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ど・ビギナートライアル

セクションイン

 そういえば、親ばかならこういう報告をしなきゃいけなかった。忘れていたよ。
 ニシマキふうみ(12歳)が、ど・ビギナートライアルの超ビギナークラスに参加して、優勝しました。


 ツインリンクもてぎのど・ビギナートライアルは、今年で5年目。世界選手権が開催されるという話を聞きつけたど・ビギナーの萩原信一さん(萩原真理子のお父さんと勘違いしている人がいたけど、まったく別人です。こっちの萩原さんは、真理子お父さんの萩原和夫さんと比べると、トライアルはへたです。でも、真理子お父さんにないものを持っている。それがなんなのかはないしょにしておこうっと。ちなみにトライアルには、もうひとりガスガスの輸入元、亜路欧の社長さんの萩原壮亮さんもいます。そーすけさんと読むのですが、日本人でそーすけさんと呼ぶ人はだれもいない。スペイン人はタレスでもそーすけ、と呼びます。以上余談)が、ビギナーのトライアルもやらせてくれともてぎにかけあったのがそもそもの始まり。でももてぎにはトライアルコースはないから、お貸しできません、というのりのお返事だった。一方、同じ時期に、世界選手権だけじゃ片手落ち、ビギナートライアルもやりましょう、とお話を持ちかけたのが、自然山通信でした。もてぎさん的には、あやしい自然山にまかせるわけにはいかず、でも、雑誌媒体である自然山通信のよびかけでイベントするなら、ということで、ど・ビギナートライアルと自然山通信共催のもてぎトライアルが続いているのです。
 走ったことある人はわかると思うけど、もてぎの山には、ほとんど岩がありません。世界選手権の大岩は、みんな外から持ってきたものです。だから岩をどかんと越えたい人には、もてぎの山はものたりない。そのかわり、岩がこわい人たちには、転んでも土ばかりで痛くない(というばかりでないのはもちろんだけど)ってんで、正真正銘、ビギナーに人気のトライアルエリアとなりました。
 ビギナーってのは、ほっとくとすぐにうまくなって卒業していくんで、うんと初級のトライアル大会を維持するのはむずかしい。たいていのトライアル大会は、参加者にあわせてどんどん難度があがっていく。で、初心者は入れなくなっちゃうんだよね。でもど・ビギナーは萩原さん自身に進歩がないもんだから(でもこのおじさん、けっしてへたではないのだ。たぶん、トライアル練習をしないだけだと思う)萩原さんのレベルにあわせて設定されたセクションは、安全でこわくなくて、でもむずかしい。ふだんのど・ビギナーだと、萩原さんが3点ででられるセクションがオープンクラスになって、萩原さんがクリーンできるのがビギナーセクションになる。今回だと、その下に超ビギナーセクションが設けられているけど、萩原さんはどうやってレベル合わせをしたのかな?

トライ中の芙海

 さてふうみは、これまでガスガス50ボーイに乗っていた。クラッチ操作が不要で、ホイールも小さいので、子どもの入門用にはなかなかよろしかった。ブレーキなんかも一人前で、ふうみが降りられないところをお父さんが代わってあげたら、すげーブレーキが利くんで前転したりしたこともありました。大人が乗るには、むずかしいマシンです。
「ぼちぼち卒業じゃないっすか」とまわりから言われてもいたのだけど、親の目から見てオートバイをステップアップさせたり、大きいのに乗せたりして、苦労して楽しくなくなっちゃったらつまらないんで、本人が大きいのに乗りたいと言い出すまで、ほっとくことにしていました。大きいオートバイ用意するのもたいへんなんでね。
 でも最近ふうみは、いっしょに乗りに行くと「ちょっと乗せろ」と大きいのに乗るようになってた。といっても、セクショントライをするなら、ボーイのほうが安心感があるってことだったけど。親の観察的には、乗って乗れないことはないけど、クラッチ操作もしなきゃいけないしマシンも大きいしで、乗り換えるタイミングはむずかしいなぁ、毎日乗れるならあっという間に慣れるだろうけど、なんせこの前乗ったのはお正月だもんなぁ(お正月以来、ふうみはシンクロナイズスイミングなんかをやっていて、トライアルはごぶさただった)。
 で今回、ざっとセクションを見たら、ターンがちょっときついけど、お約束通り段差はないし「どうする?」と聞いたら30分くらい考えて、125Fに乗ることになった。あとは、ぼくははじめての人のお世話をしていたので、どういうことになったのか、さっぱりわからず。途中、目の前を通りかかったので、5点ばっかりだったらなぐさめてやろうと思ったら、1ラップ3点だという。あらま、50ボーイの時は、コースをまちがえたり転んだりして、けっこういい点数をとっておった。へー。
 で、1日が終わって貼り出された結果を見たら、あれ? 優勝してるじゃないの。2ラップ目は、全部クリーンしたらしい。感想を聞いてみた。
「ボーイのときはエンジンかかりにくくてかけてもらったりしてたけど、125ではエンジンかけるときにはおさえててもらったけど、全部自分でかけられた。重たいってことはなかったけど、125のほうがむずかしいから、真剣に走った」
 ボーイに乗ってるふうみは、10回に2回くらい、油断して足ついたりラインまちがえたりしてた。あれは、ボーイが簡単だから、真剣じゃなかったってことか。
 オートバイに乗り始めたときには「今すぐスペインに輸出したら、この子もライア・サンツになれるかなぁ」と思ったりしたもんだったけど、スペインには輸出しなかったし、親父のポリシーにはコンペティティブのこの字もないし、本人は怖がりだし、いろんなことをやりたがるしで、ライア・サンツへの夢は早々に捨てて(そのほうが楽だし)、ふつうに遊べる平民ライダーに育てることに方針変更した。おかげで、その計画は順調に進んでいます。目的が低いから、血のにじむ訓練はしなくていいので、本人もオートバイは楽しくてしかたがない模様。
 今回みたいに「もうちょっと時機を見てから乗り換えるか」と、なんとなくずるずるしてしまうのでもったいないというのがあるかもしれないけど、でも藤波も50ccのフルサイズに乗り始めたのは11歳の時だから(125ccは12歳の時)、こんなものかもしれませぬ。
 でも、この日本当にうれしかったのは、子どもがいっぱいいたことだ。ぼくの見てきたトライアルをする子どもってのは、みんな世界の頂点を目指していて、目がぎらぎらしていた。そういう姿勢はすばらしいから応援していきたいと思いつつ、そんなのばっかりじゃ世界がいびつだと思うわけです。宮里藍の影には、空振りばっかりしているおとーさんが五万として、福原愛の影には、家族で温泉にいったときにしか卓球をしない子どもたちだっていっぱいいるはず。そういう底辺がいてこそ、頂点が際立つのだってのが、ぼくの信念なんだけど、ちょっとずつとはいえ、トライアルの世の中がそんな方向に流れてきたのは、ちょいとうれしいです。

お正月の真壁

 で最後にまた親ばか。これは年末に真壁で走ったときのなんちゃってウイリーです。遠心クラッチで低速のピックアップがない50ボーイでは、フロントをあげるのが、ちょっとたいへん。気にせずどかんとぶちあたれば相当な高さまであがるのはタレスの甥っ子とか滝口輝くんなんかを見てたので知ってるんだけど、カエルの子はカエルなので、ふうみはそんなおっかないことはやんない。親が上達に水を差している典型的な例ですが、こつこつと地道にやっておるわけです。
 これはなんちゃってですけど、きっかけにあわせてそれなりのアクションをしなきゃいけないし、あがったあとにそれなりの姿勢を作んなきゃいけないし、もちろん何枚か撮ったうちの一番かっこいいのを選んだんだけど、それなりのかたちにはなってると、親ばかは溜飲を下げるのであります。

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