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連休いろいろその1。DE耐

スタート前の泉田レーシング

 ゴールデンウィークの前半。たまたまなんだけど、土曜日にロードレース、日曜日にエンデューロ、月曜日にトライアルというこれぞまさにモータースポーツ三昧という週末を送った。ロードレースはツインリンクもてぎで開催されたDE耐。エンデューロは福島県川内村で開催されたギャロップF。トライアルは、もちろん全日本トライアル第3戦だ。


 ほんとは、全日本トライアル以外のふたつには、参加しちゃいたいなと思ったんだけど、その時期は自然山通信の締め切りから発送にかかるあたりで、忙しいうえにはずせない。それに、さすがに全日本トライアルの前日にレースに出て遊んでました、というのもパドックで世間体が悪いから(一応世間体を気にしたりすることもあります、これでも)、土曜日と日曜日は見るだけだ。
 DE耐は、小さなバイクで大きなお祭りってキャッチフレーズで、100cc以下の4ストロークのバイクを使った7時間耐久レース。今回は100ccをベースに125ccまでスケールアップしていいクラスができて、これにぼくが今住んでいる小鹿野町の仲間が出場するんで、応援に行ったというわけです。奥ゆかしい仲間たちだから、小鹿野レーシングじゃなくて、自分たちの集落である泉田レーシングを名乗っている。でも、町長からお祭りのハッピを借りてきて、チームメンバーは全員ハッピを着てパドックを徘徊した。ぼくもハッピを着せられた。

ライダー交替

 このレースがおもしろいのは、まず参加ライダーが10人まで登録できるってところだ。7時間走るんだから、ライダーが10人いたら、ひとりあたりの走行は40分1回。効率が悪いと思われるけど、みんなで楽しもうという趣旨のチームは、オートバイ1台に10人のライダーが群がる。
 もうひとつは、これは重要だ。ガソリン補給は、一度に3リットルしか入れられない。しかも一度ガソリン補給をしたら、10分間は再スタートできない。加えて、スタートのときにも3リットルきっかりしかガソリンを入れさせてもらえない。
 コースはツインリンクもてぎのロードコース。MOTO GPを開催するのとおんなじコース。スタートは50台ずつのル・マン式スタートで、スタート順はくじ引きだった。我がチームは101番目を引いたから、最後のグループのポールポジションだった。1コーナーの手前まではトップ(3番目のグループの)を走ったのが、今回のレースの華だった。

DE耐スタート

 ぼくは今のロードレースの、ピットがみんなプロモーションブースになってしまった雰囲気がどうも苦手だ。ぼくがサーキットに行きはじめたとき、パドックでは雑誌で拝見するビッグネームがパンツ一丁で後輩にレースの心得を語ったりしていた。そんな雰囲気が好きです。そしてぼくがトライアルを好きなのは、そういう雰囲気が残っているというのも理由だ(ロードレースみたいに潤沢な資金がないだけじゃないか、というつっこみはなしにしてね)。
 ふとまわりを見れば、けっこう知り合いがいた。ライダーにもピットクルーにも。最近の知り合いもいるし、30年来の知り合いもいる。“駆け出し”時代に阿部さんから怒られた以前の知人もいっぱいいた。みんな、オートバイとレースが好きなんだよね。
 阿部さんといえば、五味淵安彦さんのチームのマシンには、1980年代の阿部さんのステッカーが貼られていた。村井真さんが描いたかわいいイラストだ。たまたま出てきたので、弔い合戦だと思って貼ったんだそうだ。いい話だなぁと思って聞いていたけど、阿部さんだったら「五味淵よー、おまえんちのライダー、だいじょうぶか? おれを貼り付けたままころばねーだろーなー」とずっとぶつぶつ言ってるだろうなとあとで思った。レースが終わってから結果を聞きにいったら、ひとり転んじゃったんだそうだ。転ばず、速く走らず、亀さんみたいに周回数を稼ぐ予定だった五味さんも不満そうだったけど、阿部ちゃんも怒ってるだろうなと、ぼくは内心笑ってしまいました。
 ピットサインを介してのライダーとのやりとりとか、久しぶりにやらせてもらって、楽しかったしなつかしかった。
 このレースがすばらしいのは、マシンのベースがそのへんを走っているふつうのマシンということがひとつ。そういえば、ぼくがサーキット通いをはじめたときにはミニバイクレースが旬で、モンキーとかXE75とかミニトレとかが大きな顔をしてサーキットを走っていた。きっちりしたレーシングマシンは性能的には天下一品だけど、どうしても気軽さがなくなってしまう。天下一品の性能のマシンしか持っていないトライアルから見ると、とってもうらやましい。
 しかも、そのマシンが1台あれば、10人までライダーとして楽しめる。トライアルは、個人競技という性格が強いから、1台のマシンをみんなで乗るという発想はまずない。1台を禍根でみんなで記念撮影って、そういえばトライアルでは見かけないシーンだ。
 もうひとつは、冗長なピットストップだ。こいつのおかげで、うんと速いひととうんと遅いひとの差が目立たなくなる。速いばっかりでガソリンをまき散らしながら走るようだと、結局効率が悪くて勝てもしないわけだ。効率よく、燃費もよろしく、それでいて速く走ったチームが勝つ。
 こういうレースだと、どれくらいのペースでどんな配分で走ったらいいかを、きっちり計算しないといけない。だから走るばっかりのチームじゃまとまらなくて、たいていチームにはひとり博士くんみたいな計算係がいたりする。いろんな能力が力を合わせられるというところもうらやましい。
 エンジョイライセンスを持っていれば参加できるというお気軽さもいい。とはいえ、ヘルメットも革つなぎも公認品でなければいけなくて、ヘルメットをかぶるときにはヘルメットリムーバー(意識不明になったライダーから無理なくヘルメットを外すしかけ)も使わないといけない。車検も厳しい。小さくても、本物のロードレースだ。しっかりするところはしっかりして、気軽な部分は気軽にやる。よく遊べ、よく学べ、ってやつだ。トライアルは、学ぶところを学んで、遊ぶところを遊んでいるだろうか。ちょっと心配になりました。
 DE耐のまねをして、単純にトライアルで耐久レースをやったっておもしろくもないけれど、このレースのエッセンスをトライアルに生かして、みんなでわいわいできる試合はできないもんかなぁ。
 その晩、ぼくはもてぎから福島県川内村に向かった。もてぎから、そのまま新潟に向かうのが正しいんだけど、ぼくら近い将来、川内村にお世話になることになっているけど、そこで開催されている参加者数日本一というエンデューロを、まだ一度も見たことがなかった。で、寄り道をすることにしたのでした。
つづく

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