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相模川の看板

 実は、もう1ヶ月以上前のお話なんですが、相模川(猿が島)の河川敷に看板が立ちました。
 看板は、利用者連絡会という相模川に集うみんなが意見を持ちよってまとめたものです。最終的に看板を立てる作業は、モトクロスの子どもたちがせっせと地面を掘り、杭を立ててくれました。
 この看板を立てる費用は、自然山通信主催の相模川クリーンアップトライアルのエントリーフィーを貯金した中から捻出させていただきました。参加者のみなさん、あらためてありがとう。


 猿が島利用者連絡会は、相模川のこのあたりで遊んでいる人たち、すべての人たちが集まって構成されている(もちろんすべてのカテゴリーとはいっても、存在を知らない人もいるし、知ってても無視している人もいる。強制はできません。しょうがない)。
 看板になにが書いてあるのかは看板を見てほしいんだけど、地形的に相模川と関係ない人にも、相模川のことはちょっと知っておいてほしいから、ざっと書き並べてみます。
 まずこのエリアの特殊事情というのがあって、河川敷にたくさんの地主さんが存在します。民間の地主さんと県が管理しているエリアとが混在していて、ことは複雑になってます。びっくりなことに、中には川底の土地を所有している地主さんもいらっしゃる。川の流れが変わっちゃってるから、こういうこともあるわけですね。だから、地主さんから土地を買いあげようという動きが仮に(あくまでも仮に)あったとしても、買ってもらえる地主さんと買ってもらえない(川底は買えないなー)地主さんとがいて、足並みは揃わない。むずかしいわけです。

 地主さんの話とは別に、一級河川は国民の広い利用を促進するというのが、お国の見解だ。その広い利用というのが、このあたりのエリアのように利用者の自主性にまかせるのか、税金を使って公園を建設するのかは、それぞれの行政の採択にまかせれているんだろうけど、このエリアは地主さんの問題もあって、あっさり公園建設をすることもできないという背景がある。
 こんなあんばいなので、ここでオートバイを楽しむ人たちが排除されることは原則としてないのだが、一方、人としてやってはいけないことがある。他人を傷つけること、他人に迷惑をかけること、ゴミを捨てていくこと、地形を変化させること、河川敷を占有使用すること、などだ。占有使用や地形の変化は、河川法という法律があるから、法律違反に問われる可能性もある。もちろん、オートバイで全開走行をして人にぶつかったりしたら、これまた困ったでは済まされない。
 それでもまぁ、一応利用者は良識のある皆さんというのを前提に、しかし文面にしておかないと気がつかないこともあるだろうというのが、看板設置の発端だ。たとえば河川敷にある水門の周辺は、行政が予算を投入して整備したものだ。ところが整備された土手は、初心者が登ったり降りたりするのに最適な練習場に見えてしまう。走れば、土手は崩れる。これをまた予算を組んで補修しないといけないから、行政は損害賠償したいくらいだとおっしゃる。でも今となっては、土手はすっかり荒れてしまったので、ここが走ってはいけない場所だというのは、かなりの想像力のある人でないと気がつかない。だからせめて入り口の看板にそのことを明記しておくことにした。
 もうひとつは、ゴミの不法投棄はやめましょうという、当然のことだ。モータースポーツ愛好者は、不法投棄をする人と自分たちは別人種だと信じている。しかし現実には、ゴミ処理運動をおこなうと、自動車関連のものが大量に出てくる。古タイヤやバッテリーは業者による投棄かもしれないけど、レース用のショックアブソーバーやオイル缶、モトクロスタイヤやトライアルハンドルなんてのは、その筋の人が捨てたとしか思えない。ぼくらの仲間が捨てたものだ。
「捨てたのはおれじゃないよ」という言い逃れをするのも可能かもしれないけど、そんなのはよそさまにはわからないから、ゴミを捨てるような人たちはここで遊ぶのを遠慮せよということになったら、ぼくらはゴミを捨てる仲間にくくられるしかない。だから、ゴミを捨てないだけじゃだめで「オートバイが走ったあとは、なんだかそのへんがきれいになったような気がするなぁ」とみんなに思ってもらうことが大事なんじゃないかと思う。実際、釣りの愛好者で「おらぁオートバイはうるさくてきらいだけど、熱心にゴミを拾っている姿を見ると、仲間として認めなきゃいけないという気になってくる」とはっきり言ってくれる人もいる。
 本来、こういう看板は行政が立ててくれればいいと思ったんだけど、行政はいろんな立場があって、なかなかややこしいらしい。だから利用者連絡会が立てることにした。行政に頼まれたわけではないのだけど、行政がやらないからといって、やってはいけないのか、やらないでいいのかというのはまた別の話だ。このあたりは、ややこしい話も多いので、今日のところはここまで。

 さてこの看板の設置に、ぼくは参加することができなかった。看板立ては、主にモトクロスを楽しむ子どもたちがやってくれた。子どもたちが、にこにこしながら看板を立てる穴を掘る写真は、いろんな意味で考えさせられることが多い、いいシーンだと思う。山積みの問題はぜんぜん解決してないし、こういう活動が新たな問題を含むことも考えられるのだけど、いずれにしても、知らんぷりしていると、どんどん遊び場が減っていく。きちんと活動して、オートバイ遊びを裏社会の文化から、ちゃんとした表の社会に引っ張り出そうというのが、連絡会の(オートバイ関係者の)願いです。

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