ライディングウェアの着こなしを披露してくれた。最初っからである。これを見れば、あなたもポルトガル風ライダーになれる。
今度雨の日のトライアルには、これを着て走ってみようかな。
今回は写真は一目瞭然、ポルトガルのおじさんです。