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SSDT 4日目

リザルトの発表が遅れている。
SSDTの採点は、選手はカードを持っていなくて、各セクションのオブザーバーがノートにつけている。日本の大会でいうと、隠岐のOITTとかサンデーファミリーとかでやっているような方式(他にもあるかもしれないけど、ぼくは知らない)。
集計は、オブザーバーが帰ってきた時点で始められるけど、オブザーバーが帰ってこなければ集計ができないシステムだ。このシステムには一長一短はあるけど、さすがに100年続いた大会だけあって、よくできているところが多い。このへんの詳細については、99年にオブザーバーさせてもらったんだけど、そのときに日記を書いてるから、自然山のバックナンバーを見てね。


ということで、本日はリザルトの発表が遅れている。前の日記に、金曜日あたりにまた苦しい一山がと書いたけど、あれは勘違いでした。思い出してみてもコース図を見ても、金曜日は舗装路の多い、比較的楽な日(でも舗装路ばっかりじゃないから、ぼくが完走する自信はない)。木曜日が苦しくて、最後の土曜日がまた苦しいという設定になっている。
で、木曜日はとっても長い1日となったようです。
だもんで今のところ、リザルトだけが頼りのなさけないニュースキャスターとしてはお伝えすることがないんだけど、気になるニュースが一つ。
水曜日に野崎が転倒して、右腕を痛くしている。手首がまともに動かないということで、ドイツ大会が近いから、もしかしたら大事を取って、リタイヤする可能性もあるということだ。ドイツ大会を考えてということは、とりあえず少し休めばなおる程度なんじゃないかと思いたいけど、しかし、野崎あたりがこんな負傷をするくらいの転倒が、そこここでできるというのも、いかにもSSDTらしい。なんせ99年には、ジョン・ランプキンが手を骨折していたからね。あんな大ベテランでもそんなことが起きるのがSSDT。杉谷のリタイヤなんて、アンラッキーとはいえ、それもまたSSDTってことでしょう。
ところで、きのう書いたフランス人のナンバーワンはクリストフ・ブルオンってのはまちがいでしたね。ブルーノ・カモッジがいた。SSDTは若手の台頭を、カモッジやコリーやビルバオやサンダースらが押え込むという図式になっていくのかもしれない。そういえば、隠岐のITTでは、小谷徹はついぞ伊藤敦志に勝ったことがなかった。これなんか、SSDTの勝敗の図式と、少し近いものがあるかもしれません。
ということで、リザルト待ちでごんす。
++++++++++++++++++++++++++++++
ようやくリザルトが発表された。夜の10時。SSDTは明るい時間に終わってしまうから、いかに日が長いスコットランドといえ、リザルトがこの時間になったということ自体が、この日のコースを想像させますね。お天気が良かった99年を思い出してみれば、夜の10時なんていったら、ぼくはオブザーバーの仕事から帰ってきて、ホテルのバーで事務局長のフィンレイさん(今はちがう人になった)やその片腕の、えーと名前忘れた、チャップリンみたいなおじさんとビールを飲んでいた。ときどき杉谷が遊びにきたりもした。杉谷も、翌日のスタートが遅い日(一番遅い日は、11時をすぎる)だったりすると、夜の10時はまだ寝る時間じゃないのだった。
思い出話はともかく、リザルトも大激変。スコットランドの期待の星、ギャリー・マクドナルドが、この日の減点をたった5点に押さえてトップに立った。ヘミングウェイは17点も減点、パスケットにいたっては18分もタイムオーバーをして25点の減点。なかなか苦しい展開になっている。タイムオーバーがなかったら、独走1位だったのにね。
ポンスはがんばっている。マクドナルドの9点に対して15点なら、もしかしたら逆転のチャンスもあるだろう。でも、4日間を通じて二桁減点がひとつもないのは、マクドナルドとアモス・ビルバオのふたりだけだ。
マクドナルド、ポンス、ヘミングウェイ。世界選手権を見たことがあるぼくらでこそよく知った名前だけど、日本のみんなにはとんと耳遠い名前じゃないかと思う。こういう連中が、コリー、カモッジ、コナー、ビルバオ、パスケットなんていう世界のトップランカーを押さえているというのが、SSDTだ。簡単にいうと、並じゃないということです。
コナーは9分のタイムオーバー。こいつの場合、世界選手権でもタイムオーバーは日常茶飯事だから、まぁこんなものでしょう。
クリストフは、こんな日に減点11。凶悪なセクションはおっかながるけど、この人は実はトライアルがうまい人なんだね。世界選手権ではよく見えない、こういう部分もSSDTを見ていると見えてくる。なーんて。
マーチン・クロスウェイトは20位。TYS125Fは、順調に走っています。この日はちょっと減点を増やしたけど、安定しているといっていいんじゃないかな。
アンドリュー・コディナと同点で競っているのが同じくTYS125Fの成田匠。クロスウェイトとは10点差。クロスウェイトにもがんばってほしいけど、TYS125Fデビュー戦に勲章を授けるのは、成田匠にやってほしいなぁ。
ミショーさんは火曜日木曜日と、コースが長く厳しいという日に減点を増やしている。もう歳ということでしょうか。でもミショーさんとかタレスとか、実物を見るとえらいおっさんに見えるけど、みんなニシマキよりも若いし、杉谷よりも若い。と思えば、デイブ・ソープさんみたいに、息子ダンが10位を走っている同じSSDTで、完走目指してがんばっているおじさん(もうおじいさんの領域だな)もいる。これまた、SSDTは奥が深い。日本はいつ追いつくのだろうと心配になるけど、なぁに、SSDTがここまでくるのに100年かかったのだから、100年後にはなんとかなるだろう。と、これはビール飲みながら話をしていたときに、事務局長のフィンレイさんから言われたまんまです。「いやー、SSDTはよくできたイベントすねー」と言ったら「何年やってると思ってるんだ。よくできてあたりまえだろ」と言われたのでした。
野崎は4日目に一気に減点を増やして後退しています。63点というのは、野崎の本来の点数じゃない。ドイツ大会に向けてのコンディション調整も気になるし、さて、あしたはどうなるかな。いずれにしても、ルーキーオブザイヤーを狙うという夢は、ちょっと危なくなってきました。ルーキーは、カナダのベル(確認してないけど、クリスティーヌ・ウイリアムスとこいつはできてると読んでいる)とクリストフの戦いって感じかな。誰がルーキー(過去にSSDTに出ていない人)なのか、資料がないので、ちょっとはっきりしないけど。
ミカ・ベステリーネンは75分なんてタイムオーバーがついてる。こんなタイムオーバーがあって、リザルト上失格になっていないのはなんでかな?
さぁさぁ、レディースはたいへん。イリスがちょっと減点を増やしたんで、マリアとたった1点差。こりゃおもしろいなぁ。ライアが出ていたらどうなったかなぁ。しかしそれにしても、ふたりともこんな日にタイムオーバーが1分もないのが素晴らしい。あー、世界のレディースはどんどんホンモノになっていく。「勝負しようぜ」なんてとりあえずイリスに言ってみた杉谷だったけど、イリスはもうそんな会話を交わしたことも忘れていますね。杉谷はあの会話を一生の思い出にしてください。
木村治男さんは40分のタイムオーバーでこの日129点。順位的には218位です。木村さんのことだから、必死こいて40分オーバーじゃなくて、きつくて長いから、タイムオーバー覚悟でペース配分をして予定通りだったのかもしれません。
秋山さんは49分タイムオーバー。秋山さんのうしろ50点で、カナダのクリスティーヌ。でも彼女は55分のタイムオーバーだから、これが限界という感じかな。クリスティーヌと10点差で辻さん。あれ、この日はタイムオーバーがない。最近のSSDTでは申告5点ができるけど、リザルトを見るかぎり、3点も多いから申告5点ですっとばしてきたわけじゃなさそう。辻さんもようやくペースをつかんできた感じでしょうか。日本人参加者(過去をさかのぼっても)最年長。日本のトライアル創世期からトライアルをやっていた人で、トライアルジャーナル創刊時には世界選手権の取材もしていて、フランス語はぺらぺら。海外慣れという点では、杉谷よりもはるかに海外慣れしていて、トシ西山さんクラスだ(と思う)から、このくらいで走って当然の人なんだよね。でも、無理して完走しようとしたり順位をあげようとしたりしないところが、辻さんの辻さんらしいというか、ヨーロッパ的トライアルの楽しみのような気もしないでもない。
辻さんのすぐうしろにクリスティーヌの妹のケリー。56分オーバーでした。そのうしろに、さっき書いたデイブ・ソープおじさん。さすがにきつかったか90分のタイムオーバーで失格印がつきました。でもソープおじさんのことだから、ただきつかっただけじゃなくて、なにかトラブルでもあったんでしょうね。ミスター・ビーンがとしをとったらこんな顔になるかなぁ、それともETのモデルはこの人かなぁという感じの、とってもやさしいおじさんです。
リンダ・マイヤー、金城さんは失格印がついてますが、走り続けています。リンダは2日目がなかったら、悪くなかったんじゃないかな。金城さんは2分のタイムオーバーで248点。コースを走るのを楽しんでいるんじゃないかなというようなリザルトです。
クリストフのライバル、ベチュンに失格印がつきました。トラブルでもあったのかな。50点(セクション見逃し)ばっかり。そのうえ3分のタイムオーバーをくらっている。
と、本日はこんなところです。
史くんの腕の具合が心配だけど、金曜日は半島まわりの休息日と呼ばれている日なんで、ドイツの心配をしながら、できたらがんばってほしいなぁというところ。休息日といったって、そこはそれ、立派なSSDTの5日目なんだけどね。
本日はいっぱい書いた。もうたっぷり仕事した気になっているけど、これからがほんとの仕事だぁ。

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