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相模川のお掃除

1001相模川一斉清掃

毎年この時期、恒例となった相模川の河川敷の一斉清掃がありました。河川敷をきれいにして、気持ちよく利用しようという活動ですが、ぼくたちオートバイで遊びたい者にとっては、この活動は単なるボランティア以上のものがある。もう5年にもなる活動だから、話せば長くなるけど、時々話さないとこちらも忘れてしまうので、ちょっと解説しておきます。
とりあえず結論だけ先に言うと、今回はトライアルライダーらしい活動もできたように思うし、この周辺のゴミも劇的に減っているのが確認できた。なかなかよい週末になった。お巡りさんに事情聴取もされてみたしね。


このあたり、相模川の、通称猿が島一帯というんだが、この一斉清掃の活動をしているのは猿が島利用者連絡会という。入会資格とかそんなのはないが、ここで遊んでいる人、つまり河川敷を利用している人は自動的にみんな仲間になる。ぶらりと犬の散歩をする人もいるだろうし、モトクロスを楽しむ人、四駆遊びをする人、バーベキューをする人、ラジコン飛行機を飛ばす人、釣りをする人、バードウォッチングをする人、それから、ぼくたちみたいにトライアル遊びをする人。いろんな人たちが、河川敷を利用して遊んでいる。
昨今、河川敷の利用はだんだんむずかしくなっている。お国の方針としては、河川敷は国民の健康のための有効利用をすべし、なんて指針が出ているのだが、現実問題としてそんなに簡単に開放はしてもらえないのだった。ここの場合、河川敷を所有しているのがお国や県以外に、個人の地主さんがいて意見統一もむずかしいというのが、ぼくたちが自由に利用できている理由のひとつでもあった。
では、野放図に遊んでいればいいかというと、たとえば河川事務所がつくった水門の周辺の土手の法面を走り回って、すっかり地形を変化させてしまったについては、行政はいたく怒っていらっしゃる。お金をかけて作ったものを壊されたのだから、犯人を特定するのはむずかしいにしても、立派な器物破損だ。どんぶりで犯人を示すなら、オフロード遊びをする人たち、みんなということになる。当然、トライアルライダーも、共犯だ(トライアルタイヤハローインパクトだから、とかいって責任逃れをしてはいけないと思う)。もちろん、ゴミを捨てていったりするのもよろしくない。ごくまれに、トライアル部品やタイヤが捨ててあったりすることもないではないから、トライアルライダーがものを捨てていっている可能性はゼロではない。お昼を入れてきたレジ袋が風で飛んでいってゴミになるという、不可抗力的不法投棄だってあるだろう。ここを使うなら、そういうことはやめてちょうだいと行政の方はおっしゃる。当然のお望みだと思う。
一方、相模川の美化運動をしている方たちがいた。彼らはサーフィン趣味が発端となって、海岸美化運動をしていた。ところがいくらゴミを拾っても上流からどんどんゴミが流れてくるのを知る。それでゴミの上流をつきとめたら、それが猿が島だったということだ。
5年ほど前の猿が島は、それはそれはゴミだらけだった。昼も夜もゲートは開いているから、不法投棄の人も入ってこれてしまう。捨てられたゴミは、誰が処分するわけではないから、どんどんたまっていく。そこを利用する人たち、ぼくたちだけど、ゴミを捨てにきたわけではない健全な利用者も、積もりに積もったゴミをなんとかすることもなく「不法投棄するやつがいるからいかんよなぁ」と他人事に言うだけだった。

1001集まったゴミ

それが一体になったのが、美化運動を展開する環境応援団IPPOとの出会いだった。彼らの呼びかけによって、いろんな遊びをしている仲間が、いっしょに活動する基盤ができた。それまでは、釣りをしている人たちはオートバイはうるさくてホコリをたてる悪者扱いだったし、トライアルをする人はスピードを出して走るエンデューロマシンのライダーにあんまりいい印象を持ってなかったし、しょせん人の土地で遊んでいるくせに、みんな心が狭かった。それが河川敷のゴミ掃除をするようになって、少しずつ関係が変わってきた。みんなが、少しずつだけどいっしょになりつつある。それが今の段階だ。
一方行政としては、ゴミを拾う人はいい人とばかり言っていられない。ゴミを持って帰ってくれるなら歓迎だけど、ただ集めて積んでおくだけでは、新たな不法投棄の助長にもつながる。それに、行政というところは法律に沿ったことしかできない組織だから、ボランティアでゴミ拾いをお願いするというシステムを認めるわけにもいかないのだ。
ぼくらのゴミ拾いが、行政に認めてもらったのは、この3年くらいのことだ。集めたゴミは行政が処分してくれる。ゴミ拾いのボランティアを“してやっている”市民からすると、そんなの当然だろうと思うけど、IPPOの活動としても、これは大きな前進だった。
仲間同士の交流も少しずつだけど進んでいる。その一方で、行政との交流も、ほんの少しずつだけど、進んでいる。ゴミが少なくなっていくのもうれしいが、そういう関係が進んでいるのも、なによりうれしい。
今回の一斉清掃にあたって、トライアル仲間として、ぜひやりたいことがあった。利用者の中で、トライアルをやる者は行動範囲が広い。しかもかなりの奥地まで入っていく。ゴミを発見するチャンスも多い。ところがトライアルライダーは、輸送能力が極端に低い。自分たちのゴミを自分たちで処理していくには限界がある。一斉清掃の時に手伝いにきてくれたみんなに、うまいこと収集をお願いできたらいいのだけど、この2年間(2回)の経験からすると、一斉清掃が終わっても、ぼくたちの遊び場所のゴミは意外に減っていなかった。だから今回は、一斉清掃の前日に、奥地のゴミを運び出しておこう思ったのだった。

1001土曜日の有志
土曜日に活動してくれた仲間

土曜日に集まってくれたのは10人ほど。軽トラックを2台借りてきて、明らかに業者が捨てていったと思われるタイヤなどを大量に運び出した。実はこのタイヤは、クリーンアップトライアルの集合場所に使っていたところに捨てられたもので、直接ぼくたちの犯行ではないけれど、なんとなく後ろめたい思いもあったものだった。
ところがこの作業中、どなたか正義感あふれる人がいて「不法投棄をしているみたいな連中がいる」と通報してくれたみたいだった。作業中に、河川敷に入ってきたパトカーとすれちがった。こんちわー、なんてあいさつしてすれちがったものだったけど、30分後くらいにお巡りさんは、ようやくぼくらが通報の主人公だというのに気がついて、事情を聴かれた。
「不法投棄だってことだけど、それにしちゃパトカーと出会っても堂々としてるしねー」
とお巡りさんは不思議そうだった。お巡りさんと出会う前、土曜日に作業したみんなで記念写真を撮ったのだけど、お巡りさんもいっしょに記念写真におさまってもらえばよかった。この写真は表紙にしようなんて話していたけど、どうもインパクトに欠けるので、表紙にはしなかった。みんな、ごめんなさい。

1001成田匠さん
朝一でごあいさつする成田匠さん

とまぁ、やたらに長い前置きになったけど、そういうわけで、1月18日に一斉清掃が行われた。当日は、成田匠さんもやってきてくれた。ゲストじゃなくて、ほんとにゴミを拾いにきてくれたのだ。うれしい。まだまだ利用者の中にも(そしてトライアル仲間の中にも!)みんながゴミを拾っているのに、黙々と自分の遊びをやめない人も多い。それぞれ事情があるから(去年はちょうど一斉清掃とイベントが重なってしまった。とても具合が悪かった)、無理やりゴミ拾いをさせるわけにもいかないけど、なんとも残念。ゴミを拾ったからといって、ここを走っている免罪符になるわけではないけど、ゴミを拾うくらいの気持ちがなくて走りっぱなしというのは、後片づけをしていないのと、まぁ変わらないんじゃないかと思うわけだ。次は、ぜひいっしょにゴミを拾いましょう。
そうそう。ゴミを拾うのは、思ったよりもずっと楽しいと思う。なんでこんなものが捨ててあるのかね、というようなものも出てくるけど、そういうゴミがどういう経緯でここに置かれることになったのかなどと考察しながら拾っていけば、なかなか社会勉強にもなるのであった。
今回集まったゴミは、タイヤ(ちゃんと外すのがめんどくさいのか、すべてサイドの部分で切られている。まるで業者のしわざ)だの古着だの、風呂桶だのクルマだのなんだのかんだの。大きなものは、とりあえずあらかた片づけたから、これからはより細かいゴミを拾い集めていきたい。
ゴミってのは、ゴミのあるところに捨てられていくものだから、きれいにしているとゴミ捨て場にはならないのだね。
と、ゴミ捨て場のような仕事場で、これを書いてます。みなさん、ご協力、ありがとうございました。なおレンタカーの軽トラックを借りてきたお代などは、クリーンアップトライアルのエントリーフィーの貯金から捻出させていただきました。重ね重ね、ありがとうございます。
●IPPOさんの一斉清掃についての記事http://ippo2010.exblog.jp/13513868/#13513868_1
追記:ところでね、翌週、相模川クリーンアップトライアルのとき、集合場所にトライアルタイヤが投棄されているのを発見しました。清掃活動をしているとき「こんなに不法投棄して、とんでもないやつがいるんだよなー」という声をよく聞きます。しかし河川敷にはトレールモデルの部品が散乱していたり、四輪のショックアブソーバーが捨ててあったり、利用者が投棄していったと思われるものも少なくない。そしてとうとう、トライアル仲間にも、同族がいることがわかった。悪いけど、これからトライアルのみなさんはボランティアで清掃活動するのではなく、自ら(の仲間)が犯した罪を償うために清掃活動に従事してください。捨てたのはおれじゃない、と言い張る人は、ここで遊ぶ権利はないのではないかと、ぼくは考えます。残念ですけれど、そういうことです。

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