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ゴミを拾った1日

清掃活動に参加した人たち

 4月15日の日曜日に、相模川のいつも遊んでいる河原の一斉清掃があった。一斉清掃については何度も書いているけど、環境応援団いっぽさんの呼びかけで、この流域で遊んでいるみんながジャンルを問わずに協力して、きれいな河川敷にしようというイベントだ。


 なぜこの流域だけ、ぼくらが自由にオートバイで走れるのか、話はそのへんから始まるんだけど、このへんも、何度か説明してきたような気がする。ここは民間区と行政区が複雑に絡み合っていて、民間も行政も、自分ちのこととして自由なことができない。その間隙を縫って、ぼくらはオートバイで遊んでいられるわけなのだ。
 当日は、レンタカーの軽トラックを持って河原にはせ参じた。今まで、座架依橋の下をきれいにしたりしてきたけど、河原の奥のほう、トライアルセクションにしたいあたりには、まだまだ大量のゴミが隠れていた。トライアルやっていると、あちこち散策に入るから、ゴミを発見することも多い。ところがトライアルマシンで清掃にやってくると、大きなゴミを持てないんで、なんとなく清掃活動も中途半端で終わってしまう。だから次に大掃除をやるときには、絶対自前で輸送手段を用意しようと決めていたのだ。ちなみに、レンタカーの費用は相模川クリーンアップトライアルのエントリーフィーを貯金していた中から捻出しています。参加者のみなさん、ありがとうございます。

清掃活動に参加した人たち2

 レンタカーを2台借りて、大人数であっちこっちを片づけようと思ったんだけど、あけてみたらトライアルライダーはぼくと下園さんと、その他もうお二人しかいなかった。人手不足だから、そのへんの子どもたちにもご協力願って(トラックの荷台に乗って河原を移動していくのは、子どもには楽しいイベントだったみたいだ)作業した。
 何ヶ所できるかなぁ、なんて思っていたのはとんでもございません。1ヶ所をきちんときれいにしようとすると、2時間やそこらはすぐに立ってしまう。目立つゴミを運び出すだけなら簡単だし、見る見るトラックの荷台がいっぱいになっていくので気持ちがいい。でも後に残った、なんとなく汚らしいものを片づけるのは根気と忍耐が必要だ。こういうのを残しておくと、またあっという間にゴミ捨て場になってしまう。ゴミを捨てるやつらは、きれいなところだとちょっと躊躇するもんなのだ。ニューヨークでは、落書きを消したら犯罪が減った。ロジックとしては、おんなじだと思うんだけど、こちらはもっと哲学的だ。ゴミの不法投棄をなくすには、ゴミを減らすのではなく、ゴミをなくせばいい。
 作業中は、こんなことを考えているヒマはなくて、地中から次々に出てくるゴミたちをいかにして効率よく、しかも安全に回収するかに集中すべし。捨てる方は限度ないから、割れたガラスとか、へたすると注射器とかも捨ててあるんだ。あぶないったらありゃしない。
 ぼくらが、地味に河川敷の奥のほうのゴミを片づけている間、四輪駆動車の愛好家たちは、河川敷に捨て去られた自動車の残骸を運び出していた。屋根はつぶれ、タイヤはない。おまけに斜面から滑り落とされて、宙ぶらりんになっているのもある。
 こういうのを引っ張り出すのは、パワフルな四駆の得意なところ。うれしそうにウインチを操作して、タイヤのない自動車は転地逆さにされて、屋根でずるずる滑らせて運ばれてきた。出てきたのは、かつて自動車だった3台。

清掃活動に参加した人たち3

 9時過ぎからはじめた清掃活動は、お昼過ぎには完了した。それから、おのおのの遊びに出かけていく人もいるし、そのまま帰る人もいる。遊ぶついでに、ちょっとだけお掃除をしてくれればいいのだ。四駆の人たちは、前の晩から宴会をしていたらしい。
 ところで、このエリアには四駆で遊んでいる人はたくさんいる。でも、今回掃除にきてくれた人たちは、かなり遠方から駆けつけてくれた人たちで、いつも遊んでいる仲間じゃないみたいだ。これは、ひとつには主催者側(ぼくたちだけど)の告知がへたくそだというのがある(告知は猿が島利用者連絡会でされていたんだけど、URLを知らないひとがこの案内にたどり着ける可能性は皆無に近い)。ぼくらも、始終河川敷にやってきているわけじゃないし、遊んでいる人も、いろんなグループがある。なかなか情報が徹底できない。
 一斉清掃に参加したかったのに、日程がわかんなかったという人は少なくないみたいだから、このへんはもっとがんばらないといけない。つまんないデマはあっという間に口コミや2ちゃんねるで広がるのに、大事なことは伝わらないから、ちょっと悲しい。
 もうひとつは、掃除をするグループとしないグループは、もしかするとはなから別人種なんじゃないかとも思う。今回は、いつもとちがってお掃除の日程が春になった。春は、シーズンが始まってみんなイベントに出かけるのに忙しいから、トライアル層の参加が少ないのもやむを得ない。こういう活動は、無理やりおしつけてもつまんないし、気持ちのある人が、手の空いたときにちょっとだけやるのが正しいと思う。でもそのちょっとだけが、チリも積もれば山となってほしいわけです。それと、当日たまたまそこにいるんだったら手伝ってほしい。なんせボランティアのお掃除なんだから、参加費とか参加する条件なんかなにもないわけだ(受け付けがあって、ボランティア保険の申し込みだけしている。念のために)。もしかしたら、もっと気軽に「ぼくにも手伝わせてちょうだい」といえる雰囲気を作る必要が、本部側にもあるのかもしれない。

清掃活動に参加した人たち4

 ともかく、春の一斉清掃は無事に終わった。河川敷の入り口には大量のゴミが一時保管された。このゴミは、後日行政が持っていってくれることになっている。
「ゴミを拾うから、拾ったゴミを持っていってください」と行政にお願いするのも、一筋縄ではない。どこの馬の骨だかわからない連中の申し出に、いちいち対応していたら、行政も忙しくてかなわない。この一斉清掃は、もう4年目になる。実績がものをいう。なにごとも、口ばっかりでは進まないということだ。
 こうやってゴミを拾っても、しばらくすると、またゴミが出ている。これはイタチごっこだ。少なくとも、1年や2年でゴミがなくなるような、簡単なものじゃない。
「せっかくきれいにしてもすぐに汚くなるから、やりがいがない」という人もいる。そうかもしれませんが、でもぼくらはこのエリアに対して、なにも提供していない。走らせてもらうだけだ。せめて年に1度か2度、ゴミを拾ったって損はないではないか。それに、ほうっておくとすぐに汚くなるといっても、自分の家は掃除するわけだ。河川敷も、自分の家だと思って掃除するわけにはいかないか。
 オートバイを買っただけではトライアルはできない。ガソリンも入れないといけないし、壊れたらなおさないといけない。それはみんな承知している。なのに、走るエリアについては、走りっぱなしで不思議を感じない人が少なからずいるのはどうしてだろう。走る場所の問題は、こういうライダー一人一人の心の中にあるんじゃないだろうか。ちょっとえらそうなことを言ってみたけど、言いたいのは、次に一斉清掃がある時には、トライアルライダーがズラリと揃ってお掃除して、他のジャンルの仲間に「どうだ!」と胸を張ってみたい。

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